ラブライブ!サンシャイン!! 小原家の使用人!!   作:ぱすえ

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調子が出てきたのか、アイデアがポンっと出たので清書して投稿します!!


第1章じゃじゃ馬お嬢様とアラサー(間近)使用人
小原家の使用人、母娘と奮闘す!


 

 

 

四月、それは多くの人々が新しい門出を迎え、そして新しい第一歩を踏み出す季節。

また、その季節の変わり目に浮かれついた一部の人間が奇行に走ったり、犯罪を犯したりなど気を抜けない季節でもある。

 

まぁ、何が言いたいかと言うと……

 

小原家の使用人として働く俺、サトウも、周りの環境の変化に、一種の季節の変わり目を感じていた。

一番大きな変化はやはり、屋敷……つまり、ホテル・オハラの事であるが、ここにもいわゆる新入社員と呼ばれる人間が入社してきた事だろう。

 

そんな彼ら彼女らを屋敷の家事洗濯、などをこなしながら、見ていてふと思う。

 

彼ら彼女らは、今。社会で一番大変な経験をするのだろうなー。と、

なぜなら、学生時代とは打って変わり、何をするにも守ってくれる人など誰も居ない所で自分一人で戦わなくてはならないからだ。

 

なーんて偉そうなことを言ってはいるが、かく言う自分もそんな呑気な事は言ってはられないのだ。

 

何故なら……

 

 

「奥様…いくら娘の入学式に出席されるとはいえその格好は少々派手では……」

 

「何にを言っているの。サトー! イタリアの社交場ではこのドレスはアタリマエー!

No problem!!」

 

 

年中頭がお花畑+娘の事しか考えていないと言う「奥様」というモンスターを相手にしなければならないからだ……

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

事の発端は、昨日。

夜の食事の時に、お嬢様(鞠莉)が発した一言であった。

 

 

「ネーママ! 明日の入校式の事なんだけど…明日はママとパパは来なくて大丈夫だから!!」

 

 

元気よく、にぱぁーとした笑顔で自身の両親にそう発言するお嬢様。

その言葉に、たまたまその場で配膳をしていた俺以外の人間の空気がスッーと冷え切った。

旦那様の顔面はありえないほどに硬直し、まるで死刑宣告を受けた囚人のようになり、

奥様は煽っていたワイングラスが手から滑り落ち、パリィッンと乾いた音がたった。

 

 

…ぶっちゃけ俺はこの時、

娘の一言でなんでこんな同様すんだ。あんたら……

と、これほどまでに率直に思った事はない。

 

 

「お嬢様、旦那様と奥様が固まっておられます。できれば何故そのような事をお言いになったのか、説明した方がいいと思いますが……」

 

 

あまりにも、娘の言葉にショックを隠しきれない2人が何のアクションも起こさないので、俺はお嬢様に助け舟を出した。

 

 

「えぇぇだってー、もう私明日でハイスクゥーストゥーデント(高校生)だよ!入学式くらいもう、ママもパパの付き添いなくても自分一人でできるよ!!」

 

 

なるほど……お嬢様の気持ちも分からんでもない。というか、俺にとっちゃそれが普通の反応だと思う。

中3〜高校生の子どもの心境として親から巣立っていきたいという気持ちが生まれるのは世の必然だ。てか、そう言う気持ちがないと自立できない。ニートコース確定だ。

 

が、

 

それを許さないのが、この小原家……特に奥様。

 

おおー これはとんでもないバトルが繰り広げられそうだ……

 

そう直感した俺は、すぐ様配膳を済ませ、部屋を出て行こうとする。が、配膳をし終えたところで、誰かに腕をぎゅっと掴まれた。

その正体は、この小原家の大黒柱そして、自分の主人の旦那様であった。

 

俺の腕を掴む旦那様のその目には、

 

・1人にしないでくれッ!!

・逃がさんぞ、貴様も道連れだッッ!!

 

という意図がしっかりと込められていた。

……どちらかと言うと後者の方が強い印象を受けたのは気のせいだろうか?

 

こうして俺は、不本意ではあるが、ココで働き始めていた頃から度々目にする娘vs母親の闘いの行く末を見守らなくてはいけなくなった……

 

 

んんっ!!(唐突な咳払い)

結論から言おう、この宵の勝負。

 

お嬢様の勝ちであった。

 

この過程を話すと長くなるため、割愛させてもらうが、要は、お嬢様ももう15才、自分の事は自分で決められる年になったと言う結論に至ったのだ。

それでも、奥様は食い下がらなかったが、旦那様の

 

「明日には、めでたい事があるんだ。今夜はもうこのくらいにして寝よう。」

 

の一言でとりあえず終止符が打たれた。

 

だが、この間、短く見積もっても2時間。

いくら、俺が20代後半の男で体力があると言っても、その場にずっと直立不動はかなり応えた……

旦那様、いくら妻と愛娘の口論が怖いとはいえ、せめてその言葉をもうすこし早く言って欲しかったです。

 

 

え?

 

じゃあなんで、今、奥様が入学式に出るため、かなり気合を入れていらっしゃるのか?

 

あー、んなもん簡単な話ですよ皆さん。

お忘れですか?小原家は、ホテルだけでなく学校も経営してらっしゃるんです。

つまり、奥様は、親として参加が拒否されたのなら、お嬢様が通う浦の星女学院の「理事長代理」として参加してやるという……

なんともまぁー大人の権限をフルに使った様な事を計画していたんですねぇ…

あの子どもあってこの母親アリというもんですな。

 

ちなみに、本当の「理事長」である旦那様は、都合の良いこと(?)に今朝急に海外への出張が決まり、急いでイタリアまで飛ばなくてはならなくなってしまいました。

……昨晩の夜遅く、廊下で奥様が携帯電話片手に

「仕事!job!!なんでも良いから早く作りなさい!!what?ツベコベ言わずに、シャチョーフジンのorderよ!!」

と、叫んでいたのを見てしまったが、それが関係していないことを切に願いたい。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

さて、前置きが長くなってしまった。

 

とりあえず、今俺がやるべき事は、奥様の着ようとしている服の選定を済ませ、さっさと学校に送っちまう事なんだが、これまた、社長夫人というのは服にうるさい!そして、庶民の感覚からズレてやがる!

 

先程、社交場に着ていくドレスと言っていたが、流石にそれにはストップをかけた。

だってコレ……

 

「奥様、コレはかなりボディラインが強調されます。そんな事せずとも奥様はお綺麗ですので、普通にこちらのスーツの方を……」

 

「あらぁ!アナタもわからない人ネー。だからこそじゃない!美しく着飾る事は淑女の嗜みよ!!」

 

げぇぇ ……

やんわりとお世辞を込めながらスーツを勧めたのに逆にそれが導火線に火つけちまった。

なんでこの人は、こんなにもボディライン強調され、かつきわどい服装なんか選ぶのか……

クッソ……

このままでは奥様は兎も角、娘であるお嬢様が親の生き恥を見る羽目になっちまう。

なんとしてでも止めねぇと……

 

 

「…いやですから、奥様?日本のああいった式事では普通、和装かスーツと相場が決まっているんです。んなボディコン強調するようなもん着けてったら完全にその場の空気から浮きますよ!!」

 

「オー! 目立って良いじゃない!!」

 

「(ちげぇぇぇ!!俺が言いたい事はそういうことじゃぁねぇぇぇ!テメェの格好は常識の範疇から逸脱してんだよこのB◯Aァ!)……いえ奥様、言い方が悪うございました。はっきり申し上げます、その格好は式に相応しくは無いのです。」

 

「アラ?それは貴方の意見じゃなくって?」

 

「(ざっけんじゃねぇ!!女学院の生徒並びに関係者の総意に決まってんだろうが!!なんだよ…意図的にそんなドレス選ぶのって…もしや………オマエその歳にして誰か引っ掛けようとしてんのか?この年増パツキンが!!)

……いえ、奥様、コレが日本の祝い事の形式です。"郷に入れば郷に従え"です。」

 

「むぅー」

 

「(むくれんじゃねぇぇぇ!!あ゛?もしかして、その膨らませた頬フルスイングでぶん殴って良いか?)…むくれてもダメですよ。奥様時間が時間です。そろそろおふざけはそれぐらいにして、ちゃんとスーツを来てください」ニィコッ! 

 

「ワカリマシター コレに着替えれば良いんでしょ? まったく……コレだから日本人はカタイ思考しかできないんデース」ハァ…

 

溜息つきてぇのはコッチだぞゴアラァ!!という騒めく心の声を押し殺しながら、何とかスーツを着せる所までもってこれた……

ふぅ……まさか昔、従姉妹から教えてもらった必殺技(作り笑顔)まで使うことになろうとは思いもよらなかったぜ。

 

うっし!

後はさっさとこの、問題児を学校に送り届け……

 

 

「サトー!送迎は"ヘリコプター"で行くわよ!!」

 

 

oh……俺の戦いはまだ終わっていなかったようだ……

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

その後、俺は奥様に、ヘリコプターの運用とその活用の仕方並びにメリットデメリットを十分に説明し、

「ヘリは、公用車みたいにそうポンポン使えるシロモノじゃねぇんだよ!!それに学校にはヘリポートねぇ!!ちったぁ考えろこのボンクラァァ!!(意訳)」

という旨を丁寧に分かりやすく伝えた所。

またまたむくれ面になりながらも、奥様は公用車の方に乗ってくれた。

「奥様のスーツ姿とても良く似合っております。きっとお嬢様も喜んでくれますよ」と車内で励ますと、若干だが、そのむくれ顔が治まってきた気がする。

 

 

こうして、午前の最期の業務、奥様送迎という任務を果たした後、俺は、ホテル・オハラのこじんまりとした給湯室に立ち寄った。

そこで、少量の昼食をとる。

そして、仕上げにアルミで出来たコップに昨晩届いたコーヒー豆から抽出した新鮮なコーヒーを注ぎほっと一息着く。

 

何とかなったぜぇい……

 

お嬢様の本心としては、親が来て欲しく無いという気持ちがあるんだろうが、今回の場合は折曲折あったが理事長代理という事での出席だ。

俺はやれるところまではやった。後は、奥様が学校内でやらかさないことを願いながら、ココで時間を潰そう。

 

そう思っていた瞬間、

 

ジリリリリリリリリリィンッ!!

 

給湯室にある古びた黒電話が、けたましく鳴り響く。

 

掛けてきた者の正体は、大体わかっているものの、どうにも出るのが億劫に感じる。

でも、出ないと後々めんどくせぇーしな……

 

ガチャ…

 

 

「こちらはNTTド◯モです。お客様がお掛けになった電話番号は、現在使われており……」

 

「サトォォォォォ!ふざけるんじゃ無いわよ!あんた一体どういうつもり?何でママが学校に居るのよ!!」

 

「……やはりお嬢様……ええーとですね、アレは貴方の母君ではありません!浦の星女学院理事長代理です!」

 

「Shiiiiiiiiiiiiit!! ちょっと待って!!じゃあ?パパはッ?パパはどうしたの?理事長ならパパがくるはずよ!?」

 

「旦那様は、奥様の杜撰な裏工作により今朝イタリアに飛ばされました。ですから、奥様はその代理です。」

 

「oh my god ッッ!!普通そこまでする!?そんなに私って頼りない!?」

 

「いえ、そんな事はないと思いますが……まぁ奥様には奥様なりの考えがあるんだと……」

 

「ママのバカあぁぁぁ!!!……ッ!! ねぇ?サトォゥ??」

 

 

お嬢様の声色が急に可愛らしいあざとらしい

ものに変わる。

 

あ…….この声は良からぬことを考えている声だ。どうにかせねば……

 

 

 

「へい…何でしょうか大将?」

 

「理事長が不在なら、代理は誰でも良いわよね?」

 

「はい。しかし、その場合血縁者が優先されますよ。もう諦めてください。」ズズズ 

 

「なら、私が理事長代理になるわ!!」

 

 

ゴフッ!!

啜っていたコーヒーが弧を描き俺の口から吹き出される。

 

 

「ゲホッゲホッ……お嬢様?今何と言いました?」

 

「だから私が理事長代理をやーるーのー!!」

 

 

まるで、駄々っ子のように、普通じゃ考えられないワガママを言うお嬢様……

やっぱり、母娘揃ってボンクラなのは変わらないらしい。

 

「何バカなこと言ってんだ!? お前な、そりゃ論理が破綻してんぞ!!理事長ってのは、学校を経営する責任者!未成年のお前に務まるはずねぇだろうが!!」

 

「あー 素に戻ったー」

 

「あのなぁ………いいか?奥様は今回、理事長代理として学校居る。だったら尚更のこと下手な動きはできないはずだ。だから、一緒に奥様を信じて見ような! な! なッ!!」

 

「やだもーん! パパには私から連絡しておくから〜〜 あっそうだ!今日のお迎えは車?」

 

「あ゛!? テメー今の状況でよくそんなセリフを吐け…『パパにはサトウの給料の天引きも言っておいたほうがいいカシラー?』……度重なる無礼誠に申し訳ありません。今日のお迎えは、わたくしの私用車の方でお迎えにあがります。」

 

「oh!That's cool! 楽しみにしてるからネー!!」ブチッ

 

 

はぁ……

結局あの2人の暴走は止められずじまいか……

旦那様、申し訳ありません。俺の力ではどうすることもできませんでした。

 

そんな思いを俺は、遥か遠くのイタリアの地に居る我が主人に懺悔した……

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

その後、数時間が経ち時刻は午後13時を回った頃か、

 

俺は、丸目が可愛い我が愛車( HONDA super cub 110 ) でお嬢様を迎えに行った。

 

トコトコと愛嬌のあるエンジン音を響かせながら、内浦の海岸沿いを走っていると

心なしか、午前中の出来事もどうでもよくなるような爽快感に包まれる。

 

まぁ、そんな俺の心境の変化なんてどーでもいい。

 

突如として走行中にスーツの胸ポケットがブルブルと震える。その正体は、俺の外での唯一の連絡手段であるガラケー(小原家支給品)であった。

片手で胸ポケットからガラケーを取り出し、発信先を見ると、「奥様」の二文字……

 

はぁ……もう勘弁してくれよ。

 

 

ピッ

 

「もしもし?奥様。ご用件があるのであれば、簡潔にまとめお話しください。それ以外は受け付けませんよ。」

 

「サトォォォォォ!! ちょっと!"緊急会議"って一体ナンナンデスカー!!そんな事、ひとっつもきいてないわよ!!」

 

「奥様の自業自得じゃないですか。全く……そんな会議、私は存じ挙げませんよ。(すっとぼけ) それでは、私はお嬢様の迎えがあるので……」

 

「ちょっ…サ、サt 」ブチッ

 

 

ふぅ……

 

 

まぁ、何はともあれ奥様が会議に呼ばれたと言うことは、旦那様はお嬢様の要求を呑まなかったのだろう。

 

よかった…これで生徒が理事長をするというとんでも事態は避けられた。

 

少しホッとすると共に、我を通して理事長代理という役職を買って出た奥様にも若干不安はあるが……

だが、決定事項は決定事項。

今は、理事長代理である奥様が踏ん張るしかないわけだ。

 

 

 

 

 

 

今日行われる緊急会議……

またの名を、「浦の星女学院統廃合計画」と呼ばれる大事を……ね?

 

 

 

 

 




鞠莉の母親って…一部書籍だと日本人って何ってんだよなぁ
どっちだ!?(困惑)
なので、この小説では、あまり深い設定は決めてません。
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