地霊殿の日常    作:Mt.Fuji

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番外編その2です。二話に分かれてます。



番外編その2 黒い魔法使い 上

 

「三月樹ー。いるー?」

 

 

部屋の外から、さとり様の声が聞こえた。

俺は扉を開ける。

 

 

「どうしました?」

 

 

「またこいしがいなくなっちゃったのよ。悪いんだけど、探してもらえる?」

 

 

「はあ~、またですか」

 

 

こいしはいつもふらふら~と出かけてしまう。しかも自身の能力で誰にも気づかれないもんだから、困ったものである。

 

 

「お燐とお空には旧都を探させてるから、地上を探して」

 

 

「分かりました」

 

 

「・・・次からあの子には鎖をつけておこうかしら?」

 

 

うすうす感じてはいたがさとり様ってやっぱり---

 

 

「なかなかのドSですね」

 

 

「早く行きなさい」

 

 

「はい」

 

 

俺は地上へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

地上はまだ冬が完全に終わったわけではなく、雪がちらほらと残っていた。

俺はそんな景色を見渡して、新たな疑問にたどり着く。

 

 

「・・・どこ探せばいいんだよ」

 

 

そう考えていると、後ろからお燐が追いかけてきた。

 

 

「三月樹さん、こいし様は博霊神社に向かったそうです」

 

 

「博霊神社?」

 

 

「行けば分かります。地図は渡しときますから、それじゃ!」

 

 

お燐は話し終えると、さっさと帰ってしまった。なんか用事とかあるみたいだった。

 

 

とりあえず、俺は博霊神社へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

地図を頼りにフワフワと飛んでいると、目的地にたどり着いた。

 

 

・・・見た感じは普通の神社だな。

俺は博霊神社に下りたつ。

 

 

とりあえずここの人に話を聞こうとか思っていると、すぐ近くから声が聴こえた。

 

 

「ねえーお願いだから弾幕ごっこしようよー」

 

 

「いやよ」

 

 

声の聞こえた方へ近づいてみると、駄々をこねるこいしと、掃き掃除をしている巫女服を着た女性がいた。

彼女が博霊の巫女ということで間違いないだろう。

 

 

彼女らは此方の気配に気づいたのか、此方に目を向けた。

 

 

「あ、おにいちゃんやっほー」

 

 

こいしは笑顔で走ってきた。

 

 

「ん?あんた見たこと無い顔ね」

 

 

そういって博霊の巫女も歩いてくる。

 

 

「紹介するよ、私のおにいちゃん!」

 

 

「まあ正式な兄ではないのだが・・・最近地霊殿の居候になった、春夏秋冬三月樹だ」

 

 

そういって俺は自己紹介をすませる。

 

 

「私はここで巫女やってる博霊霊夢。なるほど、この前地霊殿行ったときいなかったのはそのためね」

 

 

「うちに来たことあるのか?」

 

 

「あんた知らないの?お宅の八咫烏がやらかしたせいで、あんなあっついところに行くはめになったのに!」

 

 

これを聞き、こいしは苦笑いしながら霊夢に謝罪の言葉を述べる。

 

 

「あはは・・・ちょっとお空がやらかしちゃったみたいで。ごめんなさい」

 

 

お空・・・。お前ちょっとやらかしすぎじゃないか?

 

 

「うちのお空が迷惑かけて・・・ほんと申し訳ない」

 

 

俺は頭を下げる。

 

 

「あんたから謝られても困るわ。そのときはまだ地霊殿にいなかったんだから、止めようがなかったじゃない?」

 

 

「まあ・・・そうだが」

 

 

「なら、この話はおしまい。確かに愚痴はいろいろあるけど、もう終わったことだしね」

 

 

結構怒っているのかと思えばそうでもなく、あっさりと許してくれた様だった。

掴み所のないやつだな・・・。

 

 

「じゃあもう一回私と弾幕ごっこしてくれる!?」

 

 

切り替え早いなおい。

こいしは目をきらきらさせて霊夢の返事を待っていた。この目で見つめられたら俺は断れないんだが・・・

 

 

「それはいや」

 

 

即答だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういうのは魔理沙にいいなさいよ。ったく、こんなときに限って魔理沙は・・・来たわ」

 

 

霊夢の視線の先に目を向けてみると、黒い帽子を被り箒にまたがった人間が此方に向かってきていた。

 

 

そいつはザザザザッと音を立てながら地面を滑り、俺達の前で静止する。

 

 

そして、ポーズを決めた。

 

 

「霧雨魔理沙、ただいま参上!!」

 

 

「「「・・・」」」

 

 

しばしの間、沈黙が訪れた。

 

 

「紹介するわ。彼女が霧雨魔理沙よ」

 

 

「おい霊夢!全スルーはひどいだろ!」

 

 

魔理沙は華麗?なツッコミをいれる。普段からこんなやり取りをしてそうだ。

 

 

「俺は春夏秋冬三月樹、地霊殿の魔法使いだ。よろしく」

 

 

「ああ、よろしく。・・・ていうかお前もスルーかよ、ひどいぜ」

 

 

む、バレたか。でももしスルーしないとして、なんて声掛ければいいんだよ。明確な答えを教えていただきたい。

 

 

「気を取り直して。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ。

でさ三月樹、お前魔法使いって言ったか?」

 

 

「ああ、そう言ったが?」

 

 

「ほほーう」

 

 

その時、魔理沙の目がキラッと光った。なんだかもの凄く嫌な予感がするのだが・・・

 

 

「魔法使い同士が出会ったのも何かの縁だ。三月樹、私と弾幕ごっこしないか?」

 

 

うわー、予感的中キター。

ま、まだ大丈夫だ。俺が弾幕ごっこすると決まった訳じゃない。きっぱりと断れば・・・

 

 

「いや、そんな気分じゃ」

 

 

「おにいちゃんと魔理沙の弾幕ごっこ見たーい!」

 

 

「私もあんたの実力、見てみたいわね」

 

 

なんでお前ら楽しみにしてるんだよ!

こんな危険な遊びをする必要なんて俺にはないはず、なんとしても断らねば。

 

 

「お、俺下手糞だから無---」

 

 

「おにいちゃん。弾幕ごっこ、してくれるよね?」

 

 

「・・・もちろんだ」

 

 

上目づかいで目を真っ直ぐ見つめられたら断れねえわ・・・。こういうテクニックを使うあたり、ほんとこいつは姉と違ってタチが悪い。

 

 

「じゃあ決まりだな。お互いのスペカの枚数は5枚ってことで。

霊夢ー、合図頼む」

 

 

そういって、魔理沙は箒にまたがった。

 

 

「それじゃあいくわよ。

弾幕ファイト!レディー・・・ゴーー!!」

 

 

「ちょっ、おまっ」

 

 

こうして、俺と魔理沙の弾幕ごっこが始まった。

 

 




書くのが遅れてしまいましたが、この小説の設定では今は地霊殿の異変が終わった直後です。
星蓮船の異変まではもうちょいかかります。
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