「三月樹ー。いるー?」
部屋の外から、さとり様の声が聞こえた。
俺は扉を開ける。
「どうしました?」
「またこいしがいなくなっちゃったのよ。悪いんだけど、探してもらえる?」
「はあ~、またですか」
こいしはいつもふらふら~と出かけてしまう。しかも自身の能力で誰にも気づかれないもんだから、困ったものである。
「お燐とお空には旧都を探させてるから、地上を探して」
「分かりました」
「・・・次からあの子には鎖をつけておこうかしら?」
うすうす感じてはいたがさとり様ってやっぱり---
「なかなかのドSですね」
「早く行きなさい」
「はい」
俺は地上へと向かった。
地上はまだ冬が完全に終わったわけではなく、雪がちらほらと残っていた。
俺はそんな景色を見渡して、新たな疑問にたどり着く。
「・・・どこ探せばいいんだよ」
そう考えていると、後ろからお燐が追いかけてきた。
「三月樹さん、こいし様は博霊神社に向かったそうです」
「博霊神社?」
「行けば分かります。地図は渡しときますから、それじゃ!」
お燐は話し終えると、さっさと帰ってしまった。なんか用事とかあるみたいだった。
とりあえず、俺は博霊神社へ向かった。
地図を頼りにフワフワと飛んでいると、目的地にたどり着いた。
・・・見た感じは普通の神社だな。
俺は博霊神社に下りたつ。
とりあえずここの人に話を聞こうとか思っていると、すぐ近くから声が聴こえた。
「ねえーお願いだから弾幕ごっこしようよー」
「いやよ」
声の聞こえた方へ近づいてみると、駄々をこねるこいしと、掃き掃除をしている巫女服を着た女性がいた。
彼女が博霊の巫女ということで間違いないだろう。
彼女らは此方の気配に気づいたのか、此方に目を向けた。
「あ、おにいちゃんやっほー」
こいしは笑顔で走ってきた。
「ん?あんた見たこと無い顔ね」
そういって博霊の巫女も歩いてくる。
「紹介するよ、私のおにいちゃん!」
「まあ正式な兄ではないのだが・・・最近地霊殿の居候になった、春夏秋冬三月樹だ」
そういって俺は自己紹介をすませる。
「私はここで巫女やってる博霊霊夢。なるほど、この前地霊殿行ったときいなかったのはそのためね」
「うちに来たことあるのか?」
「あんた知らないの?お宅の八咫烏がやらかしたせいで、あんなあっついところに行くはめになったのに!」
これを聞き、こいしは苦笑いしながら霊夢に謝罪の言葉を述べる。
「あはは・・・ちょっとお空がやらかしちゃったみたいで。ごめんなさい」
お空・・・。お前ちょっとやらかしすぎじゃないか?
「うちのお空が迷惑かけて・・・ほんと申し訳ない」
俺は頭を下げる。
「あんたから謝られても困るわ。そのときはまだ地霊殿にいなかったんだから、止めようがなかったじゃない?」
「まあ・・・そうだが」
「なら、この話はおしまい。確かに愚痴はいろいろあるけど、もう終わったことだしね」
結構怒っているのかと思えばそうでもなく、あっさりと許してくれた様だった。
掴み所のないやつだな・・・。
「じゃあもう一回私と弾幕ごっこしてくれる!?」
切り替え早いなおい。
こいしは目をきらきらさせて霊夢の返事を待っていた。この目で見つめられたら俺は断れないんだが・・・
「それはいや」
即答だった。
「そういうのは魔理沙にいいなさいよ。ったく、こんなときに限って魔理沙は・・・来たわ」
霊夢の視線の先に目を向けてみると、黒い帽子を被り箒にまたがった人間が此方に向かってきていた。
そいつはザザザザッと音を立てながら地面を滑り、俺達の前で静止する。
そして、ポーズを決めた。
「霧雨魔理沙、ただいま参上!!」
「「「・・・」」」
しばしの間、沈黙が訪れた。
「紹介するわ。彼女が霧雨魔理沙よ」
「おい霊夢!全スルーはひどいだろ!」
魔理沙は華麗?なツッコミをいれる。普段からこんなやり取りをしてそうだ。
「俺は春夏秋冬三月樹、地霊殿の魔法使いだ。よろしく」
「ああ、よろしく。・・・ていうかお前もスルーかよ、ひどいぜ」
む、バレたか。でももしスルーしないとして、なんて声掛ければいいんだよ。明確な答えを教えていただきたい。
「気を取り直して。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ。
でさ三月樹、お前魔法使いって言ったか?」
「ああ、そう言ったが?」
「ほほーう」
その時、魔理沙の目がキラッと光った。なんだかもの凄く嫌な予感がするのだが・・・
「魔法使い同士が出会ったのも何かの縁だ。三月樹、私と弾幕ごっこしないか?」
うわー、予感的中キター。
ま、まだ大丈夫だ。俺が弾幕ごっこすると決まった訳じゃない。きっぱりと断れば・・・
「いや、そんな気分じゃ」
「おにいちゃんと魔理沙の弾幕ごっこ見たーい!」
「私もあんたの実力、見てみたいわね」
なんでお前ら楽しみにしてるんだよ!
こんな危険な遊びをする必要なんて俺にはないはず、なんとしても断らねば。
「お、俺下手糞だから無---」
「おにいちゃん。弾幕ごっこ、してくれるよね?」
「・・・もちろんだ」
上目づかいで目を真っ直ぐ見つめられたら断れねえわ・・・。こういうテクニックを使うあたり、ほんとこいつは姉と違ってタチが悪い。
「じゃあ決まりだな。お互いのスペカの枚数は5枚ってことで。
霊夢ー、合図頼む」
そういって、魔理沙は箒にまたがった。
「それじゃあいくわよ。
弾幕ファイト!レディー・・・ゴーー!!」
「ちょっ、おまっ」
こうして、俺と魔理沙の弾幕ごっこが始まった。
書くのが遅れてしまいましたが、この小説の設定では今は地霊殿の異変が終わった直後です。
星蓮船の異変まではもうちょいかかります。