地霊殿の日常    作:Mt.Fuji

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これから投稿のペースが落ちますw
待たせてしまいますがすいません。


第十二話

 

 

すみれが部屋から出てきて一週間が経過した。

 

 

こいしとお空だけでもうるさかったのに、すみれが加わったことでさらに倍増した。

こいつらの暴走を止めるだけでも、俺とさとり様は一苦労である。

 

 

でも、そんな毎日も嫌いじゃなかった。その分、楽しさも倍増していたからである。

地霊殿で過ごす日々は本当に楽しくて、幸せだった。

 

 

そんなことを考えながら、リビングでこいしとすみれの弾幕ごっこを眺めていると、当然お燐から声をかけられた。

 

 

「あの・・・三月樹さん」

 

 

いつもと違い、お燐は体をもじもじさせながらそう言った。顔を背け、俺とは目を合わせない。

 

 

「なんだ?」

 

 

「あ、えと・・・その―――」

 

 

「三月樹ー!いるー?」

 

 

お燐は何か伝えようとしていたようだが、向こうにいるさとり様の声により邪魔されてしまう。

 

 

「あぁ・・・ごめん。さとり様が呼んでるから後でな」

 

 

お燐には悪いが、さとり様の命令は最優先事項だ。無視するわけにはいかない。

俺は一言謝った後、さとり様のところに向かった。

 

 

 

 

「なんでしょう?さとり様」

 

 

本棚を整理していたさとり様は、俺の声に気づくと顔を此方に向けた。

 

 

「今思い出したのだけど・・・多分、食料ほとんど無いわよね?」

 

 

・・・そういやそうだった。

確か昨日、腹が減りすぎて夕飯まで待てなかったこいしが食い散らかしたせいで、殆ど無くなったんだった。(今回ばかりはさとり様は怒りこいしにお仕置きしたらしい。どんなことをしたのか凄く気になるが、怖くてそれを聞く勇気はなかった)

 

 

「・・・すっかり忘れてました。すぐ買ってきます」

 

 

「お願いね。あと、あの子たちに部屋で弾幕ごっこはするなと伝えてくれる?

 

 

・・・あとでトラウマを呼び起こして反省させようかしら」

 

 

やっぱりこの人Sだー。まあ、本人は自分がSだということを認めたくないようなのでそれは心の中に仕舞っておくことにしよう。

 

 

俺は食料調達のため、地獄町に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

お燐side

 

 

すみれ様が部屋から出てきたことで地霊殿は一層賑やかさを増していた。しかしその分やかましさも倍増で、彼女らを押さえ込む三月樹さんとさとり様は本当に大変だと思う。

 

 

そんな毎日があたいは好きだった。すみれ様が増えたことでもっともっと楽しくなるだろうとそう思っていた。

 

 

でもそんなある日、あたいは小さな異変に気づく。

すみれ様の三月樹さんへのスキンシップが異常に激しいのだ。確かに抱きついたりするのはこいし様もしているのだが、すみれ様の場合何か企んでいるような・・・。

勿論そんな根拠はなくて、ただの女の勘なんだけど。

 

 

 

こんな話になったからついでに言ってしまうと、あたいも三月樹さんのことが好きだ。まあ、地霊殿にいる人は全員好きだと思うけどね。

正直に言えば三月樹さんを独り占めしたいってのが本音であり、そのためにあたいも少しぐらいはアプローチしてきたつもり。

 

 

でもすみれ様が積極的に三月樹さんに絡んでいる以上、もう傍観している訳にはいかなくなった。

そしてあたいは大胆にも彼に告白することを思いついた。そうすれば、彼はあたいと合うたびに此方を意識するようになる。彼女達よりも一歩有利に立てるはずだ。

 

 

 

さっそく、実行に移した。

 

 

 

 

あたいはリビングでぼーっと考え事をしている三月樹さんを見つけると、ゆっくり近づいて声をかける。

 

 

「あの・・・三月気さん」

 

 

声をかけてから気づいた。告白するのって凄く恥ずかしい・・・!どんどん顔が熱くなってきた。今三月樹さんと目は合わせられない・・・。

大丈夫だ。たったの一言だ。だから頑張れ!お燐!

 

 

「あ、えーと・・・その―――」

 

 

「三月樹ー!いる?」

 

 

あたいはすぐそこまで出かかった言葉を何とか押しとどめた。

もータイミング悪いよーさとり様。

 

 

「あぁ・・・ごめん。さとり様が呼んでるから後でな」

 

 

そういうと三月樹さんは行ってしまった。

なんか最近、三月樹さんと二人きりで話す機会がないような・・・。でも、約束を取り付けることは出来た。そのときにこそ・・・!

 

 

しかしその後、三月樹さんがあたいに会いにくることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここしばらく、あたいは三月樹さんと話せる機会を探していた。でも彼は暇さえあればさとり様の肩を揉んだり、こいしと弾幕ごっこをしたり、すみれと出かけたり、お空に料理を教えたりと(三月樹さんの料理の腕前はかなりのものである)あたいと二人きりで話す機会なんか無かった。

 

 

三月樹さんと接する彼女らは笑顔で溢れていた。ただあたいは未だにその「彼女ら」の中に入ることが出来なかった。

そんな思いを募らせたまま過ごしていたある日のことだった。

 

 

 

 

あたいはいつものように一足先に夕飯の席についた。

地霊殿の夕飯は6人全員で仲良く食べるのがルールだ。だから、あたいは皆が座るのを待つ。そして、さとり様の合図とともに皆でいただきますと言って食べ始める。

 

 

いつもとまったく変わらない夕飯、何も問題はなかった。

でも・・・あることに気づいてしまった。

 

 

 

 

―――あたい、誰とも喋ってない。

 

 

 

 

他の五人は楽しそうにトークに華を咲かせていた。ただ、あたいは誰とも喋らず黙々とご飯を食べていたのだ。例えあたいがいなかったとしても、彼女らはまったく変わらないように思えた。

今覚えば三月樹さんがあたいとの約束を忘れていたのも、あたいの存在がどうでもよいからなのか。

それなら、自分が誰にも声をかけられない理由も納得がいく。

 

 

「あはは・・・」

 

 

思わず笑ってしまった、自分がばかばかしくて。なぜもっと早くに気づかなかったんだろう。

 

 

この地霊殿にあたいは必要なかったということに。

 

 

「・・・」

 

 

あたいは何も言わず席を立ち、自分の部屋に駆け込んだ。

 

 

そして、枕に顔を押さえつけて泣き叫んだ。

 

 




三月樹は料理が出来るんです!僕と違って!w

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