すみません。
さとりside
私はいつもと同じように地霊殿を散歩していた。外部との接触を避けるため外に出ることができないので、地霊殿を散歩するか本を読むことぐらいしかすることがないからである。
そこで、私は気を失って倒れている人間を見つけた。見ただけなので人間とは限らなかったが、傷だらけで倒れていることから地上で妖怪に襲われてここまで逃げてきたと予想し、人間だと判断した。極力外部との接触はさけたいが、傷だらけの彼をそのまま放置するのもかわいそうに思い、地霊殿まで連れて帰り治療することにした。
しばらくして、彼が眠っている部屋を見に来てみるとすでに目を覚ましていた。私はドアを開けて部屋に入った。
けれど、私は彼を人目見ただけで固まってしまった。
なぜなら、彼の心がまったく読めなかったからである。
(どういうこと・・・?私は第三の眼で見たものの心を読むことができるはず・・・)
私はしばらくそのことについて長考していたが、ふと部屋には彼がいることを思い出しあわてて声をかけた。
それから、彼にここが幻想郷であることを説明した。あと、彼が春夏秋冬三月樹という名前だということがわかった。
そして、私は彼がなぜこの地霊殿に倒れていたのか聞くことにした。
「話をすすめるわ。どうしてあなたはあそこに倒れていたのかしら?」
「・・・倒れてた?」
まるで自分が倒れていなかったような言い方だった。
「あら、覚えてないの?あなたはこの地霊殿の前で倒れていたのよ。しかも傷だらけで」
すろと、彼は真剣に何かを考え始めた。だが、さきほど同様何を考えているかを読みとることはできなかった。
そして私は核心に迫ることにした。
「もうひとつ質問するわ。
あなた何者?」
これを聞いて彼は衝撃を受けていた。しばらく経った後、彼は答えた。
「わからない・・・自分の名前以外は覚えてないんだ・・・」
彼は記憶喪失になっていた。もしかしたら、彼の心が読めないのもこの記憶喪失が関係しているかもしれない。例えば、過去にとても深い悲しみを負う出来事があり、それが原因で心を閉ざしてしまい記憶喪失になってしまったとか。そんなことはありえないとは思うが、幻想郷には常識は通用しないことを私は知っている。
記憶喪失とは関係ないのかもしれないが、こいし同様彼が心を閉ざしていることは事実である。
私はこいしと同じように心を閉ざしてしまった彼を、放っておくことはできないと思った。こいしだけでなく、彼の固く閉ざされしまった心の壁も絶対に開かせてみせるとそう決意した。
「記憶喪失・・・かしら?まあそんなことだろうとは思っていたけど。ってことは当然住む家とかはないわけよね?」
「ああ、そうなるな」
「なら、私の家族になりなさい」
私は彼を自分の家族として、この地霊殿へ招き入れた。
さとりsideでした。ほんと、視点を変えるのって難しいですね