地霊殿の日常    作:Mt.Fuji

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本編とは関係ない番外編です。まあ、ほのぼのとした感じですね。
こういうのもちょこちょこはさんでいきます。


番外編その1 弾幕ごっこ

 

 

「おにいちゃーん、遊ぼー」

 

 

ふと、俺はこいしに声を掛けられた。だが、今はキッチンで食器洗いの仕事中なので手が離せない。

 

 

「すまないが今はちょっと・・・」

 

 

「かまわないわ、こいし」

 

 

突然さとり様がキッチンに入ってきた。そして俺の洗っている食器を奪いとった。

 

 

「食器洗いは私がしておくから、あなたはあの子と遊んできなさい。一ヶ月も一緒に暮らしているのだから、そろそろあの子にも慣れないとだめよ」

 

 

そう、俺は初対面の時からこいしのことが少し苦手なのだ。

あのとき俺に見せたこいしの表情が、トラウマになってしまったからかもしれない。さとり様と話していると、時折その表情で睨み付けてくるので、怖くて仕方ないのも理由の一つだ。

さとり様の命令なので逆らうこともできず、俺はこいしと遊ぶことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「弾幕ごっこしよ、おにいちゃん」

 

 

こいしはにこにこしながら言った。

ほんと、見ているかぎりは可愛いんだけどな・・・。

 

 

「弾幕ごっこって何だ?」

 

 

「その名の通り、弾幕で遊ぶゲームだよ。始めにお互いが使用できるスペルカードの枚数を決めて、弾幕に当たった方の負け!」

 

 

ふーん、なかなかシンプルじゃないか。

でもよく弾幕で遊ぶって発想が浮かんだな。もうちょっと平和な遊びないのかよ。

 

 

「よし、ルールは分かった。だが断わ・・・やろう、弾幕ごっこ」

 

 

こいしが目をキラキラさせながら俺の返答を待っていたため、断ることができなかった。

自分の可愛さを武器に使うなんて卑怯だ!

 

 

「おにいちゃんスペカ何枚使える?」

 

 

「二枚かな、今使える枚数は」

 

 

「じゃあお互い使える枚数は二枚!それじゃあ行くよ! 」

 

 

こうして、俺とこいしの弾幕ごっこが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしは弾幕を大量に展開した。俺は床から離れ、空中でそれを回避する。

ちなみに、この前ちょっと練習しただけで空中には浮くことができた。さすが、魔法使いだったことはある。記憶はなくても体がしっかりと覚えていた。

 

 

そして此方も弾幕を展開する。まあこいしの様に大量に展開するのは無理だが、俺の場合は量より質だ。

 

 

「そんな弾幕じゃあ、私には当てられないよ!」

 

 

こいしは余裕の表情で俺を弾幕をかわす。

 

 

「お前の弾幕だって、俺に当たってないぜ」

 

 

俺も余裕の表情を見せる。しかし実際はギリギリなので、冷や汗だらだらである。

 

 

「なら、これはどう?」

 

 

こいしはスペカを取り出した。そこに刻まれた文字を唱える。

 

 

「本能 イドの解放!」

 

 

ハート型の弾幕が周囲に大量に撒き散らされた。

俺は何とか回避するがさっきのよりも弾幕が大きいため、同程かわしきれるものではない。

 

 

仕方なく、俺もスペカを使用した。

 

 

「魔砲 アクセルシューター!」

 

 

魔方陣から、当たるまで相手を追尾する直径一メートルぐらいの、四つの弾幕を放つ俺のスペカだ。初めて俺が使用した記念すべきスペカでもある。

 

 

俺の弾幕はこいしの弾幕を打ち消しながら、彼女に向かって一直線に飛んでいく。

 

 

だが、彼女はギリギリの所でかわすことで弾幕同士を衝突させ、起爆させた。

 

 

ドオオオン!!

 

 

爆発の衝撃で床が激しく揺れる。

それにしても、たった一枚のスペカなのにかなりの破壊力である。そんなものを使える自分が、いまだに信じられなかった。

 

 

「やるね、おにいちゃん!見直したよ・・・って、あれ?」

 

 

こいしは俺のいた場所に目を凝らすが、当然俺の姿はない。

なぜなら、弾幕に気をとられている隙にこいしの後ろに回り込んでいたからだ。

 

 

俺は後ろからこいしの右腕を掴み、そのまま床に押さえ付けた。

 

 

「チェックメイトだ。こいし」

 

 

「甘いよ・・・おにいちゃん」

 

 

この状況でよくもまあ戯れ言を・・・

そんなことを思っていると、ふと、こいしの側に紙切れが落ちているのが見えた。

まさかこれ、スペルカードじゃ・・・!

 

 

「ブランブリーローズガーデン!!」

 

 

こいしから大量のバラの形をした弾幕がばら撒かれ、周囲を赤く埋め尽くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

こいしは立ち上がり、服についた埃をパンパンと払った。

 

 

「ちょっと本気出しすぎちゃったかも。大丈夫かな?おにいちゃん」

 

 

「他人を心配している余裕があるのか?」

 

 

「!?」

 

 

こいしは空中で浮かぶ俺の姿を捉えた。

 

 

「まさか、今のをかわしたの・・・?」

 

 

「あと1秒おそかったら、あれの餌食になってたよ」

 

 

そして、俺は二枚目のスペカを使った。

 

 

「魔砲 エターナルディザスター!」

 

 

自分が魔法使いだと分かってから、少し勉強して作り出した二枚目のスペルカードだ。

内容は至ってシンプルで、魔力を収束させレーザー砲を放つ。

 

 

そのレーザー砲は、こいしを包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「もーう!私のスペカをかわすなんてズルい~!」

 

 

被弾したこいしが駄々をこねる。やっぱり可愛い。

 

 

「かわしただけなんだからズルいも糞もねえだろ」

 

 

「今のは納得いかない!もう一回!」

 

 

「もう一回はさすがに無・・・」

 

 

その時、俺は凄まじい殺気を放っている人物が後ろにいることに気づいた。

俺はゆっくりと振り返る。

 

 

「さ、さとり様・・・?」

 

 

「二人とも、周りをよく見てみなさい」

 

 

「「・・・あ」」

 

 

周りをよく見てみるとそこらじゅうが穴だらけで、なおかつ床にはクレーターが一つできでいた。

 

 

さとり様は大きく息を吸い込んで、叫んだ。

 

 

「室内で弾幕ごっこするバカがどこにいるのよー!!」

 

 

 

 

こうして、俺は壊した所を全て修理することになった。ちなみにこいしは無罪釈放。酷すぎる。

 

 

みんな、弾幕ごっこは室内でしてはいけないよ!

 

 

 

 

 





こいし「ごめんなさいおねえちゃん・・・でもわざとじゃないの。だから許して」
さとり「まったく・・・次からは気をつけるのよ」

うるうると目に涙を溜めて謝る妹には、怒ることができなかったおねえちゃんなのでした。
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