地霊殿の日常    作:Mt.Fuji

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第八話です。すいません、ポケモンしてたので投稿するのが遅れてしまいました。



第八話

 

ドオオオオン!!!

 

 

朝、俺は凄まじい爆発音と共に目を覚ます。頭をボリボリと掻きながら、俺はキッチンへ向かった。

予想通り、そこにはお空が・・・って、え?

 

 

寝ぼけていたので始めは分からなかったが、よく見るとキッチンが燃えていた。

 

 

「やばいやばいやばい!!」

 

 

俺は急いで水をくみ出し、消火作業へ入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

火は何とか消し止められたが、キッチンは全焼していた。

 

 

この事件の犯人が笑顔で言うには、

 

 

「ガスの火だけだと火力が足りなくてほんの少しだけ・・・って思ったけど、どうやらやりすぎちゃったみたい。てへぺろ☆」

 

 

とのことらしい。なお犯人にはおしりペンペン500回の刑が処せられた。

 

 

「朝からお空の後始末をさせてごめんなさい・・・この子ほんと言うこと聞かなくて」

 

 

さとり様は俺に頭を下げる。

 

 

「いえ、いいんですよ。こっちは居候の身ですし、これぐらいはしなければ」

 

 

当の本人は尻を真っ赤にして倒れているから、俺の気分も少しは晴れたしね。

 

 

「あ、えっと・・・」

 

 

さとり様は言いずらいことがあるような、そんな表情をしていた。

 

 

「遠慮なく言ってください、さとり様」

 

 

さとり様はしばらく悩んでいたが、ようやく口を開けた。

 

 

「昼食後、私の部屋に来てくれる?」

 

 

「なぜですか?」

 

 

「・・・あなたの記憶を取り戻すためよ」

 

 

俺は先ほどまでとは違い、真剣な趣で尋ねる。

 

 

「俺の記憶を取り戻すって、どういうことですか」

 

 

「・・・この地霊殿には記憶を操ることができる人物がいるの。でも、その子からは誰にも部屋に入れないよう言われているわ。

だから、これはあくまでも記憶を取り戻しあなたの心を開かせるため。前者の理由だけではあの子と会うことはできないことを、理解してくれる?」

 

 

俺は深く頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の現在地は地霊殿のとある廊下。

そこらじゅうにくもの巣が張り巡らされ、長年誰も使っていないようだった。

そして、この長い廊下の先に扉がある。俺はそこに向かってゆっくりと歩きながら、昼食後さとり様と交わした会話を思い出す・・・

 

 

 

 

「あの子にはね、記憶を操る程度の能力があるの。」

 

 

「記憶を操るってどういうことですか?」

 

 

俺はさとり様に尋ねる。

 

 

「見るだけで相手の心だけでなく記憶まで読み取り、そしてその記憶を自身の意のままに、消去したり創りかえたりすることができるってこと。

だから、失ったあなたの記憶も蘇らせることもできるはず」

 

 

まさか、そんな人物が地霊殿にいるなんて思いもしなかった。

 

 

「じゃあ・・・どうして部屋に閉じこもっているんですか?」

 

 

さとり様は悲しい表情で俯きながら言った。

 

 

「心が読めるだけでなく記憶まで読めるのよ・・・

嫌われたからに決まっているじゃない」

 

 

「あ・・・」

 

 

俺は後悔した。こんな質問をしてしまったことに。さとり様がそうであったように、彼女も同じだったのだ。

こんなことすぐに分かったのに、さとり様の口から答えを言わせてしまった自分が情けなかった。

 

 

「彼女もこいしと同じように自らの能力を封印しようとしたわ。けれど、自らの能力が強大すぎて抑えこむことができなかった。

だから、彼女は部屋に閉じこもり誰とも会わなくなった。私は誰も信用できない、そんな私を助けてくれる人もいない、私は独りこの部屋で死を待つだけだって言ってね・・・」

 

 

「それじゃあもしかしてその子は・・・!」

 

 

「ええ、死んでいるのかもね」

 

 

そんな・・・。誰も信用できず、助けてももらえず、たった一人部屋の中で死を迎えるだけだなんて。そんな悲しい死に方なんてあるかよ・・・

自然と拳に力が入っていた。

 

 

「はい、これ」

 

 

さとり様は俺に鍵を差し出した。

 

 

「これであの子の部屋に入ることができるわ」

 

 

「・・・ありがとうございます」

 

 

俺はその鍵を受け取った。

 

 

「生きていれば・・・もし生きていればよ。わた」

 

 

「生きていますよ、絶対。」

 

 

俺はさとり様の言葉を遮って言った。

 

 

「・・・私からのお願いよ。あの子の心を開けて、部屋から連れて帰ってきて」

 

 

「必ず、あの子の心を開けて見せます」

 

 

 

 

回想終わり。俺はもう一度さとり様の言葉を胸に刻み込む。

そして、扉の前に立った。鍵をあけ、扉に手をかけた。

 

 

もちろん、この扉の向こうにいる彼女が生きている保障はない。ただ、俺は信じるしかなかった。

彼女がまだ生きることを諦めていないことを。いつか助けにくる誰かを信じて待っていることを。

 

 

俺は意を決して扉を開けた。

 

 

そこは薄暗く、見ただけで人が住んでいないことが分かるぐらい酷い部屋だった。

 

 

ただそんな部屋の中、一人三角座りでうずくまっている少女がいた。

 

 

紫色の髪で黒い第三の眼、間違いない。

古明地さとりのもう一人の妹、古明地すみれだった。

 

 

 




オリキャラ二人目の登場です。

ちなみに、お空はまだまだ懲りません。
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