中野家の実子   作:TL警備員

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基本オリ主視点です


中野5姉妹

 

 

オリ主紹介

 

 

・中野零治(なかのれいじ)

 

誕生日 4月2日 17歳 牡羊座

 

中野丸男の実の息子。伸び切った金髪をヘアバンドでまとめている。基本学校では気崩し、違反カーディガン、タバコとろくなことをしていない。

物心ついた時から母親はおらず、父と使用人の江端さんと暮らしていた。元々父とは反りが合わず嫌っていた。(江端さんのことは好き。)正しさしか求めず、結果を優先し、過程を見ようともしない、そんな父親が嫌いだった。

5年前、再婚の話が上がったことにより本格的に反抗を開始。髪を金に染めピアスを開けた。その時期に修学旅行先で上杉風太郎ととある少女と出会う。

上杉風太郎のことは最初は嫌いだったが、何故か一緒にいる時間が多くなったため今では兄弟同然のような存在である。京都で出会った少女はというと風太郎と別れた後に母親との合流場所まで送り、そこで中野零奈と出会った。その美しさ、正しさ、人間性に惚れて恋してしまう。

だが、修学旅行から帰った矢先、新しい母親として現れたのは自分が恋した女性だった。どうしても反発的な態度をとってしまう零治に対しても我が子同然のように接してくれて零治としては複雑だったが嬉しさがやはり強かった。

その後、ある約束をした後に、その人は急死してしまう。その際に父親とは対立し、家を飛び出した。そのため5つ子とはほとど関わりはない。

宛もなく彷徨っている所で上杉風太郎と再開し、しばらくは、上杉家で厄介になった。高校生になってからはバイトを死ぬほど頑張り、貯金をしている。だが、高校生が家等借りれるはずもなく、バイト先の女の人の家を転々としている。かなりの遊び人だ。運動神経はいいけどスポーツは何をやっても空回りしてしまう残念なタイプ。頭は設定上、上杉風太郎と同等。

 

 

 

 

―――――――――

 

 

「5限は、数学か…サボろ。ってフーちゃん太郎?」

 

「……」

 

「?!?!」

 

 

食堂を後にし、校内をぶらついている中野零治。先に出ていった風太郎が見当たらず仕方なく次の授業をサボる決意をしてトイレへと向かおうとしていた時。何故か男子トイレから勢いよく出てきて左右をキョロキョロした後に零治を発見して迫り来る風太郎がいた。

 

急に肩を持たれたかと思えば勢いよく壁へと叩き付けられ絞り出るような声さえ出すことが出来ず、今度はそのまま胸ぐらを掴まれた。

 

 

「へ?!なに?!俺なんかしたか?!確かにフーちゃん太郎のノートに焼肉の油飛ばしたのは悪かったけども!!」

 

「そんなどうでもいい事は言うな!いや、どうでも良くないか…新しいノートよこせ!」

 

「マジでアコギな商売してんな…そんなんじゃ女にモテねーぞ…」

 

「……今は、それを否定する訳にはいかない…!」

 

「あぁ?なに、とうとうフーちゃん太郎にも春が来たのか?」

「あぁ…千載一遇のチャンスだ…!逃す訳にはいかない!」

 

「お、おう…と、とりあえず話聞いてやるから、この手離してくれない?」

 

 

ようやく落ち着いた風太郎はやっと手を離してくれて何とか零治も落ち着く事が出来た。傍から見れば優等生がヤンキーにキレ返している絵として笑えるのかもしれないが、上杉風太郎も言ってしまえば元ヤンみたいなものだ。

 

そうして2人は場所を変え、滅多に人の来ることがない屋上へと辿り着いた。ここは本来なら立ち入り禁止の場所なのだが、何故か年がら年中解放されたままなのである。特に屋上にあるハシゴを登って上がることが出来る高台は零治のお気に入りの場所である。

 

そこに腰掛け、方や真剣な表情で指を交差させ前を見つめる。方やとりあえず聞く姿勢に入るため懐からいけないものを取り出し吸い始める。

 

 

「ふぅ〜、で?どーしたわけ?」

 

「割のいいバイトをする事になった。給料は相場の5倍…」

 

「あぁ?!んだそれ…薬の密売人か?臓器売買の人か?」

 

「違う…―――家庭教師だ」

 

「………なんて?」

 

「家庭教師だ。」

 

「……………はぁ…フーちゃん太郎。勉強のし過ぎで疲れてんのか?久しぶりに1本やるか?マシになるぞ。」

 

「そこだけ聞いたらお前が薬の密売人だな。ってそうじゃない…何でも最近この街に金持ちが引っ越して来たらしい。」

 

「あ?それがどうして女にモテるのに繋がっ……あ〜、そういう事か…」

 

「あぁ…家庭教師として働くのは…」

 

 

 

―――――――――

 

「中野五月です。よろしくお願いします」

 

「「………」」

 

((この人凄い知ってる〜!!!))

 

 

現在、屋上での開拓から数十分が経過した。風太郎に言われるがままとりあえず授業に参加することになった零治は風太郎と顔を見合わせた後に転校生を思い返し、昼の出来事を思い出した。

 

食堂での出来事、印象の悪い優等生と不良。そして何より現在進行形で都合が悪すぎるためクラスの連中が浮かれる中2人だけが下を向き顔を隠していた。

 

 

《マジでどーすんのフーちゃん太郎!?昼の事からして俺達はお近付きになれそうにねーぞ!》目での会話

 

《仕方ないだろ!らいはからの電話に気づけなかったこのケータイが悪い!》

 

《日頃から使ってないお前が悪いだろ!》

 

「席は…」

 

「「っ!」」

 

「中野…中野零治の前だ」

 

「アハハ、ヨロシク」

 

「…ふん…!」

 

《お得意の営業スマイルはどうしたんだよ?》

 

《中身知られた後じゃ、やった所で逆効果だろーが!》

 

「はぁ、前途多難だ…」

 

 

5限が始まり、クラスが浮き足立つ中、若干2名が冷や汗を尋常ではないほどかき散らかし、波乱巻き起こる学園物語が始まった。

 

 

 

―――――――――

バイト先

 

 

「で?どーすんの?」

 

「…考えは2つある」

 

「どんな?尾行なんて綺麗な言葉でストーカーはすんなよ?」

 

「なっ?!何故バレた?!」

 

「普段頭いいのに何でそこだけ抜けてんの?!しっかりしろよフーちゃん太郎。家計がお前にかかってるのは荷が重いかもしれねーけど。何事も努力だ。過程なくして結果はともなんねーよ…」

 

 

現在2人はケーキ屋のバイトに来ていた。今日は久しぶりに暇なためホールの風太郎とキッチンの零治が談笑できるほどだ。店長も準備だなんだと言いながら裏に行ったっきり戻ってこない。

 

そんな呑気な店長とは打って代わり2人は窮地に立たされていた。零治としては何としても風太郎に家庭教師のバイトをして欲しいし。協力することでほんの少しの恩返しになればと思っているからだ。しかし、そう上手くも行かない。現に学年トップの頭脳が悲鳴をあげているのだ。

 

 

「なら、プランβだ。」

 

「何だ?急に5年前に戻っちゃったの?」

 

「作戦はこう!」

 

「こんな綺麗にスルーされる奴も俺くらいだよ…」

 

 

プランβとやらの作戦は実に単純だった。明日、昼休みに食堂に行き、ご機嫌取りをしながら零治直伝のナンパ方法で接触し落とす作戦らしいのだが。

 

欠点だらけである。まず、これは向こうが1人でなければ成功しない。そして、風太郎は拒絶した場合を考えていない。それどころか自分の考えが完璧だと思い込んでいる。

 

 

「フーちゃん太郎…そいつは無理があるんじゃ…」

 

「抜かりない完璧な作戦だ!零治、明日は4限が終わり次第食堂に直行するぞ!」

 

「…はぁ…人生もケーキ並みに甘かったらな〜」

 

「何言ってるんだ?5年前から継続してるバカの発作か?」

 

「よーし、表出ろ…優等生キャラ壊してやるから」

 

 

こうして、男達の至極しょうもない作戦が決行されるのであった。

 

「どーでもいいけど、二人とも仕事してね」

 

「「はい…」」

 

 

 

―――――――――

 

次の日

 

 

中野零治は気分が重く、足取りも重かった。理由は簡単、あまり会いたくない5人に会うかもしれないからだ。上杉風太郎は知らないかもしれないが中野零治は知っていた。実は1人ではないことに、そして勘ぐっていた。もし、昨日のように途中からではなく、最初からあの姉妹が揃っていたらどーなるか。

 

そんなことを考えながら、零治は深夜に入ったバイト先の本来捨てるべき廃棄弁当を片手に風太郎と2人、食堂で少女を探していた。

 

 

「いた!」

 

「…あぁ…いたな…」

 

「?!」

 

「お待たせしました」

 

「と、友達と食べてる!?」

 

やっぱりこうなった。何となく察していたが、彼女が1人というのが正直珍しいのかもしれない。今この場には彼女含め3人しかいないが、それでも十分だ。

 

半ば折れかけた風太郎の心を何とか支えた零治。だが、初手から詰んだのは大きすぎる誤算。零治はともかく完璧だと信じて疑わなかった風太郎からすればかなりのショックだ。それでも風太郎は諦めることはしない。

 

 

「だから言ったろ…他探すぞ」

 

「あれ?行っちゃうの?」

 

「!そりゃ…」

 

「席探してたんでしょ?私たちと一緒に食べていけばいいよ」

 

「食えるか!こんな美少女だらけのテーブルで!」

 

「!…やだな〜照れる。そっちの金髪の君は?」

 

「…そうだな〜じゃ、こいつだけ頼むわ」

 

「はぁ?!お、おい!零治!」

 

「行く場所があるんだよ。それとこれもやる」

 

「おっ!と…」

 

「消費期限は切れてる…早めに食えよ」

 

 

3人のうち目当ての中野五月とはほとんど会話できず、逆にグイグイ来る系の絡みやすそうな女子。中野一花とばかり会話していた風太郎。一方取り残されているかのように見えていた零治はと言うと

 

その光景に耐えきれず、食欲さえ失ってしまい。弁当を風太郎へと渡し、そそくさと食堂をあとにし屋上の高台へと向かった。

 

あまりにも似すぎていた。中野一花の風貌、中野四葉の笑顔、中野五月の根本。全てがあの人に見えてしまった。早くなった動機を抑えるべく急ぎ足で屋上へと辿り着き。仰向けになって煙を吹いた。

 

 

「…ふぅ〜…鈍感なフーちゃん太郎はまだ気づいてねーだろーな〜…」

 

(本当に幽霊でも見てるみたいだな…)

 

「似すぎだって…零奈さん…」

 

 

誰にも届くはずのない声が煙と共に空へと消える。その様子を見ながら時が経つことを忘れ零治は午後の授業全てをサボり、後日しっかりと反省文を書かされた。

 

 

 

―――――――――

 

「で?何してんの?俺ら…」

 

「…奈良の大仏になり切ってる…」

 

「いやいや、どー見てもJKの観察だよ、ストーカーだよ…犯罪者だよ……」

 

「まだ初犯だから予備軍だ!」

 

「予備軍…」

 

「…なぁ、あんた確かに予備軍とは言ったが言葉のあやだ。無言で通報するな。あと友達の五月ちゃんにも言うなよ」

 

 

突如として現れた観察中のターゲット。それに動揺することなく反応できたのは風太郎の肝が座っているからだろう。

 

中野三玖は耳に入れた言葉を疑うことなくスマホを取り出しすぐにでも通報しようとするが、いち早く風太郎が止めた。ナイス判断である。

 

しかし、その後に言った言葉が少し足りなかったためにこの後にほんの少し面倒なことが起きてしまう。

 

 

「わかった。でも、あの子は友達じゃない」

 

「…人付き合いってめんどくさいのな…」

 

「…はぁ…それこそ言葉のあやってやつだよ」

 

 

そそくさと歩いていき、再び3人で歩き始めた。その様子と最後の言葉を聞き風太郎は軽く ? を浮かべていたが無理もない。事情を知らなくてかなりの鈍感である風太郎ならば気づかないだろう。

 

そんなことを思っているうちに中野五月の住むであろうマンションが見えてきた。しかし、それと同時に事件も近づいていることを風太郎はしらない。

 

 

「なに、君達…ストーカー?」

 

「違う、予備ぐ…?!」

 

「いやいや違う違う!可愛い子が目に見えたからついついな〜」

 

「ストーカーじゃない。キモい、チャラかったら女ウケいいと思ってんの?早く帰れよ。」

 

「……胸が痛すぎる…恋かな?」

 

「だとしたら失恋だな。」

 

 

頭がいいのに変なことを口走ろうとする風太郎を止め、何とか適当なことを説明する零治。しかし、それさえも危険な発言のため中野二乃による容赦のない言葉の数々を浴びせられ一瞬で心が折れた。

 

それでもめげず風太郎は前へと進み、口からデマを言いだす。

 

 

「帰るも何も、ここ僕の家ですけど?」

 

「え?!マジ?…ごめん…」

 

《合わせろ》

 

「…あぁ、疲れた〜さっさと家に入んねーと…」

 

《流石だ。言いくるめるのは得意なものだな》

 

《あたりめーだ、俺を誰だと思ってんの?口先から生まれた男だぜ。》

 

「下の」

 

「それ人類全員な」

 

「焼肉定食、焼肉抜き…」

 

「!」

「バイト先の廃棄のお弁当…」

 

「!」

 

「…ダイエット中?」

 

 

奇跡的なスーパーミラクル連携により難を逃れたかに見えた2人だったが、どうやら気づかれていたらしい。中野三玖の発言により、事態は急展開。昨日の5限目と同様かそれ以上の冷や汗をかきながら、2人は目を合わせた。

 

 

「行け!フーちゃん太郎!」

 

「っ!」

 

「あ!待ちなさい!」

 

「おっと…悪いんだけど…もう少し待ってて…ってあれ?」

 

「警備員さん、不審者です。」

 

 

何とか風太郎をマンション内に侵入させることが出来た零治は2人の前へと仁王立ちし、止まるように割り込むが2人はなんとも簡単にそれをするーした。

 

理由は簡単である。当の本人、零治は警備員に両手を拘束されつまみ出せれたのだ。

 

 

「…まぁ、こーなるわな…」

 

(さてと、そろそろ気づいたか?フーちゃん太郎)

 

「そいつらは、友達なんかじゃない。

世にも珍しい―――5人の姉妹だ。」

 

 

この時は、思ってもいなかった。フーちゃん太郎の選んだ相手が彼女だなんて、それでも彼が選んだ相手なのなら、自分は喜んで祝福しよう。それが恋した女性への最大の恩返しなのだから。

 

 

 

 

 

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