救世主暁の物語   作:白ノ宮

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第一話 よくある流れ

九月の上旬、ちょうど学校の新学期が始まる。

 

この季節は秋と夏の境目で気温も落ち着き、照りつける太陽を喧しく思うこともなくなり俺は少々嬉しくなる。

 

 

 

夏の日々に別れを告げる事に多少の寂しさも生まれたが、そんなことはどうでもいい。

 

 

 

今日は二学期二日目で午前のテストだけで早帰りだからだ。新学期が始まったにもかかわらず午後という大きい時間が丸々余ったのだ。これをレベリングに使わずとしてなんとする。

 

 

 

とはいえ、通学中もスマホのブラウザで艦これをやっているので急いで帰る必要もない。変に焦って事故にでもあったりしたらどうしようもないだろう。

 

 

 

周りに注意を払いながらスマホ画面にも集中する。艦これはまだ始めたばかりで、司令部レベルも二桁になったばかりである。まだお目当ての艦娘が出ないことにいら立ちを覚えるがその分出たときの感動が膨れてより一層のめり込むだろう。

 

 

 

丁度横断歩道の信号を待っていたので工廠で建造をする。勿論初期値で回す。高速建造材が結構余っていたので投入する。艦娘の建造が完了し、秘書官のひと声がかかる。それを聞き流して艦娘を確認する。すると、お目当ての艦娘である暁をついに手に入れたのである。嬉しさのあまりまだ信号が青になっていないにもかかわらず横断歩道に飛び出してしまったのだ。そのことに気づいた頃には体全体に走る激痛と共に視界が暗転した。

 

 

 

暗転したのは束の間で俺は白い空間にいた。周りには何もなく地面であろうものが雲だという事しかわからない。

 

この謎の場所ともいえる場所に困惑しているとどこからともなく声が聞こえた。

 

 

 

「いきなりだけどさ、君…転生したくない?今ならチートも付いてくるよ」

 

 

 

男とも女とも取れない中世的な声で、何だか神々しく感じる。でもチート付きの転生か…。正直物凄く興味がある。

 

しかし、俺は断った。すると声は不思議がって理由を聞いてくる。その質問を俺はこう答えた。

 

「暁のことを置いていきたくないから」と。

 

 

 

すると声は子供が新しいおもちゃを見つけたようなわくわくした口調で衝撃的な発言をした。

 

「へ~。暁ならいいんだぁ。ならさ、暁に転生させてあげるよ。ちょうどあっちの世界で救世主を求めているみたいだしさ、ね?チートもしっかりつけておくからさ」

 

俺が…暁に…?いったいどういう事なのか説明を求めようとしたがどういうわけか意識が途切れたのである。

 

意識がまだぼんやりしているものの、潮風が顔に当たっていることはわかった。




暁ちゃんかわゆす。
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