救世主暁の物語   作:白ノ宮

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第3話 第一犠牲者

体は慣れていても思考が追いついていないので、落ち着いて移動できるようになるまで練習していたらいつの間にか二時間も経過していた。

時間はステータス表示欄の左下に表示されていて、マップ等も確認出来た。現在の時刻は午後1時頃。この島は1-1付近、つまりは鎮守府付近という事になる。

そういえばお腹が空かないなと不思議に思ったが、果たして食事が必要な体なのだろうか。

そんな些細な事を考えていると脳内に警報が鳴り響いた。

それがどんな内容のものかはわからないが、多分敵襲か艦隊の接近だろう。

急いでマップを開くとそこには、自分に近づいてくる艦隊があり、詳細は駆逐イ級3隻である。3隻ともにLv1である。

まだ目視できる範囲ではないので偶然だろう。

丁度レベリングをしようとしていたので俺もそのイ級艦隊に近づいて行く。

(にしても、イ級三体ねぇ。二体までじゃなかったっけ?)

今いる世界はゲームの中という訳では無いので、その疑問に意味は無い。

予想だと、あと30秒で接敵するだろう。

俺は戦闘態勢に移行する為、腰のホルスターのロックを片方だけ外してガバメントを構える。

弾数は7発で再装填には2秒もかからない。ストックの弾数は無限の様で、実質撃ち放題である。

戦闘なんてやった事が無いのでいきなり三体はどうかと思ったが、早めに慣らす必要があるため仕方がない。

駆逐イ級の姿が見える。マップレーダーにあった通り三体の様だ。

ガバメントは大型とはいえ拳銃であるため、ロングリーチでは無いので威力の確保の為に単縦陣の先頭(多分旗艦)のイ級に肉薄する。相手もこちらに気づいた様で、撃ってきた。

こっちも撃てるといえば撃てるが、なるべく一撃で仕留めるためにあと数メートル程になるまで突っ込む。こちらに飛んでくる砲弾がやたらと遅く見える。当たると痛そうだがこれを綺麗に避けていく。そしてその時が来た。

落ち着いてガバメントをイ級のど真ん中に照準して、引き金を引く。発砲音とともに飛び出した91式徹甲弾は真っ直ぐにイ級を捉えて装甲を貫き、爆発する。これにより、旗艦イ級は轟音を立てて四散した。

イ級の轟沈を確認した俺は他のイ級に目を向ける。

旗艦の轟沈に対して俺に恐怖を抱いたかの様にこちらに背中を向けて逃げ始める。まるで撃ってくださいと言っているかの様に見えた。

俺は初めて撃ったガバメントの感触に戦慄したが、すぐに気を引き締めてイ級を追いかけてがら空きの背中(?)に一発ずつ撃ち込む。どちらもクリーンヒットして轟沈させる事ができた。

三発で終われた事に安心して、ガバメントに弾を装填する。

念じれば自動装填されるのは楽でとても良い。

ガバメントをホルスターに仕舞い、ロックをかける。

さっきからガバメントを持っていた右手が震えている。

銃を使って生き物を殺すのがこんなにキツイとは、それを造作も無く遂行する艦娘に初めて恐怖を感じた。

戦闘中は興奮してわからなかったが落ち着いてみると震えが止まらない。罪悪感はないが、意味の分からない嫌悪感が気分を悪くする。しかしそんな事はすぐに吹き飛んだ。

脳内に響く警報が自分を嫌悪感から引き上げた。

マップを確認すると今度は艦娘の艦隊で詳細はこの様な内容である。

旗艦 天龍 Lv15

那珂ちゃん Lv19

響 Lv13

雷 Lv13

電 Lv14

千歳 Lv23

ーーーーーーーーーーーーーー

なんつー編成だよ。これは出会ったらドロップ艦と勘違いされて連れて行かれるに決まってる。というかこの艦隊もこっちに近づいて来てるし、また偶然か?

あ、なんか飛んできた。あれは零式水上偵察機...?

零式水上偵察機は俺の上空を通過し、きた方向へ戻って行った。それを俺はぼーっと見ていたが、マップの艦隊が速度を上げて近づいて来た事でさっきの零式水上偵察機が千歳のものだと分かり、同時に艦娘艦隊に俺の存在がバレた事を知らせるのだった。




さあ、次は鎮守府所属との出会いとなります。
巻き起こるのは戦闘か、困惑か。
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