仮面ライダーエグゼイド外伝 ヒドゥン・エンディング 仮面ライダースラッシュ   作:ネフェッシュ

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今回長めです。すみません


1話 I’m a 仮面ライダー⁉(いや俺、医者じゃねぇし)

           1話~I’m a 仮面ライダー⁉(いや俺、医者じゃねぇし)~

 

 

 

 「じゃ、今日は前回の続きをしていくぞー。ハイ、まず教科書97P開け~。あぁ、確か空野...はまだ教科書は」

 「まだないんです」 

 「じゃ...あ~誰か近くの人に見せてもらってくれ~」 「はい。分かりました」 「ハイ、じゃ続きいくぞ~」

 「...涼崎君、教科書見せてもらってもいいかな?」 だと思った...ま、ここでノーとは言えないしな。

 「はい...どうぞ」と小学校のようにお互いに机をくっつけて教科書を二人で見た。これ何年振りだよ。

 「ゴメンね、ありがとう」 「いや、イイよ」

 

 

 「――――この弥生土器は年代によって特徴が違い、それぞれ時期区分が――――――また、土器の形にも種類があり、様々な目的で作られてきた。―――――」

 「...ねぇ、涼崎君って日本史得意って聞いたんだけど...」

 「ん、まぁ、得意かは知らないけど、好きではある...かな?」 「へぇ~、そうなんだ...」

 ・・・・・何この雰囲気。 会話続かないんだけど...え~、どうすりゃいいんだよ...

 「えっ...と、空...野さんは何が得意な...の?」

 「え~っと私はよく英語って言われるんだけど、一番好きなのは世界史か...なぁ」 「...なんか意外だな」 「そう....かな?」

 「あ、あ~なんか気を悪くしたらゴメン。」 「ううん全然!そんなことないよ!」 「そ、そうか」

 「...変な事聞くんだけど、もしかして私、涼崎君に嫌われて...るのかな?....ご、ゴメンね!今のは忘れて...!」

 ...結構ストレートに聞くんだな。しかし、そんな風に見られていたのか。ちょっとショック。

 「...どうしてそう思った...んですか?」 俺、今なぜ敬語を付けた...

 「う~ん...と、私に対してその...静かっていうか....何言ってんだろ私...」

 「まぁ、言いたいことは分かる。それで嫌な思いをしていたなら謝るけど...俺はまぁ、基本的に仲いい人以外にはこんな感じだし。いや、変な意味じゃなくてね?」 「うん....そっか。ちょっと安心したよ。」 「なら、良かった」

  

 

 

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 「じゃ、今日の授業ここまで。ハイ、起立。礼。」

 「あり@△がと◇ござ〇☆いした」 ・・・なんて言った?『ありがとうございました』に全く聞こえんわ。

 つーか絶対行ってないやつもいるだろ...

 

 「す~ずさ~きく~ん!昼飯食お~ぜ~」

 「おっ、そんなに生ゴミ食いたいのか~よしよし、確か昨日の残りが...」

 「うぉい、やめろ馬鹿!」 「おっ、スゲェ!馬鹿が馬鹿って言葉知ってたぞ!」

 「テメー!この野郎!」

 ハイハイ、うるさいうるさい。お前が馬鹿なのはよく分かったから。な?

 「つ~か、もう飯か。早いな~」

 「そうか?俺は一時間目から考えてたぞ?」 「だからお前は馬鹿なんだよ」 「んだと!!」

 「...ねぇ、涼崎君。あと、小森君...だっけ?」

 「あっ、大森です~。つーかなんでお前早々に名前覚えてもらってんだよ!せこいだろ!」

 「はぁ...そりゃ、涼崎と空野さんは隣の席だから名前くらいはお互いに知るだろ。バーカ」と、森男の頭を小突きながら

 「馬鹿ってなんだよ!」

 「ところで空野さんでいいんだよな?何か涼崎に言いたそうだったけど」

 「あ、涼崎君はご飯どこで食べるのかな?カフェテリアとかってあったりするのかな?」

 あぁ、そういうことか。おそらく朝礼で面倒見てやれ的な事言ってたから俺に聞いてきたのだろう。

 「それなら、あれ」と、奥の女子たちを手で指した。見れば女子が今にも空野を誘いたそうに待っていた。

 「多分だけど彼女らに付いて行けば、良いかなと」

 「あ、うん。...でも....正直...皆の事あんまし知らないし...ね?」

 ほぅ、まぁそんなもんか。だが少し意外だ。海外にいたのならもっとフレンドリーな雰囲気かと思えば案外そうでもないのか。ま、これもすべて俺の偏見なんだがな...

 「じゃあ、今日はいいです。って女子たちに断るのか?でも昼ご飯はどうするんだ?一人ってわけじゃないだろうし...」

 「うん、そのことなんだけど...お昼ごはん、涼崎君達と食べれないかな?」

 「えっ、俺たちt」「え、マジですか?!じゃあ空野さん僕たちと飯食べましょうよ?え?僕いやぁ、全然構わないっすよ~。むしろありがたいくらいですって。ホント」

 「いいのかな?涼崎君と、金出...君?もいいかな?」

 「まぁ、僕は別段構いませんが...」

 後は、俺だけってわけね。まぁ、別に断る理由もないし良いか。

 「俺も別にいいぞ?」 「ホント?ありがとう!」 「いやぁ、空野さん礼には及びまs」

 「じゃあ、いこっか。皆はどこでご飯食べてるの?」 「あ~、それは...」

 「空野さん!その、もし良かったら私たちと一緒にご飯食べない?」と、声を掛けてきたのはこの一組の陽キャ女子のリーダー、渡辺だ。

 「空野さん、まだこの学校のことよく知らないでしょ?だから色々教えてあげるから!」

 「渡辺さんだよね?その、ゴメンね。もう他の人と約束しちゃったんだ~」

 「そっか~。じゃあ次の明日ね」 「その代わりっていうか、今日一緒に帰らない?」 「もちろんいいよ!じゃあね」

 どうやら、空野が陽キャ勢に仲間入りを果たす日もそう遠くないな。

 「...それじゃあいこっか!皆どこで食べてるんだっけ?」

 「こっち」 「おい!涼崎!空野さんに態度そっけなさすぎるだろ!...いやぁ、空野さん申し訳ありません。あいつ、普段からああでして」

 ...なんか似たようなシーンをジ〇リ映画でみたことあるな。確か、この後食われるんだよなぁ。

 「じゃ、行くぞ」と、教室を後にした。

 

 

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 「お~~!すごいねぇ!ここが屋上?」と、空野が感嘆を漏らした。

 「あぁ、正確には第二校舎の、だけど」 「どうして、本校舎じゃないの?」

 「あっちは人が多いからな。ゆっくり過ごせない」

 すると金出が後を引き継いだ。

 「ま、ここにはほとんど人が来ないからかな」「金出くん?どうして?」 「おそらくだけど、本校舎からはかなり離れているからかと。こっちの第二校舎には、理科室とか美術室とかばかりで、クラス教室が一つもないから」

 「はぁ~、なるほど。」

 「おーい!早く飯食おーぜー!」

 あの馬鹿はあれしかいえないのか?と、金出と二人でため息を漏らすと、

 「あははは。じゃあ、私たちも食べようか!」 「そうだな」

 「そんじゃ、頂きま~す!」

 

 「金手、悪い。今日は作れなくて」 「いや、イイんだ。寧ろ普段から作ってもらってるんだからな」

 「何の話?」 「いや、僕いつもこいつに弁当作ってもらってて」

 「へぇ~、すごいね。涼崎君料理できるんだ!」  

 「まぁ。自分で作らないと、誰も作ってくんないしな」 「...?お母さんとかお父さんは?」

 「あぁ、ちょっと家の事情でな」 ・・・・・何この空気メチャクチャ重いんだが

 「はい!この終わり!もう、湿っぽいのなし!な?な?」

 

 

 「ふあ~食った食った! あ、そうだ!ゲームやろうぜ!どうせ持ってきただろ?」 「おう、一応な」 「じゃあやろうぜ!」

 「ゲーム?この学校って持ってきてもいいの?」

 「あぁ、特に校則で制限されてるわけでもないしな。ま、最も禁止されてたとしても持ってくるけどな」

 「ふーん、そんなにゲーム好きなの?」

 「いやいや、空野さん。コイツはただ好きってだけじゃないっすよ。なんてったってあの『バンバンシューティング』のハイスコアのレコード保持者ですよ!?」 「それ去年の話な」 「それでもまだ公式記録、誰も抜いてないんだろ?」 「まぁな。でもあの後結構アプデ来てるからなぁ...今はどうか分からねぇぞ?」

 「...!それって、あの幻夢コーポレーションの!?」 

 「え!?空野さん、幻夢コーポレーション知ってるんすか?!」 「うん。ほら、3年前のあの事件でね...」

 「あぁ...例の『仮面ライダークロニクル』の...ですよね?」

 「うん、確かゲーム病...?だっけ。あれを街に広めったやつでしょ?」

 「それっすよ。ゲームのソフト、ガシャットって名前の...その中にウィルスを仕込んで、起動した人間にウィルスを感染させるっていう仕組みで...しかも!そのゲームでゲームオーバーになるとマジで死ぬんですよ!」

 「それは...怖いね...。大森君たちは大丈夫だったの?」

 「いやぁ、それが実は俺も周りで流行ってて、ついつい買っちゃって感染しちゃいまして...あははは」 「えっ?!大丈夫なの?」

 「それが、なんでも衛生省と、仮面ライダー?ってのが一連の事件を収束させたらしいです」

 「涼崎君と金手君もゲーム病になっちゃったの?」

 「いや、僕はあの時財布に余裕がなかったんで」

 「俺は買った。そして起動した。それで、一人でバグスター...敵キャラを6体攻略した。そのあたりからスゲー高熱が出て、その間にゲームが別のヤツに攻略されて終わった。そんで仮面ライダークロニクルも即時回収された」

 「ゲーム病って一応病気なんでしょ?体、苦しくなかったの?」 

 「あ~、いや、それほど疲れは出なかったかなぁ...」

 「いやいやいや!それほどって!俺なんか体は重いわ、熱は出るわでやばかったんだぞ?!」

 「まぁ、俺の知り合いでも結構そういうヤツはいたなぁ」 「お前は耐性あったとか?」 「そうなんじゃねぇの?」

 「そっか...皆も大変だったんだね...」

 「そうっすよ。現に俺の知り合いとか友達が死んだやつとかいて...いやぁ俺、もしかして案外ゲームの腕いいんじゃねえの?」

 「バーカ。お前は運が良かっただけだw」 「ハッwなんだよ認めろよw俺もゲームできるってよ~」

 コイツ、なんでそうめでたい方に考えられるんだ?一歩間違えればお前も死んでたってのにさ。

 「いや、こんな話じゃなくって!ってもうゲーム出来る時間ねぇ!」

  お前、その発言遠回しに空野の事責めてるように聞こえるぞ。

 「あ~、なんかゴメンね。私が話聞きたがったばっかりに」 ほら、言わんこっちゃない。

 「いやいやいや!そういう意味はなかったんすよ!しょうがないっすよ。空野さんまだこの辺詳しくないし、ね?」

 「うん。...ところで皆何のゲームしようとしてたの?」

 「あ、気になります?...これです!『ドラゴナイトハンターZ』!!」

 「...へぇ~。皆、プレイヤーランクはいくつなの?」

 「あ、空野さん知ってるんすか?!俺はですね。なんと!78です!」 「いや、自慢できるランクじゃねぇだろ」 「うるせー」

 「涼崎君と金出君は?」 「僕は84です」 「カンスト~」

 「おおー。皆すごいね!」

 「ところで空野さんはなんでこのゲーム知ってるんすか?」 

 「その~実は私もちょっとね。ゲームしてるの」 「はぁぁ!?空野さんゲーマーだったんですか?!なんでもっと早く行って君なかったんすか~」 いや、さっきから彼女の様子見てりゃ分かるだろ。と隣を見れば金手も同じようにため息をついていた。

 「いや、ゲームって言ってもちょっとだよ?でもドラゴナイトシリーズは持ってるから気になったんだ~ 」

 「ちなみにランクはいくつっすか?」

 「えーとね、90!」 おっと、こいつは少々想定外。こやつ、なかなかにやりこんでいるな。

 「何...だと...。まさかの俺より上...?」 「すごい。かなりプレイしてるんですね」 「まぁね 」 意外なとこに程ゲーマーはいるものだな。...おっともうチャイムか。時が経つのは早いな。

 「おい、もう5時間目始まるぞ」 「お、もうそんな時間か。いや~しっかし意外だな。空野さんがゲームしてるなんてな~」

 「ふふふっ。大森君の驚く顔、面白かったよ?w」「え、ちょ、空野さん?えぇ~...」

 

 

 

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 五時間目と六時間目は体育だった。野球してたら一瞬で授業は終わってた。ちなみに森男が二点ぐらい取ってたな。アイツ地味に運動神経だけはいいんだよな。無論「だけ」だが...

 そして、終礼後...

「涼崎ぃー!」 「なんだ?」嫌な予感がする。

 「今日お前ん家行かせて~」 「無理」 「即答だな!」

 「理由は3つ。一つは昨日の片づけが済んでない。二つ、残念ながら今日はバイトだ。そして最後。お前、今日朝礼で俺に何した?ん?」

 「おいおいまだ根に持ってんのかよ~。いいじゃんか。おかげで空野さんがゲームしてるってわかったんだし」

 「違う。今日一日俺への周りの目線が変なんだよ!どっかの誰かがおかしな噂流したせいでな!」

 「いやぁ、朝の事は謝るから。な?」 「無理、バイトがあるっつっただろ」 「あぁ~、そっか~。今日お前と新作格ゲーやろうと思ってたのによー」

 「おまえそれ、俺が格ゲーそんなに得意じゃないの知って言ってんのか?」

 「当り前よ、俺とお前がまともに戦える数少ないジャンルだからな」 「死ね」 「さらっと酷ぇw」 「寧ろ優しいくらいだ」

 「そっかー。じゃあまた今度な。あ、そうだ!空野さん、帰りにさーそおっと!」

 アイツ、空野が放課後女子と帰るって会話忘れてんのか?やっぱり馬鹿だな。 あ、案の定なんか渡辺達にキレられてる。ざまぁw

 ふぅ....さてと、俺もいったん帰りますか。

 

 自分のバイクを取る為、校門近くの駐車場まで行くと、楓が一人で歩いていた。なんだ、ぼっちか?

 「おーい!楓ー!一人か?」 「蒼真か...うん。今日友達が皆クラブでね。私は生徒会の仕事ないから一人だよ」 コイツは委員長だけじゃなく生徒会の書記も務めている。

 「そっちこそ一人?大森と金出君は?一緒じゃないの?」 「あぁ、俺今日バイトだから」 「そう」

 「よかったら、家まで送ろうか?」

 「え?...でも、二人乗りって駄目なんじゃ...」

 「一応は可能だぞ。でも俺が二人乗りの基準を満たしているかは微妙なラインだけどな」

 「ほら!やっぱり駄目じゃん!」 「...で、どうするんだ?正直お前ん家まで15分くらいだろ。警察もパトカーもいないと思うけどな?」

 「あぁ!もう乗るわよ!でも絶対に事故はしないでね!」 「ハイハイ。重々承知してますよ~。ほいヘルメット」 「...ありがと」

 「じゃ、行くぞ。しっかり掴まってろ~」というと楓がギュッと俺の腹に手を回してきた。

 

 

 

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 楓の家は俺の住んでいるマンションからそう離れてはおらず、大体5分か10分ほどで到着する。

 「...ねぇ、あれ見て」 「あ?何を?」 「いや、あのバイクに乗ってる...」

 と、唐突に楓が前方のバイクを指さした。見てみると、なるほど確かに楓が指をさすのも分かる。

 指の先にいたのは二人組の男女だった。ヘルメットでよく分からないが、二人とも若いのが見て取れる。だが、彼らがそれぞれ乗っているバイクがどうもおかしいのだ。まず、バイクが黄色だ。全体的にカラーリングが黄色でバイクの前方にはピンクのトゲトゲみたいなものがついていた。サイドにはゲーム?のコントローラーみたいなものが取り付けられており、とにかく派手な印象を受けた。

(なんじゃこのバイク。こんなの乗っててよく捕まらねぇな。しかも乗ってる女の人、ナース服だし...まさか本物ってわけじゃないだろうし、コスプレ?)

 「...お前の言いたかったことがなんとなく分かったよ」 「いや、そうじゃなくて」 「え?」 「ほら!あの男の人、うちの学校じゃない?」

 あ、マジだ。確かにナースの人ではない方の男の方は間違いなく霧乃木学園の制服を着ていた。う~ん、どういう状況だ」、これ。ナースコスと制服コスのカップルがツーリングデートとか?...それしか考えられないのだが。

 と、思案していると信号は青になりその二人組はさっさと走り出していった。ま、世の中には色んな人がいるってことで。

 

 楓の家までもう少しというところで、俺たちは信号に引っかかった。

 「また、信号か~めんどくせぇなぁ」 「仕方ないよ。ゆっくり待と?」 「おう」

 すると、信号の向かい側にある聖空南公園の入り口にさっきのバイクが止まっていた。さっきからどうも気になってたんだよなぁ...

 「楓、わりぃな。ちょっと寄り道させてくれ」 「え?いいけど...どこに?」 「ちょっとそこまでな」

 

 

 聖空南公園は市が運営していた公園のひとつだ。かなり大きめの公園で砂場や遊具だけじゃなく野球場や庭園、市民プールとも隣接している市民憩いの場だ。かくいう俺の昼寝場所でもあるのだが...

 「秋君!早くこっちに!」 「明日那さん!今行きます!」と大きな声で何やら聞こえてきた。

 見ると、先ほどの二人が話していたようだ。秋、と呼ばれた霧乃木の制服を着たやつがバイクから重そうなケースを取り出していた。よほど慌てているのか、走っているものの足取りが...あ、こけた。盛大に前からこけた。ナース服の人もため息をついているようだった。

 「ねぇ、あの男の人って秋君じゃない?出席番号2番の」 「あ、そうかもしれない」

 よくよく見るとどうやら同じクラスの秋 陽多朗(あき ようたろう)だった。うちのクラスの中でもあまり目立たない位置におり、いじめられているということはないが、たまにパシられていたりもする、クラスに一人はいる不憫キャラのポジションだ。

 「けど、なんで秋がこんなとこに?しかもナースの人とと」

 「患者さんはどこなんですか?明日那さん」 「通報だとあっちのはず!」 「行きましょう!」

 なんか、秋がいつもよりかっこいい気がする。こけたけど。ま、付いて行こう。

 「大丈夫ですか!?秋君スコープ貸して!」 「は、はい」

 みると、ベンチには小学生くらいの男の子がベンチで横になっており、母親が看病しているところだった。ナースの人マジで看護師の人だったのか。だが、なぜ秋が一緒なのだ?しかも、患者の方も救急車を呼べばいいのに。

 すると看護師さんが聴診器のようなもので男の子を調べ始めた。

 「明日那さん、やっぱりこれって...」 「うん、この子ソルティバグスターのゲーム病に感染してる」

 まさかとは思ったが、やはりゲーム病か。見ると、男の子の体には時折オレンジ色のモザイクがかかり少しずつ透けてきているようにも見える。なるほど、秋もあの人も訳知りってことね。

 「秋君、一旦CRに連れていきましょう。そうすればワクチンもあるから。じゃあこの子を運ぶ準備を」 「は、はい!」

 「凄いね、秋君。学校以外でこんなことしてたなんて」 「まぁ~な~。人助けなんて凄いと思うよ?」 「その割には思ってる感が感じられないんだけど」 「ハハハ。ま、秋には明日学校で聞こうぜ」 「そうね」と、俺たちが帰ろうとした時だった。

 

 寝ていた男の子が突如、公園の中にある森の中に吸い込まれるように消えた。

 「!?」 見ると看護師さんも秋も同様に驚いている。 雰囲気から察するに何か想定外の事態が起こっているのか。

 すると、いきなり森の奥から赤茶色のような二足歩行のモンスターが辺りを壊しながらこちらにやってきた。

 「...なんじゃありゃ...」

 モンスターの腕は巨大なボールの様でまるでRPGに出てくるゴーレムの風貌だった。

 「あれは、バグスターユニオン!?なんで急に?!」 「そんな...バグスターウィルスはレベルアップして以降ユニオン状態での出現はなかったのに...なんで今更」 「明日那さん、とにかくCRに連絡します!」 「うん、お願い!私は皆を避難させる!」 「わかりました!」

 モンスターはひたすらに辺りを破壊しており、周囲はすでにパニック状態だった。

 「蒼真!私たちも早くここから避難しよう!」 「そうだな。まだこんなとこで死にたくないからな!」

 「皆さん!ここは危険です!早く避難してください!」 看護師さんの指示でパニックだった現場も徐々に収束しつつあった。

 「明日那さん!駄目です!永夢さんは今診療中で、緋彩さんは手術中。貴利矢さんと大我さんはすぐに来てくれると言っていたんですが...病院からここだと距離があるのですぐに来るのは難しいかと...」 「そんな...」

 「あっ、明日那さんが仮面ライダーになれば!」 「ダメ。バグスターを分離できるのはレベル1形態だけ。私にはできない」 「どうすれば...」

 するとおもむろに秋が、「...こうなったら僕が!」とアタッシュケースから緑とピンクのデバイスを取り出した。色からして幻夢のハードにも似ている。

 「秋君ダメ!!...君も知ってるでしょ?そのドライバーの使用条件。君はまだ適合手術は受けてないでしょ!今、もし、使ったら、君もゲーム病になっちゃうんだよ?!」 「...それでも!...僕の体内にはごく微量のバグスターウィルスがあります。もし、僕の中に抗体があれば僕にもこれが使えるはずです!」 「私は、そんなリスク、賛成できない!」 「ただ見てろってことですか!」 「そうじゃなくって...!」

 何やら使う使わないで揉めている様子。どうやらあのデバイスを使えば倒せるけど、今の秋にはかなりリスクのある代物というわけか...。こうしてる間にもモンスターは進路を変えてどんどんと破壊を続けている。まだ死傷者が出ていないが、出てくるのもいずれ時間の問題だ。

 ...あぁ、もう!なんでだよ!どう考えてもヤバすぎるだろ!頭でヤバいってのは理解してる。けど、自分の中の自分っていうか心の声?みたいなのが「助けろ!」「逃げんな!」って言い続けてる気がする。でも!化け物を倒せるあの変なデバイスを使えばもしかすると俺にも危険があって...

 ...ここで俺はなぜか秋が持ってるデバイスが自分に使えると直感した。ほとんど勘の様なものだと思う。けど、奇妙な確信があった。

 あぁ、クソッ!.....ハァ、しゃあねぇ。せっかく助けられるものから逃げたら寝覚めが悪いからな。もう逃げて悪夢を見るのはうんざりだ。

 「...おい楓。お前は遠くに隠れてろ。よくわからんけど」 「えっ?!蒼真は?早く逃げないと!どこ行くのよ!」 「ちょっと人助けだよ。多分な」

 

 

 

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 「一体どうすれば...これじゃ貴利矢さん達が間に合わない」と、途方に暮れている秋の肩をたたいた。

 「おい。助けようか?よくわかんないけど、多分それ、使えばいいんだろ?」 「...!?えっ、涼崎君!?なんで君が!?...じゃなくて早くここから!」 「いや、いいから。とりあえずそれかしな?それ使えばあれ、何とかなるんだろ?」

 「話聞いてたの?」 「あぁ、さっきからな。いいから貸せって。な?」

 「君!...秋君の友達...?」とさっきの看護師さんがこっちに走ってきた。

 「まぁ、そんなとこ?です」 「ここは危ないから早く逃げて」 「それは良いですけど、あれはどうするんです?」と言いつつ俺は、暴れているモンスターを指さした。

 「あれは...もうすぐあれを倒せる仮面ライダーが来るはずだから」 「でも、それじゃ間に合わないですよ?あのスピードじゃ到着したころには怪我人や死者がでるかもしれない」 「それは...」

              「だから...俺がやりますよ」

 「え?」 「その手に持ってるやつ使えばいいんでしょ?話聞いてる限り」 「でも、それは...」

 「使ったときのリスクですか?多分大丈夫だよ思いますよ、俺」と俺は笑いながら言った。 ...今、なんで笑ったんだ...?

 俺は言い終わると秋の手にあった例のデバイスを奪うと、アタッシュケースの中を探った。

 「多分他にも説明書とかが...お、あった。何々...仮面ライダー...スラッシュ...」

 俺はゲームの説明書は読む派だ。過去に読まずにミスったことが何度あったことか。

 「えーと、ゲーマドライバーを腰にかざす...こうか?」 変なデバイス、『ゲーマドライバー』を腰に当てるとベルトが自動で現れて、勝手に腰に巻かれた。

 「おお、スゲェ。...次にガシャットを装填...。ガシャット?」 もう一度アタッシュケースを探すと、

 「お、これかな?うーんと、ギリギリチャンバラ?なんでゲームソフトがあるんだ?これがガシャット?」

 どう見てもゲームソフトだった。唯一違う点は持ち手にグリップがなかった。仮面ライダークロニクルのソフトもこんなんだったっけ。

 試しにゲームを起動して...

 「ダメ!...そのガシャットを起動するのはダメ。もし押しちゃうとその人はゲーム病になっちゃうの。だから!適合手術を受けた人じゃないと...」

 なぁるほど。リスクとはそういうことか。適合手術が何かは知らないが一部の人間じゃないとゲーム病になると。ま、俺、仮面ライダークロニクルの時も大丈夫だったし...。 ポチッとな

 『ギリギリチャンバラ!』

 起動すると同時に周囲の空間にモザイクが走り自分のバックにいつも見慣れたギリギリチャンバラのタイトルが大きく投影された。

 「なんとなく想像するにこのソフトはただのゲームじゃなく、仮面ライダーとしてのギリギリチャンバラの力が入ってるってことか...なるほど...残念だったなモンスター!ギリギリチャンバラは超得意だぜ!!」そう叫ぶと同時に俺はガシャットを装填した。

 『ガシャット!!』 「一の太刀 変身!」

 『レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム!? アイムアカメンライダー!』

 

 

 お、おぉ...。俺は変身した瞬間、見事な2頭身ボディへと変わっていた。

 近くの水たまりを覗くと...

 「ダッサ!いや、滅茶苦茶ダセェ!」そこにはゆるキャラみたいなのがいた。ちょっと太った感じで目はSDキャラみたいな目をしており、確かに見た目は可愛いがこれで戦うのはちょっと...ねぇ?

 すると、音に反応したのかさっきまで暴れていたゴーレム型のモンスターは破壊を止め、こっちの方向へと向かってきた。

 「ウソ...ホントに変身しちゃった...」 「じゃ、じゃあ彼はすでに...」 「...ゲーム病...」

 フム、確かに若干のダルさはあるな...これもさっき感染したゲーム病のせいなのか? まぁいい。今はあの化け物だ。

             「ハイスコアで...クリアしてやるぜ!」




次回戦闘。
三話かかって一話完結とは...orz
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