バルツに着いたルリア達一行は司書長に話しをしに行った。
「今回はどうなさったのですか?」
「あ、あの実は夢を見たんです」
「夢、ですか?」
「はい……誰かの記憶のような夢でした」
「それが私と関係あるのですか?」
「もしかしたらその夢がこの日誌と関係あるのかなって思って」
「はあ?そうですか」
「えっと、その夢である人の名前を聞きましてもしかしたらその人の事を司書長さんは知っているんじゃないのかなって……」
「……まあ、いいでしょう。それでその人とは誰なんですか?」
「確か……エローエって名前でした。知っていますか?」
「……いえ」
司書長は否定したが間髪入れずにグランが畳み掛けた。
「今の反応を見るに貴女は知っているはずだ。お願いします、教えてください。この日誌を司書長さんが託した意味を知りたいんです」
そうすると司書長は困ったような顔をし、
「確かに私は貴女に知る権利があると言って渡しましたが、この前も言った通りそう簡単に答えては意味がないとも言いました。すぐに知る必要はありません。少しずつ分かる事に意味があるのですから」
「……そうですか」
「ですが、そうですね……一人くらいなら知っていてもいいかもしれませんね」
「ああ、そうだルリアさん」
「はい、なんですか?」
「そのエローエの姿は夢で見ましたか?」
「はい。ドラフよりも大きい男性でした」
「……そうですか。他にも誰か見ましたか?」
「はい、夢の最後にそのエローエさんも含めて10人見ました」
「……なるほど」
「えっと、どうかしたんですか?」
「いえ、唯の確認です」
そして司書長は紅茶を一口飲み話し始めた。
———エローエ、彼は覇空戦争の英雄の一人です。他にも英雄はいましたが今回は彼の話をしましょう。彼は普通のドラフよりも大きくて力がありました。まあそういっても彼の種族はドラフで間違いないはずです。彼がそう言っていましたから。あとはあの中で2番目に年上だったはずです。年齢?ええっと……最期は確か……94歳でしたね。結構お爺ちゃんですね。
彼には異名が幾つかありましたね。不死身の男、古の英雄、怪力無双の鬼人とかだったかな。そんな彼ですが最後は星晶獣と戦って死にました。最後まで戦い続けました。家族の仇を取るため、そして大切な人達を守るために……。
ん?これじゃ私が覇空戦争の生き残りだという事を話しているものじゃないかって?まあどうせこの前にそれらしい事は話しましたから今更ですよ。
懐かしいなぁ……よくオズに揶揄われて、ドロシーと馬鹿やって一緒に彼に叱られて、彼に甘えて彼を困らせてたなぁ……。
……ああすみません。すこし、感傷に浸ってしまいました。
彼って誰、ですか?それは秘密です。
ルリアさん、貴女が見る夢は少しずつ精確になっていくはずです。また何か夢で知る事が出来たら教えはしますがその時まで後は秘密にしますね。
最後に1つ聞きたい?はい、どうぞ。
私がカリオストロみたいに錬金術で体を作っているのか、ですか?
いえ、そんな事をしてまで生きるという愚か極まりない事はしません。普通に生きて普通に死ぬ。そんな幸せな事を否定するような事を私はしたくありませんから……。
では、話しは以上ですね。また夢で知ることがあればここに来てください。そうすれば貴女達は少しずつ世の錬金術士達が求めて止まない身を溶かすような甘い世界の秘密を知ることが出来ますので。
……そういえば貴女達は真王に会った事がありますか?もし会ったのならあの男がやることを止めた方がいいですよ。アレは私にとって毒にも薬にもならない意味のない事ですが貴女達にとっては止めねばならない事ですから。どうぞお気を付けて。———
そう司書長が締め今回の話しは終わった。
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帰り道で一行は先程の話しをしていた。
「なんつぅかそうだな……俺がガキの頃に世話になっていた人が覇空戦争の生き残りだっていうのに驚いたぜ」
「でもよぉあの姉ちゃんが星晶獣でもカリオストロみたいじゃなきゃどうやって生きてるんだよ」
ビィの言葉にそういえば、と考えていると
「もしかしたら彼女は境界の世界から脱出した人、とか?」
ジータがそう言うがすぐにルリアが
「それはないです」
「どうしてなんだい?ルリア」
「司書の姉ちゃんが言うには90年前からあの司書長の姉ちゃんがいたらしいんだよ」
「んーあの司書長さんの謎がまた増えたなぁ……」
そんなジータをよそにグランは何か思いついたようで
「もしかしたら」
「何か分かったのかグラン?」
「もしかしたらなんだけど、フォリアみたいに魔力がかなり多いから年を取らないとか?」
「いや、そりゃないだろ。あれは体の成長が遅くなるだけってフォリアが言ってたぞ(ぐらぶるっ!第1126話参照)」
結局彼女の種族が分からないままグラン達はイオを迎えに行ってガロンゾを出航し、アウギュステに出航した。
「ちょっと何よぉ。そんな面白そうな事があったのならあたしを誘ってから行ってもよかったじゃない!」
「ごめんなさい、イオちゃん」
「誘わなかったオイラ達が悪かったのは確かだけどよぉ、まぁ落ち着けって」
「ふん、まあいいわ。次はあたしもついて行くから」
イオに何故誘わなかったか怒られたようだった。
ある場所でカリオストロは考えこんでいた。
(んー?何か忘れているような。だがこの完璧美少女錬金術師のオレ様が忘れるなんて事は絶対にありえないしな)
「ししょーどーしたのー?」
「クラリスか。いや、なんでもない」
「そう?なんか悩んでそうだったからちょっと心配したよ」
「お前が心配するのはオレ様が出した課題を明日までに片付ける事だろ」
「ウゲェ、ししょー勘弁してー!!」
そんな未完の錬金術士の叫びと開闢の錬金術師の笑いが響いた。
エローエ
年齢(享年):94歳
身長:318cm
種族:ドラフ
趣味:酒造り、仲間との飲み比べ
好き:美味い酒、美味い飯
苦手:苦い薬
色々ステータスとか書いてたけどインフレし過ぎだって言われそうだから載せるか考え中
鋭い人なら司書長の種族分かるかも。ところどころにヒントは出てます
ただ見た目で種族が分からないようになってます
あと友達に1話で読む人選んでね?って言われてやっぱり?って思ったり思わなかったり