仮面ライダージオウ×Fate/Grand order The KING order   作:リョウギ

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第6話 「0064: 譲れない闘い」

《ディ・ディ・ディ・ディケイド‼︎》

《アーマータイム‼︎ ディーケーイードー‼︎》

「ハァッ‼︎」

 

ディケイドアーマーに変身したジオウがブラーボに斬りかかる。ブラーボはそれをドリノコでいなし、がら空きの腹に刺突、ジオウを吹き飛ばす

 

「あら?なんだかファンキーな姿に変身したけど、そんなものかしら?王様って言ってもその程度なのね〜」

 

膝をついたジオウに腰を振りながらブラーボが挑発する

 

「ッ‼︎ まだまだ‼︎」

 

負けじと立ち上がりウォッチを取り出す

 

《エグゼイド‼︎》

 

取り出したウォッチをエグゼイドウォッチのレールに装填、ファイナルフォームタイムを解放

 

《ファイナルフォームタイム‼︎》

《エ・エ・エ・エグゼイド‼︎》

 

胸のライン内の文字が《ダブルアクションXXR》に、顔がマイティブラザーズXXの顔に変化し、アーマーの色が緑、オレンジのツートンに変色

それと同時にジオウが「2人」に増えた

 

「あら⁉︎ アナタがアナタで、アナタもアナタ⁉︎」

 

流石の光景にブラーボも驚愕する

ジオウLがガシャコンキースラッシャー、ジオウRがヘイセイバーとジカンギレードを構え、ブラーボに突撃する

ジオウLの斬撃を受けたブラーボはそれを受け止め、ドリノコを構えるが間髪入れずにジオウRの連撃がブラーボを襲う

 

「ちょっとちょっと‼︎ 二人掛かりなんて卑怯じゃないのよ‼︎」

「残念だけど2人じゃないよ」

「俺も俺だし、そっちも俺。だから俺1人だよ‼︎」

 

2人のジオウの息の合った連携の前にブラーボも流石に押されー

 

「あら、なら問題なかったわね。ごめんあそばせ‼︎」

《ドリアン、スパーキング‼︎》

 

エネルギーを解放した斬撃が2人のジオウに雨あられと降り注ぎ、大きく吹き飛ばす

 

「ぐぁっ⁉︎」

 

その衝撃にエグゼイドフォームの変身が解け、ディケイドアーマーの姿に戻る

 

「いっちょまえに色々と使うことはできるみたいだけど、やっぱりまだまだお子ちゃまね」

 

倒れ伏したジオウの前でドリノコを弄びながらブラーボが冷然と言い放つ

 

「大人を舐めてると、痛い目に遭うわよ、ボウヤ?」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ドムス・アウレア・ユグド

そのタワー部分

 

「驚いたよ。まさか、キミが手助けしてくれるとはね」

 

薄暗い廊下を歩む海東と武蔵、その後ろから彼らに追従していたのは

 

「私も、我が魔王に先んじてこの建物の謎を調べにきていただけのこと。協力はあくまでも、必要であるからだ。勘違いしないでくれたまえ」

 

そう素っ気なく返すウォズ

エレベーターホールで海東たちが遭遇したのはウォズであった

最初こそ警戒していたものの、彼も階下のタワー部分を調べにきたことを知らされ、更に仮面ライダーキカイの力でエレベーターをハッキングし階下への移動を可能にしてくれた故に、一時共闘関係を結ぶこととなったのだ

 

「しっかし、やっぱりというか何というか、随分ときな臭い雰囲気になってきたわね……」

 

3人が歩む廊下には壁に何やらよくわからないパイプラインが構成され、耳を当てると何やら内部を移動しているような音が響いている

 

「どこまでも、このパイプラインが続いているようだが……一体何を輸送しているんだ?」

「ーどうやらその答えはこれらしいよ」

 

廊下から広いスペースに出た海東が周囲を見回しながら呟く

 

そのスペースの壁には今までのパイプラインではなく、緑の培養液のようなものが充填されたシリンダーが壁一面に並んでいた

その中に浮いていたのはー剣闘士たちが使っていたあの黒いロックシード

 

「なるほど……あの消えた剣闘士たちの遺品はここに運ばれていたのか」

 

興味深そうにウォズがシリンダーを眺める

 

「ーここに陛下以外の客人とは、実に珍しいな」

 

静まり返っていたホールに聡明そうな声が響く

3人の前に現れたのは、なんとも奇妙な服装の人影

青いマントと全身を覆うスーツに身を包み、その顔は金色の仮面で覆われている

 

「貴方……アヴィケブロン⁉︎」

「ほう、僕を知っているのか。キミもサーヴァントなのかな?」

 

驚いた表情を向ける武蔵とは対照的にどこか不思議そうに仮面のサーヴァントは首を傾げる

 

「武蔵、キミの知りあいかな?」

「ええ、そうよ……と言いたいことだけど、サーヴァントは召喚の度に記憶を一新されるから、私は知ってると言ったほうがいいわね」

 

覚悟を決めたように武蔵がアヴィケブロンを睨む

 

「彼はキャスター・アヴィケブロン。魔術師のサーヴァント、なんだけど、彼の場合は魔術は魔術でも少し毛色が違うわ」

「やはり僕を知っている、か。以前に召喚した際に戦った相手か、それとも……いや、今は不要な思考だな」

 

パチン、とアヴィケブロンが指を鳴らす

同時にシリンダーを守るように隔壁が出現し、アヴィケブロンの背後に数十体のゴーレムが出現する

 

「皇帝陛下の命令でね。ここはこれ以上は通行止めだ」

 

アヴィケブロンの従えたゴーレムたちが一斉に起動。それを確認したアヴィケブロンは奥の通路へと退避する

 

「成る程、コロセウムのゴーレムたちは彼の作品だったということか」

《クイズ‼︎》

 

ウォズがミライドウォッチを取り出し、起動。ドライバーに装填する

 

「これだけ厳重なら、奥には相当なお宝があるんだろうね」

《カメンライド》

 

どこか愉快そうに呟きながら海東もディエンドライバーにライドカードを装填、自身の真上に銃口を向ける

 

「変身」

《トウエイ‼︎》

《フューチャータイム‼︎》

《ファッション‼︎パッション‼︎クエスチョン‼︎》

《フューチャーリングクイズ‼︎クイズ‼︎》

 

「変身」

《ディエンド‼︎》

 

ウォズがフューチャーリングクイズに、海東がディエンドに変身し、それに合わせて武蔵も刀を抜き放つ

 

《ジカンデスピア‼︎》《ツエスギ‼︎》

 

向かってくるゴーレムにまずうちあったのはウォズ。ジカンデスピアを杖モードに変更し、その拳を受け流す

 

「問題。ゴーレムを停止させるには、その額に刻まれた碑文《シェム・ハ・フォメラッシュ》の最初の一文字を消せばいい。マルかバツか?」

 

出題しながら次なる拳を振り返りながら弾き上げる

 

「正解は、マルだ」

 

ピンポーン‼︎ という軽快な音と共にその肩のパーツが展開。マルが刻まれたパネルが発光する

それに合わせてジカンデスピアから?型のエネルギーをゴーレムの額に発射し、的確に削り取る。宣言通り碑文が削られたのかそのままゴーレムは停止し、土塊へと還る

 

「成る程、そうすればいいのね‼︎」

 

ウォズがゴーレムを撃破した様子を確認した武蔵が、交戦中のゴーレムの拳を回避、地面に突き刺さったその腕の上を駆け上がり跳躍、豪快な一刀で碑文を穿ち、停止させる

 

「僕はもう少し、クレバーにやらせてもらおうか」

 

とディエンドはライドカードを取り出し装填する

 

《カメンライド キカイ‼︎》

 

ディエンドライバーから召喚され金色のアーマーを輝かせるのは、かつてソウゴたちが遭遇した未来の仮面ライダー、仮面ライダーキカイであった

 

「ゴーレムも広く捉えればマシンだ。やれ」

 

ディエンドが召喚したキカイに命令を下すと、キカイは腕を打ち鳴らし、そこからスパナを発射、ゴーレムの一体に命中させる

スパナが命中したゴーレムは一時停止したかと思うと、再起動。ディエンドたちではなく、その隣のゴーレムに拳を振り下ろし粉砕する

キカイの機械操作能力である

キカイにコントロールを奪われたゴーレムは残るゴーレムにタックルし、一箇所に固めたのちに大爆発してまとめてゴーレムを粉砕する

 

「よし、行こうか」

 

エゲツないことをしておきながら涼しい顔をしてディエンドが奥へと歩みを進めていく

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

コロセウム縁部 玉座

 

『良い、実に良い‼︎ なんとも愉快な試合よな‼︎』

 

眼下の試合の様子を眺めながら皇帝が愉快そうな声を上げる

 

『余のローマの民たちも、屈強さには劣らぬが、中々どうして素晴らしいではないか仮面ライダー……』

 

と、その玉座の背後から青い装束の魔術師が姿を現わす

 

「皇帝陛下、報告しよう。《工場》に闖入者が現れた」

『……ほう?余程身の程知らずなものなようだな……』

 

アヴィケブロンの報告に皇帝は少しだけ不快感を声に滲ませる

 

「僕のゴーレムでも時間稼ぎには限界がある。早急に手を打っていただきたいのだが?」

『ふむ、そうさな……』

 

アヴィケブロンの進言に悩ましく応える皇帝。その側に新たな人影が姿を現わす

 

「それならば、《工場》の方は私にお任せいただいても良いでしょうか、陛下?」

 

慇懃に礼をしながら皇帝に進言したのは、例のハットを被ったタイムジャッカー。トレグと呼ばれていた少女もその後ろに控えている

 

『デューマーか。頼んでも良いのか?』

「ええもちろん。私としても、皇帝陛下の統治が続いて欲しいのは同じですから」

 

にこやかに応えるハットの男ーデューマーを見て満足げに頷いた皇帝は即座に指示を出す

 

『ならば任せる。そなたの奇妙ながらも有用な力なら問題あるまい』

「ありがたき、幸せ。少しばかり、陛下の《獣闘士》をお借りします」

『許そう。試験運用にはちょうど良い』

 

陛下の愉快そうな笑みを見たデューマーは踵を返し、部屋から消える

 

『トレグ、そなたは行かぬのか?』

「トレグ、エクストラソルジャー、陛下の、お気に入り」

『うむ、まぁそうであるが……成る程、そなた彼奴等と戦いたいのだな?』

 

皇帝の問いに、トレグはこくりと頷きを返した

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ハッ‼︎」

「おりゃぁっ‼︎」

 

ジオウとブラーボが激闘を繰り広げる中、ゲイツとグリドンも熾烈を極めていた

拳と拳、ジカンザックスとドンカチが何度も交差し、火花を散らして闘技場を明るく染める

 

「貴様、城乃内と言ったか。貴様は決闘に乗り気ではないように思えたんだが、なッ‼︎」

 

ジカンザックス おのモードを振り下ろしながらゲイツが問う

 

「よっと‼︎ たしかにそうだな。でも、逃げたら逃げたで俺が痛い目に遭う。それに……俺はもう逃げないッて決めたのさッ‼︎」

 

それを腕の装甲で受けたグリドンはキックでゲイツを押しのける

 

「お前はお前でいいのかよ?」

「何がだ……?」

 

やれやれと呆れた様子でグリドンが答える

 

「あの王様だよ。お前の友達なんだろ?」

「あぁ、そうだとも」

「なら、あっちに加勢してやれよ。凰蓮さんは俺なんかよりもずっと強い。あいつ1人じゃ、間違いなく勝てないぞ」

 

呆れたようにグリドンが指差す先では、今もジオウとブラーボの死闘が続いているが、グリドンの言う通りジオウが圧倒されている

 

「……わかっていないな」

「はぁ?」

「確かに、あの凰蓮というやつの強さも本物だろう。だがー」

 

ゲイツはジオウを遠目に見やりながら、グリドンに視線を戻す

 

「あの魔王は、お前が思うよりもずっと強く、まっすぐで…信念のある男だ……‼︎」

 

「その友達として、俺はジオウを信じてまずは貴様を倒す‼︎」

 

ゲイツはその手に新たなウォッチを取り出し、竜頭をノックする

 

《ドライブ‼︎》

 

ドライブライドウォッチをドライバーに装填し、ぐるりと回転させる

 

《アーマータイム‼︎》

《ドライブ‼︎》

《ドライブ‼︎》

 

ゲイツの背後に腰を屈めた状態のアーマーが出現、分解され、ゲイツの体に装着され、《どらいぶ》の文字がマスクにはまる

 

「ひとっ走り、付き合ってもらうぞ‼︎」

 

腰を屈め、ゲイツがグリドンを睨む

 

「……ヘヘッ、いいぜ。付き合ってやるよ‼︎」

 

気合い充分とばかりにドンカチを打ち鳴らし、グリドンが構える

ドンカチとハンドル剣が衝突、対決が再開された

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ギャリィンッ‼︎

 

「ぐぁあああああぁああぁああ‼︎」

 

ドリノコの鋭い一閃にカチ上げられ、ジオウが大きく吹き飛ぶ

多大なダメージにディケイドアーマーが解除される

 

「頑張るわねぇ、アナタ。でも、残念ながらワテクシには届かないわ」

 

倒れ伏すジオウに、少し優しげな声色でブラーボが諭すように声をかける

 

「さて、決着はついたわけだし、ゴング鳴らして頂戴〜?」

「ーまだだ……」

 

背を向けて手を振るブラーボに、ジオウの声が届く

振り返ったそこには、砂を握り締めながらフラフラと立ち上がるジオウの姿があった

 

「まだ終わってない……‼︎」

 

ジカンギレードを握り締め、再びジオウはブラーボに突撃していく

が、力の入っていない斬撃など届くはずもなく、ドリノコすら使われずに受け流され、あえなく倒れ伏す

 

「終わりよ。これ以上やっても無駄。アナタの力はここが限界よ」

 

だが、それでもジオウは立ち上がる

 

「………確かに、ここが限界かもしれない……」

 

「でも、俺は諦めない……‼︎」

 

「王様になることも、あんたに勝つことも……‼︎」

 

「限界になんて、ぶつかってる暇なんかないんだ‼︎」

 

《ビルド‼︎》

《ベストマッチ‼︎ ビルド‼︎》

「ハァッ‼︎」

 

気合い一喝、ビルドアーマーに変身したジオウがブラーボに突撃、ドリルクラッシャーで連撃を加える

 

「王様?お子ちゃまらしい夢とは思ってたけど、そんなことにいつまで維持を張っているのかし、らッ‼︎」

 

ドリノコでドリルクラッシャークラッシャーを弾きながらジオウの脚を払い、ストンピングを加えて叩き伏せる

 

「ッ…‼︎まだまだ‼︎」

《エグゼイド‼︎》

《レベルアーップ‼︎ エグゼイド‼︎》

 

エグゼイドアーマーにチェンジしたジオウのアッパーがブラーボをよろめかせる。その隙をついてガシャコンブレイカーブレイカーによるワンツーラッシュがブラーボへと叩き込まれ、《ヒット‼︎》の文字と共にブラーボを吹き飛ばす

 

「もおうッ‼︎ なんでアナタそこまでムキになるのよッ‼︎」

 

ブラーボが苛立たしげに地団駄を踏みながらジオウを睨む

 

「あんた、自分のプロ意識として曲げたくないから、俺たちとの協力は断るって言ったよな?」

「えぇ、言ったわ。それがどうかしたかしら?」

「あんたが俺のことをどう見てるのかはまだわからない。だけど、俺が王様になりたいのも、あんたのプロ意識と同じくらい本気だ‼︎」

 

ジオウが言い放ちながら、新たなウォッチを取り出す

 

《オーズ‼︎》

 

「だから、あんたにこの本気が伝わるまで俺は、諦めない‼︎」

《アーマータイム‼︎》

《タカ‼︎ トラ‼︎ バッタ‼︎》

《オーズ‼︎》

 

タカ、トラ、バッタ型に分解されたアーマーがブラーボに強襲、すかさずドリノコで弾くが弾かれたアーマーたちが変形、ジオウに装着され、赤黄色緑のカラフルなアーマーが完成、マスクには《オーズ》の文字が刻まれる

 

「ハァッ‼︎」

 

腕のトラクローZを展開、虎の手のようにファイティングポーズを構えてブラーボへと突撃する

 

「いいわ。気の済むまでコテンパンにしてあげるわ‼︎」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

ドムス・アウレア・ユグド タワー部分中層

ゴーレムをなぎ倒しつつ、下へ下へと進んだディエンド一行はタワーの中腹辺りの今までで一番広いエリアに到着した

 

「………これは、予想外のお宝だね」

 

天井付近に浮遊するソレをみたディエンドが思わず呻く

 

そこに鎮座していたのは、林檎のような形状をしている黄金色に輝く果実

黄金の果実がそこに大量のパイプが取り付けられた状態で浮かんでいたのだ

 

「あのパイプを見るに、恐らく上層階のロックシードはこの果実に送られてきているのだろう。だが、これは一体…」

 

首を傾げながら眺めるウォズ。それになにかを知っているのかディエンドが口を開く

 

「似たものを僕は見たことがある。あれはー」

「あれは黄金の果実。またの名を禁断の果実ですよ。模造品ですけどねぇ」

 

ディエンドの言葉を遮り、部屋の暗がりから何ものかが現れる

 

「やぁヤァ、仮面ライダーとサーヴァント諸君。お初にお目にかかるね。私はタイムジャッカーのデューマーというものだ」

 

ハットを取りながらデューマーがディエンドたちに慇懃に礼をする

 

「デューマー、だと……?」

「久しぶりだね〜ウォズ。スウォルツたちは元気かい?」

 

朗らかに笑いながらデューマーがウォズに声をかける

 

「ウォズくん、知っている人間かい?」

「……私もスウォルツ氏から警告を受けただけだが、彼はデューマー。スウォルツ氏と別行動をとるタイムジャッカーでかなりの過激派だ」

 

油断なくジカンデスピアを構えながらウォズが答える

 

「オーマジオウへの歴史を閉ざすためなら、大規模な歴史改変すらいとわない……実に狂った男だと聞いている」

「えー、スウォルツくんそんな紹介してるの〜?傷つくなー私……」

 

おどけた様子を見せるデューマーだが、その目は笑っていない

 

「スウォルツくんたちが悪いんだよ。彼ら、ヌルすぎ……オーマジオウへの歴史を本格的に潰したいならさぁ、国か文明の一つや二つは消しちゃうくらいしないと、さぁ‼︎ ハハハハハハハハハ‼︎」

 

狂ったような哄笑をあげながらデューマーが腹を押さえて膝をつく

 

「失礼、私笑い上戸でねぇ。まぁそれはいいや」

 

パンパンと膝を払ってデューマーが立ち上がり、黄金の果実を指す

 

「これがなんなのか、ッて話だったよね?簡単な話さー」

 

「これは、スーパーアナザーライダーとなられた皇帝陛下、ネロ・クラウディウス陛下の計画のもと生み出された擬似的ヘルヘイムの種さ」

 

信じられない発言に一同が目を丸くする

 

「擬似、ヘルヘイムだって?」

 

ヘルヘイムーそれはかつてウォズたちも遭遇した異次元の《森》

ウォズたちはアナザーライダーが形成した異空間としてのそれしか経験したことがないが、本来のヘルヘイムは黄金の果実を実らせては他の次元を侵食、その次元を《進化》させる《侵略者》のようなものである

 

「そう。あくまでも擬似だがね。陛下が使った仮面ライダーマルスの力ではどう足掻いても本物のヘルヘイムや黄金の果実は再現できないから」

 

デューマーのセリフにウォズが首を傾げる

 

「仮面ライダー……まさか、あの皇帝には仮面ライダーの力が注入されているのか?」

 

「その通り。カルデアから奪った英霊の、その中でも王に名を連ねたものの歴史を一つ。それにこちらで用意した仮面ライダーの力をチョチョイと混ぜて、適当な人間に放り込む。これで生み出したのが、陛下のようなスーパーアナザーライダーってわけだ」

 

あっけらかんとデューマーが答える。そのセリフの中にあった『カルデア』という単語に武蔵が眉を動かす

 

「成る程、しかしいいのかい?それは皇帝にとって、キミたちにとってもかなり重要な情報だろう?」

 

ディエンドとウォズ、武蔵が武器を構えたまま油断なく問いただす

 

「あぁ、問題ないとも」

 

笑みを浮かべたまま、デューマーが告げる

 

「キミたちはここで死ぬんだから」

《デェムシュ‼︎》

《カラスアマゾン‼︎》

 

取り出した黒いライドウォッチを起動。起動と同時にオレンジのラインが走ったそのウォッチを放り投げると地面に落下すると同時にウォッチが展開、その中からホログラムのようなものが出力され、怪人のような姿を形成して実体化する

 

『デェンゴシュデェ ゴロ シャバリャデュ‼︎』

 

判読不能な言語で雄叫びをあげる紅い甲冑のような姿の剣を携えた怪人

 

『………』

 

対照的に直立姿勢のまま静かにピクリとも動かないカラスのような印象の怪人

その2体の怪人がライドウォッチから召喚された

 

「あと、彼らも追加しておこう」

 

デューマーの合図と共に現れたのはインナーだけを纏った男女6名

虚ろな目をしたままの彼らは、左の腕輪の注射器のようなスイッチを押し込む

 

『アマゾン』

 

異口同音に告げた瞬間、6人の姿が赤熱化し変化する

黒い鎧のような、鱗のような外皮に変化した体は鋭利なヒレや鉤爪などの凶器じみた印象を受ける

 

「皇帝陛下が、その力で作り上げた新たなるローマ親衛隊。その名も、《獣闘士》」

 

「か弱い私では君たちを相手にはできないが、彼らは強いよ〜せいぜい、足掻きたまえ」

 

腕組みをしながらニヤニヤと笑うデューマーの側から2体の怪人と6体の獣闘士が三人に襲いかかった

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「フンッ!!」

 

ギィンッ‼︎

ジオウオーズアーマーの爪攻撃をかわしたブラーボの力強い袈裟斬りがジオウに膝をつかせる

 

「ぐぅっ……‼︎」

 

流石のジオウも、もう立ち上がれないのか、ドリノコを持つブラーボの手にもたれる

 

「もう流石に、無理でしょう? これでトドメよ」

 

ブラーボがもう片方のドリノコを振り上げる

 

《クウガ‼︎》

 

Pardon(パルドン)?」

 

勝利を確信したブラーボの耳に響くウォッチの起動音

 

「この時を待ってたんだよ‼︎」

 

《アーマータイム‼︎》

《クウガ‼︎》

 

新たにジオウが装着したアーマーは赤い、超古代の戦士のアーマー

変身が完了したジオウは、肩口に叩きつけられていたドリノコを不意をついて奪い取り、構え直す

構え直されたドリノコは、紫の大剣ータイタンソードへと変化する

 

「え⁉︎ ワテクシの武器を⁉︎」

「ハァッ‼︎」

 

一気に重量級の武器に変化した剣がブラーボに叩きつけられ、その巨体を吹き飛ばす

 

「ぁあン⁉︎」

 

地面を転がったブラーボは油断せずにジオウに向き直る

 

《フィニッシュタイム‼︎》

「これで、キメる‼︎」

《タイムブレーク‼︎》

 

アーマーを解除して基本形態に戻ったジオウがドライバーを回転させ、キックの準備体勢に入る

同時に《キック》という文字の形をしたエネルギーがブラーボを取り囲む

 

「………いいわ、ワテクシも……全力で応えましょう‼︎」

《ドリアンスパーキング‼︎》

 

カッティングブレードを倒し、最大限のエネルギーを解放

そのエネルギーを残ったドリノコ一本に収束させ、ブラーボがジオウに向かい合い構え直す

 

「ハァァァァァッ!!」

「セェェェェイッ!!」

 

ジオウのキックとブラーボの一撃

全霊を賭した一撃が衝突し、スパークする

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「ハァッ!!」

 

ドンカチのラッシュから回避しながら、数個のタイヤを召喚しグリドンを吹き飛ばす

 

「終わりだ」

 

《フィニッシュタイム‼︎》

《ヒッサツタイムバースト‼︎》

 

召喚したタイヤたちと共にゲイツの必殺キックがグリドンに放たれる

 

「上等‼︎」

《カモン‼︎》

《ドングリスパーキング‼︎》

 

エネルギーを解放したドンカチを振り回し、ドングリ型のエネルギーを纏って回転するグリドンにキックが衝突。両者のエネルギーが火花を散らす

 

「ハァッ‼︎」

 

競り勝ったのは、ゲイツ

グリドンを大きく吹き飛ばし、着地する

 

「ってて……あー参った参った」

 

ダメージ故に変身解除された城乃内が両手を上げて降参を示す

それを見たゲイツもアーマーを解除し基本形態に戻る

 

「こちらも全力を出さざるを得なかった。大したタフネスだ」

「へっ、パティシエ舐めんなってわけよ」

 

瞬間、轟音がコロセウムを揺るがす

その方向に目をやると、盛大な土煙が巻き上がっていた

晴れていく土煙の中にいたのは、倒れ伏したジオウ

 

「ジオウ‼︎」

 

そして、晴れていく土煙からよろよろと歩み出てきたのはーブラーボ

 

「凰蓮さん……‼︎」

 

倒れ伏したままのジオウに、ブラーボはその手のドリノコを振り上げー

 

パキンッ

 

ーその手のドリノコが折れる

 

「負けたわ。ソウゴのボウヤ」

 

よろめき、膝をついたブラーボの変身が解除される

そのままジオウに手を貸し、彼を助け起こす

 

「……あんた……まさか手加減して、」

「ノンノン‼︎ それはアナタ自身がよくわかっているでしょう? ワテクシは、本気も本気。全身全霊だったわ」

 

清々しく笑いながら凰蓮がジオウの肩を叩く

 

「でも、まぐれと言えばそうなるわね」

「じゃあ、やっぱりー」

 

「そのまぐれを掴んだのは、アナタが諦めずに本気で食らいついたからじゃない」

 

「あっ………」

 

驚いて呆けるジオウに、改めて向き直って凰蓮が言う

 

「アナタの本気、たしかに受け取ったわ。バカにしてごめんなさいね」

 

再び優しく凰蓮が微笑んだ

 

「ソウゴさん‼︎ 凰蓮さん‼︎」

「ソウゴ‼︎」

 

ギッギィィィィィン‼︎

 

突然の擦過音

見るとジオウと凰蓮の前にはマシュとブーディカが、その盾を構えて立ち塞がっていた

 

「ソウゴ‼︎」

「凰蓮さん‼︎」

 

遅れて駆けつけてきたゲイツと城乃内がジオウたちに並ぶ

鋭い視線に戻った凰蓮が、その前に現れたものを睨みつける

 

「……これはなんのつもりかしら?皇帝陛下」

 

『そう怖い顔をするでない。チームシャルモンのオウレンよ』

 

そこに立っていたのは、黄金に輝く鎧を纏い盾と直剣を携えた皇帝ーネロ・クラウディウスだった

その側にはタイムジャッカー・トレグと漆黒の鎧を纏った騎士のような人物

黒騎士の手には、今しがた発砲したかのように硝煙が銃口から登っているハンドガンが握られている

 

「いきなり攻撃してきておいて、怖い顔も何も無いんじゃなくて?」

『それはすまない。そこな狂犬(レインドッグ)はバーサーカーのサーヴァント故に、手綱を離せば止められぬからな』

「Fuuuuuuuuu………」

 

狂犬(レインドッグ)と呼ばれたバーサーカーのサーヴァントは荒い呼吸音をその甲冑の下から漏らす

 

『実に、実に良い戦いであった‼︎ 両者とも、このコロセウムにおいて余にも届きかねん最強ぶりよな。余も実に昂ぶる試合であった』

 

愉快そうに手を叩きながら皇帝が続ける

 

『故に、これより続けて余と余の選んだエクストラソルジャーたる狂犬とトレグとのエクストラマッチを初める‼︎ 今、ここに余が決めた‼︎』

 

皇帝の宣言にコロセウムが沸き立つ

 

「随分と急な話だね……」

『皇帝特権である。特に許しておくと良い♪』

 

上機嫌に答える皇帝の隣から、トレグが歩み出る

 

「ジオウ、超邪魔い。だから……死んで」

《王蛇‼︎》

 

とその手にライドウォッチを取り出しながら、気怠げに告げる

 

「偽装」

《フェイクタイム‼︎王蛇‼︎》

 

起動したライドウォッチをその左手のホルダーにはめると同時にその姿が変化。紫の仮面ライダーー仮面ライダー王蛇へと『変身』した

 

「ちょー、イライラする」

「A rrrrrrrrrrrr………!!」

 

王蛇と狂犬(レインドッグ)が戦闘態勢を取ると共に、皇帝も歩み出て高らかに宣言する

 

『ではこれより、血湧き肉躍るエクストラマッチの開始である‼︎』

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

『グァアアアアアア!!!!』

 

デェムシュがその大剣を振りかざし武蔵に斬りかかる。それを二刀で受け流し、デェムシュの腹に肘鉄を撃ち込み、斬り吹き飛ばす

 

「このッ‼︎ そこをどけ‼︎化生‼︎」

『………』

 

デェムシュと斬り結ぶ武蔵の横からカラスアマゾンが飛来、咄嗟に防御しようとする武蔵の前にウォズが割り込み、カラスアマゾンを押しのける

 

《カメンライド‼︎ 黒影トルーパーズ‼︎》

 

ディエンドによって新たに三体の仮面ライダー黒影が召喚、既に召喚されていた仮面ライダーキカイと共に獣闘士と戦闘を開始する

 

「……参ったな、これは流石に厳しくなってきた」

 

獣闘士一体の相手をしながら援護射撃を撃ちつつ、ディエンドが苦しげにつぶやく

 

「こんな弱気なこと言うのも何だけど、なんか無いの⁉︎海東くん‼︎」

「そうは言っても、僕としてもこの獣闘士の相手で手一杯だ。これ以上の召喚ができる隙が作れそうに無い」

 

ディエンドの返答に、武蔵が苦い表情を返す

黒影が討ちもらした獣闘士が1人、ディエンドに向かってくる

それにディエンドが銃口を向けたー

 

「おーおー、こりゃ大量だなァ」

 

その場にそぐわない、呑気な声が響くと共に、ディエンドに向かっていた獣闘士が蹴り飛ばされる

そこに現れたのは、ボロボロの黒いコートを纏った長身の男。ソウゴに卵を渡したあの男である

 

「………お前は」

 

ニマニマと余裕を見せていたデューマーの顔が歪む

 

「ちょ、そこのオジ様⁉︎ 危ないから下がって‼︎」

 

武蔵が警告するが、どこ吹く風と言った様子で手にした黒い重厚なベルトで生卵を割り呑み込む

 

「なんだかわからんが、安心しなべっぴんさん」

 

不敵に笑っていた男が、そのベルトを腰に巻き、獰猛な表情へと変わる

 

「アマゾンは、一匹残らず俺が殺してやるからな」

 

男がベルトのグリップを捻り、起動する

 

《ALPHA……》

「ーアマゾン」

《BLOOD & WILD‼︎》

《W・W・W・WILD‼︎》

 

獣闘士の変身時と同様、だがそれ以上の熱量で男が赤熱化

その体が変化する

獣闘士とよく似た姿、それでいて全身に刻まれた緑の生傷、更に血のような真紅の体表

緑の複眼を光らせたそれは、立ち上がり襲いかかってきた獣闘士の心臓を、ひと突きに貫き、斬り伏せる

 

「さぁ、かかってきな。一匹残らず殺してやるよ、アマゾンども」

 

右手に付着した黒い血液を舐めとりながら、心底愉快そうに真紅の凶獣が獣闘士に手招きをした




はい、お待たせしました‼︎ ローマ編第三話‼︎

遂にあの男が、始動です‼︎
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