仮面ライダージオウ×Fate/Grand order The KING order 作:リョウギ
「それじゃ、もう一仕事と行きましょうか?城乃内のボウヤ」
腕を鳴らしながら凰蓮がロックシードを構える
それに習い、逡巡しながらも城乃内もロックシードを構える
「手貸してくれるの⁉︎」
「アナタが勝ったのだもの。アナタのやり方にかけてあげるわ、王様」
凰蓮が驚くジオウにウインクを返す
「ありがとう…助かる‼︎」
《ドリアンアームズ‼︎ ミスターデンジャラス‼︎》
《ドングリアームズ‼︎ ネバーギーブアーップ‼︎》
ブラーボとグリドンに変身した2人が加わり、6人が並び立つ
「さぁ‼︎ 行きますわよ‼︎」
「なんか、いける気がする‼︎」
2人の宣言に合わせて、ジオウとブーディカは皇帝に、グリドンとマシュは王蛇に、ゲイツとブラーボは
「Arrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr‼︎」
向かってくるブラーボとゲイツめがけて
「Ruaaa‼︎」
それを回避した
更に迫るゲイツに取り出したオレンジロックシードから新たな刀を解放しゲイツの攻撃も防ぐ
「Arrrrrrrrrrrrrrrthrrrrrrrrrrrrrrrr‼︎」
「ッぐっ⁉︎」
「ッ⁉︎」
絶叫と共にゲイツとブラーボを吹き飛ばす
「Arrrrrrrrrrr………‼︎」
どこか虚空を見つめながらも、2人に殺意を滲ませる黒騎士を睨みながら、ゲイツとブラーボが態勢を立て直す
「全く……厄介な相手じゃない……‼︎」
《ストライクベント》
《ソードベント》
錫杖ーベノバイザーにアドベントカードを装填し、その左手にサイの頭のような手甲を、右手にサーベルを召喚した王蛇はグリドンの突撃をその手甲でいなしながら斬り捨て、マシュの盾の一撃を受け止める
「押し、切りますッ‼︎」
「無理、無駄」
《アドベント》
王蛇を押し込むマシュの隙だらけの脇腹に衝撃が走る
「かっ……⁉︎」
為すすべなく吹き飛ばされたマシュの目前に迫ってきたのは、サイ型の重量級モンスター、メタルゲラス
「しまっー」
「させるかよ‼︎」
その突進を、グリドンが身を呈して受け止め、メタルゲラスを横転させる
「助かりました…ッ‼︎」
ギィィン‼︎
起き上がったマシュが咄嗟に駆け出し、グリドンの目の前に迫っていたサーベルを受け止め、弾き返す
「おお、こっちも助かった……さてと、」
吹き飛ばされながらも立ち上がる王蛇は首をコキコキと鳴らしながら、新たにアドベントカードを2つ装填
《アドベント》
《アドベント》
その背後にエイ型のエビルダイバー、コブラ型のベノスネーカーが召喚され、3体のモンスターが並び立つ
《ユナイトベント》
更に装填されたカードに反応し、3体のシルエットが合体ーより巨大な合体モンスター、ジェノサイダーが完成し、禍々しい雄叫びを上げる
「こいつは、どうしたもんかな……」
油断なくドンカチと盾を構えながら、静かに殺意を滲ませる王蛇をマシュとグリドンは見据えた
《仮面ライダー‼︎ライダー‼︎ジオウ‼︎ジオウ‼︎ジオウII ‼︎》
「ハァッ‼︎」
ジオウIIへと強化変身しながら皇帝へとサイキョーギレードを叩きつける。それを黄金の盾で弾きながら、踊るように直剣で斬撃をジオウIIへと叩き込み、吹き飛ばす
そこにブーディカが駆けつけ、バックラーでの殴打を叩き込むが、今度は直剣でそれを弾き、お返しとばかりに盾でブーディカを弾き飛ばす
立ち上がり、向き直ったジオウIIの目にビジョンが映る
皇帝がベルトを操作し、放った斬撃がブーディカを切り裂くビジョンが
「ッ‼︎ブーディカ‼︎横に飛んで‼︎」
ジオウIIの呼びかけに応えてブーディカが咄嗟に横に飛ぶ
《ゴールデンスカッシュ‼︎》
先程までブーディカがいた地面を、皇帝の必殺の斬撃が切り裂く
「助かったよ、ソウゴ」
ブーディカのお礼に頷きを返すジオウII
『ーむぅ……そなた、よもや未来が見えておるのか?さすがは時の魔王といったところか』
皇帝が訝しむように首を傾げながらジオウIIを見つめる
『ーだが、それはこの場ではつまらぬ。疾く使用をやめよ』
皇帝が紡いだ言葉が早いか、ジオウIIの姿がなぜかジオウへと変化、ジオウIIライドウォッチが地面に転がる
「はっ⁉︎なんで⁉︎」
素早く広いあげて竜頭をノックするが、ジオウIIライドウォッチは起動することがない
『無駄である。ジオウよ。このコロセウムはそのものが余の宝具。ここでの余の命は絶対である。皇帝特権故に、な‼︎』
両手を広げ、自慢するかのようにコロセウムを示す皇帝
「なっ、そんなの反則だろ!?」
『皇帝特権である。特に許しておくが良い‼︎』
剣を突きつけながら皇帝がジオウへと高らかに告げる
側に駆けつけ、共に油断なく武器を構えたジオウとブーディカを満足気に眺めながら、皇帝は笑う
『良いぞ、良い闘志だ。もっともーっと余を楽しませよ‼︎』
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ザシュッ‼︎
黒い血液が散る
グシャァッ‼︎
ちぎれた手足が宙を舞う
突如現れた紅い凶獣は、瞬く間に獣闘士を解体していく
「ハハハッ‼︎そうだ、もっと来いよ‼︎もっと遊ぼうぜ‼︎」
紅い凶獣ー仮面ライダーアマゾンアルファは至極愉快そうに笑いながら、向かってくる獣闘士を殺してバラバラにしていく
「なんなの、アレ……」
流石の様相にデェムシュと斬り結ぶ武蔵が苦い顔をする
「さぁてね、だが彼のおかげでオーバーロードに専念できそうだ」
武蔵と鍔迫り合いを繰り広げるデェムシュにディエンドとキカイの援護射撃が炸裂、更によろめいたデェムシュに黒影たちの槍撃が直撃
《カマシスギ‼︎》
《フィニッシュタイム‼︎》
「ハァッ‼︎」
そこにジカンデスピアを鎌モードに変化させたウォズの必殺技がデェムシュに炸裂、その紅い体を大きく吹き飛ばす
『グゥ……‼︎』
よろよろと立ち上がったデェムシュはチラと天井付近に浮かぶ黄金の果実を睨む
すると、そちらに手を伸ばし果実に充満したエネルギーを吸収していく
『ヌゥアアアアアアアアアア!!!!』
力を吸収し終えたデェムシュは肩の装甲を禍々しく変貌させながら咆哮、放たれたエネルギーに一同が吹き飛ばされる
あまりのダメージに黒影たちとキカイは消滅してしまった
「ぐっ、これは、中々厄介だね……」
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ディケイドアーマーに変身したジオウが皇帝と剣撃を繰り返し、鍔迫り合いをはじめる
「皇帝……アンタはなんで、こんなことを続けるんだ!!」
『ふむ、余と出会いたい理由とはそれか』
鍔迫り合いを続けながら皇帝が答える
『良い、答えてやろうとも。これは全て余の愛故である』
「愛、だって?」
『ああ、そうだとも。貴様、闘技に負けて消えたものの行方は知りたくはないか?』
「⁉︎ あの人たちをどうしたんだ⁉︎」
『礎となったのだ。余と、民とが愛するこのローマのな‼︎』
鍔迫り合いになっていたジオウを弾き飛ばし、皇帝が続ける
『余の力でこのコロセウムに闘争本能を刺激する場を作り上げ、あとはあの錠前を与えて鎧と武器を与えて競い合わせる』
『闘争本能を伝染させた民は競い合えば合うほどその内に秘めた闘争心を昂らさせていく』
『闘争心が最高まで高ぶれば、その体ごとエネルギーとして変換、この下で作り上げた黄金の果実へと錠前ごと蓄積されて行く』
『そうして精錬した進化のエネルギーにより、民もろともこのローマを《進化》させる!!』
高揚したように皇帝が高笑いしながらこの闘技の真実を告げていく
「そんな……そんな身勝手な目的の為に人々を犠牲にしてきたっていうの……!?」
怒りに震えた声でブーディカが皇帝を糾弾する
『身勝手?何を言うか。余も、尊き犠牲になってきた民もこの国に愛され、そして愛してきた。ならば、その身が愛しきこの国の礎となるならば、何よりも本望であろう?』
さも当然の如く皇帝がそう答える
「あんな怯えた子供たちまで、喜んで犠牲になったとでも言うのかい⁉︎」
『怯え、そうさな。それもまたあり得る感情よな。だが、それも全て余の愛が受け取ろう。幾たびか剣を交えればその愛も伝わろう。時間の問題というヤツよな』
「ー違う」
ジオウが立ち上がり、皇帝を見据える
『違う?皇帝として、国と民を愛するのは当然のことであろう?』
不可思議そうに皇帝が首を傾げて尋ねる
「確かに、国と民を愛することは何よりも大切だと俺も思う」
「でも、その愛は愛じゃない」
『愛じゃない?だと?』
「アンタのそれは、ただ自己満足なこじつけだ。犠牲を正当化して、それを当然として、そんなのは王様がやることじゃない」
皇帝を見据えてジオウがそう言い切る
「国も民も愛して、民には笑顔でいてもらうように努力する。これが、王様ってもんでしょ」
それを聞いた皇帝はつまらなそうに直剣を弄ぶと
『高尚な演説は終わりか? 思ったよりもつまらぬヤツよな、ジオウ』
そう吐き捨てジオウたちに向き直る
「よく言ったわね、ソウゴ」
ジオウの隣にブーディカが並び立つ
「まぁ、まだまだ王様勉強中の俺の考えだから、アテになんかならないけど」
「そう?私は好きだよ、ソウゴが作りたいその国」
悠然と構える皇帝にブーディカが剣を向ける
「尚更、あの皇帝はぶっ飛ばさなきゃね」
「うん、この国は……元に戻さなきゃ」
『やれるものなら、やってみるがよい。余に勝つことなど、無駄なのだからな!!』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ヌゥァアアアア!!!!』
強化デェムシュが剣を振るい、武蔵とウォズを吹き飛ばす
「ぐっ!?」
「くっ!!」
倒れ伏す武蔵とウォズを尻目に手に入れた力に溺れているのか、強化デェムシュは剣を滅茶苦茶に振り回し、高笑いを続ける
『………………‼︎』
獣闘士を殺しつくし、亡骸の上に立つアマゾンアルファにカラスアマゾンが蹴りを放つ。それを受け止めたアマゾンアルファはカラスアマゾンに拳を打ち込むが、体を翻したカラスアマゾンはそのお返しにアマゾンアルファの肩口にチョップを叩き込む
「ぐぅっ……‼︎」
めり込む手刀が肉を削ぎ、血を吹き出しながらもその腕を掴み押さえると、カラスアマゾンの首根っこを掴み上げ、その顔を引き寄せる
「オマエぇ……千翼が気に入ってたヤツか……?」
『…………』
睨みつけるアマゾンアルファに反応ひとつも示さずにカラスアマゾンはさらにその手刀をのこ引きながら詰め寄る
「なるほど、そういう……手合いか‼︎」
押されていたはずのアマゾンアルファがベルトのグリップを捻る
《VIOLENT SLASH》
電子音声と共にアマゾンアルファの左腕から鋭利なヒレが展開される
「ァアアアアァアアアアァアアアア!!」
アッパーカットの要領で突き上げられたカッターによりカラスアマゾンの腕が切り飛ばされる黒い血液がその切断面から吹き出し、アマゾンアルファの赤い体表を黒く染め上げる
「なら、後腐れなく殺せるなァ!!」
《VIOLENT STRIKE》
更にエネルギーを解放したアマゾンアルファはその緑の目を輝かせ、両の脚でドロップキックを放つ
「ッシャアッ!!」
脚でカラスアマゾンの頭を挟み込みねじ切る
着地したアマゾンアルファの背後で壊れた人形のようにカラスアマゾンがくずおれ、黒い液体へと変貌する
カラスアマゾンの亡骸に一瞥だけくれたアマゾンアルファは立ち上がり、ゆっくりと上を見上げる
「………まだいるなァ、あと一匹……」
強化デェムシュと斬り結ぶ武蔵を一瞥し、ディエンドがふと尋ねる
「武蔵、ひとついいかい?」
「こんな時に、何ッ⁉︎」
「キミ、剣なら刀以外でも使えるかい?」
「はいぃ⁉︎ ん〜………まぁ多分使えるとは思うけど……ッ‼︎」
「なるほど、それなら良かった」
とディエンドが取り出したのは一枚のライドカード
《カメンライド ブレイド‼︎》
召喚されたのはトランプのスペードのような印象を受ける銀と青の仮面ライダー
「痛みは一瞬だ」
《ファイナルフォームライド ブ・ブ・ブ・ブレイド‼︎》
新たなライドカードを装填したディエンドは召喚したブレイドを背後から撃ち抜く
それと同時にブレイドが『変形』しその形を大剣へと変化させ、武蔵の手元へと飛んでいく
「使いたまえ、武蔵」
武蔵の下に飛んできた変形したブレイドーブレイドブレードを指しながらディエンドが告げる
「なるほど、これなら‼︎」
ブレイドブレードを手にした武蔵は一閃、強化デェムシュを大きく吹き飛ばし、更にダメ押しと袈裟斬りを叩き込む
『ヌ、グオォ……!!』
盛大に火花を散らしながら、強化デェムシュはまだこちらに向かってくる
「残念ながら、もう終わりだよ」
《ファイナルアタックライド ブ・ブ・ブ・ブレイド‼︎》
《ファイナルアタックライド ディ・ディ・ディ・ディエンド‼︎》
《ビヨンドザタイム‼︎》
《タイムエクスプロージョン‼︎》
ディエンドのライドカード装填と共にディエンドライバーの銃口から円柱型に並んだカード型エネルギーがデェムシュに向けて展開
更に武蔵が掲げたブレイドブレードからエネルギーが解放、そこに武蔵が持つ力も迸っていく
「ハァッ‼︎」
「ー王剣、大天衝!!」
ディエンドライバーから放たれたエネルギーの奔流が強化デェムシュを貫き、更にブレイドブレードの一刀がその身を両断する
「フッ‼︎」
更にウォズからの飛び蹴りがそこに直撃
盛大にエネルギーをスパークさせながら強化デェムシュは爆散した
「なんとかなったようだね」
「さて、次はアレをどうにかせねば」
ウォズが天井に鎮座している黄金の果実を睨む
と、その時部屋全体が大きく揺れる
「なっ、何!?」
地響きと共に現れたのは巨大な腕
「アレは……⁉︎」
「まさか、ゴーレム⁉︎ しまったアヴィケブロンの宝具か⁉︎」
天井を崩しながら現れたそれがディエンドたちに迫ってくる
腕だけで部屋を埋めつくしかねない威容に、一行が覆われる
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ぐあっ⁉︎」
皇帝の切り上げを食らい大きくジオウが吹き飛ぶ
「ソウゴ⁉︎」
ジオウの援護に駆け寄ろうとするブーディカに瞬時に近づいた皇帝はその盾で彼女を吹き飛ばし、コロセウムの壁に叩きつける
「かっ……‼︎」
衝撃で昏倒したブーディカを眺めた皇帝は再びジオウに剣を向ける
『終わりだな、魔王』
と、その背後の地面が開き、昇降機から青い装束の魔術師が姿を現わす
『何用だ、アヴィケブロン?』
「僭越ながら、皇帝陛下。《工場》が壊滅しました」
『なんだと……⁉︎』
今まで余裕綽々だった皇帝の顔に、初めて動揺が滲む
「侵入者、主にあのレッドプレイヤーが陛下が生産していた獣闘士を、残らず狩り尽くし、更にデューマーも敗北したようです」
『おのれタイムジャッカーめ……大口を叩いておきながらなんたる失態か!!』
皇帝が怒りのままに剣を振るう
『黄金の果実は無事であろうな⁉︎』
「ここに」
アヴィケブロンが指を鳴らすと、その背後の地面がめくり上がり、巨大な土塊の巨人が姿を現わす
その手には、黄金に輝く果実が
『おお、でかしたぞアヴィケブロン‼︎ それさえ健在ならば、一からでもアマゾン細胞を培養できる。いや、このローマの民全てを余の力で進化させることも容易い!!』
勝ち誇ったように高笑いをする皇帝
アヴィケブロンはそれを聞いて静かに頷くと、なぜかジオウに視線を移し、
「この時を待っていたよ」
『何?ッ⁉︎』
油断しきっていた皇帝を背後から新たなゴーレムが羽交い締めにする
『貴様、何を⁉︎ その腕を離せ!!』
皇帝の絶対命令が響く。が、自身を掴むゴーレムはその拘束を緩める気配がない
「無駄だよ。これらのゴーレムは、この闘技場の建材を流用している。宝具故か、建材を削ぐそばから再生してくれるから材料には困らなかったよ」
『貴様、裏切るつもりか!!アヴィケブロン!!』
「裏切る?人聞きが悪い言い方はよしてもらいたいな、仮初めの皇帝よ」
「キミに召喚されたベオウルフやランスロットと違って、僕はここに呼ばれたはぐれサーヴァントであり、キミの提案に一時乗っただけに過ぎない。元よりそのつもりだったのさ」
淡々と事実を告げるアヴィケブロンを、皇帝が睨みつける
すると、その結い上げた髪が解けサソリの尻尾のようにしなり、拘束役のゴーレムを粉砕する
『反逆者めが……!! その首をはねよ!!』
怒りのままに慟哭する皇帝を尻目に、巨大ゴーレムがその手の黄金の果実をその胸にあてがう
「僕の宝具には、強力な魔力の炉心が必要になる。普段であれば、魔術師一人を犠牲にするほどに膨大な、ね。このサイズを起動させるのさえ、僕の霊基のほとんどを注入する必要があった」
『貴様、よせ‼︎やめろ‼︎』
「その問題なら、これで解決する」
『やめろおおおおおおおおおおおお!!!!』
皇帝の斬撃がアヴィケブロンを切り裂く
だが、それは遅すぎた
「ー五大元素接続。土塊に生命と武器をー」
アヴィケブロンが祝詞を紡ぎあげる
同時に、巨大ゴーレムの周辺から更に土や建材が巨大ゴーレムへと集結し、そのシルエットを巨大化させていく
「ー生み出す楽園にて、受難の民を救いたまえー」
それは、救世を為す嬰児の誕生を祝福する言葉
今、《材料》を集め終えた巨体から、誕生する
「ー起動せよ、《
空を覆い尽くさんばかりの巨神が、顕現する
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
その巨大な咆哮がコロセウムを大きく揺るがす
『ふざけた真似を……!!』
怒りに肩を震わせた皇帝が、ベルトに装着されたシリンジをノックする
《BLADE LOADING》
左手に装備した黄金の鎧が弾け飛び、黒い鉤爪が備わった手甲が現れる。その手甲が展開し、ドロリと長いブレードが溢れ出し成形される
『貴様は、ここで死ー』
「ーお前が、アマゾンだったわけか」
落ち着いた、しかしどこか恐怖を感じる声が皇帝の直上から、衝撃と共に降り注ぐ
『がっ!? き、さま……!!』
皇帝の頭を鷲掴みにし、地面に叩きつけていたのはアマゾンアルファだった
「どういうカラクリかは知らんが、隠すのが上手い野郎だな、オマエ」
『痴れ者が!!』
左腕のブレードを薙ぎ、アマゾンアルファを退けた皇帝が立ち上がり彼を睨む
「そのブレード……で、その臭い……」
しばし、皇帝を値踏みするかのように眺めていたアマゾンアルファ
「ーなるほどな、オマエは、俺が殺さなきゃならない相手だ」
『戯言を!!』
今までとは比べものにならない殺気を噴き出したアマゾンアルファと、怒りに震える皇帝が衝突する
王蛇のラッシュがグリドンに迫る中、ジェノサイダーからブレスが放たれる。それをすんででマシュが防ぎ弾く
「っはぁッ、はぁッ……‼︎」
「くそッ……‼︎」
2人とも息が上がり、足元もふらついている
「そろそろ終わり。死ね」
《ファイナルベント》
アドベントカードの装填と共にジェノサイダーが咆哮、その腹部の装甲が展開しブラックホールが開く
「ふっ」
その対面から王蛇のキックが迫る
「ーそれは全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷……」
「ー顕現せよ、《
マシュの一喝と共にその十字盾が地面に突き立つ
同時に、マシュとグリドンの周囲に巨大な城壁が展開、王蛇の蹴りを防ぐ
「ァアアアアァアアアアァアアアアァアアアアァアアアア!!」
王蛇の必殺技を全霊で受け止めるマシュの肩を支える形でグリドンも援護する
だが王蛇のキックの衝撃はまだ殺しきれていない
ジリジリと後退する2人の後ろでジェノサイダーがそのブラックホールの出力を上昇させていく
《アタックライド ブラスト‼︎》
と、王蛇の死角から銃撃がクリーンヒット、その体を吹き飛ばす
「セェイッ‼︎」
ギィィン!!
ジェノサイダーの背面から斬撃が強襲、王蛇がファイナルベントを失敗したことによりブラックホールを封鎖しながらよろめく
「助太刀するよ」
「味方か⁉︎助かった」
姿を現したのはディエンドと武蔵。2人ともアヴィケブロンのゴーレムによってここまで運ばれてきたのだ
「くっ……」
流石のダメージにマシュが膝をつく
「マシュ、だっけ?あんたは休んでな。あとは俺たちが‼︎」
とグリドンが武蔵と共にジェノサイダーに向かい合う
「一気に決めるぞ……‼︎」
「ええ、一緒に決めるわよ‼︎」
構える2人の体を花吹雪のオーラが包み込む
「あれ?なんか力が……」
と振り返る2人の背後にはマシュに寄り添う白ローブの魔術師が
「戦いは苦手だが、これくらいなら僕にもできるからね」
と、マーリンが2人にウインクを返す
「よし、これなら‼︎」
《カモン‼︎》
《ドングリスパーキング‼︎》
「ー南無天満大自在天神…剣気にて、その気勢を断つ!!」
ドンカチと一刀にそれぞれエネルギーを収束、ジェノサイダーも迎撃のために動くが、その巨体故にあまりに遅い
「ありゃあッ‼︎」
「ー伊遮那、大天衝!!」
投げつけられたハンマーと必殺の一刀がジェノサイダーを直撃、爆砕する
《ファイナルアタックライド ディ・ディ・ディ・ディエンド‼︎》
ディエンドの必殺技が解放、王蛇に向けてカード状のエネルギーサークルが照準される
「ハッ‼︎」
シアンの渦巻くエネルギーがディエンドライバーから放たれ、王蛇へと迫る
が、エネルギーが直撃する寸前、周囲の時間が凍りつく
「今回は、ここまで。バイ、仮面ライダー」
左手のホルダーから王蛇ウォッチを外し、変身を解除すると、トレグは気だるげに手を振り、姿を消す
トレグの消失と共に再び時間が動き出し、何もいなくなった地面をエネルギーが焼く
晴れた爆風の中、その中心に目をやったディエンドは必殺の一撃を逃したことを察する
「……逃げ足が速い相手だ」
「Ruaaaaaaaaaaaaaaaaa‼︎」
ロックシードから長槍2本を取り出した
ゲイツの脇腹にその一撃が直撃するがー
「ー捕らえたぞ‼︎」
その穂先をホールドし、一瞬その動きが拘束される
「やるわね、ボウヤ‼︎」
その反対側からブラーボが強襲をしかける
隙を生み出した絶妙な連携、だがー
「Arrrrrr‼︎」
咄嗟に槍を手放した
「ぐっ、一筋縄じゃいかないわね……‼︎」
と、ブラーボをいなした
「苦戦しているようだね、ゲイツくん」
「ウォズ⁉︎ 貴様、今までどこに……」
「話は後ださっさと彼を撃破しておこう」
ウォズがクイズミライドウォッチを取り出しながらゲイツを促す
「言われずとも…‼︎」
ゲイツがそれに合わせて負けじとゲイツリバイブライドウォッチを取り出す
《ファッション‼︎パッション‼︎クエスチョン‼︎》
《フューチャーリングクイズ‼︎クイズ‼︎》
《パワードタイム‼︎》
《リ・バ・イ・ブ‼︎ 剛烈ゥ‼︎》
フューチャーリングクイズとゲイツリバイブ剛烈に変身した2人がそれぞれの得物を構える
「ハァッ‼︎」
まずゲイツリバイブが
《のこ切斬‼︎》
ジカンジャックローのこモードの一撃が
「Arrrrrrrr⁉︎⁉︎」
「今だ‼︎」
ゲイツリバイブの合図と共に、ジカンデスピアとドリノコそれぞれにエネルギーが走る
《フィニッシュタイム‼︎》
《ドリアンオーレ‼︎》
「ふっ‼︎」
「行くわよ‼︎」
ウォズが放ったクエスチョンマーク型のエネルギーが狂犬を拘束するが速いか、ブラーボの斬撃が何度も命中する
「Ga……aaaaaa………」
流石の
それを見届けたゲイツはジオウを見やる
「ー後は任せたぞ」
完成した巨大ゴーレムはその拳を振り上げると、皇帝ーではなく、彼がかつて腰掛けていた玉座のあるやぐらに振り下ろす
ズガァァァァン!!!!
凄まじい轟音と共にやぐらを含むコロセウムの一角が倒壊する
「今だ‼︎ 仮面ライダージオウ‼︎」
アヴィケブロンの呼びかけにジオウが彼の方を向く
よろめきながらも立ち上がり、彼は続ける
「これで、あの皇帝の宝具は完璧ではなくなった。今なら、キミたちの力で突破が可能なはずだ。行け‼︎少年‼︎」
アヴィケブロンの激励に、ジオウも立ち上がり、アマゾンアルファと交戦している皇帝を見据える
瞬間、ジオウは再び白い世界へと誘われた
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「………ここは、またあの場所?」
どこまでも白い世界をソウゴが見回す
「待ちくたびれたぞ、時の魔王よ。ようやく、ここまで来れたのだな」
ソウゴにかけられた声は、あの皇帝と同じ快活で明朗な、それでいて彼よりも華やかな声
振り向いたそこには、赤いドレスのような服を纏った金髪の麗人が腰に手を当てて華やかな笑顔で立っていた
「えっと、キミは……?」
「何を言っておる?余こそ、誉れあるローマの薔薇の皇帝‼︎ ネロ・クラウディウスである‼︎」
ふふん、と自慢げに赤い麗人が答える
「え、えぇっ⁉︎ ネロ帝が、女の子……⁉︎」
「む?そなたの時代では余は男と語られているのか?まぁ、男装はしておった訳ではあるが……」
と不思議そうにドレスの裾をつまみながらソウゴを見やる
「コホン、それはさておき……常磐 ソウゴよ。そなたは、王としてあるために何をする?」
「俺は……民を助ける王様になりたい。誰も悲しまない、辛い思いをしないために、俺は王様になりたいから」
「うむ、良い心意気よな。では、民を助け、誰もが微笑む国に必要なものは何か知っているか?」
「……何だろう?」
「簡単なことよ。王自身が楽しむことだ。その国の未来に思い馳せ、市井の民草と交流し、それらの様を、国としてあり行く様を」
「楽しむ、こと」
「いくら良い執政でも、王が深刻そうに悩んでばかりでは、民も笑えぬ。故に、胸を張って楽しむのだ。王であることを、そして民と国を愛することを」
そう告げたネロは、どこか寂しげな顔を見せながらソウゴに背を向ける
「余もそうだった。余自身が楽しみ、その楽しみを民にも与えようとした。だが、余の愛は民も国も渇かせ、全てを失ってしまった」
「ネロ帝……」
「……だが、後悔はないぞ? 暴君と成り果て、死なんとする余に手向けをくれた兵はいた。民を飢えさせたこの愛も、届いたものがいたのだ。これほどに喜ばしいこともあるまいて」
満面の笑みで、心底愉快そうにネロは胸を張り、笑う
「楽しめ、ソウゴ‼︎ 王であることを‼︎ 民草にもその喜びを伝えるために、胸を張って楽しむのだ‼︎ 死なねばわからなかった余と違って、そなたには止めてくれる良き友もあるのだからな‼︎」
ソウゴの手を取ったネロは、その手にライドウォッチを握らせる
彼女のドレスを表しているかのような赤と金のライドウォッチを
「余の力、特別に貸し出してやろう。余のローマを、民を踏みにじったあのニセモノを、余の代わりに処して参れ‼︎」
「うん、わかった。ありがとう、ネロ帝」
両者は笑顔で固い握手を交わした
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
アマゾンアルファとアナザーネロの攻防が続く中、ジオウはライドウォッチを構える
あの薔薇の皇帝から預かった、赤いライドウォッチを
「行こう、ネロ帝‼︎」
『そのウォッチは⁉︎ なぜ貴様の手にある⁉︎』
アマゾンアルファをいなしながらアナザーネロが叫ぶ
だがそれでもジオウは止まらず、そのウォッチをドライバーに装填
ドライバーをぐるりと回す
《キング‼︎ アーマータイム‼︎》
《ネロ‼︎》
荘厳な音楽と共に赤いドレスのようにまとまったアーマーがジオウの前に出現、そのままクルクルと優雅に舞い踊るようにコロセウムを舞い、コロセウムを変容させていく
「これは……⁉︎」
復帰したブーディカが変容したコロセウムを見て感嘆の声を上げる
そこに広がっていたのは、どこまでも豪奢で、どこまでも美しい黄金の劇場
正真正銘、ネロ・クラウディウスの宝具《
舞い踊り、ジオウの下に戻ったアーマーがジオウへと装着され、その身を赤と金に彩る。そしてそのマスクに《ネロ》の文字が刻まれる
「ー祝え!!」
「ー過去と未来をしろしめし、王への道を歩む次代の王者!!」
「ーその名も仮面ライダージオウ、ネロアーマー!!」
「ー薔薇の皇帝たる余の力を受けし、美しくも猛々しいその姿!!」
「ー今ここに、万雷の喝采を!!」
と、今や聞き慣れた《祝福》が黄金劇場にこだまする
ーいつもよりも快活で、可愛らしい声で
その声の主は、ジオウのすぐ隣にフフン、と自慢げな顔で腰に手を当てて立っていたーあの赤いドレスの麗人が
「えっえぇぇぇぇぇぇ⁉︎ ネロ帝⁉︎ 何で⁉︎」
さすがのジオウも最大限に狼狽しながら隣の皇帝を何度も見直す
「皇帝特権である‼︎ まぁなんだ、やはり余もヤツにはキツいお灸をすえてやらねばと思ってな」
と、その手に赤い長剣を握りアナザーネロに切っ先を向ける
「ジオウと繋がれたが故に、ようやく余に主導権が戻ったのだ。さぁ、ジオウよ。華麗に行くぞ!!」
「なんだか凄いことになっちゃった……でも、いける気がする!!」
ネロと同じ剣をその手に握り、ジオウとネロ2人が駆ける
『デタラメばかり……ふざけるな!!』
アナザーネロがアマゾンアルファを吹き飛ばし、2人を迎撃する
右と左、双方向から踊るような斬撃が迫り、アナザーネロをジリジリと後退させていく
「ハァッ!!」
『グゥッ⁉︎』
カチ上げられ、盾による防御が失われたアナザーネロの胴体にジオウの斬撃がクリーンヒット
「ネロ‼︎」
「うむ、任せるが良い‼︎」
ジオウの背を台にくるりと身を翻しながらネロが宙を舞い、アナザーネロの背を十字に切り裂く
「よっと‼︎」
「ハァッ‼︎」
着地したネロに合わせ、ジオウとネロ2人の斬撃がアナザーネロを跪かせる
『グゥッ……‼︎ だがムダだ‼︎』
と、アナザーネロが叫ぶとその身に刻まれた傷跡が瞬時に修復されていく
「なんと面妖な……」
「任せな、嬢ちゃん。アレは俺の仕事だろう」
眉をひそめるネロの背後から、アマゾンアルファが跳躍、アナザーネロにその鋭い爪を突き下ろす
『ゴゥフっ⁉︎』
「……俺は、アマゾンには差別しないんだがな。オマエが使ってるその力、そいつは少しだけ訳が違う」
「ーアマゾン以上に、オマエは胸糞が悪すぎるんだよ」
《VIOLENT SLASH》
グリップを捻ると同時に腕と足のヒレが展開、肘鉄の要領で突き込んだ腕を広げアナザーネロの胸を引き裂く
『ガバァッ!?』
更に返す動きで、アマゾンアルファの右かかとが首筋に振り下ろされ、袈裟懸けに切り捨てられる
その一撃によりアナザーネロのベルトも大きく破損、傷も修復が始まらない
『ぁ、ァアアアア!?余の、余の力が!?』
傷を押さえながら狂乱するアナザーネロをアマゾンアルファは非情に突き放す
「違うな。それは、七羽さんと、俺の息子が背負ったもんだ」
物悲しそうに呟いたアマゾンアルファは呻くアナザーネロの前に立ちはだかる1人に手を振り、その場から去る
「アイツの中のアマゾンは殺した。あとは、あんたらに任せるぜ」
去ったアマゾンアルファの代わりにアナザーネロに正対したのは、
解いた赤い髪をなびかせる1人の女性
「ブーディカ……‼︎」
一部始終を眺めていたネロが驚いた声を上げる
「………全部、思い出したよ」
険しい顔のまま、ブーディカが呟く
「私の娘は、病気で死んだんじゃない、ローマに殺されたんだ」
それを聞いたアナザーネロは、何かに気づいたのか狂ったように笑う
『そうか‼︎そうかわかったぞ‼︎ 余が皇帝になったことで歴史が修正されたんだな‼︎ 故に貴様の娘の運命は病死へと変じた‼︎』
さも愉快そうに顔に手を当てながら笑い続ける
『コレは、傑作だ‼︎ 余を倒せば、貴様の歴史はあるべく形、ローマに娘を殺される形に収束される‼︎ 惨たらしく殺される運命へと‼︎ そんなこと、娘を愛する貴様にはできまい‼︎』
勝ち誇り、叫ぶアナザーネロ
ーその首に長剣が突きつけられる
『ーは?』
「確かに、ローマは憎い。私の娘を踏みにじり殺した、許せるはずもない」
キッ、と今までで最も鋭い視線でブーディカはアナザーネロを睨む
「ーでも、その因縁も怨讐も私が背負って行くもの」
「ー歴史を弄って、多くの子たちや民を泣かせたお前の歴史は、たとえその宿命を消せるとしても許さない」
「ー私の宿業は、私が決着をつける‼︎」
首に突きつけられた剣が押し当てられ、更に白銀に輝く
「《
ギャリィィィィン!!!!
『ガッ、ぐァアアアアァアアアアァアアアア!!!!』
ブーディカの真名解放。果たされることのなかった約束を刻んだ剣がアナザーネロの体を引き裂き、白銀のエネルギーをスパークさせる
『がっ、ゴァ……!? か、体がァッ……!?』
アナザーネロの体がノイズが走ったように歪む
《ローマ》へと復讐を誓った彼女のスキル。それにより、《ローマ》を背負っていたアナザーネロに多大なるダメージが入ったのだ
「ソウゴ、ネロ‼︎ 後はよろしく‼︎」
こちらに駆けてきたジオウとネロの肩を叩いてブーディカは決着を託す
「ああ、コレで終わらせる‼︎」
「うむ‼︎ 華麗に終わらせてくれよう‼︎」
《フィニッシュタイム‼︎》
《ラウスセント・タイムブレーク‼︎》
ジオウとネロ、相対する形で共に腰を低くし剣を構える
その剣に紅蓮の焔が迸り輝く
「ハァッ‼︎」
「ィヤァッ‼︎」
二振りの斬撃が、アナザーネロの体を切り裂く
『ガッあ、ァアアアアァアアアア!!!!』
断末魔の叫びと共にアナザーネロが爆散、そこから溢れ出したライドウォッチ2つが機能停止し、弾け飛ぶ
「ーうむ、余の…いや、此度はそなたらの独壇場だったな‼︎」
自信満々、弾けるような笑顔を浮かべ、ネロがジオウに拳を突き出す
「ネロ帝も、ありがとう」
それにコツンと拳をぶつけてジオウが答える
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「やれやれ、大仕事だったな、此度の召喚は」
体が粒子となって解けていく中、アヴィケブロンは近くにいたソウゴを見やる
「常磐 ソウゴ、これを持って行きたまえ」
アヴィケブロンが投げ渡してきたのは、禍々しい形をした黒い指輪
「……これは?」
「元々はあの皇帝が使っていたものだ。タイムジャッカーたちは、アナザークラウンと呼んでいた」
しげしげとソウゴが指輪を眺めているといつのまに現れたのかマーリンがその指輪をつまみ上げる
「驚いたな……これは、聖杯か?」
珍しく驚いた声を上げるマーリンにアヴィケブロンが頷く
「ああ、そうだろうな。尤も、贋作も贋作だからもうすぐ自壊するだろうが」
アヴィケブロンが言う通り、マーリンが眺めていた指輪が崩れる
「それであの皇帝は、ランスロットやベオウルフを召喚して使役していたらしい。僕にはここまでしかわからなかったが、君たちの手がかりになるなら、幸いだー」
それだけ言い残すと、アヴィケブロンは完全に消滅してしまった
「……終わったな、ジオウ」
ソウゴへと追いついたゲイツが声をかける
後から付いてきた凰蓮と城乃内はアヴィケブロン同様に消滅しかけている
「お別れね、王様。ワテクシが認めたその本気、忘れちゃダメよ‼︎」
「短い間だったけど、まぁはちゃめちゃで退屈しなかったぜ。頑張れよ、王様」
と別れの挨拶を手短に済ませた2人は共に消滅していった
「…………」
ソウゴは、光の粒子に解けていくその姿を見つめる
「……お別れだね、ソウゴ」
柔和な笑みを浮かべてブーディカが声をかける
「最後の最後に、何か怖いとこ見せちゃってごめんね。でも、あれがホントの私なんだ」
「………」
「……結局、私は母親としても、王様としても見本になるようなものじゃなかったー」
「ーそんなことない‼︎」
ソウゴが声を荒げて反論する
「優しくて、子供思いで、何よりも国も娘も民も愛してたんだろ?ならブーディカは、俺の中で最高の王様で、多分俺の母さんの次に素敵な母さんだ‼︎」
ソウゴの言葉にブーディカが俯く
そのまま、消えかけた体にソウゴを抱きしめ、頭を撫でる
「ーありがとう。嬉しいよ、ソウゴ」
「あんたなら、きっといい王様に、優しくて面白い王様になれるよ。応援してあげる」
その言葉を残し、ブーディカも消滅する
後に残った光の粒子を一粒握りしめて、ソウゴは顔を拭う
笑顔で空を見上げて、
「こっちこそ、ありがとうブーディカ」
そう呟いた
次章予告
ローマの歪みを正し、辿り着いた次なる歪みは中国の王朝・武周
女帝により治められたその国家は定められた天命と、その才覚を全うして生きる人々で溢れた楽園であった
「妾の国が続き行けば、オーマジオウは君臨し得ない。ゲイツよ、それはお主が最も望むことではないか?」
女帝の提案に揺らぐゲイツの心
「俺は……ソウゴに魔王となって欲しくない。ならば……」
揺らぎ、迷うゲイツの前に現れたのは旅を続ける僧侶と、かつて迷い子であったある世界の大帝
「迷うのも、苦しいのも、それはあなたが生きてもがいているから。なら、迷ってる時はとことん迷えばいいわ‼︎ それもきっと、御仏のお導きだから」
「迷っても、間違えても、己だけは見失うな。己の心の叫びを、それを信じ己を偽らない。それこそが大切なのだ」
次章、天命統治人国 武周
「ージオウ、俺はお前を、今ここで倒す」