とある少年の波紋疾走   作:イヌガミケ

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初めまして。イヌガミケです。

とある魔術の禁書目録の二次創作を書き始めました。

初めて読み物を書いたのでところどころ至らない点があると思いますがよろしくお願いします。


第1部「ファントムドライブ」
第1話「武城譲治(もう1人のジョジョ)」


「風紀委員<ジャッジメント>です!」

 

とある路地裏の入り口で学校の制服に風紀委員の腕章を付けたメガネの女子校生が叫んだ。今、彼女の目には3人の不良がか弱そうな少女を囲んでいる姿が映っていた。

 

「既に警備員<アンチスキル>に連絡はしたわ! 観念しなさ――」

 

彼女が喋ろうとしたその時、1人の不良がニヤニヤしながら近づいてきた。

 

「ようようお嬢ちゃん。痛い目に遭いたくなければさっさとお家に帰りな」

 

そう言って右手を伸ばしたが彼女は男の手を掴みそのまま外側に捻り、足払いをかけた。あっさりと投げられた不良はなす術もなく頭を打ちつけて動かなくなった。

 

「なっ、何しやがんだこの女ァッ!」

 

仲間がやられて怒りの表情をあらわにした残り2人の不良が彼女に襲い掛かる。

 

それに対し、彼女の表情は余裕そのものだった。

 

最初に近づいてきた不良が放った渾身の右ストレートを左へ避け、攻撃を受け流した。そして攻撃の勢いでつんのめった不良の後頭部にめがけて、

 

「あて身」

 

一撃をかました。不良はうめき声をあげることなく倒れた。次にポケットから何かを出そうとしていたもう1人の不良の腕を掴んだ。

 

「そのスタンガンでどうするつもりかしら?」

 

「な、なぜそれを!」

 

まだポケットから出してないのにどうしてスタンガンを持っていることが分かったのか。切り札がばれて動揺している隙に、彼女は服の上からスタンガンを不良に押し付けてスイッチを入れた。不良の体がビクッっと痙攣した後、他の不良と同様に力なく倒れた。

 

「何、この威力!? 違法改造されているんじゃないの!? これだと余罪もいろいろありそうね……ああそうだ」

 

スタンガンの予想以上の威力に少し驚いたが思い出したように泣いていた少女に近づき、

 

「もう大丈夫よ」

 

と声を掛けた。

 

「ヒック……わ……私よりも……そこの彼が……」

 

と彼女は泣きながら後ろを指差した。

 

「彼が私を助けるために……」

 

少女が指差した先には少年が倒れていた。さっきの不良にやられたのかと思い、彼のそばに近寄り頬を軽く叩くと、

 

「んっ……」

 

気絶していた少年が目を覚ました。

 

「あ、気が付いたみたいね。あなた――」

 

「な、何をするだァーーーッ! ゆるさんッ!」

 

倒れていた少年が突然叫びながら飛び起きた。すかさずファイティングポーズをとるが、

 

「あ、あれ?」

 

少年は戸惑っていた。

 

「あなたが倒そうとした人達なら全て片付けたわ(今噛んだよね……)」

 

「!! きっ、君は!」

 

「? どうかしたの?」

 

「い、いや……。何でもない」

 

「それよりも君大丈夫? ひどくやられているみただけど」

 

「えっ?! あっ、ああ、これくらい何ともないですよ。……じゃあ僕はこれで――」

 

そう言ってそそくさと立ち去ろうとするがメガネの風紀委員は彼の腕を掴む。

 

「そうはいかないわ。あなたたちにはどうしてあんなことになっていたのか風紀委員の支部で話してもらう必要があるわ」

 

「い、いや、でも――」

 

「おーいたいた。連れて行くのはこの3人でいいじゃん?」

 

路地裏の入り口から女性の声がした。2人がが声のする方を見ると警察の機動隊のようなごつい装備の女性とその部下と思われる男たちがいた。学園都市の自警団の警備員<アンチスキル>である。

 

「あ、はい。そうです」

 

メガネの風紀委員が警備員のところへ駆け寄る。

 

「よろしくお願いします。こちらの2人は私が話を聞きますので」

 

「そうしてくれると助かるじゃん。ウチら今、強盗事件の捜査で忙しいじゃん」

 

「強盗ですか?」

 

「ああ。最近この第7学区で多発しているじゃん。被害現場を見るに犯人は能力者で同一人物の可能性が高いじゃん。」

 

「能力者ですって?」

 

「ああ。しかも――」

 

「隊長、収容完了しました!」

 

「ん? ああ、すぐ行くじゃん。それじゃ、あとはよろしくじゃん」

 

そういって警備員は引き上げていった。

 

「さて私たちも行きますか。君、歩ける?」

 

「……はい……」

 

同行を嫌がっていた彼と泣いていた少女を連れてメガネの風紀委員は自分の所属先の第177支部へ向かった。このとき彼は幽霊でも見るような目で彼女を見ていたが誰もそれには気付かなかった。

 

 

 

 

 

本来、風紀委員の管轄は所属する生徒の校内でそれに合わせて支部も校内にあるのだが、生徒の犯罪、主に能力者の犯罪の多発によって管轄が広がり、他校との連携をとれるようにするために校外にも支部を置くようになった。メガネの風紀委員が所属する第177支部もそのひとつで元々の支部は柵川中学の1室にあるのだが。今はとあるビルの2階にあるもうひとつの支部の方にいる。

そして彼はメガネの風紀委員に包帯を巻かれていた。少し離れているところでもうひとりの少女の話を別の風紀委員の子が聞いている。頭に花飾りをしているおっとりとした感じの子だ。

 

「これでよしっと」

 

包帯を巻き終えるとメガネの風紀委員は立ち上がり奥から紙を取り出し、また少年の向かいに座った。

 

「それじゃあ、調書をとります。まずあなたの名前は?」

 

「なっ、名前は……」

 

少年は少し黙った後

 

「武城譲治<たけしろ じょうじ>」

 

と呟いた。

 

「武城譲治っと。それで、どうしてあんなことになってたの?」

 

「い、いやぁ。街をを歩いていたらあの子が絡まれているのを見ていてもたってもいられなくて……」

 

「ならどうして警備員に連絡しなかったの?」

 

「連絡はしようと思ったんですけど携帯を持ってなかったんです。近くの詰所まで行くことも考えていたんですけど彼女が今にも襲われそうな感じだったからつい……。それに3人だったら何とかなると思って、ハハハ……」

 

「はぁ~。呆れた。いい? 今回はたまたま無能力者だったからそのケガで済んだけど能力者だったら大ケガしたかもしれないのよ。自分の実力も考えないで――」

 

彼女が何か話し始めたが少年は話を聞かず驚いた表情で彼女を見ていた。

 

この少年は知っていたのだ。メガネの風紀委員を! 花飾りの風紀委員を! 先ほどの警備員を! そして自分が「とある魔術の禁書目録」の世界にいることを理解したッ!

 

少し前にボコボコにやられていた彼こそが、この物語の主人公の武城譲治<たけしろ じょうじ>、ジョースター一族とは異なるもう一人のジョジョである。

 

 

 

TO BE CONTINUED

 




最後まで読んでいただきありがとうございました。

感想、質問などお待ちしています。



P.S
完全な見切り発進で申し訳ありませんでいた。次からはもう少し間隔を詰めて投稿できるように努力します。
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