前回までのあらすじ
心臓の助「いや――――!! 来ないで――――っ!!」
パッ千束「ハジなやめて!!」
ハジな「逃げるな心臓!! 逃げるなァ!!」つマシンガン
ズガガガガガガガガガガ!!
心臓の助&パッ千束「「ぎゃああああああああああああああああ!!!」」
大体こんな感じだった。
シア「時事ネタに乗りきれてないですぅ!?」
雫(そもそも千束って誰よ)
前回までのあらすじ(リニューアルオープン)
復活したアマナットットムジカの究極召喚はゾンビ属性なのでフェニックスの尾で一撃だったのでナントカ倒した・・・
シア「そこの掘り下げも別にどうでもいいですぅ」
光輝「いやあらすじのリニューアルオープンってなんだよ……」
ついにやってきた決戦当日。
ハジメ達はリリアーナに愛子、それから他の国代表が話し合って決めた所定の位置につき、使徒の襲来を待つ。奴らが襲来すると同時にエヒトのいる神域の扉が開くので、そこにハジメ達が飛び込んでいく算段だ。
ちなみに使徒の襲来自体はハジメもフリードから聞いていたが、詳しいことは彼が残した資料にあったそうだ。それを元に作戦を構築したらしい。
なお、待っている間にカムやティオの父、龍人族の一行がハジメに会いに来たりしたが、別に大したことはなかったのでここでは省略する。
「バッサリ行きましたね!?」
「だってそんな原作と差ないし……」
まさかの省略に、一緒に待機しているシアがツッコミを言える。
神域に突入するメンバーはハジメ、首領パッチ、天の助、シア、ティオといういつもの面子に加え、この二人が入る。
一人は鈴。恵理と決着をつけるために、リリアーナに無理を言って加えてもらったのだ。
そしてもう一人。いや正しくは――
「それにしてもまさか、蹴りウサギが来るとは思わなかったよ。しかも谷口さんの仲間として」
「久しぶりだなお前ら」
もう一匹、蹴りウサギである。ちなみにちゃんと、奥義6から12まで登場していたのと同じ個体である。
「いくら感想で謎の人気あったからって、再登場させる普通?」
「いや、再登場させるって言ってたしな。三年前だけど」
「それもう読者覚えてなくね? 普通にブクマ切ってそう」
「お前らもうちょっと言うことねえのか!?」
面識のあるハジメ、首領パッチ、天の助の好き勝手なコメントにキレる蹴りウサギ。
「まあそれはいいとして」
そんな蹴りウサギの怒りをスルーして、ハジメはズボンからここにいる人数分*1の味噌汁を取り出し、皆に手渡す。
それは豆腐とタマネギの味噌汁だった。一見なんてことのない普通のものに見えるが、これに篭められた意味を知るものは驚愕を露わにする。
「豆腐とタマネギの味噌汁だと!?」
「これ、契りの味噌汁じゃねえか!!」
代表として首領パッチと天の助が味噌汁を見て驚く。
古くからハジケリストは、豆腐とタマネギ入りの味噌汁を契りの味噌汁と言い、これを飲んだ者は互いに人生を契り、仲間として命を懸けて共に戦うことを誓ったという、とボーボボ18巻に書いてあった。
「引用の仕方が雑ですぅ!!」
「でも、これを出すってことは本気だな?」
「勿論」
ツッコミを入れるシアを尻目に、首領パッチはハジメの覚悟の重さを理解し、味噌汁を受け取る。
彼に続き、他の皆も味噌汁を受け取り、乾杯をするようにそれを高く掲げ、一斉に宣誓する。
『ワン フォア 味噌汁! 味噌汁 フォア オール! 一人は味噌汁の為に!! 味噌汁は皆の為に!! さあ、決戦だ!!!』
(なんだこれ?)
蹴りウサギ一匹は宣誓内容のせいで微妙について行けてなかったが、とにもかくにもここで皆は一斉に味噌汁を飲む。
『いざ契り!!』
グイッと皆が味噌汁を一気飲みすることで、これにて契りは終了。
しかしハジメはここでふと、小さな不安を覚え思わず口から零した。
「美味しいかな?」
味噌汁の味について不安を覚えるハジメ。
それに対し、鈴はこう答えた。
「美味しいヤミー感謝感謝!」
ここで更に蹴りウサギを除く皆が一斉にこう続く。
『感謝感謝。またいっぱい食べたいな。デリシャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、シャッ、ハッピースマイル!』
「いや俺それ知らねーけど!?」
「何かちょっと前に流行ってた奴じゃな。今流行ってるかは知らぬが」
蹴りウサギのツッコミに対し、ティオが解説になっているのかなっていないのかよく分からない言葉で返す中、いきなり世界が赤黒く歪み、空に亀裂が走る。
そして亀裂から空が轟音と共に完全に割れ、そこから大量の神の使徒がやってきた。
「ついに来たね! 悪いけど、先制攻撃はこっちが貰うよ!!」
ハジメが叫んだと同時に両手を天に掲げると、あらかじめ溜まっていたのか、十数メートルの巨大なエネルギーの塊が空に現れた。
大体上みたいなのが。
「変なの浮かんでるですぅ――――――――――!?」
「これは皆が心の底で思っている『働かず食っちゃ寝して、後は楽しいことだけして暮らしたい』という気持ちを集めてエネルギーにしたものだ!!」
「ロクでもねえし今考えることでもねえし!!」
シアや蹴りウサギのツッコミも聞く耳持たず、ハジメはロクでもないエネルギーの塊を使徒の群れへと叩きつける。
「超奥義、ドランク・ドリンク・ドラゴン*2!!」
「なげえよ脚注!!」
「しかも技と何一つ関係ないですぅ!?」
蹴りウサギとシアのツッコミの横で、ハジメが放った奥義は大量の使徒達を消滅させ、やがて大爆発を起こし、直接命中しなかった敵にも大ダメージを与える。
「よし今のうちに突入を――」
「おーふーざーけーはー!!」
ハジメが皆に突入を促そうとすると、どこからともなく恐怖を呼び起こす声が彼の耳に届く。
そう、魚雷ガールがさっき放った奥義をおふざけ認定して、ボケ殺しの洗礼を浴びせるべく飛んできたのだ。
「許さない!!!」
『ぎゃあああああああああああああああ!?』
魚雷ガールの突撃はハジメ達全員を一気に吹き飛ばし、彼らはそのままの勢いで神域へと突入していった。
「いや何か凄い方法で突入していったわね!?」
その光景を見ていた雫は、戦いの開始すら忘れて思わずツッコミを入れるのだった。
「う、うぅ……ここは……?」
吹き飛ばされた鈴が衝撃から目を覚ますと、そこは極彩色が辺りに広がる世界だった。
あらゆる色という色がまるでシャボン玉のように変幻自在に浮かんでいる不思議な世界の一角、まるで広場のような場所に今彼女は立っている。
そして彼女のすぐ近くでは――
「いいだろパチ美さん……? オレはもう我慢できないんだよ……!」
「ダ、ダメ……太陽さんが見ているわ……」
天の助と首領パッチのメロドラマが繰り広げられていた。
「何やってんだテメーら!!」
「「ぎゃあ!?」」
そんな二人に対し、蹴りを叩き込みながらツッコミを入れる蹴りウサギ。
すると、ツッコミの追従する聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「全くだよ。せっかくボクが歓迎の準備を整えていたって言うのにさ」
「エリリン!!」
声の主は裏切り者、中村恵理だった。
思わず彼女の名前を呼ぶ鈴。しかし反応することなく、そのまま恵理は首領パッチと天の助に向けて、怒りとも喜びともいえぬ異様な声色で話し続ける。
「それにしても随分と予想外な方法で……いや、ハジケリストに予想なんて無意味か。まあいいや。じゃあ早速始めようか!
そう叫んだ後、恵理が指パッチンをすると、地面からハイリヒ王国の兵士と魔国ガーランドの兵士が現れた。
どちらの兵士も目が虚ろで、体の一部が腐食しており、生きていないことが分かる。
「本当は闇ルールアップで相手するつもりだったから用意した数合わせだけど、まあせっかくだし出しておくよ」
一応出したが心底どうでも良さげに兵士二人を扱う恵理。彼女の視線の先には常に首領パッチと天の助しか映っていない。
「行くよ!!」
「カラオケに?」
「いいね? この後行く?」
「エリリン! 鈴だっているんだけど!?」
「いやちょっと待て!? 俺はどうなるんだコレ!? つーか3狩リアって何!?」
「「「ツッコミ」」」
一方その頃、シアとティオはまた別の場所で別の敵と相対していた。
二人の目の前には、見たことのある白竜と
「よっ! ほっ! はぁっ!!」
なぜかNintend switchのジョイコンをジャグリングをしているフリードの姿がある。
「何で!?」
「ひつまぶし……ではなく暇つぶしだ」
「暇つぶしでもおかしいんですけど!?」
シアのツッコミを聞き、ジャグリングをやめたフリードは静かに二人へと語り掛ける。
「ここまで来れば問答はいらぬだろう。さあ、かかって来い。私を倒さねばエヒトへの道は開けぬぞ!!」
「急に格好いいこと言われましても……」
最後はハジメ。
彼のいる場所も他の皆と同じく神域であり、極彩色が辺りに広がっているが、一つだけ他の場所と違うものが目に映る。
「廃墟……?」
ここには、トータスには似つかわしくない、どころかハジメですら見たことのないほどの、話に聞くサイバー都市や千年先の文明を先取りしたという新・毛の王国を思い起こすほど進歩した建物が、廃墟と化した状態で辺り一帯に無数に朽ちていた。
ハジメが訝し気な表情を見せつつも進んでいくと、やがて人影が見える。
スラっとした長身に金髪に赤眼。そして見る者に美人とは、美しいとはこうだと教え込むような圧倒的な存在感。
もしユエの肉体が成長したらこうなるのかもしれない、と思わせる見た目だった。
否、正しく彼女はユエが成長した姿なのだ。ただし、体だけは。
中身は知っての通り――
「エヒト!!」
「……来たか、イレギュラー」
こうして神域内のそれぞれの場所で、それぞれの決戦が始まる。
そんなことは露知らないが、ただ胸に巻き起こる不吉な予感に耐え切れず、香織はハジメ達の無事を祈る。
(鈴ちゃん……南雲君……無事でいて。とか祈っておけばヒロインっぽいかもしれない)
「そういうこと言ってるからヒロインになれないのよ、香織」
「あの、本当にそういうのやめて?」
読んで面白かったら高評価、感想をよろしくお願いします。
「私のラスト台詞が作者にとられた! しかも今までそんなこと言ったことなかったのに!!」
「僕ハジメだけど、最近聞いたんだよ。Youtuberの動画で最後にチャンネル登録よろしくって言うだけで、登録者数が跳ね上がるって話をさ。だからこの小説も、ね? 分かるでしょ?」
「チャンネル登録者は増えないでしょ」
「ハーメルンにおけるチャンネル登録って何……? ユーザーお気に入りとか?」