【完結】ありふれたハジケリストは世界最狂   作:味音ショユ

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奥義107 鳥籠が消える日

「さて、早速ぶちかましたいのはやまやまだけど」

「何!? やるならさっさとして!?」

 

 ハジメの言い回しに、今もなお重力魔法でエヒトを押しとどめているミレディがキレる。

 彼女からすれば、全力で抑えにかかっても抑えきれないエヒトをなんとかできるのなら早く処理して欲しかった。

 しかし、彼女の願いは届かない。

 

「いや、こいつを倒すとなると究極超奥義を使うしかないんだけど……」

「ないんだけど!?」

「それを使うには、まず迷宮を攻略しなきゃいけない!!」

「迷宮!?」

 

 ハジメが話す情報に思わず叫ぶミレディ。はっきり言って、この状況でそんなことをさせている余裕はない。

 しかし彼は安心させるように語り掛ける。

 

「大丈夫大丈夫。ファミコンのドン〇ーコング一周くらいしか時間使わないから」

「それどれくらいか分からないんだけど!?」

「ニン〇ンドースイッチオンライン入ろう。ドンキーコ〇グプレイできるし」

「M〇THER1と2、お勧めだぞ」

「妾はゼ〇伝の時空・大地の章配信が楽しみでのう」

「この状況でレトロゲー布教してくるの!?」

 

 ハジメに続いてユエ、天の助、ティオが話の流れでレトロゲーを推してくることにツッコミを入れるミレディ。

 すると、そっちに気を取られたせいかエヒトが重力の枷を抜け出してハジメに襲い掛かろうとする。

 

「しまった!?」

 

 己の不覚を呪い、即座に重力魔法を使おうとするミレディだが、それより先にエヒトの進行先にポータルが出現する。

 エヒトが意にも介さず、というより存在すら気付かず飛び込むと、彼はそのままの勢いで地面に叩きつけられた。

 

「フリード!!」

 

 ハジメが後ろを向くと、そこには息を絶え絶えにしながらクウカンマホウ・ジツを発動させているフリードの姿があった。

 彼はハジメを急かす。

 

「早くしろナグモ=サン! 私のクウカンマホウ・ジツにも限界がある!!」

「分かったよフリード!!」

「どうでもいいですけどフリードさんはいつまで忍殺なんですか」

 

 シアの冷たいツッコミを背にしつつ、ハジメはついに究極超奥義を習得するべく別の奥義を発動した。

 

「納豆真拳究極奥義、ヘロマフロダイトクエスト(β版)!!」

「β版!?」

「テストプレイしてないから……」

「テストプレイって何ですか!?」

 

 シアのこの言葉を最後に、世界は切り替わった。

 

 


 

 

 

君は三つの証を手に入れる為に迷宮に乗り込んだ冒険者だ。

 

『なんかゲームブック始まりましたけど!?』

 

2へ

 

 

 

君が迷宮を進んでいると、三つ又の分岐路が現れた。

どこへ進もうか。

 

右 3へ

左 6へ

真ん中 8へ

帰る 13へ

 

 

 

君が右の道を進むと、デッドエンド高橋(バハムート)が現れた。

 

『バハムート!?』

「俺はここで三つの証のうち一つを守るモンスターだ! いざ尋常に死ね!!」

 

デッドエンド高橋が君に襲いかかってきた!(戦闘ルールは巻末を参照してください)

敵の戦闘データを公開します。

 

デッドエンド高橋

(証明写真)行動表(出目ごと)

ミス!

攻撃 相手に20ダメージ

亀ブレス! 相手に30ダメージ

ステータス

HP100ファイアブレス! 相手に40ダメージ!

属性クリティカル! 相手に50ダメージ!!

 

戦闘に勝った 4へ

戦闘に負けた 14へ

 

 

 

君は戦いに勝利した。

 

「俺の負けだ……これを持っていけ」

 

君は目当ての証の一つであるアクセサリー『サイの足音が響くスピーカー』を手に入れた。(効果:装備すると敵味方問わず一戦闘につき一度だけ任意でダイスの振り直しができる)

 

『意味わかんねえよ!!』

『振り直し→サイコロ→サイという完璧な連想ゲームじゃよ。ホッホッホ』

 

5へ

 

 

 

君は更に奥に進むが、どうやら行き止まりのようだ。

 

仕方ない。一旦分岐路まで戻って行っていない道を調べよう 2へ

ん? 証を三つ揃えていると全ての証が光り出したぞ!? 10へ

 

 

 

君が左の道を進むと、高橋のエンド(デッドエンド高橋総受けBL合同誌)が現れた。

 

『BL同人誌!?』

「も、もっと下さい……」

「どうした? デッドエンドと名高いお前がベッドの上で懇願なんて、二つ名が泣くぞ?」

『何だよこれ!?』

『同人誌の内容』

『堕ちているのは個人的に解釈違いじゃのう』

『お前はデッドエンド高橋の何を知ってるんだよ!?』

 

高橋のエンドが君に襲いかかってきた!(戦闘ルールは巻末を参照してください)

 

『同人誌が襲ってくんの!?』

 

敵の戦闘データを公開します。

 

高橋のエンド

(証明写真)行動表(出目ごと)

ミス!

魔法攻撃! 防具の効果を無視して相手に20ダメージ!

回復魔法! 自身のHPを最大値まで回復する

ステータス防御! このターン相手からのダメージを0にする。

HP30必殺魔法! 次のターン動けなくなる代わりに相手に60ダメージ!!

属性クリティカル! 相手に50ダメージ!!

 

戦闘に勝った 7へ

戦闘に負けた 14へ

 

 

 

君は戦いに勝利した。

 

「あ……あああぁぁぁぁぁぁ~~~!!」

 

君は目当ての証の一つである武器『デッドエンド高橋のハブラシ(サイズ二メートル)』を手に入れた。(効果:装備者がダメージを与えた際、そのダメージに20追加する)

 

『それ武器にならねえだろ!?』

 

5へ

 

 

 

君が真ん中の道を進むと、ツインヘッドツキノワグマ(デッドエンド高橋の従弟)が現れた。

 

「我ガ試練……受ケルガイイ!!」

 

ツインヘッドツキノワグマが君に襲いかかってきた!(戦闘ルールは巻末を参照してください)

敵の戦闘データを公開します。

 

ツインヘッドツキノワグマ

(証明写真)行動表(出目ごと)

ミス!

通常攻撃 相手に20ダメージ

ステータス強攻撃 相手に40ダメージ

HP70敵の肉を食べる! 相手に30ダメージ、自分のHPを30回復

属性クリティカル! 相手に50ダメージ!!

 

戦闘に勝った 9へ

戦闘に負けた 14へ

 

 

 

「見事ダ……証ヲクレテヤロウ」

 

君は目当ての証の一つである防具『広辞苑』を手に入れた。(効果:装備者が受けたダメージを20軽減する)

 

『分厚いだけですぅ!?』

 

5へ

 

 

10

 

君は光っている証を――

 

天に掲げた 11へ

なんか気持ち悪いので捨てた 13へ

 

 

11

 

「よくぞここまでたどり着きました……」

 

君が三つの証を天に掲げると、天から女神チョークバス(かつてはデッドエンド高橋の婚約者だったものの、実は男だったことが明らかになり破談。しかし未だ彼を諦めておらず、隙あらば体の関係になることを企んでいる)が現れた。

 

『多い多い! 括弧の中の情報が多い!!』

『というか、男じゃないですかこの女神!?』

「そこの兎人族の発言はLGBTへの配慮が足りていないのでは?」

『こっち認識してる!?』

 

チョークバスは君を無視して虚空に怒りを向けている。

するとその時――

 

12へ

 

 

12

 

「オレがヒロインじゃあ――――――――――っ!!」

「だ、誰ですか!?」

 

首領パッチが天井を割って現れ、チョークバスに掴みかかった。

 

『首領パッチさん出てきたですぅ――――――――――!?』

『というか、この女神がヒロインなのか!?』

 

唐突に始まった二人の争い。

君は――

 

チョークバスに加勢する 15へ

首領パッチに加勢する 14へ

このままながめているのもいいか 13へ

 

『このままながめているのもいいか!?』

 

 

13

 

「やめな……さいっ!」

 

グシャッ!

 

君は突如現れたガンダムエアリアルの手に潰された。

 

『唐突すぎるですぅ!?』

「なんで笑ってるの……? このダブスタ人殺し!!」

『誰だお前!?』

『台詞混ざってない?』

 

14へ

 

 

14

 

君は死んだ。

 

『端的過ぎるだろ!?』

 

それでも諦めないのなら、もう一度最初から挑むがいい。

 

1へ

 

 

 

15

 

君はチョークバスに加勢し、首領パッチを倒した。

 

『あっさり倒しましたね……』

『二対一の戦闘システムとか作ってないのじゃろうな』

『どっちかというと首領パッチのステータスが決まらなかった』

「ありがとうございました……では、お礼にこれを授けましょう」

 

チョークバスの手には、何やら光り輝く球が。

君はそれを受け取った。すると、君は究極超奥義を習得した。

 

「どうかあなたの冒険に祝福があらんことを」

 

おめでとう! ゲームクリアだ!!

 

 

スタッフ

 

製作

味音ショユ

監修

味音ショユ

販売

味音ショユ

 

『スタッフロール流れ出した―――――――――!? しかも全部一緒!!

 

 

巻末

 

【戦闘システム】

まずは六面体のサイコロを二つ用意しよう。

一つは君。もう一つは敵の分だ。

それぞれのサイコロを振って、戦闘データにある出た目の行動表に従って行動させよう。

そして先にHPが0になった方が負けだ!

 

『これ要するにバトルえんぴつでは?』

 

なお、君の戦闘データは下にあるぞ!!

 

(証明写真)

好きな絵を描こう!

行動表(出目ごと)

ミス!

弱攻撃 相手に10ダメージ

通常攻撃 相手に30ダメージ

ステータス

HP100回復魔法! 自身のHPを全回復!!

属性クリティカル! 相手に50ダメージ!!

 

ちなみに属性はフレーバーテキストだ!!

 

『それそんな堂々と言うことじゃないからな!?』

 

 


 

 

 迷宮を攻略し、究極超奥義を習得したハジメの体から、彼の身長を数十倍は優に超えるほどの金色のオーラが放たれている。

 

「キタキタキタ――――――――――!! お待たせしましたすごい奴!! 今日から一番カッコイイのだ!!」

「テンション高っけぇ……」

 

 ハジメのテンションの上がり方に逆に冷めてしまう蹴りウサギ。

 一方、エヒトはミレディの重力魔法を意志の力で抜け出したかと思うと、即座にフリードのクウカンマホウ・ジツで転移させられ、地面に叩きつけられるという状況をひたすらに繰り返していた。

 

「これミレディの魔法いらなくね?」

「9条流のバッタを思い出す光景」

「!?」

 

 天の助とユエが目の前の光景を思い思いに批評しているが、それが聞こえて思わず少し傷つくミレディ。

 

「ナグモ=サン! もう限界だ!!」

「縺オ縺悶¢繧九↑縺ゥ縺?@縺ヲ謌代′縺薙s縺ェ逶ョ縺ォ險ア縺輔〓險ア縺輔〓豁サ縺ュ豁サ縺ュ豁サ縺ュ豁サ繧薙〒縺励∪縺!!」

 

 そんな話をしている間にフリードの魔力は尽き、自由になったエヒトは声にならない叫びをあげながら一直線にハジメの元へと向かっていく。

 同時に、首領パッチもまたハジメの元へひた走ってきた。

 

「何で首領パッチさんまで!?」

「ラスボス撃破なんておいしい場面は絶対ハジメなんかに譲らねえ!!」

「だったら――」

 

 勇んでやって来た首領パッチの足をハジメが掴んで持ち上げたかと思うと、そのまま体から放たれている黄金のオーラを勢いよく流し込んだ。

 

「あばばばばばばばばばばばば!?」

「力を貸してもらうよ! 新武器完成! ドンパッチガソード!!」

「首領パッチさ――――――――――ん!?」

 

 オーラを流し込まれた首領パッチは悲鳴を上げながら痙攣するが、同時に体を通じて一本の剣という形で指向性を持っていく。

 

「行くぞエヒト! 納豆真拳究極超奥義――」

「■■■■■■■■■■■■■■――――――――――!!」

 

 ハジメが首領パッチを振るおうとするも、その前にエヒトが猛スピードで向かってくる。

 しかし――

 

「アレーティア・ガルディエ・ウェスペリティリオ・アヴァタールにして、ユエーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」

 

 エヒトの進む道にユエが立ちふさがりただ一言、こう告げた。

 

「“動くな„」

「がぁぁぁっ!?」

 

 ユエの一言だけでエヒトの動きは止まり、彼はその場につんのめって転んだ。

 これはエヒトやアルヴが幾度も使っていた“神言„である。

 

「ユエ、お主いつの間に……」

「私の体に三日も不法滞在してくれたんだから、宿代をせしめてもバチは当たらない筈」

 

 いつの間にか敵の魔法を習得していたユエに驚くティオだが、当人はどこ吹く風とばかりに平然としている。

 そしてハジメが振るう剣はついに、エヒトの体に触れた。

 

「いけ――っ! オタ夫婦の息子!!」

「ハジメン!!」

「「南雲ハジメ!!」」

「え、これボクも何か言った方がいい感じ?」

 

 天の助、鈴、ミレディとフリード、恵理の順でハジメに声をかける中、彼はついにエヒトに最後の一撃を喰らわせた。

 

「ありふれたハジケリストは世界最狂 ~春風が紡ぎ出す華麗なハーモニー。オーラ特盛首領パッチを添えて~ !!」

「ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「変な料理みたいになってるですぅ――――――――――――――――――!?」

 

 ハジメに袈裟切りにされたエヒトは叫び、地面を無様に転がった。

 おまけにダメージはそれだけにとどまらず、体が耐えきれないのか少しずつ消滅していく。

 しかし、彼の表情にあるのは恐怖や絶望ではなく、喜びだった。

 

「そうか、ここで死ねば僕は皆に会えるんだ……」

 

 エヒトの言葉を聞いて、ミレディは思わず顔を歪めた。

 彼はあれだけ蹂躙し、そこに住まう多くの存在を絶望に追いやり、そのツケを今払ってなお、心にトータスのことを考える余地が存在していないのだ。

 

「た、だい……」

 

 エヒトが何かを言い終える前に、彼は完全に消滅した。

 もう二度と、彼がトータスを悲劇に追いやることは、決してない。

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