【完結】ありふれたハジケリストは世界最狂   作:味音ショユ

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ネタ詰まり感が激しくなってきたので、三章(アニメ一期分)が終わったら一旦違う作品を始めようかと考えています。
転生チートオリ主とか。書いたことないけど。


奥義28 ドラゴンとの対峙! ハジメの運命は!?

 今、ハジメ達の前には竜がいる。体長七メートル程。漆黒の鱗に覆われ、前足には鋭い爪、背中には大きな翼が生えており、ド○クエだったら間違いなくボスキャラである。

 その竜を見て優花は怯えそうになる。だが彼女は南雲ハジメという男を知っている。寄り掛かっているようで情けなさを覚えるが、彼女はハジメを信じている。彼の強さを、ハジケリストという存在を、デタラメさを信じている。

 そして、肝心要の信頼を受けている彼らはというと――

 

「食えよ」

 

 ところ天の助は船盛りになり、己を贄とし

 

「降参でーす」

 

 首領パッチは白旗を振り

 

「僕は止まるけど、お前らは止まるんじゃねえぞ……」

 

 ハジメは死んだふりをしていた。

 

「全面降伏してる―――――――――――――――!?」

 

 バカ三人のまさかの選択肢に優花は思わず叫び、そのまま彼らに食って掛かった。

 

「いや何してんのあんたらは!?」

「勝てる訳ねえだろ! めっちゃデカいぞあいつ!?」

「デカすぎるでしょ!? ありえないよあんなの!!」

「逆ギレ!? いや私もあんまり人のこと言えないけどさ!!」

 

 ハジメと首領パッチの逆ギレに、似たような気持ちだったせいで強く言えない優花。

 

「チャンスなんだよ! 竜ならきっとオレを美味しく食べてくれる筈なんだよ!!」

「期待が理不尽すぎる!!」

「期待なんて元々理不尽」

 

 一方、明らかに滅茶苦茶言ってる天の助にはシアがツッコミを入れていた。

 そのやり取りをただ茫然と見ているしか出来なかったゲイルは、ここであることに気付いた。

 

「あの竜、全然こっちを見ないな」

「そう言えば……」

 

 そう、竜は後ろのバカ騒ぎなど耳に入らないとばかりに、ウィルがいる滝の方をただ見つめていたのだ。

 

「アタイには分かるわ。あの竜はきっとウィル君に恋をしたのよ!」

「人と竜。溝は深そうだけど頑張ってほしい」

「それ絶対違いますよ」

 

 竜の行動理由に首領パッチがとんでもない推論を考え、ユエが思いっきり乗っかる。それにシアが慌ててツッコミを入れた。

 しかしツッコミの直後、いきなり竜が息を深く吸い込み始めた。その意味をゲイルは知っている。

 

「不味い! あれはブレスを放つ気だ! ウィルが死んじまう!!」

「早く止めないと……!」

「首領パッチ! 天の助!!」

 

 竜の行動を止める為ハジメはある決断をする。それは――

 

「囮として竜の気を引け!!」

「「こんな役ばっかし――――――――――――!!」」

 

 首領パッチと天の助の二人を、囮として竜へ向かって投げ飛ばす事だった。

 二人は飛ばされながらも被害を受けないように必死に考えて、答えを出した。

 

「天の助アレだ! あのオロチで対抗するんだ!!」

「いやいやいやいや無理無理無理!!」

「いけるいける自分を信じろ!!」

「……畜生! こうなったらやってやる!!」

 

 首領パッチの説得に応じた(?)天の助は、ヤケクソになって奥義を使った。

 

「プルプル真拳奥義、オロチ拳!!」

 

 ところでこのオロチ拳という奥義は、背中から東洋の龍を模した形のところてんを伸ばし攻撃するという技である。そしてその龍の大きさは、天の助より遥かに小さい。

 つまり、敵対している竜とは恐ろしいレベルのサイズ差があった。

 

  天の助

 

 特殊タグで表すなら↑位に。

 

「あ、無理だねこれ」

「可哀想なレベルの戦力差ですぅ……」

「商業作品でこの表現方法やったらアンチスレ凄いことになりそう」

 

 それを見ていたありふれ勢の言葉通り、天の助はブレスを向けられることなく尻尾で雑にあしらわれた。

 

「クソォ! よくも天の助を!!」

 

 そして首領パッチは、自分が天の助を乗せたことを棚に上げて、敵討ちと称して竜に向かっていった。

 

「喰らえ! 奥義、すりおろしワサビ on (ノーズ)!!」

「これ攻撃!?」

 

 首領パッチは竜の鼻の上にすりおろしワサビを叩きつける。すると竜はその異物感に耐えられず、思わず首を振りあらぬ方向にブレスを吐いてしまった。

 

「ぐばぁ!!」

 

 なお、その過程で首領パッチは普通に吹き飛ばされていた。

 一連の流れを見ていたハジメは叫ぶ。

 

「よし、僕とユエで竜の動きを止めるから、シアは今のうちにウィルを助けて!!」

「うん」

「分かったですぅ!」

 

 ハジメの指示を聞いたシアは、一直線に滝壺へ向かっていく。だが竜はそれに気づき、シアを阻もうとする。

 しかし、その前にハジメとユエの二人が竜に近づきそのまましなだれかかる。

 

「竜さんったらそんなに暴れないで、ウチの店に来てぇ~」

「ボトルもたっぷりサービスするからぁ~」

「まさかのおねだり攻撃!?」

 

 ハジメとユエの選択に優花はツッコミを入れる中、竜は当然の様に二人を振り払い、ハジメにのみ追加の足でスタンピングをする。

 

「何で僕だけ追い打ち喰らってるの!?」

「私と違ってキモかった」

「いや、俺としてはあいつの方が良かったと思うぞ」

「!?」

 

 ゲイルの感想に驚愕し、思わず彼の方に勢いよく振り向いてしまうユエ。そうこうしているうちにシアは二十歳位の端正な顔立ちをした青年を滝壺から連れて来て、ハジメ達もボロボロになりながら戻ってきた。

 

「ゲイルさん、その人がウィルですか?」

「ああ、間違いない」

「ゲイルさん! 無事だったんですね!!」

 

 いきなり見知らぬ兎人族に連れられ慌てていたウィルだが、ゲイルの姿を見た途端顔が喜びの顔に変わりゲイルに抱き着く。

 

「やめろ……。俺には結婚を約束した恋人がいるのに……! 興奮してくるだろ……!!」

「この状況で何言ってるんですかこの人!?」

「南雲、この人ヤバくない?」

「実を言うと僕も結構扱いに困ってる」

 

 ゲイルが今まで周りにいないタイプだったせいでハジメが動揺しているが、そんなことはお構いなしに竜はブレスを放とうとする。

 

「させない。“凍雨„」

 

 しかしその前にユエが氷で出来た雨を降らせ、竜を攻撃し怯ませる。

 

「おお、竜が怯んでる!」

「氷は竜に効果抜群だから」

「ポ○モンですか!?」

「オレ達も続くぜ!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」

 

 怯んでいる竜に向かってバカ三人が突撃し――

 

「奥義、スリッパの裏でペチペチ!!」

 

 スリッパの裏でペチペチと竜を叩いて攻撃した。

 

「グゥルァアアアアア!?」

 

 ハジメ達の攻撃で苦悶の声をあげる竜。しかし彼らの攻撃は決定打にはならない。

 

「でも効いてはいるんですね!?」

 

 シアのツッコミを背に受けつつも、ハジメ達は竜に振り払われ、飛ばされる。そのまま竜のブレスがハジメ達に向かって放たれた。

 

「トラップ発動! ソウルシールド!!」

 

 竜の攻撃を首領パッチの天職決闘者の力で防ぐ。だがその代償は重かった。

 

「大丈夫か!?」

 

 ゲイルが心配しハジメ達に駆け寄る。その言葉に首領パッチが重々しく返答した。

 

「オレ達は大丈夫だ……。だが代償として、ハジメの発言がしばらくノムリッシュ翻訳される」

「何でですか!?」

「新世界の神の言葉がノムティスリスッシュ化だともあろう者が……。いや何でもない、忘れてくれ。……その疑問が私の心を捉えて離そうとしないのである」

「なんて!?」

「まず読者の何パーセントがノムリッシュを知っているのか」

「みさくら呪文(スペル)の方が天理天道に触れた? ……そんな昔のこと、忘れちまった……」

「ちょっと黙ってて」

 

 ドパンドパンドパン

 

 ハジメの発言がウザくなってきたユエは、いつも通り希望の花を容赦なく咲かせる。

 

「人間は増えすぎた……。だからよ、一切の動作を禁ずるんじゃ我が声に応えよぞ……。その刻だけは言葉を忘れた……」

「これ止まるんじゃねえぞ……。ですよね?」

「多分」

「んなことより竜どーすんだよ!?」

 

 ハジメの始末で一段落ついたが、竜の脅威は未だ収まっていない。その事実を正しく認識している天の助が代表して慌てていた。

 

「せめて弱点でも分かれば私も力に……」

「あ、あの……」

 

 思い悩む優花に、今まで全く話に入れなかったウィルがおずおずと口を出す。

 

「トータスの有名な諺に竜の尻を蹴る、というのがあるんですが……」

「成程。つまり竜の弱点は尻!」

「そういうことならこいつに任せな」

 

 竜の弱点を聞いた首領パッチは、懐をゴソゴソと漁りある物を取り出す。

 

「この、カンチョー君にな」

 

 それは、ピンク色の横長の球体にカンチョーの構えをした手と小さな足、それにジェットの排気孔がくっついている物だった。

 

「いや何ですかこれぇ!?」

「旧毛狩り隊Yブロック隊長、カンチョー君だ」

「こんなのが毛狩り隊だったの!?」

 

 まさかの真実に思わず叫ぶ優花。すると意外なところから声が掛かる。

 

「落ち着きな嬢ちゃん」

 

 それは、件のカンチョー君だった。

 

「確かにオレは元毛狩り隊だ。だけど今は、オレを信じな」

「何で、私達の味方をしてくれるの?」

「フッ。オレはただオレの浣腸道を貫ければそれでいいのさ。その結果毛狩り隊に所属しようと、反逆しようとな」

「な、なぜか無駄にカッコイイ……」

 

 優花がカンチョー君のハードボイルドさにときめいていると

 

「ときめいてないから」

 

 訂正、ときめいてはいないが話していると、ハジメがのそりと起き上がった。

 

「大丈夫かハジメ?」

「うん、もう大丈夫。それよりそのカンチョー君どうやって――」

 

 竜の後ろにセットするの? とハジメが問いかけようとするが、肝心のカンチョー君の姿が首領パッチの手元から居なくなっていた。

 慌ててカンチョー君を探す一同。しかし彼はすぐに見つかった。

 

「振り返ればヤツがいる……。貫き通すは己の浣腸道……」

 

 そう、彼は既に竜の背後、尻を狙える位置に移動していたのだ。

 

「GO TO HELL!!」

 

 そしてカンチョー君は己の排気孔から煙を出しながら、一直線に竜の尻へと向かって飛んでいく。

 しかしここで問題発生。

 竜の体長は七メートルと大きく、それに合わせ尻穴も大きい。一方、カンチョー君の手の大きさは人間と同じくらいしかなかった。このままでは、彼は竜の尻へとダイブするだけになってしまう。

 だが彼は浣腸道を貫く男。その程度の問題は、彼が自身の手を竜に浣腸出来るだけ巨大化させることで解決した。

 そして遂に、カンチョー君の浣腸が炸裂したその瞬間

 

“アッ――――――! なのじゃあああああああああああああ!!„

 

 何の前触れもなく、目の前の竜が女性の声で悲痛な叫びをあげていた。

 しかしカンチョー君の浣腸は終わらず、さながらドリルの様に自身を回転させながら叫ぶ。

 

「闇を貫け! オレの指よ―――――――――――――――――!!」

「訳わかんないんですけどあの下ネタ!!」

”お尻が―――――!! 妾の尻そのものが―――――――――!!„

 

 カンチョー君の強き意志の叫びと、竜の悲痛ながらなぜか徐々に喜びを帯びていく叫びの二種が混じり合うコントラスト。

 そのカオスに、さしもハジケリストも口を出せなかった。

 

「という感じで、次回に続くぜ!!」

「あ、首領パッチにシメ取られた」

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