【完結】ありふれたハジケリストは世界最狂   作:味音ショユ

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只今ジャギィさん作『この素晴らしい世界にハジケリストを!』にコラボとしてこの作品のハジメが登場しています。読んでない人はぜひ読んでください。
さらにジャギィさんのおかげで、こっちにこのハジのキャラをお借りすることも決まりました。

ユエ「凄い。じゃあ今回はこのハジのキャラが出てくるの?」
ハジメ「……(スッ)」
シア「目をそらした―――――――――!?」
ユエ「出ないの?」
ハジメ「三章中には出るから……」
シア「まだ三章結構あるんですけど!?」


はい本編はじめまーす

首領パッチ「何でオレらがコラボで出ないんだよ! おかしいだろ!!」
天の助「そうだそうだ!!」
ハジメ「お前らむこうでもメインじゃん」


奥義32 踏まれたって蹴られたって生 生 生 生

 魔物の群れをほぼ壊滅にまで追いやり、群れを操っていた清水を撃退したハジメ達。

 彼らは気絶した清水を愛子の元へ届ける為、天の助を担架代わりにしてハジメと首領パッチが運んでいた。

 

「さらっとやってることがおかしいのう」

「あぁ^~腰にガンガン効くんじゃぁ^~」

「マッサージ代わりですか……!?」

 

 そうこうしていると町外れ、周りに誰もいない場所に愛子達の姿が見えてきたので、ハジメは愛子に声をかける。

 

「先生。清水君連れてきましたよ」

「おいハジメ。ここまで運んできたしもういいだろ」

「そうだね。それじゃせーのっ」

「「重てえ!!」」

「「ぶはっ!」」

 

 清水を運んできたハジメと首領パッチは息を合わせ、清水を天の助ごと地面に放り投げた。

 

「うぅ……皆酷いわ……」

「ん……、俺は……」

 

 地面に叩きつけられた天の助は泣き、清水はゆっくりと目を開けようとする。しかしその前に――

 

「さっさと目を覚ませ!!」

「ぐばぁ!!」

「今起きようとしてましたけど!?」

 

 ハジメの拳によって強制起床させられた。

 目を覚ました清水に待っていたのは、愛ちゃん親衛隊と護衛の騎士達による冷たい視線による歓迎だった。オドオドとしながら視線を彷徨わせ味方を探すが、清水の視界にそんなものは映らない。

 勝手に居なくなった挙句、魔物の群れを操って町を襲おうとした者に対しては当然の扱いだろう。

 しかし愛子はそんな空気などなんのその。起きた清水に近寄ってそのまま手を握り、真摯に問いかける。

 

「清水君。私達は貴方に危害を加えようとは思いません。先生は、ただ清水君がどうしてこんなことをしたのかが聞きたいんです。どんなことでも構いません。清水君の本心を聞かせて下さい」

「ただし迂闊なことをしたら、後ろの天の助が君の穴という穴にところてんを押し込むからね」

「愛ちゃん先生の話を邪魔しないで」

「」

 

 誠心誠意清水と向かい合おうとする愛子。その様はまさしく教師の鑑。

 一方、後ろでは彼女を心配したハジメが凄むが、優花にキレられてハジメは何も言わず跪いていた。

 

「……そんなことも分かんねえのかよ」

 

 そして清水は愛子の問いに答え始める。が、それは話というより悪態だった。

 

「……俺は俺の価値を示そうと思っただけだ。どいつもこいつも勇者だったり真拳使いだったりハジケリストだったり……。そんな奴より俺だろうが……。俺の方が上手くやれんのにこっちを見やしねえ無能共が悪いんだよ……!」

「てめぇ……、町を滅茶苦茶にしようとして何言ってんだ!」

「何が無能よ!」

「伊坂……。貴様は、貴様だけはオレの手で倒す!」

「一人おかしいですぅ」

 

 堰を切ったような清水の言葉。その身勝手な言い分に愛ちゃん親衛隊の一同(と首領パッチ)は怒り、反論する。その勢いに押され、しどろもどろになる清水だが、愛子はそんな彼への怒りを断ち切るような優しい声色で彼に問う。

 

「沢山不満があったのですね……。でも人を襲ったとしても自らの価値を示すなんて出来るとは先生には思えません」

 

 最もな愛子の言い分。しかし次の清水の言葉で前提から大きくひっくり返されることになる。

 

「示せるさ、魔人族になら」

「なっ!?」

 

 清水の口から飛び出すのはまさかの裏切り宣言。その言葉にはこの場にいた一同が驚きを隠せない。

 

「俺の天職で使える闇魔法を色々試してたら、魔物を操れるって分かったからな。一人で北の山脈に行ったんだ。そこで魔人族と遭遇して、まあ……色々話し合って、俺の本当の価値を分かってくれたのさ。だから契約して向こうに着くことにしたんだよ」

「契約……ですか? 一体どんな……?」

 

 戦争相手の魔人族とつながっていたという事実に愛子は動揺するも、それでも清水と話を続ける。

 そんな愛子に、清水はにやにやと嘲笑する様な笑みを浮かべながら質問に答えた。

 

「畑山先生。あんたを殺すことさ」

「なっ……!?」

「NANA」

「へえ……。あんたもナナって言うんだ」

 

 愛子も、その場にいた周囲の一同(一部除く)も、何を言われたのか一瞬分からなかった。

 だがすぐに、愛ちゃん親衛隊と護衛の騎士達は内容を理解し怒りを顕わにする。親衛隊にとっては大事な先生、騎士にとっては信仰の対象であるエヒトよりも重い存在を害されたのだ。当然である。

 しかし清水は一歩も怯むことなく、むしろ可笑しげに話を続けた。

 

「なんて顔してやがる……、先生」

「何でそっちまでオルガなんですか」

「うるせえよ! オルガじゃねえし、までって何だよ!!」

 

 シアの思わず口から漏れたツッコミに噛みつく清水。そのあまりの剣幕にシアは少しだけ驚き、ユエはシアを庇いだてる様な位置に移動しながら尋ねる。

 

「えっと、湧水?」

「清水だよ!!」

「じゃあ清水。どうしてあなたは評価されたいの? ハジメみたいに、美少女にモテモテのなろう主人公になりたいの?」

「そこ僕の名前出す必要ある?」

 

 ユエの問いに、清水は堰を切ったかのような叫びで返答する。

 

「ああそうだよ、今の俺ならなれるんだよ! 魔人族側に認められる勇者って奴に!!」

「そしてあなたは美少女を囲って指揮官、ご主人様、殿、お兄ちゃん、閣下と呼ばれたいと……」

「何で全部アズレンなんだよ!?」

「待って! 旦那様とかヘンタイとか子豚ちゃんとかが抜けてるよ!」

「どうでもいいわ!!」

 

 ユエとハジメのボケ倒しに、思わずキレ散らかす清水。

 

「あの人敵だったんですよね? 滅茶苦茶ツッコミしてくれますけど」

「敵、だなんて言いたくないけど……」

 

 その状況をシアは呆れた目で、優花はどこか切なげな様子で眺めていた。

 そうこうしていると、なぜか天の助が高そうな椅子に座り、ちょび髭を蓄えた状態で清水に話しかける。

 

「なぜそんなに周りの評価に固執するのかね? 話しなさい、君の過去を」

「何その態度!?」

 

 天の助の態度に優花がツッコミを入れつつ、清水は昔を振り返る。

 そう。俺は小さい頃から――

 

「浸り過ぎ!!」

「ぶほぉ!?」

「ええ―――――――――――――!?」

 

 しかしここで清水の回想、天の助の拳によりまさかのインターセプト。

 いきなり殴られ、殴った天の助を清水は睨みつけるが、睨みつけられる側は構わずこう言った。

 

「貴様の過去は大体分かった」

「あの一文だけで!?」

「その上で言うと、貴様の過去はスーパーマ○オブラザーズの容量より軽い」

「例えがよく分からないんですけど!?」

 

 シアがツッコミというか疑問を投げかけると、ティオの方から回答が飛んできた。

 

「スーパーマ○オブラザーズは四十キロバイトほどじゃ」

「軽っ!?」

「ほんとそれ~。まるで風船みた~い」

 

 驚くシアと感心する首領パッチ。

 その首領パッチはなぜか風船となり、ユエに持たれていた。

 

「本当に風船になってる――――――――――!?」

「キモッ」

 

 しかし、風船と化した首領パッチが気持ち悪かったユエは、容赦なく針をプスッと付き差し、破裂させる。

 

(風船割った―――――――――――――――!?)

「まあ、それはそれとしてこれで君は終わりだよ清水君。これ以上何もしないっていうなら、先生次第だけど内々で済ませてあげるから」

 

 横で起きているバカ騒ぎをガン無視して、ハジメはなるだけ優しく清水に話しかける。しかし、清水はその言葉を鼻で笑って返した。

 

「ハッ。俺が終わり? だからてめえらは無能なんだよ」

 

 そう言って清水は懐に手を入れた。

 それを見たユエは、何か拙いと感じて慌てて止めようとする。しかし――

 

「俺はまだ、負けてねえ!!」

 

 ユエが止めるより先に、清水は懐からカプセル型の薬を()()取り出しそのまま飲み込む。

 すると、薬を飲んだ清水からいきなり漆黒のオーラが吹きだし、清水の周りにいた一同全員を吹き飛ばし。

 そしてオーラが清水を包み込み、外からは何も見えなくなった。

 やがて吹き飛ばされた全員が立ち上がったと同時にオーラも晴れる。しかしそこに、さっきまでいた清水の姿は無かった。

 清水の外見が大きく変わっていたのだ。

 上半身の服は吹き飛んで半裸となり、髪の色は黒から白に、そして頭からは悪魔を思わせる黒い角、そして後ろには黒い尻尾が生えていた。

 その余りの変わり様に愛子は思わず腰を抜かし、立ち上がったばかりにも関わらず再び地面にへたり込んでしまう。

 そんな愛子の様を清水は嘲笑しつつ眺めながら告げた。

 

「これが……、これが俺と魔人族の力だ! この力で――」

 

 そう言いながら清水は目の前に暗黒の魔力を溜める。それをどうするかは、愛子以外の全員が察し、防ごうと動いた。

 

「死んでくれよ! 畑山先生ぇぇぇえええええ!!」

 

 全員の察しの通り、清水は愛子を殺すつもりで魔力をビームにして放つ。愛子は腰を抜かしていることと殺される恐怖で一歩も動けず、防ごうとする側も距離が遠くて届かない。

 しかし、その絶望は首領パッチのこの台詞で切り裂かれた。

 

「リバースカードオープン! 攻撃誘導アーマー!!」

 

 首領パッチの罠カードが発動し、魔物の顔を思わせる鎧が現れ、清水のビームを鎧に誘導させる。そして、その鎧は天の助に装着された。

 

「え、何でオレ? 何でオレが装着してんの!?」

 

 天の助は必死に鎧を外そうともがくが、無情にもビームの方が先に当たり、天の助は吹き飛ばされる。

 それを見たハジメは小さく呟いた。

 

「くっ、よくも天の助を……!」

「実質首領パッチさんのせいですよね?」

「ふざけるな南雲ぉぉぉおおおおおおお!!」

 

 一方、攻撃を防がれた清水はハジメへ向かって叫ぶ。

 その叫びはまさしく妄執に捕らわれた悪鬼そのもの。彼の叫びには、本来愛子を守る護衛の騎士ですら思わず怯んでしまった。

 それを知ってか知らずか、清水の怒りは留まらない。

 

「邪魔するなぁ! 俺は畑山先生を殺して、真の主人公になるんだぁぁああ!!」

「中ボスみたいな外見した奴がよく言うよ」

 

 清水の叫びに対し、ハジメは皮肉を飛ばしながらシアとティオに指示をだした。

 

「シア、ティオ。二人は一緒に先生達を守って欲しい」

「わ、分かりました。でもハジメさん達は?」

「決まってるでしょ」

 

 シアの問いに、ハジメは迷うことなく即答した。

 

「清水君を止めるよ。僕達四人でね」

「でも戦闘は次回から」

「この時点で文字数四千超えちまったからな。しょーがねえ」

「うわぁ、メッタメタですぅ……」

 

 どこか締まらないが、とにもかくにも戦闘開始だ。

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