これからもよろしくお願いします。
血で血を洗う激戦3狩リア。この世界で初めて行われる戦いがいよいよ始まろうかという時、丸一話以上気絶していた人間族の勇者、天之河光輝は目を覚ました。
「ん、俺は……」
「光輝! 目を覚ましたのね!?」
声をあげる雫に対し、光輝は答えること無くすぐに立ち上がり剣を構える。彼の主観では、まだ女魔人族――カトレア――との戦闘中だったからだ。
その様子を見た雫は慌てず冷静に告げた。
「大丈夫。あの魔人族はハジメが倒したわ」
「南雲が……?」
「だけど今は、新手が来て三対三で戦い始めた所よ」
それを最後に雫は目線を光輝から逸らす。光輝も同じ場所へ視線を向けると、そこにはハジメと首領パッチ、その横には見知らぬ美女。相対してるのは謎の男三人組だった。
「ちょっと待て。あれは人間じゃないのか!?」
「魔人族側に呼ばれた神の使徒、らしいわ。それ以上のことは正直分からないけど」
「そうか……」
正直ロクに情報が得られない光輝だったが、それは雫も同じ。
何もかもが未知な戦いが、今始まる。
「――ってナレーション書いてみたけど、どう思うシズシズ?」
「これ鈴が書いたの!?」
「“嵐焔風塵„じゃ!!」
3狩リアの開幕を決めたのはティオだった。
彼女の魔法が炎の竜巻を巻き起こし、敵三人に熱と風のダブルパンチが襲い掛かる。
「うおおおおおお!! 風力発電風力発電!!」
その竜巻に向けてハジメは風車を構える。その風車にはコードがつながっており、風車の回転の分だけコードの先にいる首領パッチが発光していた。
「いや何してるの!?」
一方、敵の三人は余裕だ。この状況でも不敵な笑みを浮かべている。
そしてハンスが一歩前に出て、手をかざし奥義を発動する。
「スライム真拳奥義、暴食」
すると、炎の竜巻がハンスの手に触れた途端、そこに一気に吸い込まれていく。さながらハンスに炎が食べられたかのように。
「いやそれ違うスライムですぅ!! 転○ラ!?」
「だったら次はこれだ! 協力奥義、エレキテルバカ!!」
ハンスが炎を吸い込んだと同時に、今度はハジメが光りながら女装している首領パッチを敵三人に向かって投げつけた。
「ビリビリビリ~」
「「「ぎゃああああああああああ!!」」」
大量の電気を溜めこんでいた首領パッチに触れた三人は、電撃の威力で大ダメージを受けて痺れる。
「アタイの魅力で痺れさせてやったわ!!」
「それただの物理現象よ!?」
そして痺れている敵を目前にした首領パッチの発言に、雫は全力でツッコんだ。
だが敵も痺れたままなんてありえない。いち早く痺れから回復したコンバット・ブルースが反撃の奥義を繰り出す。
「トラップ真拳奥義、魂の手榴弾・改!!」
ブルースが虚空から手榴弾をいくつか取り出し、ハジメ達に投げつける。しかし、ハジメはそれを奥義で防ぐ。
「納豆真拳奥義、
「何ですかそれ!?」
ハジメは金魚すくいで使うような水槽を出し、ブルースが放った手榴弾は全て水槽へと吸い込まれた。
「「わーい、手榴弾すくいだ~!!」」
そしていつの間にか浴衣に着替えた首領パッチとティオが、ポイとお椀を持って水槽の前に座り込む。
ドオォォオン
そのまま掬おうとした所で、手榴弾が爆発。辺りに水が飛び散り、二人はビショビショに濡れて浴衣が透けてしまう。
そしてティオの浴衣が透けた瞬間、ブルースは恐ろしい速度で彼女の方へと首を回した。
ここで解説すると、コンバット・ブルース。彼はスケベである。
具体的に言うと、ボーボボ達と戦う際に自分以外の3狩リアのメンバーを水着を着た女性二人を選んだり、エロ本の中に入るのが夢だったり、エロ本の所持数なら世界一と豪語する位にスケベだ。
そんな彼が、ティオの濡れ透け浴衣に注目しない筈がない。
彼の性格に気付いたハジメは、次なる奥義を発動した。
「納豆真拳奥義、フライングザエロブック!!」
「わお―――――――――ん!!」
ハジメはエロ本のあらぬ方向に投げ、ブルースは本に向かって迷うことなくジャンプ。
しかし、エロ本にしか注意を向けていなかったブルースは、飛んだ先に人がいることに気付かずぶつかって押し倒してしまう。彼がぶつかった相手は――
「い、痛い……」
ハンスだった。
仲間にぶつかったことと、男を押し倒してしまった気持ち悪さで慌てて起き上がるブルース。しかし不運は続く。
「オイ、どういうことだよ……!」
スーツに着替えた首領パッチが、恋人の浮気に気付いたかのような声でハンスを問い詰めはじめる。
「ハン江! お前、オレと結婚したいって言ってくれたじゃねえか!! なのに誰だよその男!?」
「ち、違う! ぶつかっただけだ! オレは浮気相手じゃない!!」
「…………」
必死に弁明するブルース。しかしハンスは、頬を赤らめたまま首領パッチから目をそらすだけで、何も答えない。
「何とか言えよこのウジ虫野郎!!」
「「ぐわああああああああああああああああああ!!」」
返答しないハンスにキレた首領パッチは、マシンガンで二人纏めて銃撃した。
「とんだ修羅場ですぅ――――――――――!?」
「面白い。……次はオレの奥義を見てくれよ」
皆が首領パッチ達の修羅場に目を取られている隙に、クリムゾンはティオの傍に近づき拳を構えて放つ。
「
「がはぁ!?」
クリムゾンの奥義は、正確にティオの内臓を拳で抉り抜いた。
その光景を見たハジメ達に動揺が走り、クリムゾンは得意気に己の奥義の解説をする。
「オレの絶眼拳は人体の急所を確実に捉える」
「ティオ!!」
「シズシズ! 闇拳って何!?」
「今聞くんですかそれ!?」
訂正、一部は違う理由で動揺していた。
それはそれとして、鈴の問いに雫は無言で首を横に振る。なぜなら闇拳について彼女は何も知らないからだ。
しかし知らないのも無理もない。闇拳とは地球でもトータスでも無い場所、闇の世界と呼ばれる場所でしか習得できない拳法。
そして闇の世界とは、マルハーゲ帝国に逆らったものが送られる監獄である。
マルハーゲ帝国の裏事情を知らない限り、闇拳へと辿り着くことはできないのだ。
この解説を見てユエが一言。
「説明が……長い!」
「確かにな」
いきなり闇拳についての解説が現れ不満なユエに、天の助は頷く。
一方、クリムゾンは絶眼拳を次に首領パッチへと繰り出した。
「次は貴様だ」
「う“っ!?」
パァン
絶眼拳を叩きこまれた首領パッチは、粉々に弾け飛んだ。
「弱っ!?」
しかしハジメは慌てる事無く、ビニール袋を用意し粉微塵となった首領パッチを袋の中に集める。そして水と片栗粉を入れて固形にし、元の首領パッチへと形を整えていく。
「完成だ!!」
そうして出来上がったものは、一台の立派なスロットマシーンだった。
「全然違うものできてるわよ!!」
「うへへ……スロットじゃあ……。次は絶対に勝てるのじゃあ……」
「ギャンブル中毒!?」
雫のツッコミを背に、ティオはまるで幽鬼のように歩きながらスロットの元へ向かう。そして辿り着いたと同時にスロットにコインを入れ、そのまま遊び始めた。
当然、そんな隙を見逃す敵はいない。
「ふざけるな!!」
とハンスは思いっきりティオに殴り掛かる。それをティオは回避するものの、スロットは破壊されてしまう。
「うわぁ~ん、妾のスロットがぁ~!!」
ティオはスロットが破壊されたショックで泣き出してしまった。それを見たハジメの行動は早い。
ハジメはティオの足を掴み、思いっきり振り回す。
「お客様を泣かせるとは上等だ! 奥義、お客様アタック!!」
「「「ぎゃあああああああああああああ!!」」」
「ハジメさんが一番非道ですぅ―――――――――――――!!」
ハジメは奥義で三人を吹き飛ばす。
しかし未だ三人は倒れる気配も見せず、ブルースは反撃を仕掛けてきた。
「トラップ真拳奥義、連続死ね死ねミサイル!!」
「技名がゴテ○クス!!」
「納豆真拳奥義、バカバット!!」
「あぁん!!」
ブルースはミサイルを連続で飛ばしてきたが、ハジメはティオをバットにしてミサイルを全て打ち返す。
しかし、打ち返したミサイルの一本が観戦している光輝達の元へと飛んでいき
「ぎゃああああああああああ!!」
「何で俺が巻き込まれんだよ!?」
鈴と檜山にダメージが及んだ。
その光景を見たハジメは、怒りを滲ませて叫ぶ。
「よくも二人を!!」
「お前が巻き込んだんだろ」
「敵にグダグダいわせんじゃねーぞ。オレのターン、ドロー!」
ハジメの怒りに追従するかのように、いつの間にか元に戻った首領パッチがデュエルディスクからカードを一枚引き、魔法を発動した。
「オレは魔法カード発動、光の護封剣!! これでお前らは三ターン攻撃はできねえ!!」
「これでなぶり殺しじゃな」
「気が高まる……溢れる……!」
「後ろ二人の台詞が悪役そのものですぅ!!」
しかし、首領パッチの魔法はすぐに打ち消される。
「リバースマジック、魔法解除!!」
なんと、ハンスが伏せていたカードで首領パッチの魔法を解除したのだ。
さらにその横では、クリムゾンが奥義の発動準備を終えていた。
「
彼が奥義を発動すると、彼の背後に額に一つ目が増え、右手に槍を持った金剛夜叉像のような何かがイメージとして現れ、彼の右手がさながら悪魔の様に変化し、三つの目が宿っていた。
そして、右手にある三つの目から、赤色のビームがハジメ達に向かって放たれた。
「危なっ」
「やべっ」
「ぬおおおおおおおおおお!!」
「一人だけテンションがおかしい!!」
それをハジメ達はかろうじて回避する。しかしビームは消えることなく一直線に進む。
「フン! セイ! トリぎゃあああああああああああ!!」
最後には、一人離れ太極拳の訓練をしていた天の助に着弾し爆発した。
「一人で何してるんですか!?」
「ああああああああぁぁ…………!!」
爆発をもろに喰らった天の助は、首だけの状態になってハジメ達の元へ飛んできた。その状態で天の助はハジメに語りかける。
「……ハジメ、オレの好きだった……ところてん達を、守ってやってくれ……!」
「余計なお世話だ。出来損ないめ」
天の助の語りが終わったと同時に、ハンスは天の助の頭を踏みつぶした。
「時は満ちて おお
「クルッポー! クルッポー!」
天の助が踏みつぶされた直後、ユエはマイクを持って歌いだし、首領パッチは鳥の真似をして飛び回る。
そこまでは誰も気に留めない。だがここからは誰もが目を離せない。
「うぉああああ――――――――――っ!!!!!」
ハジメが怒りで咆哮をあげると同時に爆音を轟かせ、立っている地面は割れ、洞窟では起こる筈の無い暴風が彼を中心にして辺りに吹き荒れる。
そして彼は髪を黄金色に変え、周りに雷のオーラを漂わせていた。
その光景を、歌っているユエ以外の周りはただ茫然と見つめるのみ。
そうこうしていると、歌はサビに入っていた。
「WOW WOW 必ず オレはオレを越えてくぜ!」
一方、ユエの横では天の助が鈴を肘で小突く。
「おい、そろそろお前の番だろ」
「あ、本当だ」
「しれっと生き返ってる!?」
小突かれた鈴は慌てて懐からカンペを取り出し、情感たっぷりに読み上げた。
「ついに。ついに、ハジメの怒りが限界を、超えたのか!?」
「ナレーションやってるですぅ!!」
「YUDULIYA-VELE YUDULIYA-VELE YUDULIYA-VELE YUDULIYA-IYLIYA」
(歌い切った――――――――――!?)
実はよその作者様とのコラボって初めてなのでこんな按配でいいのかよく分かりません。