前回までのあらすじ
ハジメ「僕は……カントリーマアムが好きなんだよおおっ!!」
首領パッチ「」ピカー
ハジメ「パチンのしるしが光った!!」
大体こんな感じだった。
シア「いや、勇気いる状況じゃありませんよね!?」
天の助「パチンのしるしはハジケると光るんだ」
シア「それじゃ光りっぱなしですよ!!」
巨大な氷柱が中心にある部屋で、二人のシアがピアニカソードを交える。
偽物である耳とかが黒いシアは、本物のシアに対し様々な言葉を投げかけ、彼女の心を乱そうとする。
シアのせいで家族がフェアベルゲンから追われ、多くの同胞が死んだこと。
偽物が投げかけるそれは、彼女にとって決して軽いことではない。だが――
「そんなことは、とうの昔に受け入れてるですぅ!!」
シアは、偽物の言葉を受け入れた上で殴り飛ばした。
殴られた偽物は衝撃で地面を転がり、やがて止まったと同時に少しずつ消滅していく。
『成程……
「そうです。そして私は家族を、ハジメさん達を信じています」
シアの言葉を聞いた偽物は満足そうな笑みを浮かべ、完全に消え去った。
それと同時に壁の一部が開かれ、奥に通路が現れる。
その通路を彼女がしばらく進んでいくと、さっきまでいた氷柱が中心にある大部屋にたどり着いた。
部屋の中心には、なぜか呆然としているユエと
小さな祠の前で、巫女服を纏い佇んでいる天の助の姿があった。
「変な新連載が始まってるですぅ――――――っ!? サブタイトル長っ!?」
「シアに、天の助……?」
シアのツッコミを聞いて、彼女と辺りを見回すことでついでに天の助の存在に気付くユエ。
「二人ともいつの間に? ザ・ワールド? キング・クリムゾン? メイド・イン・ヘブン?」
「いや、ユエさんがボーっとしてただけで、私はさっき来たばかりですけど」
「オレはもう少し前だな。お前がどこまでノーリアクション貫けるか試してた」
「そんなしょうもない理由で巫女服着てるんですか!?」
衝撃の理由が明かされたことでシアは叫ぶが、ユエはどこ吹く風とばかりにあらぬ方向を見続けている。
それをただ事じゃないと判断した天の助は、そっと彼女に問いかける。
「どうしたユエ? なんか様子が変だぞ」
「天の助……実は、偽物に気になることを言われてから、不自然な記憶が蘇ってきて……」
そう言ってユエが話し始めた内容は、聞き手の二人を驚愕させるに十分な内容だった。
ユエが叔父にオルクス大迷宮の地下に最近まで封印されていたこと。*1
彼女が吸血族の王をやっていた時、宗教に関連する話は大体叔父が対処していたこと。
両親は彼女を甘やかしていたが、それは親の愛というより敬愛だった気がすること。
代わりに親として接してくれたのは叔父だったこと。
というか、彼女を封印したのは叔父だけれども、よく考えれば彼ならあの場で抹殺すら可能だったのに、なぜか封印にとどめたこと。
これらを総合したうえで、彼女が出した結論はこうだ。
「私の叔父さん、悪人と思って恨んでいたけど実はいい人説」
「水曜日のダウンタウン風に言うのやめません?」
茶化して言うユエに思わず真顔でツッコんでしまうものの、同時に彼女の態度が虚勢であると見抜いていたので、シアはあまり強くは言えなかった。
一方、ユエは急に頬を両手でパンパンと叩いたかと思うと、表情を晴れやかな笑顔に変えてから、二人に向かって強く言い切る。
「ごめん。ちょっと色々混乱してナイーブになってた。これはエヒトをぶっ殺してから確かめに行くから」
「すげぇ割り切りっぷりだな……」
余りの切り替えの早さに天の助が困惑するが、ユエは構わず先へと進んでいく。
それを見た二人もまた、慌てて気分を切り替えて追いかけるのだった。
トントントントントントントン
「何だこの音……?」
試練を終えた龍太郎が通路を歩いていると、突如響いた音に対して驚く。
彼の試練は難易度が低かった。元々心に闇が少ないタイプであり、数少ない闇であるハジメと比べた上での力不足や、実年齢はともかく見た目がロリであるユエを性的な目で見たことがある、位のことしか偽物は責めようがなかった。
更に彼は偽物の言葉を全て「当たり前だ!!」とルフィばりの叫びで返したので、偽物は弱体化し、あっさりと終わった。
そして試練をクリアしたことで現れた通路を進んでいくと、謎の音が聞こえたのだ。
彼が音に疑問を覚えながら通路を進み終え、開けた部屋にたどり着くとそこで見たものは――
「負けない……! 鈴は負けない……っ!!」
『勝てる? 何度か恵理の眼鏡があくどく光っているのに気づいていながら指摘できなかった鈴が、関係が壊れることを恐れて一歩踏み込めなかった
鈴とその偽物が、紙相撲で戦っている姿だった。
「あのトントンって紙相撲の音だったのかよ!?」
「龍太郎君!?」
龍太郎のツッコミで鈴が彼の存在に気付き、驚きの声をあげる。
しかしすぐに表情を不敵な笑みへと変化させ、毅然とこう言い放った。
「待ってて。今、この偽物と対話したうえで人間的に成長して見せるから!」
『ククク、できるかな……?』
「紙相撲しながら言うことかよ……」
白熱する鈴達の戦いに、紙相撲のせいで今一つテンションを合わせられない龍太郎。
するとそこに、大量のタッセルを従え、自身もまたタッセルを両手に持った状態で、無表情の首領パッチが、龍太郎とは別の場所から部屋に入ってきた。
しかしここで、急に首領パッチ憤怒の顔を見せたかと思うと、手に持っていたタッセルを捨てて急に凄まじいスピードで走り出し、そのままの勢いで鈴の偽物を殴り飛ばす。
「だからタッセルってなんだよ!?」
『カーテンに付けるのっ!!』
「パチピー鬼つええ! このまま逆らう奴ら全員ブッ殺していこうよ!!」
「人間的成長はどうした!?」
偽物が殴り飛ばされ喝采をあげる鈴に、思わずツッコミを入れる龍太郎。
すると、殴られた偽物が少しずつ消滅していく。
これに焦ったのが鈴だ。
「どどど、どうしよう!? これ鈴試練をクリアしたことになる!? ならなかったりしない!?」
『大丈夫だ、問題ない。
「そっかー、よかったー」
偽物の言葉に心底安堵して息を吐く本物。
その言葉を最期に、偽物は完全に消滅した。これにて、鈴の試練はおしまい。
「なんか納得いかねえ……」
この結果を見ていた龍太郎は聞こえないように小さく呟いていた。
そしてこの後、ティオと合流したのだが、それは関係ないのでここでは省略する。
巨大な氷柱が中心に立つ部屋で、二対の聖剣が交差する。
片方は聖の文字通り光り輝き、もう片方は名に反して黒く淀んでいる。
それは聖剣の所持者、天之河光輝も同じ。
本物は名の通り光り輝いているかのようだが、偽物は対照的に黒い。
『頑張って俺を倒せよ。
「……っ!!」
その黒い偽物が、本物を言葉で責め立てながら剣を振るう。
対し、光輝は怒りに唇を噛み締めるものの、何かを言い返すことはなくただ偽物の剣を受け流す。
それに構わず、偽物は更に言葉を重ねる。
『南雲が嫌いなんだろ? 憎いんだろ? ハジケリストなんて訳の分からないもので、真拳使いで理不尽に強いから、この世界だとヒーロー扱いされているあいつが』
「うるさいっ!!」
偽物の言葉をはねのけるかのように、光輝は大きく剣を振り回す。
それを軽々とかわしながら、偽物の言葉は止まらない。
『でもあいつがいなけりゃ、
「ああ、そうだな……!!」
偽物の台詞に対し、憎々し気に睨みつけながら肯定する光輝。
彼の怒りのボルテージは上がっているが、それは単に、見たくないものを偽物に指摘され続けているから。
当然、偽物のそのことを理解している。
『ちっ、
「……?」
偽物の言葉に疑問を覚える光輝。
実の所、彼はこの状況がどういうものか全く把握していない。
彼の認識では、いきなり自分の偽物が出てきたと思ったら、分かっていることをネチネチ言われている、位のものである。
まさかこれが、自分の嫌な部分を受け止める為の試練だとは夢にも思っていないのだ。
なにせこれは、王都でハジメと決闘した時に自覚して受け入れたことであるが故に。
だが少なくとも、今目の前で偽物が隙を晒していることだけは分かるので、容赦なく光輝は攻撃を仕掛けた。
「“天翔閃・震„!!」
光輝が聖剣を大上段に構え、それを全力で振るうことで巨大な光の斬撃が、一直線に偽物に襲い掛かる。
『
偽物はそれを真正面から見据えながら、己の意義を問いつつ、しかしどこか誇らしさを胸に抵抗することなく、斬撃に呑み込まれ消滅した。
するとその直後、どこからともなく拍手が響いたかと思うと、ハジメ達が別々の場所から一斉に姿を現した。
ハジメと雫、シアとユエと天の助、鈴と龍太郎と首領パッチとティオ。そして香織一人が、それぞれ別の通路から、光輝がさっきまで試練を受けていた部屋に入って来る。
「あれ? 私だけソロ!?」
香織が自分だけ同行者がいないことに動揺するも、周りはそんなこと関係ないとばかりに光輝に言葉をかけていく。
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとさん」
上からハジメ、ユエ、首領パッチ、天の助、シア、ティオ、雫、龍太郎、香織、鈴の順番に祝ってくれた。
これらに対し、光輝は満面の笑顔で返礼する。
「ありがとう」
| 元ネタに、ありがとう
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| シリアスに、さようなら
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| そして、全てのハジケリストに
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| おめでとう
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なお、唐突に始まったこのネタには
「乗っておいてなんですけど、何でエヴァ?」
「知らない」
裏でこんなツッコミもあったとか。