「私、小鳥遊るりははShiny☆Rainbowを卒業します!」
ひなたがアイドルユニットを卒業し警視庁刑事部
捜査一13課係に配属されて2年。
今日はホテルで記念式典が執り行われる。
この日が来るのを待ち望んでいたひなたは
早朝から起きていた。
「今日で椿さんのお側に就いて2年かぁ。
時が経つのは早いなぁ…」
今日この日を迎えるまで毎日付けてきた
日記を見て振り返る。
就任初日にお茶を零してしまったことも
今となってはいい思い出。
「…私は椿さんのお役に立てているのかな?」
鏡を見ながら長い髪を結っていく。
くよくよしてても何も始まらない。
そう心に言い聞かせて着替えのために
ウォークインクローゼットへ入った。
「あ~!フリフリの服着たいっ!でもでも
今日は式典だから我慢しなくちゃ」
いつもは警察官らしくない服を着ているが、
今日は行事用のロングジャケットに白の立襟
フリルブラウス、黒のスカート、ハイソックス
といった正装。
「うん!これなら大丈夫だよね!」
窓ガラスに映る自分を見て喜び鼻歌を歌いながら
朝ごはんを食べるためにリビングへと向かう。
手早く朝食を作りソファーへ腰掛けて食べる。
『はぁぁ…。でもすごく緊張するなぁ。』
オレンジジュースを口にしながら朝のニュースを見る。
天気予報が晴れということを知り
『よしっ!!テンション上がった!!』と叫ぶ。
どこの世界に天気予報一つでこうもテンションが
変わる警察官がいるものか。
時計を見ると8時半。
ゆっくりし過ぎた…
「ヤバっ…式典に遅刻しちゃう!」
カバンを手に取り急いで式典会場へと向かう。
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ホテルグランドハイアット べラムール
式典は厳かに執り行われている。
ひなたは真剣な表情で式に臨んでいる。
桜宮ひなたと名前を呼ばれ『はいっ』と返事をし
壇上へ上がった。
お偉い役職の方から賞状とバッジを受け取り
一礼する。
(これからもっと椿さんのお役に立てるよう
頑張らなくっちゃ!)
そんなことを考えていたら階段を踏み外して
転けてしまった。
『痛たた…』と言いながら自分の席へと戻る。
大勢の前で転けるなんて恥ずかしい…。
みるみるうちに顔が真っ赤になっていった。
式典の後は祝賀会が行われた。
ひなたは早速貰ったバッジを付けるために
箱を開けた。
「わぁ…。綺麗……」
金色に輝く星のバッジに笑みが溢れた。
ジャケットの襟に付けみんなの元に戻った。
「椿さん!ジャジャーン!
見てください!似合ってますか?」
真っ先に椿さんへ見せたくて思わず飛びついてしまった。
「おぉ、ひなた。よく似合ってるじゃねぇか。
それより大丈夫か?さっき派手に転けてただろ」
『これくらい全然大丈夫です』と言いながらテーブルにあった
お茶を口にする。
よく見ると左膝から血が出ていた。
これのどこが大丈夫なんだと思った彼は
ズボンのポケットからハンカチを出して巻いてくれた。
「これで大丈夫だ。」
「あ…ありがとうございます」
『これからも宜しくな』と褒めながら私の頭を
くしゃくしゃと撫でると彼は椅子に腰掛けた。
祝賀会もお開きの時間を迎えスマホを取り出そうと
かばんに手を入れる。
(し…しまった…お財布が入ってない。何で!?)
記憶を遡ること数時間前…。
『ここからホテルまで10分で着くし財布は要らないね!
よしっ歩いてこっと!』
そう。私は式典会場へ歩いて行ってたのだった…。
まぁいっか。カードケースは持ってきてるから
買い物は出来るし、ちょっと寄り道して帰ろっと。
そう自分に言い聞かせホテルを後にする。
この後、大きな事件に巻き込まれるとも知らずに…。