私の召喚サークルがバグってる件について。   作:シーボーギウム

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次はテスト週間!模試!テスト!模試!とハードスケジュールな為多分遅れます。




悪魔、或いは妖精。

「はぁ…………」

 

 思わず私、ターニャ・デグレチャフは、マスターの命令の下前線に向かう最中で大きなため息をつく。

 

「まさか死後まで戦地に駆り出されるとは…………」

 

 しかもサーヴァントは全盛期の肉体で召喚されるはずだというのに何故か私の姿は幼女だ。まぁ確かに、新人時代に中隊を一人で壊滅させたりはしているが、だからといってそれを全盛期と言うのは無理がなかろうか。経験は死ぬ直前のものまであるにはあるが、身体能力などで言えば圧倒的にもう少し育ってからの方が高かったというのに。

 

「はぁ…………まぁ、命令された以上は任務を完遂するだけだ」

 

 サーヴァントの集団に高速で近付きながら白髪の中年初め敵であろう存在に標準を合わせ、引き金を連続で引く。爆破術式の込められた弾丸は全て直撃し、敵サーヴァント共の姿が土煙で隠れた。

 

「だ、誰!?」

『サ、サーヴァントだ!敵にだけ攻撃したってことは味方か…………!?』

 

 オレンジ色の髪の女のガキ(この姿で言えた義理ではないか)がこちらを振り向き、何やら不快な、優柔不断な性格が透けて見える声が聞こえた。

 

「ボサっとしている場合か!敵はまだ死んでいない!さっさと構えろ!!」

『随分勝手だな!?』

 

 何やら不快な声が言っているが無視して再び銃を構える。

 土煙が消えると、その中から無傷ではないとはいえ、与えられたダメージが微々たるものであることを察せさせる敵サーヴァント共が出てきた。

 

「貴女、不快ね」

「貴様を我が渇望を満たす初めの贄としようか………」

「ちっ……!全く面倒な仕事だ!!」

 

 私が引き金を引くと同時に、敵味方入り乱れる高速戦が再開された。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「ぐっ……!ちぃ!!」

 

 迫る白いギロチンを避ける。かなりの速度で振り回されるギロチンを避けるのに精一杯で、私は手も足も出ない状態だ。

 

「避けるだけ死ぬのが遅くなるだけなんですがねぇ」

 

 横薙ぎにされるギロチンを体制を低くする事で避ける。ポニーテールの先が数センチ切り落とされた。

 上、下、前、後ろ、右に左と振るわれ続けるギロチンは、私が少しでも気を抜けば肉体を真っ二つに切り裂く威力を持っている。何故テッラがいるのかという疑問を考える余裕は、とっくに消え去っていた。

 

(打開策がない!ねーちんかターニャさんに念話を飛ばす余裕もない!気付かれるまで耐えるしか………………!)

 

 耐えるとは言ったが、正直相当厳しい。何せこっちは生身の人間でテッラはサーヴァントなのだ。近接戦闘の苦手なキャスターとはいえ、まともに武器も無い上に近付けずにいる現状では勝ち目が無い。

 

「ああ!クソ!!」

 

 一か八かで真横から迫るギロチンを無視して前方に、テッラの方に走る。ギロチンが背後から迫るのを感じ、走る勢いのまま右斜め前方へ転がる。一回転して勢いを殺さないようにしつつテッラに向かって我武者羅に走る。ようやく、拳の届く範囲に入った。

 

「ふっ!」

「無駄ですねぇ」

 

 拳はテッラに当たる寸前で小麦粉が割り込み防がれる。防がれた時点で身を屈め、テッラの足に全力で足払いをかけた。足払いの直撃したテッラは思い切り転んだ。どうやら小麦粉の盾で視線が切られていたらしい。直ぐに拳を振り落とすが、流石にそれは防がれてしまった。

 

「やって、くれますねぇ!!」

 

 視界の端で小麦粉が僅かに揺らめく。すぐさま後退し放たれたギロチンを避けた。テッラは何度もギロチンを放ってくるが、怒りの為か先程よりも狙いが大雑把になっていた。

 

「その能力、宝の持ち腐れだな」

「は?」

「能力に振り回されてるぞエリマキトカゲ(・・・・・・・)

 

 ピタッ、とテッラが停止する。その次にはプルプルと震え出し、明らかな怒りのこもった形相で小麦粉のギロチンを振るった。

 

「この異教の猿がぁぁぁぁぁ!!!!」

「エリマキトカゲよか猿のが知能は高いぞ?自分から低脳って認めたなエリマキトカゲ君?」

 

 テッラが奇声を上げて攻撃してくる。さっきよりも遥かに大雑把な攻撃はとても避けやすかった。これなら思考する位の暇はある。念話に関しては、少し集中しなければいけないのでまだ厳しいが。

 適度に煽りつつ打開策を探す。テッラが怒ってくれているおかげで戦況を維持するのは楽になったが、テッラもバカではない。いずれ私の狙いに気付いて冷静になれば、ピンチになるのは自分だ。だから助けを待つというのはあまりよろしくない。

 

 出来ることなら、私が(・・)倒すのがベストだ。

 

 とはいえ現状では手札が非常に少ない。己の身一つではテッラの小麦粉に防がれるなり光の処刑の優先でテッラ自身に拳が効かなくなるだけだ。

 武器がいる。出来るなら打撃系ではなく斬撃系の武器だ。しかしそんなものは都合良く落ちているわけがないし、エミヤに作ってもらうにしても遠くてまず声が届かない。というか大声を上げる余裕は流石にない。

 

「おやおやぁ!手も足も出ないようですねぇ!」

「あ?」

「貴女はゆっくり殺して上げましょうかねぇ!四肢を切断してから少しずつ身体を切り刻んで上げましょう!!」

 

 テッラの発言に、思わず目を細める。テッラは原作の方でもクズだったが、進んで人を痛ぶるのを楽しむタイプのクズではなかった。と思う。確かに異教徒と言って孤児を殺したりしてはいたが、痛ぶること自体に悦楽を覚えることは無く、淡々と自信の魔術を完成させる為の行いだと認識していたはずだ。

 

(こいつも狂ってる(・・・・)のか…………?)

 

 だがそれだと先程の攻撃で転んだことに説明がつかない。バーサーク・サーヴァントだというのなら例えキャスターでも人間には出せない(一部例外)レベルの怪力を持ち合わせているはずだ。それならば私の足払い程度で転ぶとは思えない。

 

(考えられるのは…………第三勢力…………?)

 

 自分で考えて有り得ないと否定する。まず人理が燃え尽きた状況でどこから第三勢力が湧いてくるのか。ビーストという可能性も捨てきれないが、ゲーティアやらティアマトやら殺生院やら、後後前世で死ぬ直前に出たカーマやらを見ているとビーストがテッラ如きをけしかけるとは思えない。

 

「おい雑魚」

「あ゛ぁ゛!?」

「キャラ違い過ぎるだろ…………」

 

 大塚○忠ボイスで言うと迫力やばいからやめろ。てかそれはどっちかって言うと別次元の爆発小僧の出す声だ。

 

「お前、この特異点にどうやって来た?」

「貴女に教えるわけがありませんねぇ!!」

 

 雑に振るわれるギロチンを半身で避ける。まぁ、そりゃそうか。いるとは思えないがマスターの存在教えかねない話だしな。

 ところで、テッラの発言のおかげで打開策が思いついた。"四肢を切断する"、つまり行動出来なくするということだ。

 

(そうだ、殺すだの倒すだのしなくても戦えなくすれば(・・・・・・・)なんの問題もない)

 

 右手に、いや、私の中に集中する。そうだ、あるじゃないか、私にも武器が。日常生活ではクソほども役立たないが、戦闘ならばこの能力も案外役立ちそうじゃないか。

 

(問題はどうやって"螺子"込むか…………)

 

 先程と同じでは間違いなく警戒される。迂闊に近づけば先程とは違って切り刻まれるだけだ。テッラの様子を見た感じ怒ってはいるが既に冷静にはなっているようだ。その証拠として明らかにギロチンの動きが感情的にではなく意図的に大雑把になっている。テッラの戦闘経験が浅いせいか分かりやすかった。

 

(仕掛けるか…………!)

 

 このまま膠着状態を続けていても決着が先延ばしになるだけだと直感した私は意を決してテッラに向かって走る。テッラはそれを待っていたと言わんばかりにギロチンの動きを変え、先程とは比べ物にならない程避けにくい連撃を放ってきた。先程とは違い油断のなくなった連撃は浅く私の皮膚を切り裂いていく。頭上を通るギロチンを避けるが、私のポニーテールが切り落とされてしまった。

 

 もう少しで届く位置。切り落とされた事によって舞い、僅かに私の視界を妨げる髪。それらが原因だったかもしれない。

 

「が、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!!?!!?」

 

 右肩から手の甲にかけてが、大きく切り裂かれた。激痛に視界が明滅する。足が止まる。目尻に涙が浮かぶ中で、どうにか倒れることだけはしまいと耐える。

 

「ふふふははははは!!それでは今から痛ぶって差し上げましょうかねぇ!!」

 

 小麦粉がギロチンではなく大きな球体に変わる。

 

 地獄が、始まった。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 バーサーク・サーヴァント達の強さは、マスターが予想している通りだった。本来であれば私が何人かを一撃で仕留めるつもりだったが、結果としてはそこそこのダメージを与えるに留まっていた。そこから追撃が出来れば良かったが、真っ黒なモヤを纏う漆黒の騎士に突然襲われ、現状私は他のサーヴァントの戦いへの加勢を阻まれている。

 騎士の猛攻に攻めあぐねていると、突如何かが騎士に飛来し爆発した。理由が分からぬまま好機と七天七刀を振るう。倒すことこそ出来ないが、結構なダメージを与える事に成功した。

 ふとその何かが飛んで来た方角を見ると、今日マスターが召喚したばかりの少女が交戦中の敵サーヴァントに向かって弾丸をばら蒔いていた。そのおかげか、戦況は僅かながらに私達の方へ傾いてきている。

 だが、そんな状況を容易く覆しうる事態が通信機越しにロマニ・アーキマンから伝えられた。

 

『皆まずいぞ!ワイバーンの群れ…………いや、何だこれ!?ワイバーンだけじゃない!超巨大な魔力反応が近付いて来てるぞ!?』

 

 彼の言葉に幾人かが苦い顔をする。ワイバーンが近くにいるということは十中八九竜の類と見て間違いないだろう。それも超巨大ときている。現状ギリギリこちらが優勢という中で巨竜が現れれば、戦況がどうなるかは言うまでもない。

 

『皆!ここは一度体s「各員聞け!!」ええ!?』

「ワイバーン共の群れとあの黒い竜は私が対応する!その間に死ぬ気で敵サーヴァント共を仕留めろ!!」

『なっ!?無茶だ!あれは邪竜ファヴニールだぞ!?神秘の薄い時代のき「黙れ。何、無策で突っ込むわけではあるまい」へ?』

 

 瞬間、彼女の魔力が膨れ上がった。聖人と同等とも言える程の莫大な天使の力(テレズマ)が彼女に宿る。彼女は一度大きなため息をつくと、とても小さな声で、

 

「主よ、我等が外敵に、裁きを下し給へ」

 

 呟きと同時に彼女が先程までとは比べ物にならない速度でワイバーン達へ突撃する。先程と同じく放たれた弾丸は、軽い対軍宝具を思わせる程の驚異的な威力を生み出した。

 ワイバーン達へ寸分違わず弾丸が命中していく。みるみるうちにワイバーンの群れはその数を減らしていき、やがて邪竜以外の竜は全てが撃ち落とされた。

 

『す、凄いな彼女!?一体何者だ!?』

 

 ターニャ・デグレチャフという彼女の名は、全く聞き覚えがない。何を成したのかは知らないが、あれだけの実力の持ち主であれば世界に名を轟かせていても違和感は無い。だと言うのに彼女の名は歴史上に一切存在しない。

 やはり、彼女も私と同じくこの世界とは別の世界から召喚されたのだろうか?

 

 彼女は速度を緩めることなく邪竜へと向かう。邪竜はワイバーン達を一瞬で殲滅した彼女を警戒してブレスを吐いた。それは莫大なエネルギーの塊だ。サイズから威力から何まで明らかに異常なそれを、彼女は難無く回避する。邪竜のブレスは遠くの山に直撃し、その頂上を消し飛ばした。

 

(あんな簡単に吐き出したブレスであの威力ですか…………!?)

 

 私達がその威力に目を見開いていることなど露知らず、彼女は銃に取り付けられたナイフを構えて邪竜へ最速で接近する。邪竜はそんな彼女を撃墜しようとその巨大な腕を振り下ろした。それによって暴風が吹き荒れる。彼女は風に煽られながら、いや、寧ろその風を利用して腕を高速で回避した。次第に邪竜と彼女の距離が縮まり、そして、

 

 邪竜の首に、大きな切り傷が生まれた。

 

 見たところそう深い傷ではないとはいえ、私から見ても規格外の戦闘能力を持つ邪竜の表皮を少女、いや、幼女と言って差し支えない歳の彼女が傷を付けたという事実は、その場にいる敵味方全てを驚愕させた。

 彼女は邪竜の首を傷付けた勢いのまま弾丸を両翼の皮膜に放つ。痛み故か悲鳴を上げる邪竜は、怒りのままに彼女を打ち落とそうと背後に乱雑な一撃を放った。再び生まれた風圧が、上へ飛ぶ彼女の速度を押し上げた。

 

『どこまで上がるんだ彼女!?』

 

 目測だけで1kmは超えて、更に彼女は昇っていく。邪竜も、彼女の弾丸に阻まれながらも空へ空へと昇っていく。昇りつつ、その大きく開かれた口に魔力が収束していく。先程のブレスすら凌ぐ桁違いのエネルギーだ。

 

『こちらアーチャー。これより宝具を使用する。各員衝撃に備えよ』

『オープン回線か!?だめだアーチャー!その邪竜が放とうとしているブレスはこの特異点を全て消し飛ばしかねない!!君の宝具でどうにかなるとは…………!』

『私の宝具を何かも知らんお前にそんなことを言われる筋合いはあるまい。それに、どの道この竜を殺さねばいずれ全滅するのみだ』

 

 そう言って彼女は銃を構える。

 

『我、神に祈らん。遥か道の果て、我等は約束された地に至る。主よ、我等に仇なすかの竜を、』

 

 先程よりも更に莫大な魔力が、天使の力(テレズマ)が彼女に宿る。それらは指向性を持って収束、圧縮されていく。

 

『討ち滅ぼし給へ』

 

 弾丸が放たれる。放たれた弾丸は邪竜の口へ吸い込まれるように飛び込み、そして──―

 

 ──―音が、消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『す、ごい………………!!』

 

 あまりにも非常識な光景が、そこにあった。

 

『ケホッケホッ!驚いたな、まさかあれだけの魔力が体内で誘爆(・・)して死なんとはな。竜というのは厄介だな。とはいえ、もうまともに動くことも出来まい』

 

 地に落ち、片翼が爆散してちぎれ落ち、首の一部が炭化した邪竜ファヴニールが、そこにいた。

 

 

 




サーヴァント ターニャ・デグレチャフ

アーチャー

筋力E
耐久B
敏捷A
魔力C
幸運E
宝具B

錆銀のカリスマ:C

ラインの悪魔:B

存在Xの呪い:A


宝具
エレニウム九五式
種別 対人宝具
ランク B
最大補足1人
レンジ‐

アンケート追加しました。エンデミュオンか学園都市はどっちかだけです。
すいません書くの忘れていたのですが、セプテム以外を選んだ場合主人公はセプテムには行かなくなります。

オルレアンが終わったらどれが読みたい?

  • 永続狂気帝国 セプテム
  • 聖杯降誕領域 エンデミュオン
  • 完全能力空間 学園都市
  • 寄生侵略都市 N.Y.
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