リアル忙しくなった時のためのストックも欲しいですし…
ともかく本編をよろしくお願いします。
追記:ルビの不具合を修正しました
「なんやそんなボケたみたいな顔して」
俺は目の前で唖然としているマスターに問いかけた。
「いや、半分予想はしてたけどやっぱり全く知らない名前だったから」
「まあ本名じゃないんやけど、なんて言うか、ハンドルネーム?みたいな感じって言うたらわかるよな?」
「あ、ああ」
「そんな事はさておいて」
俺は切り出した。こうして聖杯戦争に呼ばれてしまった以上は俺の正体よりも重要なことがあるだろうと思ったからである。
「つまり俺もマスターも今現在の状況を何も把握出来ておらず、なおかつ自陣サーヴァントは最弱レベルである、と」
「ああ、そういうことになるね」
俺は平静を装いながらも、内心ではかなり焦っていた。というか絶望気味であった。
俺は最弱の英霊である。
これは紛うことなき事実である。
何故ならサーヴァントとなってなお俺の身体能力は人間の域を出ていないのだから。
人間離れした、という言葉がある。
そのまま人間にはおおよそ出来ないような技術などを指す言葉だが、人間離れとはなんだろうか。
例えば各国の代表が競ってその競技で最も優れた選手を決めるオリンピックで金メダルを取った選手は人間離れしているとしばしば表現されることがある。
サーヴァントとしての俺は確かに人間ではないし、身体能力も人間としては高いのだろうけれど。
座から与えられた情報が物語っている。
100メートルは9秒台だろうし、他の身体能力もオリンピックの世界記録を超えるか超えないか程度しかないだろう。
つまり、他のマスターの陣営は人の形をした戦闘機を従えているのに、こちらの陣営はオリンピック選手しか連れていないという訳で…
「まず大前提として、俺らはかなり不利な状況にあるっちゅう話をせなあかん」
「何故だい?」
「サーヴァントは、自分の知名度によって能力が上下するもんや。例えば坂田金時や茨木童子のような日本発祥のサーヴァントは、日本でこそ本領を発揮するし、彼らがあまり知られてない所では弱体化される。同じ世界のサーヴァントですらそうなんや、『別世界から召喚されたサーヴァント』だとその影響はさらに大きいと思わんか?」
「あっ…」
ここで初めてマスターは合点がいったというふうに口に手をあてがった。
「その上、サーヴァントはある程度元となった人物の特徴が良くも悪くも強調される。そう、例えば先天性心疾患による低い身体能力とかね。」
「え…?」
「いやいや、そんな悲しい顔せんでええよ、もう既に死んでしもてるし、生きるのにそんなに困りはせんかったし。なんにせよ俺は、この世界での知名度の低さと、強調された弱点のせいで能力にかなりの下方調整が入ってしもうてる。元々低いっちゅうのにな。」
そう、これがサーヴァント初代小人の現状。最弱たる所以。
「でも悲観することも無い。勝ち筋はまだ完全に消えたわけやないからな。」
「と、言うと何か策があるのかね?」
「俺は低い能力値の代わりに、2つ宝具というか、武器がある。まあ片方は実質礼装とかそんなものやから宝具まではいかんけど、戦闘前ではまあ役に立つ。ただ、」
「ただ?」
「準備がめんどくさいねん、ということでこれからちょっと間、図画工作の時間といこか。」
「は?」
「まあこのくらいあれば足りるやろ」
俺のサーヴァントがそう言っただいたいまあ2時間半程度が経った位の頃だった。
凝り固まった首を回すと、若干の痛みと共にボキボキという音がした。
「さて、やるか。これが俺の第1宝具、」
無造作にひとまとめにして目の前に置いたそれ───紙で作った人型────に向かって初代小人が唱えると、人型達は開け放たれた窓から全て飛んでいき、見えなくなった。
「安心しぃ、認識障害かかってるから一般人にも敵対マスターにもほぼバレやんはずや。」
初代小人はそう言った。
「いや、あれはどういう?」
「あれは『人間』や」
「は?」
「人の手によって生み出され、苦労を伴って完成されることで人間という概念に当てはめる。人間が複数いれば噂という情報網が生まれる。その情報網を使ったのが初代小人という暗躍者。だからあの情報網が得た情報は逐一俺に情報を与える。あとは色々探らせながら待つだけ。飯食うなら食うとけよ、敵見つけたら対策考えなあかんし休める時に休んどきや。」
「分かった。」
あの人型が探知用の術式であった事が分かればもういいか、そう割り切って言われたままに俺は部屋を出た。
初代小人の第1宝具に関しては作中の説明通りです。ちょっとご都合気味なのは許してください。
ところで皆さん鳴風荘イベントはやってますか?
どの結末でも面白そうで投票どれにしようかめちゃくちゃ悩みましたね…面白かった……
ワルキューレちゃんを求めて槍ガチャ引きましたけどだめでした…邪ンヌちゃん欲しいなぁ…