最弱の英霊   作:初代小人

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なんとか間に合った週一投稿。
15分前に執筆終了しました危ねぇ…今日はあのサーヴァントが新登場しますよ!お楽しみに!(建前)
マジで動かしづらかった(本音)


第3節 初会敵(2/2)

初代小人が第1宝具を展開してから1時間と少しが過ぎた。

何となく魔力が消費している感じが続いていて、宝具の効果が切れていないことを俺に教えている。

 

「ん?」

唐突に初代小人が声を上げた。

「どうしたんだ?」

「使い魔が潰された。」

「え?認識阻害掛けたんじゃなかったのか?」

「今の俺はあくまでアサシンクラスやから、そんなに魔術には()けてへん。というかなんで俺が暗殺者(アサシン)やねん。謀殺やねんから広義で見たらキャスターちゃうんか」

「文句を言ってても仕方ないよ」

そう言って俺は東京都の地図を広げて、コンパスを使って今居る家を中心に円を描いた。

 

 

 

 

「だいたい10キロごとに円を描いた。どっちの方のどの距離に居る?」

「西側から来て、使い魔をひたすら壊しながら今この辺に居る」

「目黒区と渋谷区の境からまっすぐ攻めてくる…使い魔を壊しながらというのは挑発のつもりなのだろうね。」

「使い魔に掛けた隠蔽(ハイド)が弱かったから自陣防衛特化キャスターと勘違いされたんやろ。使い魔を潰して、あわよくば根城から出てきてくれた方が助かるけど、出てこやんかったらそれはそれで叩き潰せるって魂胆か。随分自信家らしいな、あっちのマスターは」

「でもそれにはそれだけの根拠、つまり強いサーヴァントを連れてるってことだろ?」

「間違いない。そしてそれは困る。何せ俺は戦ったらどのクラスが相手でも5秒も掛からず負ける。」

「じゃあ逃げるのは?」

「それも得策とは言えん。荷物をまとめる余裕はないから着の身着のまま逃げ出すことになる。でもそうすると多分アイツらは俺の使い魔全部ぶっ潰すやろ。そうなったらあの宝具を使ってネットワーク再建するにも大量の紙とハサミ、それからそこそこの時間が必要な以上根城無しには難しい。」

「それならどうするんだよ!」

「まあ見てろ、到着なさったらしい」

「えっ」

そう言った時には初代小人の姿は消えていた。

のと同時に部屋の扉が音を立てて開かれた。

 

 

 

「やぁやぁ我こそは、などと名乗る主義はないので、自己紹介などはしない。手短に決めに行かせてもら……そこに隠れているのは誰だ!」

黒のインナーに赤い外套を纏った銀髪のサーヴァントがの突然投げたナイフは虚空から出現したようだったが、俺にとってそれは至極当然のことだった。

 

 

壁に刺さり、虚空に(ほど)けていったナイフと逆に現れたのは俺のサーヴァントである初代小人。

俺と話していた時と変わらず軽薄な笑みを浮かべている。

 

 

「いや危ないわァ、本気出してない様子やったし様子見のつもりなんやろけど、ホンマに当たってたらどないしますん?」

うわ胡散臭い。しかも地味に訛りを変えて京都寄りにしてるし…っと、念話か。了解了解

 

 

「ほんまに敵わんわぁ、これが最近の暴力的な若者なんかなぁ?ホンマに怖いからやめてや?エミヤさん」

「なっ…!」

 

まあ狼狽えるよね…なんなら真名看破持ちのルーラークラスを疑うレベルかもしれない。

尤もルーラークラスは例外だから知っていればの話だけど。

 

 

「アンタのこともよぅ知っとるで?クラスはアーチャー、投影魔術を得意とし、基本的には干将と莫耶の2振りの短剣を使っての白兵戦を好む、と。ただアーチャーとしての技能も当然持っていて千里眼を用いて超遠距離からの狙撃も可能。まあこんなもんかな?」

「それが分かったからどうした!」

 

 

エミヤは逆上して斬りかかった。

と言うよりは聞いていられなかったのかもしれない。

初代小人は身をかわした。

敏捷は彼の中では一応高いステータスを誇るため、あの程度の単調な攻撃は回避出来たのだろうということが分かったけれど、同時に彼の身体能力を鑑みるに、あと躱せて3回、運が悪くて…いいや、俺も彼も運が悪いようだったから、ほぼ確実に2回程度しか回避出来ないだろう。

そもそもアーチャー含めた3騎士の方が、アサシンを含む四騎士よりも優れているのだから仕方がない所もあるだろう。

 

 

 

とはいえ簡単に諦めたくはないのだが…

((おい、何か策はあるのか?))

((当たり前やろ、まあ見てて))

 

 

 

「話は終わってないんやよ、エミヤさん、俺は正真正銘武器なんて物騒なもんは持ってあらへん、第一今の一瞬の戦闘で実力差はわかりはったと思うんやけど、どうやろか、一旦剣下ろして話聞いてくれへん?」

「…マスターからの許可が下りた。聞いてやるが、もし妙な真似をしたら、今度は手加減なしで殺す」

「殺すやなんて怖いわぁ…いや、なんてことない話、エミヤさんこのまま勝ち残ったとして、最優のセイバーに勝つ算段、なんかあるん?」

「それで?」

「戦争には同盟っちゅうもんがつきもんや思うんよ、そこでどない?いっぺん俺らで組んでみたらええんちゃうかー思うんやけど」

「だが最終的には打倒し合う敵だろう、オレとお前達とは。いずれ潰す相手、今潰してもなんの支障もないと思うんだが?」

「でもその言い方だと今わざわざ殺す理由はないんだよね?つまりこちらがそちらに得をもたらせば組んでくれる、そういうふうに聞こえたけど?」

「…フッ、こちらのマスターも笑っているよ。そこまでして命乞いをするなら条件を聞こう」

「まず、俺の真名を教えとくわ、『初代小人』っちゅうんやけど、当然聞き覚えはないよな?まあこの辺では全くの無名やからしゃーないわ。それで、なんで俺らがこんな申し出してるかまず疑問に思ったと思うんやけどな、理由は簡単やねん、俺が弱すぎる。辛うじて索敵の術式は使えるものの、本来のクラスのキャスターで使うよりだいぶランクは下がるし他のステータスもめちゃくちゃに弱い。そこのマスターなんか酷いで、俺見た瞬間「ああ、今回の聖杯戦争は諦めた方がいいかもしれない」とか言うんやで。それで俺もまあ聖杯に興味なんか全くないからさ、それならもういっそ優勝候補コケさせてせいぜいオモロしたろかなー思うたんよ。どんでん返し的なんっていつ見てもおもろいやん?」

 

 

ここで初代小人は息継ぎをした。

俺は笑ってしまいそうだった。

何だこのアサシンは、偽装工作スキルをフル活用して並べ立てた虚言をそれらしく信じ込ませている…これではまるで、カタログスペック上のステータスを全部口先三寸に集約させたような状態じゃないか。

 

「それで、どうや?俺達は面白いもんを見れる、君らは念願の聖杯に近づける。ここらで俺らと仲良くしてても損は無いと思うけど?」

「…分かった。一時的同盟を受諾しよう」

 

 

そうこうしている間にアサシンはエミヤ(カモ)を騙し仰せて、同盟を成立させていた。

……ちょっと待てこれ大丈夫か?




補足説明ですが、エミヤがアサシン陣営居宅に辿り着いたのは千里眼による索敵中に引っかかったアサシンの使い魔にかけられた隠蔽を、対魔力で剥がし、その使い魔を分析した結果勝つ可能性が高いというマスターの指示です。エミヤはマスターと念話でやり取りしながら索敵、襲撃をこなしました。単独行動を持つがゆえの自由度の高い行動ですね。
ちなみに念話越しのエミヤのマスターまで騙せたのは、エミヤ経由でしかアサシンを見ておらず、アサシンの能力をランク付けで確認できていないことが一番大きな要因です。
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