FAIRY TAIL The Travelogues of Phantasm   作:水天 道中

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前回描写ができていなかったので、ここに注釈を入れておきます。
橙鬼館のモデルは、東方Projectの紅魔館(こうまかん)、色は(だいだい)色を基調としています。語感から気づいた方もいらっしゃるかもしれませんね。
それでは引き続き新キャラ登場回になる第6話、どうぞ。


第6話 スミレ山編 書架に(きら)めく魔導の石

      1

 

 

「──侵入者」

 ミレーネの言葉に、場の空気が一気に張り詰めた。

「対象の数と、現在地は?」

 バーナも真剣な顔になり(たず)ねると、ミレーネは動かず答える。

「三人。まだ山を登り始めたばかりよ」

「あの、よかったら、あたし達にも教えてくれない? なんで、そんなことがわかるの?」

 ミレーネはルーシィを一瞥(いちべつ)すると、すぐに(こた)えた。

「私の武法(ぶほう)の名前は『霧雨(サイレントレイン)』。水分を操る武法よ。いま使ってる技は『水滴千里眼(ドロップスコープ)』。空気中の水分を小さな水の球に圧縮して空中に(とど)めることで、それを通して遠くを見通すの」

 続けて、バーナに向けて事務的に告げる。

「で、三人のうち一人は昨日(きのう)も見た人よ。金髪に青いドレスの女性」

 ──ん? 昨日? それにその特徴って……。

「あと二人はその仲間でしょうね。赤黒い髪にロングコートの男と、金髪ツインテールの少女。バーナ、侵入者の所へは私が向かうから、あなたはレンカに報告を──」

「──ち、ちょっと待って。その人達、もしかしたらあたし達の知り合いかも」

 ルーシィの言葉にミレーネは二、三度(まばた)きした後、すぐに反応を返した。

「心当たりがあるのね?」

 ルーシィが(うなず)くと、ミレーネは窓に触れる。すると窓の表面がさざなみを打ち、侵入者の姿が映し出された。

 それを見て、ルーシィは確信する。間違いない。

「やっぱり、ラグリアさん達だ。多分あたし達を心配して追って来たんだと思う」

「そう、それなら話が早いわ。一緒に来てくれる?」

 是非もなかった。

 その場にいた全員で元来た道を引き返し、館の入り口を目指す。

 正門前に着き、リリスがフェンリルを解放してしばらくして、霧の中に三つのシルエットが浮かび上がった。

 その内の一人、青いドレス姿の女性はこちらに気づくと(あわ)てて()け寄ってくる。

「良かった、(みんな)無事!? ──ッ」

 そこでミレーネ達の姿を認め、はたと立ち止まる。

 ルーシィはミレーネにちらりと視線をやり、口を開いた。

「このヒト達は、ここの住人よ。こっちが鬼で、こっちは妖精だって」

「オニ……? 妖精……?」

 カリンが警戒心の抜け切らない表情で(つぶや)くが、すぐに彼女の後ろから声をかけられる。

「やぁ皆、無事みたいで良かったよ。カリンが慌てて連絡してきたものだから、ちょっとびっくりしたけどね」

 ラグリアはカリンの(となり)に来ると、彼女を見て続けた。

「ほらね、大丈夫だったじゃないか」

「でも、危険だった事に変わりはないわ」

「そんなこと、最初からわかってたじゃないか。なにをそんなに(あせ)る必要があったんだい?」

「うぅ、だって……」

「皆の実力は、君も十分わかってるだろ?」

 ラグリアの言葉に、カリンは仕方なく頷く。

「ところで、君達が、ここの住人かい?」

 彼の言葉に、それぞれ簡単な自己紹介を交わした。

 落ち着いたところで、ミレーネが口を開く。

「それじゃ、あなたたちも一緒について来て。ウチの当主の所に案内するわ」

 

 

 橙鬼館当主の部屋の(とびら)は、他のものとは違い、壁面よりも濃い橙色(だいだいいろ)をしていた。

 ミレーネがノックすると、すぐに「入れ」という女性の声が聞こえる。

 中で二、三言会話したあと、ややもせずミレーネが顔だけ出してきた。

「入って」

 その言葉に、全員で足を()み入れる。

 中は執務室になっており、奥に大きな執務机と肘掛(ひじか)椅子(いす)。そこに、一人の女性が座っていた。

 (ひたい)の中央から伸びる円錐(えんすい)形の赤い(つの)と、頭の両側から後方に向かって部分的に()ねた栗色(くりいろ)のロングヘアー。体操服に似た白いシャツの布地を押し上げる胸の(ふく)らみは、ルーシィをして目を見張るほどに大きい。

 書類整理をするその右腕(みぎうで)前腕(ぜんわん)部分には、館の門に(きざ)まれていたあのマーク──色は橙色だ──がある。

 女性は顔を上げると鼻からひとつ息を()き、ニッと人好きのしそうな笑顔を見せた。

「ようこそ、橙鬼館(とうきかん)へ。あたしはここの当主をやってるレンカ・ハーネットだ」

 レンカは傍らに置いていた一升瓶(いっしょうびん)(さかずき)を手に取ると、一杯(あお)ぐ。それを見て、ミレーネがわずかに困惑した表情を見せた。

「レンカ、執務中の飲酒は……」

「固いこと言うなミレーネ、お前もどうだ?」

「はぁ……。遠慮(えんりょ)するわ」

 レンカは肩をすくめると、こちらに向き直る。

「ミレーネから事情は聞いたよ。ウチにあるっていう宝石のことが気になってるらしいね。あたしも心当たりはないが、館の中は自由に見学して回るといい」

 ただし、といってレンカは続けた。

「一つ、条件がある。これからあたしら鬼とあんたら人間で、親善試合を開催(かいさい)することにした。あんたらにはそれに出場して(もら)う」

「おお、勝負か! 乗った!」

「ちょっ、お(じょう)様、そんないきなり……」

 上機嫌で応じたナツとは対照的に慌てるバーナに、レンカは笑ってみせる。

「悪いなバーナ、これはあたしの中での決定事項だ」

「はぁ……」

 ()め息をつくバーナを見てルーシィは、顔に出さずに嘆息(たんそく)した。どうやら彼女たちも、奔放(ほんぽう)な上司に振り回される立場らしい。

「時間は追って連絡する。それじゃ、引き続き見学を楽しんでいってくれ」

 そういって、橙鬼館当主・レンカは、もう一度ニッと笑ってみせた。

 

 

「まったく……。あのヒトは言い出したら聞かないんだから……」

「まぁ、仕方ありませんよ。久しぶりのお客様ですし……」

 歩きながらブチブチと文句(もんく)を垂れるミレーネを、バーナがなだめていた。

「前にも、こんなことってあったの?」

 ルーシィが()くと、ミレーネは(あき)れ顔で振り返る。

「えぇ、常にあんな調子よ。突然(とつぜん)とんでもないことを考えついて、言い出したら私達がなんて言っても聞いてくれないの」

 ルーシィが苦笑していると、メイビスが口を開いた。

「しかし、あの者からは確かに他の鬼とは違うものを感じました。彼女は優れた指導者なんだと思いますよ」

 ただミレーネ達従者を振り回しているような鬼ではないのはルーシィも見ていてわかったが、彼女がそう言うからには、やはりなんだかんだいって(すご)い鬼なのだろう。

 ルーシィが物思いにふけっていると、いきなり頭上を小さな影が二つ、勢いよく追い越していった。

「わッ、なに!?」

 思わず首をすくめてから見ると、それぞれ赤と黒の(はね)の生えた少年と少女がきゃっきゃと笑いながら飛んで行くところだった。その後ろ姿から、彼らが妖精(ようせい)であることはすぐにわかった。

「あッ、コラー! 廊下(ろうか)は飛んじゃ駄目だっていつも言ってるでしょ!」

 バーナが叫んだ後、申し訳なさそうな顔で振り返る。

「すいません、(おどろ)かせてしまって。あの子たち、よくああやって遊んでるんです」

 その言葉に、ルーシィは苦笑した。

 と、その時、数メートル前方の天井(てんじょう)大音声(だいおんじょう)と共に竜巻(たつまき)が貫通した。全員でびくりとする。

「こ、今度はなに!?」

「あぁ、えっと、あれはですね……」

「あー! またやってしまったぁー!」

 声は、一つ上の階から聞こえた。

 なにか言いかけたバーナは、表情を改めてミレーネを見る。

「ちょっと、(なぐさ)めに行ってきます」

「えぇ、(たの)んだわ」

 対するミレーネも、目を伏せたまま(こた)えた。

 バーナは助走にもならない速度で走っていくと、優に三メートルはある上の階に一足飛(いっそくと)びで()び上がる。さすがは鬼、これくらいは朝飯前らしい。

 ルーシィ達が上の階が見通せる位置まで歩いてくると、バーナは床に両手を突いて落ち込んでいる黄緑色のポニーテールの少女──恐らく風妖精(シルフ)だろう──を元気づけていた。

「うぅ、また床を、館に傷を……」

「大丈夫、大丈夫ですから、アイリスちゃん。ね? 顔上げて下さい」

「大丈夫じゃないです。今度こそクビです……」

「そんなことありませんってば! ちゃんと修復すればいいだけですから!」

「はい……。いつもすみません……」

 なんとか立ち直ったらしい少女は、(うつむ)いて(そで)で目元を(ぬぐ)うと(きびす)を返して帰っていった。

 バーナはそれを見届けると、穴からこちらへ飛び降りてくる。

「とりあえず、大丈夫そうです」

 それを見て、ルーシィはナツ達と顔を見合わせた。

 本当に、色んな妖精がいるらしい。

 

 

      2

 

 

 一階に降りてきたルーシィ達は、館の端へと向かっていた。

「あそこが水妖精(ウンディーネ)達の仕事場、厨房(ちゅうぼう)よ」

 ミレーネが言うと、中でなにか指示を飛ばしていた水色の長い髪を一つの大きな三つ編みに束ねた長身の少年が丁度(ちょうど)こちらに気づき、部屋から出てきた。

 その背にはバスタードソードとでもいうのだろうか、十キロ以上ありそうな肉厚長大な銀の段平(だんぴら)を差している。

「おー、ミレーネさんにバーナさんじゃねぇか。ん? そいつ()(だれ)だ?」

「こんにちは、ベル。この人達は人間のお客様よ。魔導士(まどうし)ギルド、『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』っていうんだって」

 ミレーネの言葉に、ベルと呼ばれた少年は「ほぅ」と(つぶや)くと、軽く会釈(えしゃく)する。

「どーも、(おれ)は水妖精のベルクスだ。ここの料理長をやってる。よろしくな」

 全員で軽い挨拶(あいさつ)を返す。ルーシィは軽く意外の感に打たれて呟いた。

妖精(ようせい)には、あなたみたいなヒトもいるのね」

 するとベルクスはぶっきらぼうに言い放つ。

「べつに妖精がみんな馬鹿(ばか)なんじゃねぇ、馬鹿が多いだけだ」

「あぁいや、そういう意味じゃ……」

 どう言ったものかとルーシィが考え込んでいると、厨房の奥から陶器(とうき)の割れる騒々(そうぞう)しい音が聞こえた。ベルクスが首だけで振り返ると、ややもせずに三人の十歳ほどの少女達が歩いてくる。

「どうした」

 向かって左の、先端にいくにつれて内ハネのついた青緑色のショートヘアーの少女が「早く」というように(となり)の少女を(ひじ)小突(こづ)く。

「すみませんベルさん、お皿を割ってしまいました」

 すると真ん中に立つ、部分的に編み込んだ水色のロングヘアーの少女が進み出た。

「そうか、わかった」

「あらぁ? その人達はだぁれ?」

 右側に立つウェーブのかかったクリアブルーのショートヘアーの少女の言葉に、全員で軽く自己紹介をする。

「こいつ等は左から順にシアン、レイン、フロウ。こっちは人間のお客様だ」

 ベルクスが言うと、フロウと呼ばれた少女がほわんほわんと笑いながら、とんでもないことを口にした。

「へぇ、人間ねぇ……。──じゃあ、美味(おい)しいの?」

「「「ッ!?」」」

 ルーシィ達がぎょっとしていると、シアンがなにか理解したような顔をしたあと、(あき)れ顔で口を開く。

「あのねぇ、フロウ、よく聞いて。()()だから。人参(にんじん)でもインゲンでもなく、ニンゲンだから」

「あ、あぁ、人間ねぇ。わかったわかったぁ」

 フロウが(うなず)き、シアンは一つ()め息をつくと、ベルクスに向き直る。

「そんなことよりベル()ぃ、早く戻らないと。誰かが怪我(けが)してからじゃ遅いわ」

「そうねぇ、行きましょうシェフぅ」

 ベルクスは鼻から息を()くと二人の頭に手を置き、ぐしゃぐしゃと頭髪を()く。

「だからその呼び方はやめろって言ってるだろうが。後で行くから持ち場に戻れ」

 レイン達三人が戻っていくのを見送ってから、ベルクスはひとつ(つぶや)いた。

「……まったく、これだから馬鹿は手がかかる」

 そういって歩いていく水妖精の少年の長い三つ編みを半眼で眺めながら、ルーシィは口を開く。

「なんか、不良みたいなヒトね」

 するとバーナが苦笑した。

「ああは言っても、ベルくん、ちゃんと部下のことも考えてるんですよ」

 その時、ベルクスが立ち止まり、再びこちらに向かって歩いてきた。

 まさかさっきの言葉が聞こえたのかとどきりとしたが、違った。

「なぁアンタ等、昼はなにか食ったのか?」

「エッ? あぁ、パスタとスープくらいだけど……」

 ルーシィが答えると、ベルクスはにやりと笑う。

「じゃあちょっと待ってな。なにか作ってやるよ」

 そういうと、ルーシィ達の人数をかぞえ、調理場に向かって歩いていく。

 ベルクスは(いく)つかのフルーツとなにかの生地(きじ)を取り出すと、大剣(たいけん)に手をかけた。その様子を見ていたミレーネが(あわ)ててこちらを振り返り、皆を押し下げる。

「皆、危ないから下がってッ」

「?」

 ルーシィが口を開きかけた、次の瞬間(しゅんかん)

 ベルクスが料理の材料を高く放り投げ、大剣を抜き放った。

「『流水閃(ストリーム・エッジ)』ッ」

 彼が技名を叫ぶと、剣を包んでいた水が刃状に長く伸び、変幻自在な軌道を描きながら具材に殺到する。

 まずフルーツが()り刻まれ、生地がいくつにも切断され、それが剣先により円形に形作られ──。

 ベルクスは大剣をしまうと、落ちてきた複数の物体をキャッチして差し出した。

「ほれ、ちょい遅めのおやつだ」

 彼の両手の指の間には、フルーツを詰め込んだクレープが(はさ)まれていた。それを受け取りつつ、ルーシィは呆然(ぼうぜん)と呟く。

「なんで、あの方法でこんなものができるの……?」

 水色の髪の大剣遣いは、得意げに笑って答えた。

「ま、ひとつの特技みてぇなもんだ。そんじゃ、俺はこれで」

 そこでベルクスはルーシィ達の背後を見て「げッ」と漏らす。何事かと思っていると、すぐさま後方からどたばたという足音。

「あ、ベルクスだ。ねぇねぇ遊ぼー」

 明るい声と共に一人の少女がルーシィたちの頭上を飛んできて、ベルクスの顔に張りついた。その背中に生える黒い(つばさ)を見て、ルーシィはすぐに彼女が何者か理解する。先刻(せんこく)バーナの注意を無視してルーシィたちを飛び越していった少女だ。

「ああああああぁぁぁもう、うぜぇなぁッ! 離れろこの馬鹿ッ」

 ベルクスが苦労して少女をなんとか引き()がすと、少女は地面に降りる。

 紫色のサイドテールの少女は、ベルクスから離れてもなおも(あきら)めず、彼にすがりついた。

「ねぇねぇ、私と遊ぼうよー」

「うるせぇな、今はそんな時間ねぇんだよ。それよりほら、自己紹介しろ自己紹介」

 ベルクスが(うなが)すと、彼女はこちらを向く。

「こいつはいっつも館の中を飛び回って遊んでる闇妖精(インプ)のネフィリムって奴だ」

「ネフィリムでもネフィでも、好きに呼んでいいよ。よろしくね」

 手に持った、紫色の宝石のはまった(つえ)(かか)げる彼女の言葉に、全員で簡単に自己紹介を交わした。

 そこでルーシィはおや、と思う。彼女の(はね)は、他の妖精のように流線形ではなく、鳥の(つばさ)のような異形(いぎょう)の姿をしており、色も真っ黒だ。

「ネフィちゃん、それは……?」

「あぁ、これ? これは魔法(まほう)で作った羽だよ。ミレーネさんに教えて(もら)ったんだ、ね」

 その言葉に、ミレーネが答える。

「えぇ、ネフィの使う魔法の名は、『常闇の深淵(シャドウ・デプス)』。影を自在に操る魔法よ。彼女の翼は日光を遮断(しゃだん)して吸収を(おさ)え、飛行能力を底上げする為のものなの」

 ネフィリムが「ちょっとならいいかな」といって魔力(まりょく)を解除すると、影で構成された翼が消えていき、中からクリアグレーの流線形の翅が現れた。

「ほらね。──あ、リドラ、ちょっと待ってね、すぐ行く!」

 ルーシィ達の背後を見た紫髪の少女は、影の翼を再構成するが早いか勢いよく飛び上がると、ルーシィ達の頭上を帰っていった。

「まったく、あの馬鹿野郎……」

 ベルクスが顔に手を当てて呟くのを苦笑して聞いていると、ラグリアがおもむろに口を開く。

「彼女、強いね。恐らくセリナと同等……いや、それ以上かもしれない」

「本当ですか?」

 ルーシィが()くと、ラグリアは(うなず)いた。

「あぁ。まず、彼女は影で飛行能力を底上げしていると言っていたね。彼女達妖精(ようせい)の飛行能力は光を原動力とするわけだから、それを遮断するのは人間でいえば(おもり)を着けて生活するようなものだろう。

 それにあの杖に付いていた宝石、あれがさしずめ、魔力を底上げしているんだろ?」

 その言葉に、ミレーネが感嘆の吐息(といき)を漏らす。

「なかなか(するど)いわね、あなた。そう、彼女は飛行能力と共に、魔力もあの杖で常に底上げしてるの。妖精は元々高い魔力をもってるから、あなた達人間が彼女と正面きって魔法(まほう)()ち合ってもまず勝てないでしょうね」

 そこでミレーネはなにかに気づいたのか、「ん?」といってラグリアを見た。

「いま、宝石って言った?」

「え? あぁ……それが、どうしたんだい?」

「いえ、あなたたちが言ってた宝石っていうのが何のことなのか、わかるかもしれないわ」

 

 

 次に案内されたのは、地下だった。

「ここは、図書館になってるの」

 ミレーネが言いながら(とびら)を押し開けると、中を見てルーシィは思わず声を上げる。小さな扉からは想像できないほど中は広く、部屋の左右には無数の巨大な本棚(ほんだな)が何列も並んでいる。どうやら橙鬼館(とうきかん)の敷地分の面積があるらしく、その蔵書数は想像もできない。

 正面奥、一段高くなった部分には巨大な執務机があり、(だれ)かが座って読書中らしいが、遠過ぎて顔までは見えない。

 近づいていくにつれて、それが一人の女性であることがわかる。顔の両側に垂らした髪の先端にリボンを着けた紫色のロングヘアー、ナイトキャップのような帽子(ぼうし)を被っている。

「アシュリー、お客さんよ。『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』っていう魔導士(まどうし)ギルドの人達だって」

 ミレーネが声をかけるとアシュリーと呼ばれた女性は顔を上げた。

「あら(めずら)しい」

 そういって立ち上がる──と、九〇度回転した彼女の体が音もなく水平に滑り始め、そのまま机を回り込んできた。

 執務机で隠れていた足下が(あらわ)になると、ルーシィはその理由を理解する。彼女は自身の能力で浮いているようだった。

 それを見たミレーネは無言で彼女の背後に回ると、肩に両手を置く。と、次の瞬間(しゅんかん)、思い切りアシュリーを床に押しつけた。メキッという音がして彼女の足下の石造りの床にヒビが入る。

「イタタタタタタタ! わかったミレーネ、わかったから、魔力(まりょく)解くから一回(はな)して!」

 鬼の少女の怪力から解放され、アシュリーは荒い息をつきながらこちらを見る。

「は、初めまして、私はアシュリー・レフィエイル。この地下図書館の管理をしてる鬼よ」

 アシュリーが帽子を取ると、そこには木の枝に似た小さな二本の(つの)があった。先ほどは髪に隠れてよく見えなかったが、左の首筋には黄色い山のマークがある。

 帽子を被り直したアシュリーは足下を見ると、一つ()め息をつく。

「ほらミレーネ、あなたが無茶するから床にヒビ入ったじゃないの、もう……」

浮遊魔法(ふゆうまほう)を移動に使わないっていうのは、私と決めたことでしょ? ただでさえ動かないんだから、少しは自分の力で歩きなさいよ」

 そこでルーシィは、先ほどから(かか)えていた疑問を口にした。

「あの、あなたって鬼なのよね? それなのに魔法を使えるって、どういうこと……?」

 その言葉に、アシュリーはすぐに答える。

「あぁ、それには、私の武法(ぶほう)から説明する必要があるわね」

 不意に、アシュリーの目の前にホロキーボードが出現する。

「私の武法の名前は、『古代図書館(エンシェントアーカイブ)』。情報を武力(ぶりょく)で圧縮して管理したり、対象者に与えたりする武法なの。それに……」

 そこで一度言葉を切ると、ホロキーボードを操作。すると今度はボンッ、という音とともに、彼女の傍らに一冊のハードカバーの本が出現する。アシュリーはそれを手に取り、続けた。

「情報を実体のある本の形にすることもできるわ。それで、私が魔法を使えるのは、これのお陰」

 アシュリーが本を開いた次の瞬間、本自体が発光し始め、(すご)い勢いでページが勝手にめくられていく。同時に色とりどりの八面体形の結晶(けっしょう)が無数に(あふ)れ出し、アシュリーの周りに展開した。

 本から飛び出してきたことと、ひとりでに浮遊(ふゆう)旋回(せんかい)していることを除けばただの宝石のようだ。

「これは『魔法石(まほうせき)』。魔力を蓄えていて、ひとつにつき一種類の属性変化ができるの。

 例えばこれは赤いから、火属性の魔法ね。こっちは青いから水属性。緑は風属性で、黄色は雷。水色は氷、紫は(えい)属性に幻惑(げんわく)の魔法……。あ、無色のものはただ魔力を蓄えてる奴で、例えば空間魔法なんかの、どの属性にも当てはまらない魔法のエネルギー源になるわ。

 こんな感じで、私は武法を利用して魔法を間接的に使うことができるの」

 ちなみに、といってアシュリーが明後日の方向に呼びかけると、本棚(ほんだな)の林の間から褐色(かっしょく)(はだ)の少年が現れる。同色の(はね)をもっており、ひと目で妖精とわかった。

「魔法石は彼ら土妖精(ノーム)がこの山で採掘をしていたところ、偶然見つかった鉱石の一種らしいの」

 そこで彼女が見ると、少年は眠そうに欠伸(あくび)をした。よく見ると、目の下には小さな(くま)まである。

「あなた大丈夫? いくら土妖精が耐久力に優れているからって、死なないわけじゃないんだから無理は禁物(きんもつ)よ?」

「はい……大丈夫です……」

「なんかそれらしいこと言ってるけど、元はといえばあなたが大規模な採掘を命じたからこうなってるんだからね?」

 ミレーネの指摘にアシュリーは(ほお)を染めたが、すぐに顔を上げると辺りに展開していた魔法石を回収し、半ば強制的に話題を切り換えた。

「私は趣味(しゅみ)で魔法の研究をしているのだけれど、魔法はいいわよ。魔法の可能性は無限大。だからこそ研究のしがいがあるのよ。……まぁ、魔法を使うあなた達には言わなくても伝わるか」

 得意げに解説するアシュリーに、今度はグレイが質問する。

「ここにある本って、全部アンタの武法でできてるのか?」

「まさか。でも良い質問ね。私の武法は本から情報を読み取って記録、管理することもできるから、ここに暮らしてる私との相性がいいの」

「住んでるの? 部屋なんか見当たらないけど……」

 ルーシィが(たず)ねると、アシュリーはすぐに答えた。

「あそこに扉があるでしょ? あの奥が私の私室よ」

 見れば確かに、部屋の隅の一見わかりにくいところに小さな扉が見えた。

 続いて、ミレーネが口を開く。

「それで、あなた達が探してる宝石って、アシュリーの魔法石のことなんじゃないかと思うの」

「宝石?」

 アシュリーが言うと、ミレーネは(うなず)いた。

「えぇ、この人達、私達が持ってる宝石を探しに来たっていうのよね。私も初め(なん)のことかわからなかったんだけど、館を案内してる内にあなたが持ってるその石のことを言ってるんじゃないかって思って、それで連れてきたの」

 アシュリーも少し考える素振(そぶ)りを見せると、ひとつ頷く。

「そうね。私達は別に(だれ)も宝石や財宝を隠し持ってるわけじゃないし、それが一番考えられるわね」

 確かに、それはルーシィも魔法石を見たときから気づいていた。ここの住人がどうやって生計を立てているのか知らないが、恐らく人里に降りたアシュリーが魔法石を持っているところを誰かが目撃し、館に(めずら)しい宝石があるなどという(うわさ)が立ったのだろう。

「そっか、そういうことだったのね……」

 この一件に一番興味を示していたカリンが、残念そうに(つぶや)く。

 その時、頭の中に大音量の放送が鳴り(ひび)いた。

橙鬼館(とうきかん)内にいる全員に連絡する』

 その声で、ルーシィはすぐに状況を察する。これはレンカからの『念話(ねんわ)』だ。

『現在、この館には人間の客人が訪れている。そこであたし、レンカは、館の見学の交換条件として親善試合を実施することを決定した。開始時刻は午前二時、大広間に集合だ。観戦を希望する者、及び参加者は、それまで十分な休息を取っておくことを推奨(すいしょう)する』

 その声に、ルーシィ達は頭上、図書館の壁にかかっている時計を確認する。時刻は午後の五時。

 同じく時計を見上げていたミレーネが、盛大な()め息をついた。

「午前二時って、ど深夜じゃないの……。ごめんなさいね、ウチのレンカが勝手に……」

 その言葉に、ルーシィは笑って軽く首を振る。

 レンカの館内放送にいち早く切り()えの早さを見せたのは、アシュリーだった。

「そうと決まれば、まずはあなた達の部屋を見繕(みつくろ)わないとね」

 そういって本から(いく)つかの魔法石を取り出すと、魔法を発動。館全体がわずかに震動する。続いて、彼女も『念話』で館内放送をかけた。

『いま、私、アシュリーの空間魔法で館の構造を若干(じゃっかん)組み替えたわ。といっても、一つの部屋に四人入れるようにしただけだから安心して。妖精メイドたちは、ほとんどいつもの部屋に入ればいいから』

 その後、アシュリーに指示された通りの部屋にそれぞれが向かい、一度解散となった。

 

 

      3

 

 

 ルーシィは浴室の戸を引いた瞬間(しゅんかん)、ウェンディ達と共に感嘆の声を上げる。大浴場は『妖精の尻尾(フェアリーテイル)』にもあるが、それよりも一回り以上大きい空間が広がっていた。

 早速洗い場に(こし)かけると、体を洗い始める。

 少しして、(となり)に一人の少女が歩いてきた。

「どう? 広いでしょ、ウチの大浴場は」

 ミレーネはそう言うと、同じく洗い場に腰かけて体を洗い始める。

「うん。私達のギルドのより大きいかも」

 そこでルーシィがふと見ると、彼女の左太腿(ふともも)紺色(こんいろ)の山のマークがあることに気づく。

 ミレーネはルーシィの視線に気づくと、手を止めてマークを指差した。

「あぁ、これ? これは私達の仲間の証みたいなものよ。レンカの顔を(かたど)ってるの。……といっても、(みんな)それぞれ色んな解釈をしてるわ。上の部分がレンカの顔、下がスミレ(やま)って言うヒトもいれば、山の上に朝陽(あさひ)が光ってるって言ってる子もいる。ウチはレンカの方針である程度の自由が保証されてるからね、その辺りもしっかり決まってないのよ」

「へぇ、そうなんだ。私達も、体のどこかにマークがあるの。これは家族の証。あなた達と似てるね」

 ルーシィが右手の甲にあるピンクのギルドマークを見せると、ミレーネは「そうね」といって微笑(ほほえ)んだ。

 そこで、反対側の二つ隣に座っていたエルザが口を開く。

「ところでさっきは済まなかったな、折れた剣を直してもらって。感謝する」

「それは、私じゃなくて後でニクロに言ってあげて。あの子、自分に自信が持てないでいるから、喜ぶはずよ」

 ニクロ、というのは、先ほど案内された鍛冶妖精(レプラコーン)の作業場で出会った長めの茶色いおかっぱ頭の少年だ。頼りない印象だったが、リリスが言う通り鍛冶(かじ)(うで)は確かで、ベルクスからも信頼されているらしい。

 その時、「よッ」という()け声とともにミレーネの隣にレンカが座った。

「いやぁ、事務整理は(かた)()るねぇ。ようやく終わったよ」

 その言葉に、ミレーネが嘆息(たんそく)する。

「あなたねぇ、自分の仕事が終わる時間も考えないであんな連絡したの?」

「いや、それはちゃんと考えてたさ。ただ、何度やっても疲れるってことだよ」

「ふん、それならいいけど」

 そこでミレーネは体を流したあと、ルーシィとレンカの胸の辺りに視線を走らせ、自分を見下ろす。と、突然(とつぜん)居心地悪そうに「先にお風呂頂くわね」といって浴槽(よくそう)の方に歩いていってしまった。

 

 

 グレイが頭を流していると、不意に横合いから声をかけられた。

「よお、後ろ姿でわかったぜ。やっぱりアンタ()か」

「あ?」

 見ると水色の短髪の少年が、ナツを(はさ)んでグレイの(となり)に座ったところだった。

「……(だれ)だお前?」

 ナツが言うと、少年は朗らかに笑ってみせる。

「おいおいもう忘れたのか? (おれ)だよ」

 少年が自分を指差してにやりと笑ったところで、ナツが「あッ」と声を上げた。

「お前は、ウェンディのピクルスか!」

「誰がピクルスだ、ベルクスだよ! あと水妖精(ウンディーネ)だ、名前くらいちゃんと覚えろ!」

 

 

「ん?」

 隣のウェンディが、顔を上げて男湯の方を見た。

「どうかした?」

 ルーシィが(たず)ねると、彼女は「いえ……」といって続ける。

「いま、誰かに呼ばれた気が……」

「?」

 

 

 ベルクスはひとしきりツッコミを入れると、盛大な()め息をついた。

「はぁ……まぁいい」

「なぁ、それより、なんでさっきと髪型が違うんだ? 俺も一瞬(いっしゅん)わからなかったぞ」

 グレイが言うと、ベルクスはこちらを見る。

「あぁ、なるほど、やっぱこれのせいか……。まぁ、後で見せてやるよ」

「「?」」

 ひと通り体を洗い終わり、湯船に()かっていると、今日一日歩いた疲れが取れていった。

 しばらく温まってから浴室を出るとグレイは頃合(ころあ)いを見計らってもう一度ベルクスに声をかける。

「で、なにを見せるって?」

「まぁ見てなって」

 そういってベルクスは服を着て、最後に大剣(たいけん)を背中の剣帯に落とす。すると彼の髪が突然伸び始めた。

 グレイたちが口をぽかんと開けて見守っていると、ベルクスは(こし)辺りまで伸びた髪に空気を入れ(ふく)らませながら慣れた手つきで三つ編みにくくっていく。

「こういうことだ。アシュリー様が言うには、俺の剣には医学の神の力が宿ってて、強力な治癒(ちゆ)効果があるらしい。だからいっつもこの髪の長さで、邪魔(じゃま)だから風呂の度に自分で切っちまうんだよ」

「へ、へぇ……」

 ──なんじゃそりゃ。

 

 

「はぁ〜、一日歩いて疲れた〜」

 ルーシィが二段ベッドの上の段に倒れ込むと、下の段にいるウェンディが苦笑する声が聞こえる。

「しかし、まだすべてが終わったわけではない。夜の試合に向けて、しっかり休まねばな」

 隣のエルザの言葉に、思わず嘆息(たんそく)する。

「あぁ、そっか、まだそれがあるんだった」

 するとそこで、エルザの下の段に座っているミレーネが動いたのが見えた。見ると、彼女が差し出した(てのひら)の上に浮いていた霧の球が拡散する。

「何してるの?」

 ルーシィが(たず)ねてみると、ミレーネは顔を上げて微笑(ほほえ)んだ。

「この部屋の空気を加湿したの。乾燥(かんそう)は女のコのお(はだ)には大敵でしょ?」

 その言葉に、ルーシィも口元をほころばせる。

「ありがとう、ミレーネ」

 

 

 寝室に戻ったグレイは、二段ベッドの上の段で頭の後ろに両手をやり、脚を組んで仰向(あおむ)けに寝転んでいた。しかし、下の段から聞こえる騒音(そうおん)のせいでまったく寝つけない。

「ったく、うるさくて寝れやしねぇ」

 思わずそう(つぶや)くと、隣のベルクスが顔を引きつらせながら苦笑する。

 二段ベッドの下の段では、ナツと逆立った赤髪の少年──火妖精(サラマンダー)のリドラが大喧嘩(おおげんか)を繰り広げていた。

 二人共活発な性格が災いして、気が合わないらしい。先ほどから子供そのものの言い合いを続ける彼らに、グレイはほとほと(あき)れていた。

 そこで、ベルクスが口を開く。

「まぁそれについては安心してくれ。ウチにはルミネアっていう音楽妖精(プーカ)がいるんだが、あいつの技に、一定範囲内の対象者を強制的に眠らせる技があるんだ。それが始まれば、誰だろうと嫌でも眠れるさ」

 

 

 ルミネアは時計台の前のスペースに来ていた。時刻は午後七時少し前を指している。

 そろそろ頃合(ころあ)いだろうと思い、魔力(まりょく)を発動。バイオリンを出現させて構えた。

 目を閉じ、時計の針ではなく、その内部で秒を刻む音に意識を集中させる。

 これは意外かもしれないが、音楽妖精(プーカ)ならば全員が全員、自分のような芸当をできるわけではない。音楽妖精は楽器演奏と歌唱に()けた種族であり、突出した身体能力はもたないからだ。しかしルミネアは様々な周波数の振動を操る自身の魔法(まほう)振動(ウェーブ)』により風妖精(シルフ)に匹敵するレベルの聴力を発揮できるのである。

 ──聞こえる……。(ほお)()でる風の鳴る音。大時計の長針と短針の(こす)れ合う音。その内部でただひたすらに回り続け、秒を刻む歯車の()み合う音……。

 そして──時計が七時ちょうどを指した瞬間(しゅんかん)、ルミネアは目を開けた。

「この山と森に住まう者達よ、静かな眠りにつけ……『常闇曲(ヒプノーシス)』」

 

 

 ──ルミネアが放った特殊な音波はスミレ山を囲む森のほとんどに届き、種族を問わず効果範囲内にいたすべての者に数秒の内に(おだ)やかな眠りをもたらした。




さて、それでは新しいキャラクターについて説明していきましょう。
レンカのイメージは東方Projectの星熊(ほしぐま) 勇儀(ゆうぎ)
アイリスのイメージは同作品の大妖精。バーナとの関係も、彼女と美鈴(めいりん)の関係がモデルです。
ベルクスのイメージは容姿がマギのジュダルの水色版。性格はブラック・ブレットの蓮太郎(れんたろう)をちょっと荒くした感じです。彼の愛用する大剣(たいけん)の構造イメージは以下の挿し絵を参照。

【挿絵表示】

水の三妖精達のイメージはそれぞれ、
シアンは東方Projectのリリカ・プリズムリバー
フロウは同作品のメルラン・プリズムリバー
レインは新規ALOのアスナ
となっています。
ネフィリムのイメージは東方Projectのフランドールとミスティアを足した感じです。容姿がフラン、翼がミスティア。彼女の杖の構造イメージは以下の挿し絵を参照。

【挿絵表示】

リドラのイメージは、SAO第二巻「朝露の少女」にて最初に登場した孤児院の少年。
アシュリーのイメージは東方Projectのパチュリーに萃香(すいか)の角の小型版を生やした感じです。はい、橙鬼館(とうきかん)のモデルを紅魔館(こうまかん)にした結果、彼女しか適役が思いつかなかったんです。
最後に、ニクロのイメージはSAOPのネズハです。
以上、どんどん盛り上がってきたスミレ山編、いかがだったでしょうか。
次回以降の数話は、バトルシーンでガンガン飛ばしていく予定ですのでご期待下さい。
それでわ、しーゆーあげいん!

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