FAIRY TAIL The Travelogues of Phantasm 作:水天 道中
橙鬼館のモデルは、東方Projectの
それでは引き続き新キャラ登場回になる第6話、どうぞ。
1
「──侵入者」
ミレーネの言葉に、場の空気が一気に張り詰めた。
「対象の数と、現在地は?」
バーナも真剣な顔になり
「三人。まだ山を登り始めたばかりよ」
「あの、よかったら、あたし達にも教えてくれない? なんで、そんなことがわかるの?」
ミレーネはルーシィを
「私の
続けて、バーナに向けて事務的に告げる。
「で、三人のうち一人は
──ん? 昨日? それにその特徴って……。
「あと二人はその仲間でしょうね。赤黒い髪にロングコートの男と、金髪ツインテールの少女。バーナ、侵入者の所へは私が向かうから、あなたはレンカに報告を──」
「──ち、ちょっと待って。その人達、もしかしたらあたし達の知り合いかも」
ルーシィの言葉にミレーネは二、三度
「心当たりがあるのね?」
ルーシィが
それを見て、ルーシィは確信する。間違いない。
「やっぱり、ラグリアさん達だ。多分あたし達を心配して追って来たんだと思う」
「そう、それなら話が早いわ。一緒に来てくれる?」
是非もなかった。
その場にいた全員で元来た道を引き返し、館の入り口を目指す。
正門前に着き、リリスがフェンリルを解放してしばらくして、霧の中に三つのシルエットが浮かび上がった。
その内の一人、青いドレス姿の女性はこちらに気づくと
「良かった、
そこでミレーネ達の姿を認め、はたと立ち止まる。
ルーシィはミレーネにちらりと視線をやり、口を開いた。
「このヒト達は、ここの住人よ。こっちが鬼で、こっちは妖精だって」
「オニ……? 妖精……?」
カリンが警戒心の抜け切らない表情で
「やぁ皆、無事みたいで良かったよ。カリンが慌てて連絡してきたものだから、ちょっとびっくりしたけどね」
ラグリアはカリンの
「ほらね、大丈夫だったじゃないか」
「でも、危険だった事に変わりはないわ」
「そんなこと、最初からわかってたじゃないか。なにをそんなに
「うぅ、だって……」
「皆の実力は、君も十分わかってるだろ?」
ラグリアの言葉に、カリンは仕方なく頷く。
「ところで、君達が、ここの住人かい?」
彼の言葉に、それぞれ簡単な自己紹介を交わした。
落ち着いたところで、ミレーネが口を開く。
「それじゃ、あなたたちも一緒について来て。ウチの当主の所に案内するわ」
橙鬼館当主の部屋の
ミレーネがノックすると、すぐに「入れ」という女性の声が聞こえる。
中で二、三言会話したあと、ややもせずミレーネが顔だけ出してきた。
「入って」
その言葉に、全員で足を
中は執務室になっており、奥に大きな執務机と
書類整理をするその
女性は顔を上げると鼻からひとつ息を
「ようこそ、
レンカは傍らに置いていた
「レンカ、執務中の飲酒は……」
「固いこと言うなミレーネ、お前もどうだ?」
「はぁ……。
レンカは肩をすくめると、こちらに向き直る。
「ミレーネから事情は聞いたよ。ウチにあるっていう宝石のことが気になってるらしいね。あたしも心当たりはないが、館の中は自由に見学して回るといい」
ただし、といってレンカは続けた。
「一つ、条件がある。これからあたしら鬼とあんたら人間で、親善試合を
「おお、勝負か! 乗った!」
「ちょっ、お
上機嫌で応じたナツとは対照的に慌てるバーナに、レンカは笑ってみせる。
「悪いなバーナ、これはあたしの中での決定事項だ」
「はぁ……」
「時間は追って連絡する。それじゃ、引き続き見学を楽しんでいってくれ」
そういって、橙鬼館当主・レンカは、もう一度ニッと笑ってみせた。
「まったく……。あのヒトは言い出したら聞かないんだから……」
「まぁ、仕方ありませんよ。久しぶりのお客様ですし……」
歩きながらブチブチと
「前にも、こんなことってあったの?」
ルーシィが
「えぇ、常にあんな調子よ。
ルーシィが苦笑していると、メイビスが口を開いた。
「しかし、あの者からは確かに他の鬼とは違うものを感じました。彼女は優れた指導者なんだと思いますよ」
ただミレーネ達従者を振り回しているような鬼ではないのはルーシィも見ていてわかったが、彼女がそう言うからには、やはりなんだかんだいって
ルーシィが物思いにふけっていると、いきなり頭上を小さな影が二つ、勢いよく追い越していった。
「わッ、なに!?」
思わず首をすくめてから見ると、それぞれ赤と黒の
「あッ、コラー!
バーナが叫んだ後、申し訳なさそうな顔で振り返る。
「すいません、
その言葉に、ルーシィは苦笑した。
と、その時、数メートル前方の
「こ、今度はなに!?」
「あぁ、えっと、あれはですね……」
「あー! またやってしまったぁー!」
声は、一つ上の階から聞こえた。
なにか言いかけたバーナは、表情を改めてミレーネを見る。
「ちょっと、
「えぇ、
対するミレーネも、目を伏せたまま
バーナは助走にもならない速度で走っていくと、優に三メートルはある上の階に
ルーシィ達が上の階が見通せる位置まで歩いてくると、バーナは床に両手を突いて落ち込んでいる黄緑色のポニーテールの少女──恐らく
「うぅ、また床を、館に傷を……」
「大丈夫、大丈夫ですから、アイリスちゃん。ね? 顔上げて下さい」
「大丈夫じゃないです。今度こそクビです……」
「そんなことありませんってば! ちゃんと修復すればいいだけですから!」
「はい……。いつもすみません……」
なんとか立ち直ったらしい少女は、
バーナはそれを見届けると、穴からこちらへ飛び降りてくる。
「とりあえず、大丈夫そうです」
それを見て、ルーシィはナツ達と顔を見合わせた。
本当に、色んな妖精がいるらしい。
2
一階に降りてきたルーシィ達は、館の端へと向かっていた。
「あそこが
ミレーネが言うと、中でなにか指示を飛ばしていた水色の長い髪を一つの大きな三つ編みに束ねた長身の少年が
その背にはバスタードソードとでもいうのだろうか、十キロ以上ありそうな肉厚長大な銀の
「おー、ミレーネさんにバーナさんじゃねぇか。ん? そいつ
「こんにちは、ベル。この人達は人間のお客様よ。
ミレーネの言葉に、ベルと呼ばれた少年は「ほぅ」と
「どーも、
全員で軽い
「
するとベルクスはぶっきらぼうに言い放つ。
「べつに妖精がみんな
「あぁいや、そういう意味じゃ……」
どう言ったものかとルーシィが考え込んでいると、厨房の奥から
「どうした」
向かって左の、先端にいくにつれて内ハネのついた青緑色のショートヘアーの少女が「早く」というように
「すみませんベルさん、お皿を割ってしまいました」
すると真ん中に立つ、部分的に編み込んだ水色のロングヘアーの少女が進み出た。
「そうか、わかった」
「あらぁ? その人達はだぁれ?」
右側に立つウェーブのかかったクリアブルーのショートヘアーの少女の言葉に、全員で軽く自己紹介をする。
「こいつ等は左から順にシアン、レイン、フロウ。こっちは人間のお客様だ」
ベルクスが言うと、フロウと呼ばれた少女がほわんほわんと笑いながら、とんでもないことを口にした。
「へぇ、人間ねぇ……。──じゃあ、
「「「ッ!?」」」
ルーシィ達がぎょっとしていると、シアンがなにか理解したような顔をしたあと、
「あのねぇ、フロウ、よく聞いて。
「あ、あぁ、人間ねぇ。わかったわかったぁ」
フロウが
「そんなことよりベル
「そうねぇ、行きましょうシェフぅ」
ベルクスは鼻から息を
「だからその呼び方はやめろって言ってるだろうが。後で行くから持ち場に戻れ」
レイン達三人が戻っていくのを見送ってから、ベルクスはひとつ
「……まったく、これだから馬鹿は手がかかる」
そういって歩いていく水妖精の少年の長い三つ編みを半眼で眺めながら、ルーシィは口を開く。
「なんか、不良みたいなヒトね」
するとバーナが苦笑した。
「ああは言っても、ベルくん、ちゃんと部下のことも考えてるんですよ」
その時、ベルクスが立ち止まり、再びこちらに向かって歩いてきた。
まさかさっきの言葉が聞こえたのかとどきりとしたが、違った。
「なぁアンタ等、昼はなにか食ったのか?」
「エッ? あぁ、パスタとスープくらいだけど……」
ルーシィが答えると、ベルクスはにやりと笑う。
「じゃあちょっと待ってな。なにか作ってやるよ」
そういうと、ルーシィ達の人数をかぞえ、調理場に向かって歩いていく。
ベルクスは
「皆、危ないから下がってッ」
「?」
ルーシィが口を開きかけた、次の
ベルクスが料理の材料を高く放り投げ、大剣を抜き放った。
「『
彼が技名を叫ぶと、剣を包んでいた水が刃状に長く伸び、変幻自在な軌道を描きながら具材に殺到する。
まずフルーツが
ベルクスは大剣をしまうと、落ちてきた複数の物体をキャッチして差し出した。
「ほれ、ちょい遅めのおやつだ」
彼の両手の指の間には、フルーツを詰め込んだクレープが
「なんで、あの方法でこんなものができるの……?」
水色の髪の大剣遣いは、得意げに笑って答えた。
「ま、ひとつの特技みてぇなもんだ。そんじゃ、俺はこれで」
そこでベルクスはルーシィ達の背後を見て「げッ」と漏らす。何事かと思っていると、すぐさま後方からどたばたという足音。
「あ、ベルクスだ。ねぇねぇ遊ぼー」
明るい声と共に一人の少女がルーシィたちの頭上を飛んできて、ベルクスの顔に張りついた。その背中に生える黒い
「ああああああぁぁぁもう、うぜぇなぁッ! 離れろこの馬鹿ッ」
ベルクスが苦労して少女をなんとか引き
紫色のサイドテールの少女は、ベルクスから離れてもなおも
「ねぇねぇ、私と遊ぼうよー」
「うるせぇな、今はそんな時間ねぇんだよ。それよりほら、自己紹介しろ自己紹介」
ベルクスが
「こいつはいっつも館の中を飛び回って遊んでる
「ネフィリムでもネフィでも、好きに呼んでいいよ。よろしくね」
手に持った、紫色の宝石のはまった
そこでルーシィはおや、と思う。彼女の
「ネフィちゃん、それは……?」
「あぁ、これ? これは
その言葉に、ミレーネが答える。
「えぇ、ネフィの使う魔法の名は、『
ネフィリムが「ちょっとならいいかな」といって
「ほらね。──あ、リドラ、ちょっと待ってね、すぐ行く!」
ルーシィ達の背後を見た紫髪の少女は、影の翼を再構成するが早いか勢いよく飛び上がると、ルーシィ達の頭上を帰っていった。
「まったく、あの馬鹿野郎……」
ベルクスが顔に手を当てて呟くのを苦笑して聞いていると、ラグリアがおもむろに口を開く。
「彼女、強いね。恐らくセリナと同等……いや、それ以上かもしれない」
「本当ですか?」
ルーシィが
「あぁ。まず、彼女は影で飛行能力を底上げしていると言っていたね。彼女達
それにあの杖に付いていた宝石、あれがさしずめ、魔力を底上げしているんだろ?」
その言葉に、ミレーネが感嘆の
「なかなか
そこでミレーネはなにかに気づいたのか、「ん?」といってラグリアを見た。
「いま、宝石って言った?」
「え? あぁ……それが、どうしたんだい?」
「いえ、あなたたちが言ってた宝石っていうのが何のことなのか、わかるかもしれないわ」
次に案内されたのは、地下だった。
「ここは、図書館になってるの」
ミレーネが言いながら
正面奥、一段高くなった部分には巨大な執務机があり、
近づいていくにつれて、それが一人の女性であることがわかる。顔の両側に垂らした髪の先端にリボンを着けた紫色のロングヘアー、ナイトキャップのような
「アシュリー、お客さんよ。『
ミレーネが声をかけるとアシュリーと呼ばれた女性は顔を上げた。
「あら
そういって立ち上がる──と、九〇度回転した彼女の体が音もなく水平に滑り始め、そのまま机を回り込んできた。
執務机で隠れていた足下が
それを見たミレーネは無言で彼女の背後に回ると、肩に両手を置く。と、次の
「イタタタタタタタ! わかったミレーネ、わかったから、
鬼の少女の怪力から解放され、アシュリーは荒い息をつきながらこちらを見る。
「は、初めまして、私はアシュリー・レフィエイル。この地下図書館の管理をしてる鬼よ」
アシュリーが帽子を取ると、そこには木の枝に似た小さな二本の
帽子を被り直したアシュリーは足下を見ると、一つ
「ほらミレーネ、あなたが無茶するから床にヒビ入ったじゃないの、もう……」
「
そこでルーシィは、先ほどから
「あの、あなたって鬼なのよね? それなのに魔法を使えるって、どういうこと……?」
その言葉に、アシュリーはすぐに答える。
「あぁ、それには、私の
不意に、アシュリーの目の前にホロキーボードが出現する。
「私の武法の名前は、『
そこで一度言葉を切ると、ホロキーボードを操作。すると今度はボンッ、という音とともに、彼女の傍らに一冊のハードカバーの本が出現する。アシュリーはそれを手に取り、続けた。
「情報を実体のある本の形にすることもできるわ。それで、私が魔法を使えるのは、これのお陰」
アシュリーが本を開いた次の瞬間、本自体が発光し始め、
本から飛び出してきたことと、ひとりでに
「これは『
例えばこれは赤いから、火属性の魔法ね。こっちは青いから水属性。緑は風属性で、黄色は雷。水色は氷、紫は
こんな感じで、私は武法を利用して魔法を間接的に使うことができるの」
ちなみに、といってアシュリーが明後日の方向に呼びかけると、
「魔法石は彼ら
そこで彼女が見ると、少年は眠そうに
「あなた大丈夫? いくら土妖精が耐久力に優れているからって、死なないわけじゃないんだから無理は
「はい……大丈夫です……」
「なんかそれらしいこと言ってるけど、元はといえばあなたが大規模な採掘を命じたからこうなってるんだからね?」
ミレーネの指摘にアシュリーは
「私は
得意げに解説するアシュリーに、今度はグレイが質問する。
「ここにある本って、全部アンタの武法でできてるのか?」
「まさか。でも良い質問ね。私の武法は本から情報を読み取って記録、管理することもできるから、ここに暮らしてる私との相性がいいの」
「住んでるの? 部屋なんか見当たらないけど……」
ルーシィが
「あそこに扉があるでしょ? あの奥が私の私室よ」
見れば確かに、部屋の隅の一見わかりにくいところに小さな扉が見えた。
続いて、ミレーネが口を開く。
「それで、あなた達が探してる宝石って、アシュリーの魔法石のことなんじゃないかと思うの」
「宝石?」
アシュリーが言うと、ミレーネは
「えぇ、この人達、私達が持ってる宝石を探しに来たっていうのよね。私も初め
アシュリーも少し考える
「そうね。私達は別に
確かに、それはルーシィも魔法石を見たときから気づいていた。ここの住人がどうやって生計を立てているのか知らないが、恐らく人里に降りたアシュリーが魔法石を持っているところを誰かが目撃し、館に
「そっか、そういうことだったのね……」
この一件に一番興味を示していたカリンが、残念そうに
その時、頭の中に大音量の放送が鳴り
『
その声で、ルーシィはすぐに状況を察する。これはレンカからの『
『現在、この館には人間の客人が訪れている。そこであたし、レンカは、館の見学の交換条件として親善試合を実施することを決定した。開始時刻は午前二時、大広間に集合だ。観戦を希望する者、及び参加者は、それまで十分な休息を取っておくことを
その声に、ルーシィ達は頭上、図書館の壁にかかっている時計を確認する。時刻は午後の五時。
同じく時計を見上げていたミレーネが、盛大な
「午前二時って、ど深夜じゃないの……。ごめんなさいね、ウチのレンカが勝手に……」
その言葉に、ルーシィは笑って軽く首を振る。
レンカの館内放送にいち早く切り
「そうと決まれば、まずはあなた達の部屋を
そういって本から
『いま、私、アシュリーの空間魔法で館の構造を
その後、アシュリーに指示された通りの部屋にそれぞれが向かい、一度解散となった。
3
ルーシィは浴室の戸を引いた
早速洗い場に
少しして、
「どう? 広いでしょ、ウチの大浴場は」
ミレーネはそう言うと、同じく洗い場に腰かけて体を洗い始める。
「うん。私達のギルドのより大きいかも」
そこでルーシィがふと見ると、彼女の左
ミレーネはルーシィの視線に気づくと、手を止めてマークを指差した。
「あぁ、これ? これは私達の仲間の証みたいなものよ。レンカの顔を
「へぇ、そうなんだ。私達も、体のどこかにマークがあるの。これは家族の証。あなた達と似てるね」
ルーシィが右手の甲にあるピンクのギルドマークを見せると、ミレーネは「そうね」といって
そこで、反対側の二つ隣に座っていたエルザが口を開く。
「ところでさっきは済まなかったな、折れた剣を直してもらって。感謝する」
「それは、私じゃなくて後でニクロに言ってあげて。あの子、自分に自信が持てないでいるから、喜ぶはずよ」
ニクロ、というのは、先ほど案内された
その時、「よッ」という
「いやぁ、事務整理は
その言葉に、ミレーネが
「あなたねぇ、自分の仕事が終わる時間も考えないであんな連絡したの?」
「いや、それはちゃんと考えてたさ。ただ、何度やっても疲れるってことだよ」
「ふん、それならいいけど」
そこでミレーネは体を流したあと、ルーシィとレンカの胸の辺りに視線を走らせ、自分を見下ろす。と、
グレイが頭を流していると、不意に横合いから声をかけられた。
「よお、後ろ姿でわかったぜ。やっぱりアンタ
「あ?」
見ると水色の短髪の少年が、ナツを
「……
ナツが言うと、少年は朗らかに笑ってみせる。
「おいおいもう忘れたのか?
少年が自分を指差してにやりと笑ったところで、ナツが「あッ」と声を上げた。
「お前は、ウェンディのピクルスか!」
「誰がピクルスだ、ベルクスだよ! あと
「ん?」
隣のウェンディが、顔を上げて男湯の方を見た。
「どうかした?」
ルーシィが
「いま、誰かに呼ばれた気が……」
「?」
ベルクスはひとしきりツッコミを入れると、盛大な
「はぁ……まぁいい」
「なぁ、それより、なんでさっきと髪型が違うんだ? 俺も
グレイが言うと、ベルクスはこちらを見る。
「あぁ、なるほど、やっぱこれのせいか……。まぁ、後で見せてやるよ」
「「?」」
ひと通り体を洗い終わり、湯船に
しばらく温まってから浴室を出るとグレイは
「で、なにを見せるって?」
「まぁ見てなって」
そういってベルクスは服を着て、最後に
グレイたちが口をぽかんと開けて見守っていると、ベルクスは
「こういうことだ。アシュリー様が言うには、俺の剣には医学の神の力が宿ってて、強力な
「へ、へぇ……」
──なんじゃそりゃ。
「はぁ〜、一日歩いて疲れた〜」
ルーシィが二段ベッドの上の段に倒れ込むと、下の段にいるウェンディが苦笑する声が聞こえる。
「しかし、まだすべてが終わったわけではない。夜の試合に向けて、しっかり休まねばな」
隣のエルザの言葉に、思わず
「あぁ、そっか、まだそれがあるんだった」
するとそこで、エルザの下の段に座っているミレーネが動いたのが見えた。見ると、彼女が差し出した
「何してるの?」
ルーシィが
「この部屋の空気を加湿したの。
その言葉に、ルーシィも口元をほころばせる。
「ありがとう、ミレーネ」
寝室に戻ったグレイは、二段ベッドの上の段で頭の後ろに両手をやり、脚を組んで
「ったく、うるさくて寝れやしねぇ」
思わずそう
二段ベッドの下の段では、ナツと逆立った赤髪の少年──
二人共活発な性格が災いして、気が合わないらしい。先ほどから子供そのものの言い合いを続ける彼らに、グレイはほとほと
そこで、ベルクスが口を開く。
「まぁそれについては安心してくれ。ウチにはルミネアっていう
ルミネアは時計台の前のスペースに来ていた。時刻は午後七時少し前を指している。
そろそろ
目を閉じ、時計の針ではなく、その内部で秒を刻む音に意識を集中させる。
これは意外かもしれないが、
──聞こえる……。
そして──時計が七時ちょうどを指した
「この山と森に住まう者達よ、静かな眠りにつけ……『
──ルミネアが放った特殊な音波はスミレ山を囲む森のほとんどに届き、種族を問わず効果範囲内にいたすべての者に数秒の内に
さて、それでは新しいキャラクターについて説明していきましょう。
レンカのイメージは東方Projectの
アイリスのイメージは同作品の大妖精。バーナとの関係も、彼女と
ベルクスのイメージは容姿がマギのジュダルの水色版。性格はブラック・ブレットの
【挿絵表示】
水の三妖精達のイメージはそれぞれ、
シアンは東方Projectのリリカ・プリズムリバー
フロウは同作品のメルラン・プリズムリバー
レインは新規ALOのアスナ
となっています。
ネフィリムのイメージは東方Projectのフランドールとミスティアを足した感じです。容姿がフラン、翼がミスティア。彼女の杖の構造イメージは以下の挿し絵を参照。
【挿絵表示】
リドラのイメージは、SAO第二巻「朝露の少女」にて最初に登場した孤児院の少年。
アシュリーのイメージは東方Projectのパチュリーに
最後に、ニクロのイメージはSAOPのネズハです。
以上、どんどん盛り上がってきたスミレ山編、いかがだったでしょうか。
次回以降の数話は、バトルシーンでガンガン飛ばしていく予定ですのでご期待下さい。
それでわ、しーゆーあげいん!
〈加筆修正一覧〉
1、3、4、6、9、17