FAIRY TAIL The Travelogues of Phantasm 作:水天 道中
彼女の髪飾りは、VOCALOIDの初音ミクのように、
また、本作品は後々東方Projectの世界観とクロスオーバーする予定ですから、お楽しみに。
※今回、
第3話 スミレ山編[序章]森の中のハンター
「ホンット、アンタってよく食べるわよね」
「しゃあねぇだろ、ミラの料理が
ここは『
いま彼が食べている炎は、それぞれ『ファイアチキン』『ファイアパスタ』といい、炎の
その時、ナツが
がりっという音と共に、氷が盛大に
「ガッ、
振り返った彼の視線の先に、
グレイはナツを
「ヘッ、
「お前まだ言ってんのか。あれはお前が食うのが遅かっただけだって言ったろ」
二人は立ち上がると、
「やかましい。俺が取っといた分まで食いやがって」
「あぁ? あったら食うだろフツー」
「なんだと?」
「やんのかコラァ」
そこまでで、
「
「うるせぇ! 俺の朝メシ返しやがれ!」
「だったらあの氷でも食ってろよ!」
「お前の氷なんか食えるか!」
「あーあ、また始まった……」
ルーシィが止めに入るべきか半ば本気で思案していると、すぐ横を
「
エルザはナツとグレイの間まで歩いていくと、二人の髪を掴み、勢いよく頭同士をぶつける。
「「エ、エルザ……」」
1
先ほどと何ら変わらないナツの食べっぷりを眺めていたルーシィは、そこで彼の後方、ギルドの
カウンターの中のミラジェーンと何事か話していた
「やあ、
彼の
「あっそびに来たヨー」
その時、男性がはっとした表情になる。
「あ、セリナ、ちょっと待った」
しかし、もう遅かった。
「うエッ? あわわわワッ」
セリナは両手をばたつかせるが、そのままこちらに向かって
「ぐおッ。
食事の手を止めたガジルが、
「『鉄』と『磁場』……。ああ、そういうことね」
ガジルが操るのは鉄の
対してセリナの浮遊能力は、体の表面を帯電させて周囲の空間に磁場をつくり出し、磁力の反発によって宙に浮き上がるというもの。
おそらくはセリナが発生させた磁場にガジルの鉄の体が引っ掛かり、体重差の関係で彼女の方が引き寄せられてしまったのだろう。
セリナも痛かったらしくおでこをさすっていたが、すぐに顔を上げると笑って後ろ頭を
「アハハ……。ごめんネ?」
「お、おう……」
ガジルが困惑して金髪の少女を眺めていると、彼女はそそくさと男性の背に隠れる。
その様子を見て、
「ガジル、なんか怖がられちゃったみたい」
「なんでだよッ?」
「はは……。セリナも悪気はないんだ。許してやってくれないか?」
「いや、別にいいけどよ……」
「それで
首を
「おっと、そうだった。皆
「私達は問題ないですが、ご友人の方は大丈夫なのですか?」
エルザの言葉にも、ラグリアはあっさりと
「うん、その辺りはあまり気にしない人だからね。きっと喜んでくれるはずだよ」
先日と同じメンバーでギルドを出て、ラグリアの指示に従い一列に並ぶ。
「では、行こうか」
ラグリアが右手を持ち上げ、
「『
2
風景がぐにゃりと
目の前には無数の木が密生しており、ルーシィ達がいま立っている場所より少し薄暗い。ラグリアの口ぶりから、てっきり友人の家の前に飛ばされるものと思っていたが、家らしきものは見えなかった。
「え、なに、これ……?」
ルーシィが思わず
「やっぱり、こうなってたか……」
振り返ると、ラグリアが困り顔で後ろ頭を
「どういうことだ?」
ナツの問いに、ラグリアは苦い表情になって答える。
「実は、
「てことは、つまり……」
ルーシィの言葉に、ラグリアは一つ
「あぁ、ここは本来飛ぼうとしてた場所じゃない。でも、安心して。友人の家は、この森の中にあるんだ。少し歩けばすぐ着くよ」
そう言ってラグリアが歩き出し、ルーシィ達も薄暗い森に足を
森の中は、想像していたよりも更に不気味だった。日光が密集した葉に
「なんか、嫌な感じね」
シャルルが
「気味が
すると、少し先を歩いていたナツが笑顔で振り向いた。
「んなこと言って、本当に
「ひッ……」
「ちょっとナツ! そういうのやめなさいよッ」
ルーシィが
「あははッ、
「まったくもう……」
そこでふと前方を見ると、ラグリアは歩きながら、しきりに辺りをきょろきょろと見回していた。
「ラグリアさん? どうかしたんですか?」
ルーシィの言葉にラグリアはなぜか
「……ん?」
彼のその反応にとてつもなく嫌な予感をひしひしと感じながら、ルーシィは恐る恐る質問を重ねた。
「ま、まさか……迷った……?」
ラグリアが引きつった笑みを浮かべる。
「あははは…………ごめん」
「そんなぁ……」
ルーシィの情けない声に全員が一様に顔を
「だ、大丈夫だよ。こうなった時の考えも、ちゃんと用意してあるから」
そう言うと、彼は右手の人差し指と中指を
「聞こえるかい? 今日、
ラグリアは腕を降ろすと、こちらに向き直る。
「すぐ来てくれるってさ」
「よかった〜」
一気に緊張の糸が
「でも、どうやってここまで来るんだ?」
ナツが見ると、ラグリアは切り株に腰を下ろしながら答える。
「彼女は手先が器用で、
「人形を寄越すったって、この森、どれくらいの広さなんだよ?」
グレイの問いに、ラグリアは少し考える
「そうだな……。『
「
「ま、気長に待つしかないさ」
ラグリアは微笑を浮かべると、コートのポケットから本を取り出して読み始めた。
どの方向から助けが来るかわからないため、自分が首を動かして見える範囲に注意を払おうということになってから、すでにかなりの時間が経過していた。
だが、いまのところ
切り株に座っていたセリナが
「ねぇラグリア、まだなノ〜?」
「もう少しの
「むぅぅ……」
「そういえばセリナちゃんは平気みたいだけど、怖くなったりしないの?」
ルーシィが
「うン。何回か来たことあるから、もう慣れちゃっタ」
「ふ、ふーん……」
それでもこんな場所に長く居続ければ誰でも不安になってくるものだが、これもこの少女が
「はははッ。なかなか根性あるんだな、セリナ……は……」
「ん? どうかした?」
ナツの声が不自然に
「おいナツ、聞いてんのかよ?」
彼の左隣の切り株に座ったグレイが言うと、ナツはさらに
「おい……なんだよ、あれ……」
ナツの視線を追って、ルーシィも首を一八〇度反対に戻す。直後、そこにあった光景を見て体が
「え……?」
「う、
後ろのグレイの声も、ナツ同様
ルーシィ達の視線の先には、いつの間に現れたのか、
地面から一メートルほどの空中で風もないのにゆらゆらと揺れながら、静かな
鬼火が、ゆっくりとこちらに向かって近づいてきたのだ。
「なんか、こっちに来てませんか?」
「逃げといた方がいいんじゃ……」
ウェンディとシャルルが顔面
その間にも謎の発光体は空中を滑るように移動し、ルーシィ達の三メートル前方で突然その姿を変える。
より正確には、煙のように炎が消え、中から立方体形の一つ目の
「「「「「「「ぎゃああああ! 出たあああああ!」」」」」」」
五人と二匹で
「どどどどうしますか?」
ウェンディが泣きそうな表情になり、ナツが腰を落として構える。
「とりあえず
「──いや、その必要はないよ」
ナツを手で制したのは、他でもないラグリアだった。
「これは幽霊なんかじゃなくて、友人が作った人形の一体だ。監視
その
「なんだ、そういうこと……」「びっくりさせやがる……」
ルーシィとグレイが
「まぁ、なにはともあれ、これで森から出られるわけだ。じゃあ、道案内よろしく」
ラグリアの声が聞こえたかのように頭蓋骨のような人形はくるりと向きを変え、森の奥に向かって進んでいった。
3
奇妙な人形の後に続いて森の中を進んでいくと、
頭蓋骨はルーシィ達を小屋の玄関まで案内すると、ドアの脇に
ラグリアがノックしようとすると、中から女性の声がした。
「開いてるわよ」
「そ、そうか。じゃあ失礼するよ」
ラグリアがドアを押し開けると、思いがけず目の前に一人の女性が立っていた。背格好はルーシィと同じくらいで、
全体的に青いロングドレスの首に
女性は口をヘの字に曲げ、不機嫌そうな
「やぁ、カリン」
ラグリアがぎこちなく笑みを浮かべると、カリンと呼ばれた女性は二、三歩
「また使ったんでしょ」
「え?」
「
「あ、そうだったかな。いや、いつも使ってるとどうしてもつい、ね。あはは……」
「まったく……。まぁ、いいわ。どうぞ入って。あんまり広くはないけど」
カリンに
一番奥の席に座ったカリンに続き、セリナが勝手知ったる様子でその左に楽しそうに腰を下ろしたところで、再びカリンが口を開く。
「で、どうするの? これじゃあと二人しか座れないんだけど」
「あぁ、それは大丈夫」
そう言うとラグリアが軽く右手を振る。次の瞬間、複数の光の輪が
「あんたの
「まぁそうひがむなって」
ナツとルーシィが残りの席に、ハッピーとシャルルがテーブルに、そして残りの面々がラグリアの造り出した空気の椅子に座ったところで、ラグリアは正面に座る人形のような印象の女性を差し示した。
「彼女が
「セリナちゃんの時も言ったけど、その紹介の仕方やめてくれない?」
カリンが
「で、こちらが
「えぇ、大丈夫」とだけ言うと、カリンがこちらに向き直る。
「初めまして、トレジャーハンターギルド『
名乗ると共に彼女が挙げた左手の甲には、木の実を
ルーシィはカリンの後半の言葉に先ほど見た書斎を思い出しながら口を開く。
「カリンは、本も書いてるの?」
「えぇ。そういえば、あなたも時々小説書いてるのよね?」
その言葉に、ルーシィは思わず苦笑する。
「まぁ、副業と言えるほどじゃないけど……」
するとハッピーが、両手で口元を押さえながらにやにや笑いを向けてくる。
「全然売れなかったもんね」
「うっさい」
ルーシィがぼそりと言い返したところで、ラグリアが再び口を開く。
「カリンの小説は僕も読んでいてね。実はうちにある小説の一部分はカリンの作品なんだよ」
「へぇ……。そうだったんですね」
「そ。この人が家に来るたびに面白い話を持ってきてくれるお陰で最近はあんまりネタには困らないけど、それはさっきも言った、作家業の方が本業みたいになってる原因の一つでもあるのよね」
「それって、大丈夫なんですか?」
自分の
「別に。ウチはそこまでうるさくないから問題ないわ。ただ
「『風精の迷宮』って、前になんかそんな奴いなかったか?」
グレイの問いに、ルーシィも考え込む。
「えっと……あぁ、確かに。太陽の村で戦った三人組ね」
「へぇ、あなた達も戦ったことあるのね。しかもその三人って、ギルドトップクラスのヒロシ、ララ、ドレイクのことじゃない?」
「うん、多分そんな名前だった」
ルーシィが
「そっか……。やな性格だったでしょ?」
その言葉に思わず苦笑する。
「まぁ、確かに……」
「私もあいつ
その時、グレイがおもむろに口を開いた。
「なぁ、一ついいか? さっきから聞いてると、作家としての仕事の方が忙しいみてぇだけど、なんで『
カリンは
「あぁ、そういうことね。それは、私が使う
カリンが右手を差し出すと、その
「私が使うのは『
宝石や財宝の中には
そこで言葉を切ると、カリンは入り口に向かって手招きする。するとドアの脇にずっと控えていた頭蓋骨のような人形が空中を滑るようにこちらへ飛んできて、カリンの腕にすっぽりと収まった。
「このスカルちゃん一号機も、中に搭載されてる監視
──へ? ちゃん?
この頭蓋骨にしか見えない人形は、明るい室内で見てもカリンの腕に
名前があったことはともかく、冷静な雰囲気をまとうカリンのあまりに意外すぎる一言に、ラグリアどころかセリナまでもが困惑して押し黙ってしまった。
カリンは
「なによ、みんなして。私が人形に可愛い名前付けたらなにか変?」
「い、いやいや、そういうことじゃないよ。ただちょっと名前が意外だっただけで」
ラグリアが
「失礼ね、こんなに可愛いのに」
「……。あ、それで、一号ってことは、他にも作ってあるのかい?」
「えぇ、同じ形の人形が他に三機、常にこの森全体を巡回しているわ」
「同じって……その見た目にはなにか意味があったりするの?」
ルーシィが言うと、カリンは肩をすくめる。
「別に。単なる遊び心よ。こうやって不思議な見た目にしておけば、初めて見る人は
「へ、へぇ……」
「じゃあなんであのタイミングで使ったんだよ」
「あの時はちょうどこの子しか使えなかったの。作品はいつも片付けてるから」
そこでカリンはなにか思い出したのか、「あ、不思議といえば……」と
「あなたたち
「え? あ、まぁ……」
話の流れが見えず、ルーシィが困惑しながら
「じゃあ私から一つ、依頼させてもらうわ。ちょっと待ってて」
そう言うが早いか席を立ち、カリンは部屋の右側、外から見てちょうどあの
ややもせず戻ってきたカリンの腕には、
カリンはテーブルの上に本を置くと、手を動かしながら再び口を開く。
「私達トレジャーハンターの仕事の形式も、あなた達とほとんど変わらないわ。私は色々なところに足を運んでは仕事ついでに小説のネタに使えそうなものを探してるんだけど、その中で、面白い、というか不思議な場所が見つかったの。それが……ここ」
話しながらページをめくっていたカリンは、あるページの一つの図を指し示した。
広い森の向こうに巨大な山がそびえ、頂上にはなにかの建物らしきものが見える。
「
「というと?」
ラグリアの言葉に、カリンは曲げた指の背で図をこつこつと
「こんな山奥に、こんなに大きい建物が普通ある?
しかも周りは一面森よ。もっと言うと、珍しい宝石があるって話はあるのに、取ってくるのに成功した話がどの文献を見てもないの。変でしょ?」
「確かに……」
「だから私、
そこで言葉を切ると、カリンは図の下の方、森が広がる部分を指差す。
「まずはこの森。ここには、人を
カリンは森を差し示した指をまっすぐ上に滑らせると、スミレ山の上で止めた。
「そして、問題のスミレ山よ。結論から言うと、この調査は失敗だったわ。今回はラグリアがいればなんとかなったかもしれないけど、やっぱり一人で無茶すると良いことないわね」
「森より危険なモンスターがいたとかですか?」
ウェンディが
「いいえ、そんな簡単に説明できる話ではないわ。まず、天候が変わった。私が行った日は晴れてたのに、山を登り始めてすぐに濃い霧が出たの」
「すぐに……?」
エルザが繰り返すと、カリンは軽く
「ええ、それもほとんど直後にね。山の天気は変わりやすいっていうけど、あの時は特別湿度も高くなかったし、さすがに不自然でしょ?
それでもなんとか道を見つけて進んでいくと、今度は風もないのに周りの木が
いつもなら気にせずに進むところなんだけど、情報が少なかったのと、なんとなくだけど嫌な予感がしたから、そこで
「山自体が、侵入者を追い返したってこと……?」
シャルルが言うと、グレイも
「だとしたら、不気味過ぎんだろ」
そこで、
「いや、それよりも気になるのは霧の方だ。カリン、その辺りで、他になにか気がついたことや、わかったことはないか?」
「残念ながら、あの霧については
ルーシィはぎょっとしてカリンを見た。
「それって、いま住んでいる人がいるってこと?」
「おそらくね……。でも仮にそうだとしても、まともな神経の人間なら長くいたいとは思わないはずよ」
「どういうことだ?」
ナツの問いに、カリンはルーシィ達をまっすぐ見て、告げた。
「これまでに得た情報から私が導き出した答えはこうよ。あの館には、
「人間じゃない、なにか……」
ウェンディが
「なるほど。確かにそう考えると、色々とつじつまが合うな」
「人が住めないような場所に住んでるのは人間じゃないからで、それが宝石を守ってるから
シャルルが言うと、カリンは頷きを返した。
「ええ、私が体験したことになにか合理的な説明をつけるとしたら、これが一番だと思うわ。それで、話が長くなっちゃったんだけど、調査の続きをして、あの山になにがあるのか確かめて来てほしいの。それが私の依頼よ」
カリンが話し終えた
「そういうことなら簡単だ。
「そうね、と言いたいとこだけど、まずは
ルーシィは苦笑したが、カリンは気分を害したふうもなく応じる。
「急ぎの用事でもないし、
その時、ラグリアが立ち上がった。
「よかったら、
「本当ですか? ありがとうございます!」
「何度もお手数をおかけしてすみません」
エルザの言葉に、ラグリアは微笑を浮かべる。
「礼には及ばないよ。僕の『
場に感嘆の吐息が漏れるが、カリンだけは彼の横に来ると意地悪く口の端を持ち上げる。
「また
「いや、そういう意味じゃないよ」
「あなたたちだけだとまた道に迷うでしょ? 戻ってくるまで、スカルちゃん一号を貸しておくわ。目的地さえ言えば案内するから」
「あ、ありがとう……」
カリンが半分振り返って手をかざすと、テーブルの上に置かれたスカルちゃんの
ではやはり、ここに来る時のラグリアの言葉は聞こえていたのだろうか。そんなことを考えているとラグリアが退出しようとしていたエルザを呼び止めた。
「あ、ちょっと待った。言い忘れてたけど、わざわざ外に出なくても飛ぶことはできるんだ。前は周りの人を
そう言うと、その場でルーシィ達を一列に並べ、
「これで大丈夫だ」
その時、カリンがなにか思い出したように「あ」といってから口を開く。
「あなた達の昼食、待ってる間に作っておくわ。まだ食べてないでしょ?」
「あ、うん。どうもありがとう」
ルーシィが言うと、今度はラグリアがカリンを見た。
「それなら、僕も手伝うよ」
「そう。ありがと」
二人が歩いていこうとしたその時、セリナが走り寄ってくる。
「私も料理やりたイ!」
その言葉に、ラグリアは苦笑した。
「駄目だ。今度また教えてやるから、今日は
「えエ〜」
「別にいいじゃない、今日教えてあげれば」
不思議そうなカリンの言葉にも、ラグリアはとんでもないというように首を振る。
「いや、前に一度料理させてみた時に、セリナが魔法を使ったせいでうちのキッチンが
「え……?」
これにはさすがのカリンも固まってしまうが、すぐにセリナに笑いかける。
「セリナちゃん、料理に魔法使わないって約束する?」
「あ、あれはもうやらないヨ!」
いきり立つセリナから顔を上げると、カリンは微笑を浮かべる。
「という
「うン!」
「そ、そういう問題か……」
困り果てた表情で二人の後を追うラグリアの背を眺めながら、ルーシィは知らず笑みこぼれていた。
「どうした、ルーシィ?」
「こうして見ると、なんか本当の家族みたいじゃない?」
その言葉に、グレイも
「確かに、言われるとそう見えなくもねぇな」
ルーシィ達の視線の先では、書斎の奥にあったキッチンで、赤黒い髪の男性と彼になだめられながらもはしゃぐ金髪ツインテールの少女、その横で野菜を切る金髪ショートヘアの女性が楽しそうに料理をしている。
その時、ハッピーがぼそりと
「でぇきてぇる。──みぎゃッ」
後半の悲鳴は、いつの間にか背後に移動していたスカルちゃんが頭にかじりついたことによるものだ。
その声でふと顔を上げたカリンは、なぜかにっこりと
「その子、私に変なこと言ったヒトに自動で
「あうぅ……」
頭を押さえて青くなるハッピーに思わずルーシィは
「さぁ、私達も行こう」
エルザの言葉に
はい、いよいよ本格的に盛り上がってきた第3話、いかがだったでしょうか。
今回登場した彼女について、容姿のイメージは東方Projectのアリス・マーガトロイド、年齢はルーシィと同い年です。
彼女の邸宅についてはとあるMMDer様が使用されていたアリス邸を参考に考えました。内装は上手く考えられている反面ややこしく、文字の説明だけではイメージしにくかったと思うのでここに見取り図を掲載しておきます。
【挿絵表示】
また、これまでは下書きが完成した状態で執筆作業を行っていたのですが、次回以降は中途半端にしか下書きができていない為、これまで以上に本格的に不定期投稿になってしまうことをここに宣言しておきます。
しかし、もうすでに頭の中を含めてかなりの量の設定を作ってあるので、次回以降も楽しみにしていて下さい。
それでわ、しーゆーあげいん!
〈加筆修正一覧〉
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