まだだ。まだ高く、もっと高く。
我が英雄は、己を超えて覇者となるのだ。
この身に半端は許されぬ。
英雄を磨くのは、立ちふさがる試練の大きさこそなれば。
この体躯、喜びと共に醜き
いざ英雄よ、この暴君を討ち果たせ。
いかな歴史、神話であろうともこの身を越すこと許さじ。
わが覇道を踏み越え行くのは、祝福の英雄のみなのだ。
巨人の屍を切り捨てて、いざ行けよ神統べる世界へと。
神々しいほどの
世界は浄化の
現れし
ゆえに、わが運命の名はガイア-Ω。
巨神の時代の終わりを示すものなり。
――太陽の書・英雄審判編より抜粋
「大いなる神」ウラーノスに挑むのは、人世界最強の一人だけ。
それは最初から決めていたことだった。
何せあちらは黒幕、下種な手段など朝飯前だろうし、
いわばお約束の発動条件が整ってしまう。
―そしてなにより、俺と
ここまでは多対多の戦場が多かったために、
手が足りないところを補ってもらうことも多かった戦友たちだが、
申し訳ないながら1対1となれば戦力差が隔絶しすぎている。
ならば二人で戦えばいいじゃないのかと思う人もいるだろうが、
考えても見てほしい。主人公と、その兄が、二人で神に立ち向かう。
―特大の死亡フラグである(俺の)。
確実に弟をかばって、もしくは捨て身の一撃を放ってから
遺言を残して死亡し、主人公の覚醒を促すとしか思えない。
踏み台ならバッチコイだが、さすがに生贄はノーサンキュー。
ならば、ここで最後の踏み台として仕事を果たし、
死にかけながらも決戦からフェードアウト、
EDでその後の活躍が描かれる…というライバルルートを通るしかない!
そんなわけで、俺は英雄たる弟に人間族最強を決めようと持ち掛けるのである。
悪いな、弟よ。このイベントは強制戦闘だ。
そして
なお、難易度は
これが俺の踏み台人生の集大成となるのだろうし、
出し惜しみなしで奥の手を出し切るつもりである。
周囲は切り立った崖、草木の一本も生えない荒野。
どちらから誘うでもなく、いつか道を違えたはずの兄弟は、
運命に導かれるように相まみえていた。
「行くぞ、シルバー。」
「――いや、今こそこう呼ばせてくれ……
「あぁ……兄さん」
ついに再会した兄弟。しかしながら絡み合う運命は、
二人の英雄に手を取り合うことを許さない。
ただ、互いの意思を確かめ合うよう剣を構えた。
「お待ちくださいお兄様!二人が争うことなどありません!」
「そうですシルバー!私たちに力が足りないのはわかっています……
ですがそれでも、お二人で力を合わせれば大いなる神にだって!」
かけられる優しい言葉に、しかし二人は頷かない。
「下がっていろ……二人とも」
「心配かけてごめん。でも、あの力に対抗するには協力じゃ足りないんだ。
どこまでも絶対的な、無二の力」
「そう、それこそが神の支配に抗う唯一の手段」
「ゆえに」「だから」
ああ、決めたからには――
「「"勝つ"のは、俺だ!」」
――果て無く、征くのみ。
「来いっカオス!」
「えぇ、行きましょうグレイ。あなたの憧れに、今こそ追いつく時だわ。」
「ああ!俺はもう、憧れから目をそらさない!」
「ずっとずっと、兄さんが羨ましかった、妬ましかった!」
「俺が手に入れられなかったもの、失ったもの、全部掴んで離さない兄さんが!」
「でも今は、
「俺は一人じゃ何もできない、弱いままだ。」
「けど、もう一人じゃない。ずっとみんなが支えてくれている」
「だから今こそ、
(正直貴方の力も大概なのだけれど…)
「その意気よ、グレイ。」
「私たちの絆、見せつけてやりましょう?」
「原初の精霊か……我が弟が世話になったな」
世界を創造した大いなる神、その身の片割れ。
二分されたとはいえ、その力はほかに比肩するものがない。
正しく形容する言葉などありはしない、
圧倒的な存在感と魔力の支配。
そこに在るだけで、この場すべてを掌握するほどの絶対的な力。
「だが……」
――しかし、この男に限って言えば、臆する理由になどなりはしない。
男が恐れるのは唯一、今まで礎になった者たちに背くこと。
すなわち、選んだ道を違えることにほかならない――
「この道を譲るわけにはいかん。"勝つ"のは俺だ。来るがいい!」
戦端を拓いたのは、同時。
「
「
「
「
銀河を貫く焔と、総てを飲み込む混沌の渦。
その衝突は、荒野に深き断層を刻み、雲をかき消し。
互いの力量を知るのに十分な衝撃を発揮し――
両者は歓喜に端正な顔を歪ませ、観戦している者たちはドン引いていた。
(いやいやいやいや絶ッ対におかしいですわお兄様!)
(その力、十二分に知っているはずでしたが…やはりこの二人は次元が違いすぎます……。)
(相殺?噓でしょう!?今の一撃には四大精霊すら吹き飛ばす威力を込めたはずなのに……!)
己が全力を出し切った一撃も、しかし目の前の英雄を倒すには至らない。
故に負けを認める、諦める、道を曲げる……
――総じて、否。
「さすがだグレイ……お前はいつも、俺の想像を超えていく……だが!」
「さすがは兄さん……俺とカオスの全力を正面から断ち切るなんて!でも!」
「「
両者は互いを認め合い、同時に
限界など、意志と気合で越えていけると信じぬくその姿はまさに光の
しかし人間である以上は持てる力にも限界があり。
初撃に全力を込めた以上、消耗は激しく、星の出力は当然のごとく縮小の一途を辿る……
――断じて、否。
そんな常識など知ったことかとばかりに心の炉に魂をくべ、
精神力が総て出し尽くしたはずの身体を秒単位で補強し、書き換え――
踏み込んだのは全く同時、音を置き去りに距離を詰めた二人は技にもならぬ、
しかし生涯最高の一撃を叩きつける。
「ぐっ……!」「がぁっ!」
―硝子がひび割れるような、甲高くもどこか悲哀を感じさせる音が響く。
―同時に手指は砕け、衝撃で眼球は潰れ、骨格は歪み。
―もし医学の心得があるものが見れば、瞬時に再起不能と判断するほどの損傷……
――
骨折?
失明?
気合を込めれば体は動く。ならばそれ以外など総じて些末。
未来を目指して歩む限り、人の可能性は無限大なのだ。
――すべてはこの心ひとつ!
――勝利をこの手に掴むため!
繰り出す剣戟は、放たれる光に比例するように威力を増し、
その余波だけで周囲に絶大な破壊をまき散らしている。
「破ァッ!」
ウルカヌスが光すら両断せんとばかりに凄惨なひと振りを放てば、
「疾ッ!」
グレイは己が
爆発的に膨れ上がる魔力が、周囲を書き換えてゆく。
広がるのは両者の
都合十合も交えただろうか。
輝きを増す英雄たちの戦場はすでに荒野より、森羅万象を意志で塗りつぶす
――支配の争いへと移り変わっていた。
必要なのは、物理法則を覆すほどの意志力。
そして、比翼が対となり、同じ願いを抱くこと。
――今ならできる、と確信し、その言葉を告げた。
「天征せよ、我が守護星。鋼を銀河に刻まんがため。」
――あぁ、アレについてか。別に示し合わせたわけではないさ。
ただ、
「荘厳な
――約束された末路にしかし、嘆きも恐れもありはしない。」
「天に煌めく神話こそ、今も気高きわが憧憬。
勝利の光で天地を照らせ。清廉なる祈りとともに、新たな時代が訪れる。」
――あの時の記憶?あれは教えてもらったわけじゃないんだ。
ただ、その背中が導いてくれたような気がした。
ついてこれるか?ってさ。
――絶対あの場に私、いらなかったわよね……。
「なお燃え盛れ、不滅のヘリオス!
その焔は、この胸で永遠に燃え続けよう。」
「是非もなし――さらば英雄、我が半身。穢れ総てよ、永劫我が
「
果てなき
「「
「「
瞬間、奔る光は戦場すべてを呑み込み。
天地万物はたった二人の英雄に敗北し、
物理法則は上書きされ、
――極晃星が降り立つ。
共鳴する感情は、英雄に認められる自分でありたい。
創世された輝く力は星を統べるもの、すなわち星辰征奏者。
願いは、自分が憧れる英雄を銀河へ知らしめたい。
その
自らを超えていく英雄を輝かせる光の道となること。
互いを英雄だと認め合った二人の星は、共鳴しあい、高めあいながらも
決して道が交わることなく天へと駆け抜けていく。
しかし、この極晃は大いなる神との戦いにおいて、切り札とはなりえない。
あくまでも「英雄を育てる」ことこそが両者の願いであり、
ゆえに、必然。
英雄を決める戦い(他者視点)は、銀河規模で激化の一途をたどっていた――。
つづくかも?
以下元ネタ要素の設定文章。
エクシーディングスフィアルーラー
冥冥煌煌、統べて臨めよ皇の御階(二人)
境界超越、闇を蝕め烈なる光 (ウルカヌス)
ウルカヌスは単体でも使用可(身体と魂が同調するため)。グレイはウルカヌスとの同調時のみ使用可。
基準値:A (A)
発動値:AA (EX)
収束性:B (EX)
拡散性:EX (D)
操縦性:B (E)
付属性:B (B)
維持性:A (E-)
干渉性:AA (D)
※()内はヘリオス☆ビーム使用時。
相手こそを英雄だと意識している両者は、
「
「低い
の2つを共通のイメージとして持つため、自らの研鑽に一切の余念がない。
それどころか、互いの成長すら想像(妄想)しながらそれ以上の成長を重ねるため、
限界を突破する速度さえ更に更にと加速していく。
その能力は、世界に溢れる
※星辰(アストラル)――英雄たちの力の源。作中で出ている用語だと、マナみたいなもの。
ゆえにその名は
書き換えられた星辰はさらに周囲の星辰を書き換え始めるため、
その拡散性は一切の限界を超え、星どころかいずれは銀河すべてを覆いつくす規模である。
また、光を放つという性質から干渉性にも優れており、生半可な星では戦うどころか、
収束しきれない自らの星辰光すら放つ端から書き換えられ、反転して光を放つ特異点と化す。
そして、切り札はその汎用性を捨て去り、統べた光を収束する必殺の一閃。
干渉性の一切が発動値へ、拡散性の一切が収束性へと変換されることで、
一瞬限りではあるが銀河に広がったすべての星辰光を一手に集めることが可能となる。
太陽を背負うその姿はまさに煌翼。奏者に実体がある以上、
※元ネタの救世主サマは頭突きで光速を突破したり、首を切り落とされてから気合で復活したりしました。
ヘリオス☆ビーム[Mk.Tachyon Gungnir]は光速を突破し、
放った時にはすでに過去で命中している因果の逆転を引き起こす。
無論、発動値と収束性、その両方で限界を突破するために犠牲にするものは多く、
拡散性は相手に届く最低限、操縦性に至ってはまっすぐ光を放つだけになり、
維持性は一閃の間のみしか保たず、干渉性は放つ光に死の概念を乗せることにしか役立たない。
しかし、それで十分。
回避不能なのだから、まっすぐ相手に届けば事足りる。
一撃必殺なのだから、一撃放てれば事足りる。
光の出力のみで消し飛ばせるのだから、余計な装飾など不要。
まさに光の英雄の象徴たる、極限の奥義。
斯様な性質の変換を可能にしたのは、歴代の極晃星にはなかった特徴。
[想いを共にする両者どちらもが主体性を持っている]ゆえである。
拡散性・干渉性に優れたグレイと、出力・収束性にすぐれたウルカヌス。
互いに認め合い、尊重するが故の結果であった。
上記のビームの打ち合いが発生した場合、地球の1/3を大気ごと余波で消し飛ばし、
世界は崩壊、Bad endとなる。
なお、天敵は干渉性で上回る銀狼の逆襲。放ったもの、書き換えたもの問わず星辰を無効化され、
逆に無効化された後の反星辰には一切の干渉が不可能。
奇襲を受ければ勝ちの目は一撃を耐えてからの「まだだ」しかなく、
一手で首を刈るゼファーは相性最悪。
さすがコールレイン少佐だ!