いずれ至る、極晃星に   作:馬の人。

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閲覧頂きありがとうございます!
拙作「F/GL」のほうで行っているアンケートで、
意外と本作の要望が根強かったためサラッと新話です!
いや~書きやすい!!!!

前後編の予定ですが、もしかするともう少し長引くかも……?
原作にないシナリオは好きに書けるので、
筆が乗るとサクサク書けてしまいますね……すばらしい。

つい最近知ったのですが、原作者様が本編の続きを書かれておりました。
当然読了したのですが、その全てを盛り込むと拙が必死に盛り込んだ、
フラグやら伏線やらが吹き飛ぶことに気づき、ぐぬぬと唸りながら
盛り込める箇所を探りつつ筆を執っております。

ですが本作は二次創作です!
恐れることなくオリキャラを出していきましょうとも!

ということで本作は原作の2話以降とは齟齬が多く発生しております。
F/GLにおいてもそうですが、未完結作品の二次創作はどうしても、
こういった事態が起こりえますため、プロット作成時点での時空では
出ていなかったんだな、と温かい目で見守っていただければと思います。

私はラグナロクとアヴェスターを履修しておりません!()

では本編を、お楽しみください!


夢現/Somnium 前編

みなみなさま、初めまして、御機嫌よう。

 

わたくし、ウェヌス・エウメニデス・フェリクスと申します。

 

神座教会より、恐れ多くも「聖女」を名乗るよう仰せつかっています。

また、個人としましては栄えあるリュミエール学園の3回生にして、

生徒会副会長を務めております。

 

……もっとも、本学園において副会長とは「執務机を持つ会長秘書」、

といった方が精確でしょうか。

 

 

本来、学園の生徒会長および副会長は2回生が務めることが

伝統となっております。

 

しかしながら、先期より会長職を務めあげられた御方、

ウルカヌス・イグニス様が諸処の事情によりまして、

昨年に続き再び、御出馬されたのです。

 

 

……そして当然かのように、全生徒数の9割をゆうに超える得票率にて、

  ご再選なさいました。

 

他候補に投票された方は、ご家系が長年学園の保守派で凝り固まっており、

どうしてもその意向に背けなかった、と開票の後にお話しくださいました。

 

もっともご本人は、先期の結果を超えられなかったことで

「より一層の精進を約束する」、と自戒なされておりましたが。

 

 

 

 

――昨年の結果とは、有効票の全てを集められた完全選挙。

 

 

 

学園規則では出馬した者及びその推薦者は票を投じることが

禁止されておりますが、それでも本校の長い歴史の中で

初めての快挙だったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

そのような過程を経て、わたくしはウルカヌス様より、

先期に続いての副会長を拝命いたしました。

 

なんでも御出馬を考えられた時から、わたくしに決めてらしたとか!

他の役職は、来期以降の備えとして1回生で固めていますのに、

「副会長は君にしか頼めない」、ですって!

 

大貴族も外部入学生も区別なく。

誰にでも分け隔てなく公平に、を体現されるウルカヌス様の「特別扱い」など、

女生徒(おとめ)冥利に尽きる、というものです。

ああ、わが父たる主よ、感謝の祈りを捧げましょう!

 

 

 

 

 

 

……そのお話をされる際に、

  「大切な話がある。俺と君の今後の話だ」

  と呼び出されて、

  すわ"違うお話"かと期待をしてしまったのは、内緒です。

 

 

 

 

 

そのような訳で普段の放課後は、ウルカヌス様と執務室で二人きり(・・・・)

リュミエール学園の雑務をこなしております。

生徒会室から扉を一枚隔てた執務室は、実質学園における

ウルカヌス様のプライベートルームのようなもの。

 

 

日ごろより、四大貴族筆頭の嫡男として昼夜を問わず公務に追われる

ご多忙なウルカヌス様は、学院でも空き時間を見つけては

こちらのお部屋でお仕事に励んでおられます。

 

もっとも、ご不在の折は余人に立ち入られないとはいえ、

わたくしはその立場から執務室への入室を常に許可されております。

 

そのことをご本人に確認したところ、彼は

「構わない。もとより君に隠すべきものなど何もない」

などと!仰いまして!!

あぁ、これもひとえに日ごろの信仰の賜物でしょうか!!

 

 

 

 

とはいえ、あまり喜んでばかりもいられません。

 

わたくしにも公人としての立場があり、無作法なことは

他の方々よりし辛い、というのも踏まえてのことだとは思いますが、

ウルカヌス様はときに警戒心がひどく緩むことがあり、

そういった際はわたくしの自制心が試されてしまいます。

 

 

 

 

 

たとえば、そう。

先日の放課後、執務室に立ち入った際のこと―――。

 

 

 

 

 

普段なら既に燈されているはずの魔力灯が消えており、違和感を持ち。

ああ、そういえば昨日まで騎士団は遠征に出ていたのだ、と

思い出しました。

 

 

 

 


 

 

 

近年、人類の天敵たる魔族の動きは活発化の一途を辿り、

その暴威が人民を襲うたびに、"王国の剣"たるイグニス家は王国騎士団を

率いて討伐に繰り出していた。

 

しかしながら、相手は人理で測れぬ魔族たち。

遠征のたび騎士団は傷つき、時には命で以て魔族を誅し、

あるいはその命を人民の盾とした。

 

 

 

その状況が変わったのは、5年ほど前。

イグニス家の嫡男が、初陣を迎えてからだった。

 

前々より非凡さが(うた)われていた、"火のイグニス"の秘蔵っ子。

噂では、(よわい)5つの時分には、既に新たな魔法理論を構築しており、

神話解釈においても、神学者たちと言論を競い、讃え合う間柄だったとか。

 

その天賦の才は留まるところを知らず、

あるいは大精霊の化身か、あるいは災厄の前触れか、

と一族の者を震え上がらせたという。

 

 

……まぁ、大貴族の嫡子である。

明らかな問題児でなければ、幼いうちはやんちゃが大志、

大人しければ深謀遠慮と、誰も彼もが神童とされるものだ。

 

神童も十を過ぎれば、すわ才子か、それとも只人か、と世間の目線が

色眼鏡から急に厳しくなる。

 

 

 

 

 

   そんな時期に、お披露目会が如く初陣を迎えた、彼は。

 

   その一太刀で以て、「ウルカヌス・イグニス」を世界に刻んだ。

 

 

 

 

 

 

 

魔族の中でも特級とされるデーモンロードと、

配下の死霊術師たち。

そして操られた、2頭のドラゴンゾンビ。

 

此度の敵の陣容は既に知られており、それは普段より死線に沿う

騎士団の面々でさえ、改めて死を覚悟せざるを得ないほどの戦力。

 

中でもイグニス家の庇護を受ける中堅貴族は、主家の嫡男を

生かして帰すためにと、悲壮な決意を固めていた。

 

 

しかし渦中のイグニス家当主は、開戦の寸前、軍議にて周囲を驚愕させる。

 

 

「私事ではあるが、此度の遠征は我が愚息の初陣となる。

 そこで、猛る勇者各位には申し訳ないが、先陣を息子に命じたい。」

 

 

ここまでの散発的な魔獣等の戦闘では一切顔を出さなかった

幼き嫡男に対して、諸侯の眼が探るようなものとなる。

 

 

そして当主()に対し、言葉を返すウルカヌス。

 

「光栄の至り。先陣、受け賜りました。

 望外の晴れ舞台、楽しまなくては損というもの。」

 

 

 

「つきましては、随伴は不要(・・・・・)

 単騎にて思うさま、力を振るいたく思います。」

 

 

 

諸侯は考える。

これほどの大部隊を率いてさえ、敗北を想定する戦力に向けて、

単騎での突撃など自殺に等しい。

そしてその令を、顔色一つ変えずに受けたウルカヌス。

 

即ちこれは、事前の取決めあっての出来レースであり、

つまりは単騎駆けを装った処刑ではないか。

しかしウルカヌスはイグニス家の嫡子であり、他に兄弟は妹しかいない、

なれば何がしかの策略によって、嫡男を戦場から離すためかと。

 

ついに当主が狂ったかと、疑いの声を上げる諸侯もいたが

それらをすべて黙殺して、単騎駆けは実現する。

 

そして、ただ一人、魔族と対峙したウルカヌスは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   唯の一振りを以て魔族を両断し、

   魔法に拠りて死霊術師達を焼き滅ぼし、

   精霊の力のみでドラゴンゾンビたちを浄化して見せた。

 

 

 

 

 

 

戦闘とも呼べぬ虐殺を終え、陣幕に戻った英雄(ウルカヌス)

神を、あるいは化物を見るような諸侯に対して彼は、こう漏らしたという。

 

 

 

 

 「知恵の無い竜は、ただのトカゲでしたね。」

 

 

 

 

敢えて断わっておくなら、勿論、そのようなことは一切ない。

ドラゴンゾンビの恐ろしさは、その残虐性と巨体から来る膂力、

そして生命力だ。

 

不定形の魔物たちすら上回るほどのそれは、

死してもなお衰えぬ竜麟の強度と相まって、災害にすら例えられる。

 

 

戦闘が長期となれば生命力は僅かずつ漏れ出すため、

過去の幾たびかの発生において、人類は互いを磨り潰すような

持久戦によってドラゴンゾンビを滅ぼしてきたのだ。

 

 

歴史に残る幾人かのドラゴンスレイヤーを見ても、

「ドラゴンゾンビを単騎で討伐した」などといった例は一切存在しない。

 

短期においては、完全なドラゴンを上回る驚異の暴虐。

それをただ精霊の力だけで浄化し切ったなど、

あるいは戯曲や法螺話としても笑い飛ばされよう。

 

 

 

そしてそれを従えるデーモンロードの実力は言うまでもない。

一人当たりの戦力が軍団に例えられる、高位魔族たち。

首を刎ねられようとも、あるいは戦い続けるような

魔の(おう)たち。

 

 

間違ってもただの一振りで滅ぼされるような存在ではなかった。

 

 

 

だからこそ、それを為したウルカヌスの異常が際立つ。

 

それも、未だ幼さを残す11歳である。

もしも、もしもその才が更に育ったとしたならば。

 

 

――其は果たして、人の器に収まるのであろうか。

 

 

 

 

 

 

その一件を以て実力(ちから)を示した英雄(ウルカヌス)は、

それ以来、大規模遠征には学園を休学して従軍し、

実績を積み上げていく。

 

 

 

 

 

そして人々は、謡い、語るのだ。

 

此れは、もっとも新しき英雄譚。

 

 

 

 


 

 

 

中等部のころより続く、ウルカヌス様の遠征。

それはただ戦力としてだけでなく、対外に向けたアピールでもあるそうです。

 

イグニス家の今後の飛躍と、その剣が仕える、王国の盤石さ。

それこそが、数年の後、代替わりによって莫大な利益を齎すと、

そういった狙いがあるのだと教えてくださったのは司教様でした。

 

 

 

さて、そのようなわけで遠征に出られたウルカヌス様は昨日、

凱旋パレードにて中央の馬車上で、集った国民を

勇気づけておられました。

 

今回の遠征は、数百年振りに発生した、とある魔獣の討伐でありました。

その巨大さと暴虐な性質は記録に残るだけでも天災級とされており、

精強を誇る王国騎士団でさえかなりの被害は免れないであろう、

というのが(ちまた)でのお話でした。

 

 

しかしながら、パレードにおいては出征時と比べ、人数が減っていたり

大きな怪我をしている者の姿もございませんでした。

唯一目立ったのは、いつも毅然としておられるウルカヌス様が、

僅かに疲労の色を見せたことでしょうか。

 

もっともそれは刹那のことで、余人に気付かれるものではなかったと

思いますが、常日頃より彼の輝きを目にしているわたくしにとっては

わかり易いほどのモノでした。

 

 

 

そのため、本日は大事を取り、屋敷にてご休養を取られているはずです。

さて、魔力灯を燈して本日の職務を彼の分まで果たそうか、

と部屋に立ち入ったところで、ようやくその光景に気づきました。

 

 

 

来客時の応対のため用意した、大きな多人掛けのソファ。

 

 

 

 

そこでウルカヌス様が、お昼寝されていたのです!!!!!

 

 

 

 

ああ、なんて素晴らしい光景でしょう!

戦場ではあれほど(・・・・・・・・)凛々しく、雄々しい眼差しで

人々を魅了するウルカヌス様。

それがこのように(かんばせ)を緩め、隙を晒されているとは。

恐れ多くもその姿に、「可愛らしい」という感情が湧き出てしまいます。

 

しかしウルカヌス様は、お休みの際には普段から魔力を感知する結界を

張り、暗殺等に警戒なされているはず。

 

現在は執務室の結界の中とはいえ、それらを咄嗟に行使できないほどに

お疲れである、ということでしょうか。

 

 

 

 

つまり今、何をされてもウルカヌス様はお気づきにならないのでは……?

 

 

 

 

あんなことやこんなこと、やりたくてもできなかったことは

山程ございますが、ああでも、お疲れの彼に

そのようなことなどとてもとても……!

 

自らの内に潜む邪悪と戦っていたわたくしを、現実へ引き戻したのは

寝苦しそうな吐息でございました。

 

見ればウルカヌス様が寝返りを打ち、横を向かれたものの枕が無く。

広い肩幅と長い首筋によって負担が掛かっているご様子。

 

ソファはわたくしが就任した際に納められた、多額の寄付金によって

揃えたものの一つであり、少々長身のウルカヌス様が横になっても

ゆうに収まるほどの大きさと、沈み込むような柔らかいクッション性を持つ

自慢の一品でございますが生憎、枕がなくてはお昼寝に向かないようです。

 

 

その光景を見たわたくしは、それまでの邪念を全て忘れ去り、

これまでの人生の中でもっともと断言していいほど迅速に、

今後これ以上はない、というほどの細心の注意を払い、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルカヌス様に膝枕することに成功したのです!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

意識が浮上する。

久し(数ヶ月)ぶりの熟睡の結果、俺はかなり寝惚けていたらしい。

目が覚める中で感じていた、頭の下の柔らかな暖かさと、

髪を撫ぜる優しげな手。

それを認識しつつ、疑問にも思わぬまま、数秒ほどが経過し。

ようやく意識がはっきりとした俺は、状況を認識するべく瞼を開いた。

 

まず初めに目に入ったのは、暖かな慈愛を湛えた微笑み。

次いで美しき白金の御髪(おぐし)に、我らが学園の制服。

 

 

「ウェヌス、か。」

 

誰かは理解しつつも、認識するために口に出す。

当然自己完結の行動であり、反応を求めていたわけではなかったのだが。

 

 

「ええ、はい。

 貴方様の、副会長でございますよ。」

 

 

こちらを見つめる、碧を帯びた深い一つ瞳。

普段どおりに静やかな、それでいて芯の通った声音が

耳朶(じだ)をくすぐる。

 

 

彼女はウェヌス。ウェヌス・エウメニデス・フェリクス。

その身に過度なほどの加護を受けて産まれ。

厳かな名前のとおり、代々聖職につき、司教や法王を務める家系に属し。

「聖女」の通り名で親しまれている、

リュミエール学園高等部、副生徒会長である。

 

 

 

目を覚ましたからにはいつまでも淑女の膝を痺れさせるわけにも行くまい、と、

名残惜しく感じながらも(たい)を起こす。

――と、額に乗った小さな手から、か弱いながらも抵抗を感じる。

 

 

「ダメですよ。

 結界を張り忘れるほどお疲れなんですから、

 もう暫くお休みになって下さいな。」

 

む、しかし失礼ながら彼女は同年代と比べ少々小柄である。

成人男性と変わらぬ体躯の自分が頭を預けては負荷が大きかろう、と

口に出すも、

 

 

「人の心配よりも自らを省みて下さい。」

 

 

と取り合ってもらえない。

しかしこちらも熟睡してはいたものの、結界は張っていたし

心配は要らないと話す。

すると彼女は、

 

 

「他人の魔力を感知すると魔力壁で接近を防ぎ、

 術者を瞬時に回復させる結界、でしたか。

 ウルカヌス様がご自分で構築した理論で編んだ、

 自身以外の誰にも突破されない、との謳い文句で御座いましたが。」

 

「その結界が張ってあるというのならば、わたくしが

 こうして貴方に触れられているのはどうしてでしょう?」

 

 

フムフム、成程。

俺が休む際は必ず結界を張ることを知っていた彼女は、

昼寝中の俺に近づけたことで、

「結界を張り忘れるほど衰弱している」と判断してしまったのか。

 

そして暗殺を阻止(・・・・・)するため、膝枕という密着する手段で

周囲を警戒してくれていた、と。

 

相変わらず、他人に甘いというか、自分を大切にしない聖女である。

己こそ普段から、様々な目的で狙われているだろうに。

 

 

 

しかしながら件の結界には一つの弱点、というより特徴があり、

彼女はそれを知らないようだ。

 

術式を教えた相手にはセットで伝えているが、彼女の場合

生まれ持つ自己防御の加護が結界よりも優秀であるため、

教えていなかったのである。

 

 

よってそれを伝えるために口を開く。

 

「ウェヌス。君の言うことは尤もだが、この結界術式には一つ、

 欠陥がある。」

 

 

「心から信頼する相手には効かない。」

 

 

「どれだけ研究を重ねても改善できなかった、

 この術式唯一の弱点がそれなのだ。」

 

 

 

と。彼女の反応は、梨の礫。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……数秒後、顔を真赤にした彼女に頭を抑えつけられ、

 

 

「いいから!魔法の説明とかいいですから寝てくださいまし!」

 

 

と強引に寝かしつけられてしまった。

 

やれやれ、熱を出した?相手に休まされるとは。

 

 

 

 

俺の行動にも生徒会活動に慣れており、

仕事を安心して任せられるスペック(・・・・)を持っていた彼女に

今期も副会長を任せたとはいえ、やはり遠征中の仕事を任せるのは

負荷が高かったのだろう。

 

彼女に普段振っている仕事は、俺が熟す仕事量と大差ない。

 

まぁ自分は公務もこの執務室に持ち込んでいるせいで多く見えるが、

彼女は帰宅してからが常に公務のようなものだ。

その重圧は並大抵ではないのだろうな、と想像する。

 

そして俺が不在の間、生徒の相談役は彼女一人だったはずだ。

普段は男子生徒を俺が、女子生徒をウェヌスが受け持つようにしているが、

彼女の容姿や肩書に釣られた男が妙な相談事を持ち込んでいないとも

限らない。

 

起きたらまずはそこを確認し、

彼女を言葉と形あるもので労ってやらねば、と心に決め、

後頭部の柔らかさを堪能しつつ、俺の意識は再び闇に飲まれていった。

 

 

女性に贈るなら、何がいいだろうか。

花言葉は覚えていないし、センスある渡し方が思いつかない。

ここはやはり、宝石のネックレスでも贈ろうか―――。




ついに、ヒロイン?登場。

時系列的には黄昏の1年弱前を想定。


ウェヌスちゃんは完全オリキャラです。
外見上の特徴は、
薄い金髪を普段は結い上げており、碧玉の瞳。
少々小さめの体躯と、それを侮らせない母性・慈愛を湛えた微笑み。
小柄ながら女性らしい体つきで、
きちんと出るとこは出て、腰はくびれているイメージ。
ただ、そのスケールが小さいだけなのです。
成長は止まったため、ボンキュッボンとなることはない(無慈悲)。

Sクラス3回生で、ウルカヌスの同級生。
年齢自体は英雄弟よりも更にひとつ下で、英雄妹と同い年?
とはいえSクラスは自主性を重んじ、自己課題と
その成果報告が学績となるため、普段の授業で顔を合わせることは
あまり多くはない。

聖女と呼ばれる、教会のお偉いさんの義理の娘。
ウルカヌスを尊敬し、あるいは崇拝しているのかと疑われることも度々。

かつて戦場でウルカヌスを直接目にする事態があったらしいが、
詳細は不明(多分後編で明らかに)。
しかし英雄の光に灼かれていない、稀有な存在。


本人は直接肯定しないが、仄かな想いをウルカヌスに
向けているのは明らかで、周囲の面々(生徒会メンバーや弟くん、英雄妹など)
には周知のこと。

しかしながらウルカヌスには「弟のハーレムメンバー」と目されており、
そのため意識されることは無い。

逆に意識されていないことで、英雄による無自覚ムーヴをモロに受けては
深みにハマっていく、悪循環な哀れな子。


「君に隠すべきものなど何もない(キリッ」
=見られて困るようなものは流石に持ってこないから大丈夫大丈夫~。

「副会長は君にしか頼めない(キリッ」
=お兄様の人脈は広いけど友達は少ないからね……
 そして実利的に彼女しかいなかった件。

etc...


ウルカヌスが彼女を副会長に決めたのは、

・遠征による休学期間が多いため、補佐は仕事に慣れた人がいい
・会長職は生徒の相談を受けることが多く、
 自分が男性なのだから女生徒の相談を受けるためには女性が望ましい
・グレイの学園イベントの起点になりがちなのが生徒会であり、
 ヒロイン間違い無しの彼女を生徒会に入れることで接点を増やす狙い
・純粋に頭が良く、ほか候補に比べて仕事をお願いしやすい
・付き合いが長い

などなど実務的な理由がほぼ全てであり、アオハルな理由はない。

しかしながら口に出せば千年の恋も冷めるその自己都合を
一切口に出さず、意味深ムーヴと無自覚な深読み誘導により
聖女は上記の理由に気づくことは生涯無い。無いったら無い。
ウルカヌスマジウルカヌス。爆発しろ。


なお、英雄弟は既に最高のヒロイン・カオスと出会っており、
家族同然の付き合いの少女もいるため純粋な友人判定。

むしろウルカヌスの自己犠牲精神を理解し、
同様の自己犠牲精神でもって支え合おうとする聖女には
ぜひとも兄の大切な人になって欲しいと聖人小舅モードに。

英雄が自分を大切にすることがあるとすれば、
それ即ち英雄の特別な相手が願ったときだけであると、
彼は自身の性質から既に理解していたのだ。


これ、後編で風呂敷どうやって畳もうか()
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