識別名:リーパー【完結】   作:兎秤

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少女は守護者と対話した

「ねぇ」

「なんですか?」

 

 士道と凛祢がいる高台へ、凛緒ちゃんと鞠奈さんと向かっている最中、鞠奈さんが声をかけてきました。凛緒ちゃんは少し先を進んでいて聞こえていなさそうです。

 

「キミの精霊の能力に魂を保存する機能があるよね?」

「確かにありますが・・・・・それが、どうかしたのですか?」

 

 もしかして、自分を保存して欲しいって事でしょうか?別にそれなら、構わないですけど。と言うか、やるつもりでしたし。

 

「それなら・・・・・凛緒を消える前に保存してくれないかしら」

「凛緒ちゃんをですか・・・・・」

「凛緒はこの後どうなっても消える。〈凶禍楽園〉(この世界)が完全なものになって続こうが、続くまいが」

「えっ?」

 

 凛緒ちゃんが消える?続かなかった場合はなんとなく想像していましたが、続いてもですか。

 

「そうですね。私もそれがいいと思います」

「それならーーーーー」

「でも、ダメなんです」

「なっ、なんでよ!キミも凛緒を助けたいと思ってるんでしょ!?」

「えぇ、確かに凛緒ちゃんにも消えて欲しくないと思います。凛祢も万由里ちゃんも鞠亜ちゃんもそして、貴女も消えて欲しくないと私は思っています」

「なら、なんでダメなのよ!」

「ダメと言うより・・・・・出来ないんです(・・・・・・・)

「出来、ない?」

 

 そう、私は元々この世界にいないはずの全員を保存するつもりでした。しかし、凛緒ちゃんだけは出来ないのです。

 

「いえ、出来ないも少し違いますね。実は、凛緒ちゃんの魂は物凄く、不安定なんです。魂を保存しても、記憶や人格が消える可能性が高いです。それに・・・・・凛緒ちゃんは凛祢の魂の1部から出来ているんです」

「それは・・・・・っ!」

 

 鞠奈さんは心当たりがあるのか言葉につまります。

 

「凛緒ちゃんと凛祢。2人の魂を別々に保存した場合、2人とも人格や記憶が消滅、もしくは欠損するでしょう・・・・・」

「だからって、諦めろっていうの!」

「私だって、どうにかしたいですよ!!」

「っ!?」

「ふたりとも、どうかしたの?」

「「!?」」

 

 気がつくと凛緒ちゃんが近くまで戻って来ていました。凛緒ちゃんは心配そうにこちらを覗き込んでいます。

 

「な、なんでもないわよ」

「そ、そうですよ」

「けんかしてたの?けんかはだめだよ?」

「・・・・・そうね」

「はい、そうですね・・・・・士道のもとへ急ぎましょうか」

「うん」

 

 凛緒ちゃんはまた先行して歩いていきます。まだ、鞠奈さんに伝えていないことが1つあったので今のうちに伝えときましょう。

 

「鞠奈さん、あなたの魂も不安定です。と言うより、足りていないが正解でしょうか?」

「・・・・・あたしの事はいいのよ。それよりも、凛緒の事をどうにかしなさい」

「・・・・・わかりました」

 

 鞠奈さんの魂は大部分が欠如しています。主要となる部分はありますがその他が無く、鞠亜ちゃんの魂を借りている状態です。凛緒ちゃんよりは問題レベルが低く、凛祢よりは高いです。

 鞠奈さんは、自分よりも凛緒ちゃんを助けて欲しいみたいです。

 

 どうにか、全員を助け出す方法はないのでしょうか・・・・・

 

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