「ねぇ」
「なんですか?」
士道と凛祢がいる高台へ、凛緒ちゃんと鞠奈さんと向かっている最中、鞠奈さんが声をかけてきました。凛緒ちゃんは少し先を進んでいて聞こえていなさそうです。
「キミの精霊の能力に魂を保存する機能があるよね?」
「確かにありますが・・・・・それが、どうかしたのですか?」
もしかして、自分を保存して欲しいって事でしょうか?別にそれなら、構わないですけど。と言うか、やるつもりでしたし。
「それなら・・・・・凛緒を消える前に保存してくれないかしら」
「凛緒ちゃんをですか・・・・・」
「凛緒はこの後どうなっても消える。
「えっ?」
凛緒ちゃんが消える?続かなかった場合はなんとなく想像していましたが、続いてもですか。
「そうですね。私もそれがいいと思います」
「それならーーーーー」
「でも、ダメなんです」
「なっ、なんでよ!キミも凛緒を助けたいと思ってるんでしょ!?」
「えぇ、確かに凛緒ちゃんにも消えて欲しくないと思います。凛祢も万由里ちゃんも鞠亜ちゃんもそして、貴女も消えて欲しくないと私は思っています」
「なら、なんでダメなのよ!」
「ダメと言うより・・・・・
「出来、ない?」
そう、私は元々この世界にいないはずの全員を保存するつもりでした。しかし、凛緒ちゃんだけは出来ないのです。
「いえ、出来ないも少し違いますね。実は、凛緒ちゃんの魂は物凄く、不安定なんです。魂を保存しても、記憶や人格が消える可能性が高いです。それに・・・・・凛緒ちゃんは凛祢の魂の1部から出来ているんです」
「それは・・・・・っ!」
鞠奈さんは心当たりがあるのか言葉につまります。
「凛緒ちゃんと凛祢。2人の魂を別々に保存した場合、2人とも人格や記憶が消滅、もしくは欠損するでしょう・・・・・」
「だからって、諦めろっていうの!」
「私だって、どうにかしたいですよ!!」
「っ!?」
「ふたりとも、どうかしたの?」
「「!?」」
気がつくと凛緒ちゃんが近くまで戻って来ていました。凛緒ちゃんは心配そうにこちらを覗き込んでいます。
「な、なんでもないわよ」
「そ、そうですよ」
「けんかしてたの?けんかはだめだよ?」
「・・・・・そうね」
「はい、そうですね・・・・・士道のもとへ急ぎましょうか」
「うん」
凛緒ちゃんはまた先行して歩いていきます。まだ、鞠奈さんに伝えていないことが1つあったので今のうちに伝えときましょう。
「鞠奈さん、あなたの魂も不安定です。と言うより、足りていないが正解でしょうか?」
「・・・・・あたしの事はいいのよ。それよりも、凛緒の事をどうにかしなさい」
「・・・・・わかりました」
鞠奈さんの魂は大部分が欠如しています。主要となる部分はありますがその他が無く、鞠亜ちゃんの魂を借りている状態です。凛緒ちゃんよりは問題レベルが低く、凛祢よりは高いです。
鞠奈さんは、自分よりも凛緒ちゃんを助けて欲しいみたいです。
どうにか、全員を助け出す方法はないのでしょうか・・・・・