識別名:リーパー   作:兎秤

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 お久しぶりです!!約1ヶ月ぶりですね!!

 では、七罪サーチ編スタートです!


 あと、小説の表紙を真似して描いてみました。少しは画力が上がっているかな?


【挿絵表示】



七罪サーチ
少女は鍋の味を整えた


 10月15日の昼。

 

「さぁ!食べてくれ、シドー!」

「遠慮はいらないよ。ほらほら〜」

 

 士道の前には禍々しい色をした鍋が置かれていました。そこには普通の鍋には入っていないであろう具材が浮いており、これを本当に鍋と言っていいのか怪しいレベルです。

 

「えっと・・・・・これは?」

「愚問。鍋です」

「士道さんに食べてもらおうと思ってみんなで作ったんです」

「いや、それは嬉しいんだけど・・・・・一体何が入っているんだこの色・・・・・」

「ふっ、贅の限りを尽くしそれぞれが好きな具材を全て投入したのだ!」

「あぁ・・・・・」

 

 なるほど、美味しい物×美味しい物=()美味しい物という公式を立てて作ったわけですか。十香ちゃんがきなこパン、四糸乃ちゃんがアイスクリーム(コーン)、耶倶矢ちゃんが唐揚げ、夕弦ちゃんがフライドチキンですか。どれも、鍋に入れるものではありませんね・・・・・

 しかし、これが今日の昼食ですか・・・・・ちょっと、気分が・・・・・

 

「よ、よかったわね、士道。こんなに美味しそうなもの作って貰えて。ほら、熱いうちに」

 

 琴里ちゃんが士道に毒味をさせて危険性を示すためか、士道に向かって催促します。

 

「琴里と千夜も力をかすが良い。今ここに聖餐のピースを捧げよ!」

「「えっ・・・・・」」

 

 これに、まだなにか加えるのですか!?って!琴里ちゃん!?なんで棒付キャンディー投入しているんですか!!?

 

 棒付キャンディーはゆっくりと鍋の中へ沈んでいき、その熱で少しづつ溶けて来ました。

 

「おぉ!琴里の具材も入ったぞ!」

「ますます美味しくなります」

「さぁ!千夜も好きな具材を入れるのだ!」

「期待。何を入れるのですか」

 

 えぇ・・・・・本当にどうしましょう。これ何入れたら美味しくなるでしょうか。士道の希望の眼差しが痛いです。そんな捨てられた子犬みたいな目で私を見ないでください。

 

 さて、本当にどうしましょう。もう、強い味で全部かき消すぐらいしないと行けない気がします。

 

「よし、ちょっとこの鍋持っていきますね。向こうで加えてきますので。士道、冷蔵庫開けさせてもらいますね」

「千夜、頼んだ」

 

 顔と声が本気なんですけど・・・・・さて、頑張りますか。

 まず、具材を1回全部あげちゃいましょうか。ふやけたきなこパンにふやけたアイスのコーン、ふやけた唐揚げにふやけたフライドチキン、そして少し溶けた棒付キャンディーを鍋からあげます。

 いや、キャンディーはもう溶かしきっちゃいましょう。キャンディーを鍋の中に戻して強火にかけます。その間に、きなこパンと唐揚げを適当なサイズに刻み、アイスのコーンは砕きます。フライドチキンは骨から外してから適当なサイズにしました。

 鍋の中に残ったキャンディーの棒を回収して、切った具材を入れ直します。

 そして、取り出したるはシチューのルー!頼みますよ、ハ〇ス食品!

 最後に牛乳を足して、クリーシチュー風に・・・・・うん、色はだいぶマシになりましたね。まだ、若干青いですが。まぁ、美味しい事を願うだけです。

 

「お待たせしました。私は牛乳を足さしてもらいました」

「おぉ・・・・・色がマシになってる」

「士道、私も怖かったので味見はしてません。あとは、頑張ってください」

「あぁ、助かったぜ。あとは、俺に任せろ」

 

 士道はクリーム鍋(?)を掬い取り皿にうつし、覚悟を決めて口の中に運びます。

 

「・・・・・美味い」

 

 よかったです。士道が死なずに済みました。

 そして、その後みんなでクリーム鍋(?)を食べ始めます。

 

「やはり、夕弦が入れたフライドチキンが味の決め手になったようだな」

 

 そうですねー(棒)。骨付いてましたけどねー(棒)

 

「否定。それを言うなら耶倶矢の唐揚げです。あれで味がまろやかになりました」

 

 そうですねー(棒)。揚げ物で脂が多いですからねー(棒)

 

「えー?夕弦のだしー」

「断言。耶倶矢のです」

 

 いいや、私のです。味の決めてはシチューのルーだし、まろやかになったのは牛乳ですから、完全にMVPは私ですね。

 

「相変わらず仲がいいわね」

「まぁまぁ、何一つ欠けても成立しなかった奇跡のコラボって事で」

「テレビで鍋は何を入れても美味しいと言っていたが本当だったな!」

「確かにこの見た目からは想像できない味よね・・・・・」

 

 誰ですか、そんな無責任な発言をしたのは!

 

「せっかくだから美九も来られれば良かったんだけどなぁ。仕事じゃ仕方ないけど」

「ダーリーン!呼びましたかぁ〜?」

 

 士道がテレビに映っている美九さんを見ながら呟きました。すると、それに反応して美九さんの声が聞こえました。えっ?どこから?

 

「はぁい、皆さんの寂しげコールをキャッチして精霊アイドル誘宵美九。定刻通りにただいま到着ですぅ」

「美九!?」

「なら、今歌っているのは?」

「生っぽく見せた収録ですぅ。それより皆さんどうしたんですかぁ?お揃いで何かのパーティですか?あぁ!そう言えば私、今日誕生日だった気がしてきました」

 

 そんな訳ありますか。どんなに貴方の誕生日は都合がいいんですか!?

 

「プレゼントは皆さんの熱〜いキッスでいいですよ?」

 

 そんな戯言を言いながら美九さんは唇を尖らせて迫ってきます。そんな美九さんから逃げるため各々、距離をとったり、他人を盾にしたりとし始めます。

 美九さん1人でここまで混沌とするとは・・・・・

 

 最終的に琴里ちゃんが美九さんをひっぱたき落ち着きを取り戻しました。

 その後、美九さんも加わり鍋の続きをしましたが、また美九さんのせいで全員が士道にキスをせがむ事になり大変でした。主に士道が。

 まぁ、それも空間震警報の発令によりおさまりました。

 

 さて、今回の精霊はどんな精霊なんでしょうか?ーーーーーいや、霊力で分かってますけどね。

 

 この時の私はまだ知りませんでした。あんなゲームに士道達が巻き込まれることになるとは・・・・・


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