識別名:リーパー   作:兎秤

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 折紙さんって本当に異常さを見せ付けてくれますよね・・・・・



少女は少年の奇行を見た

 昨日の士道と七罪さんの接触は失敗でした。

 

 最初は順調そうに見えたんですけど、何故か途中から物凄く機嫌が悪くなったんですよね。何ででしょう?

 あっ、噂をすればなんとやら、士道がいますね。あれ?でも、士道は七罪さんの対策会議をするから学校遅れるって言ってませんでしたっけ?

 

「おはよう、山吹」

「いいい五河君!?ちょ!近いって!」

「なんだよ?そんなに照れなくてもいいだろ?全く山吹はかわいいな」

「かわっ!!?」

 

 士道ってあんなのでしたっけ?同級生に壁ドンしながら挨拶するようなキャラでしたっけ?いや、デート中ならしそうですけど。

 

「こら!亜衣になにをしてるの!」

「まじ引くわー!」

「・・・・・ふっ」

「「きゃー!?」」

 

 次はスカート捲りですか。今日の士道は本当におかしいですね。熱でもあるのでしょうか?保健室送りにしましょうか?その前に警察に連絡した方がいいでしょうか?

 

「シドー!おはようなのだ」

 

 あっ、十香ちゃんも登校してきたみたいですね。

 十香ちゃんは士道を見つけるとうれしそうに駆け寄りました。

 

「おう、おはよう十香」

 

 士道はいつも通りに挨拶を返し、そして流れるように十香ちゃんの胸を揉みました。ーーーーーうん、ちょっと待とう。やっぱり、何かがおかしいです。

 

「士道!何をしてるんですか」

 

 私は最大限の注意しながら士道に近づき注意します。私まで被害にあってはシャレになりませんので。しかし、私を見ると士道は一目散に逃げて行ってしまいました。

 

 これで、終わりかと思っていましたが、これはほんの始まりでした。

 

 次の昼休み悲鳴が聞こえた隣のクラスに行くと耶倶矢ちゃんがパンツを剥ぎ取られ。

 また、次の昼休みには夕弦ちゃんが水浸しにされていました。

 

 おかしい。絶対におかしいです。ちょっと、琴里ちゃん(保護者)に連絡しましょう。

 

「もしもし、琴里ちゃん」

『千夜姉?どうしたの?』

「いや、士道の事なんですけど」

『士道?士道ならもうすぐ学校に着くと思うけど?』

「えっ?士道って朝から学校に来てませんでしたか?」

『何言ってるの?士道はさっき七罪の対策会議を終えて学校に向かったばっかりよ』

 

 じゃあ、あの士道は偽物ということでしょうか?

 

「冗談じゃねぇぇえええええ!!!」

 

 あっ、本物らしき士道が登校してきたみたいですね。

 偽物の士道に何かされた皆から逃げてますね。あっ、隠れた。

 

 そのまま、士道は十香ちゃん、折紙さん、耶倶矢ちゃんに夕弦ちゃん、亜衣麻衣美衣トリオにたまちゃん先生、殿町君から逃げ切ってました。いや、何人に手を出したんですか!?追いかけられすぎですよ。

 

 逃げ切った士道は偽士道を見つけたみたいでその後を追っていきました。屋上に行ったみたいですね。私も行きましょう。

 

「千夜!シドーを見なかったか?!」

「魂月千夜。士道を見ていない?」

 

 屋上へ行こうとした瞬間、十香ちゃんと折紙さんに士道の場所を聞かれました。

 

「士道なら屋上に行きましたよ。2人」

「「2人?」」

 

 まぁ、そういう反応になりますよね。

 

「とにかく、シドーは屋上へ行ったのだな?待っていろシドー今行くぞ!」

「夜刀神十香は別の所へ行くべき。2人で同じところを探す必要は無い」

「なら、貴様が別の所へ行け」

 

 2人は喧嘩しながも屋上へ向かい、そして扉を開けました。そこには、士道が2人立っていました。

 

「本当にシドーが2人いるぞ」

「どういう事?」

「十香、折紙聞いてくれ!」

「コイツは偽物なんだ!俺に化けてみんなにイタズラしていたのはコイツだったんだよ!」

「なっ!?騙されるな!本物は俺だ!」

「何言ってやがる本物は俺だ!」

 

 2人の士道の言い合いを見て、十香ちゃんと折紙さんは顔を見合せた。

 

「つまり、どちらかが偽物というわけか」

「不可解な状況。しかし、であればーーーーー」

 

「「ーーーーー貴方(お前)が偽物(だ)」」

 

 そう言って、十香ちゃんと折紙さんは同じ士道に指をさした。いや、霊力を確認した所、合ってますけど。なんで、分かるんですか?

 

「お前はシドーでは無い。確かに士道そっくりだが何か匂いが違う」

「あなた一人ならあるいは騙されていたかもしれない。でも、本物の士道が隣にいるなら話は別。貴方は本物の士道よりも瞬きが0.05秒早く、体の重心が0.2度左に傾いている」

 

「「間違いようがない」」 

 

「なんなのよ、この子達。どうかしているわ」

「まぁ、それは否定しないが・・・・・」

 

 否定出来ませんもんね・・・・・

 

「ありえないありえないありえないーーーーーありえないっ!」

 

 士道だった姿はたちまち七罪さんへと姿を変えて、手には箒のような天使を呼び出しました。

 

「貴様は!」

「許せない。秘密を見たばかりか私の完璧な変身まで見抜くだなんて。絶対、絶対認めないんだから!このままじゃ済まさないわよ!」

「お、おい!」

 

 七罪さんはそのまま箒に跨り空へ飛んで行ってしまいました。

 

 


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