識別名:リーパー【完結】   作:兎秤

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死神は堕ちた天使と戦った

 家に帰り怪我の治療をする為に、救急箱から包帯とガーゼを取り出す。傷口にガーゼを当てて包帯をぐるぐる巻きにしておいた。

 ひとまずはこれでいいとして、あの霊力はどこで感じたんでしたっけ?あれが多分、精霊を生み出している犯人の〈ファントム〉でしょう。実際、折紙さんも精霊になっていたし。

 

 既に、時間帯は夜になっており満月が空に浮かんでいた。何となく、月を眺めていると月が黒いモヤのようなもので遮られて行った。それと同時に膨大な霊力を感じた。

 

 ーーーーー反転した。

 

 

「なっ!?反転してる!?それにこれは・・・・・折紙さん?」

 

 霊力は反転しており、マイナス値を示している。しかし、それは確かに昼間感じた折紙さんの霊力だった。

 どういうことですか?この短期間で何か反転する要素が?

 疑問は尽きないが、とにかく今は士道の元へ行くことにする。玄関を開き、外に出る。そのまま、駆け出そうとするも意外な人物の登場に足を止めることになった。

 

「あら、千夜さん?そんなに慌てて何処へ向かうのですか?」

「時崎さん・・・・・悪いですけど、今はあなたに構っている暇はないんですけど」

「まぁ、そう仰らない下さい。知りたくないですか?折紙さんがああなった理由を」

「知ってるのですか?」

「いいえ、詳しいことは分かりません。ただ、そうなったまでの経緯は知っていますわ」

「・・・・・端的にお願いします」

 

 端的に話を纏めると次の感じだった。

 

折紙さん過去へ行く→過去で何かあった→時崎さんの能力の効力がきれて現在に戻ってくる

 

 つまり、過去で何あったってことしかわからないのだ。

 さて、ここからどうしましょうか。〈反転(フォールン)〉を使えば無理やりにも、通常状態へ戻せるかもしれないけど、精神が正常には戻らない。

 

「何か、方法はないのですか?」

「ありますわ。それには士道に協力してもらう予定ですわ。それはーーーーー」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 時崎さんの影の影を伝って、士道の所まで向かいます。この空間は慣れませんね。慣れるほどはいったことはありませんが。

 

「これは!?」

「お久しぶりですわね。士道さん」

 

 士道は時崎さんの影に囚われて身動きが取れなくなっており、その背後から私たちは姿を表す。声は出せないので会釈だけしておきましょう。変声機?電池切れです。

 

「狂三!?それに〈リーパー〉!どういうつもりだ!?こんな時に?」

「あら?士道さんともあろうお方がワタクシの目的を忘れましたの?こんな時にとおっしゃいましたわね。むしろ逆ではございませんこと?こんな好機を逃すてはありませんわよね?」

 

 あれ?時崎さん?予定と違うんじゃないですか?

 

「狂三!頼む!邪魔をしないでくれ!俺は、みんなを!折紙を助けなければならないんだ!」

「あぁ・・・・・無駄ですわよ。今の折紙さんには何者の声も届きませんわ。それが如何に士道さんの声でも・・・・・」

 

 時崎さん?遊んでないで、早くしてくださいよ?私を騙したなら覚悟しておいて下さいよ?と意味を込めて、大鎌を時崎さんに向けると、時崎さんはやれやれといった様子で首を竦めた。

 

「分かってますわよ。それでは始めますわ。〈刻々帝(ザフキエル)〉【十二の弾(ユッド・ベート)】」

 

 時崎さんがゆっくりと銃を士道のこめかみに近づける。

 

「さぁ、士道さん。戦争(デート)を始めましょう」

 

 そして、士道に【十二の弾(ユッド・ベート)】が放たれた。その瞬間、士道の姿はこの時間から消えていった。

 

「それでは、士道のサポートよろしくお願いしますね?」

「えぇ、千夜さんもお気おつけて」

 

 時崎さんの作戦は士道を過去に飛ばして、今を変えるというものだった。

 

 私は私で現在(いま)で今を変えるため戦いに身を投じるのだった。

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