いや、急遽なしになりました。だって、士道ディザスター編って千夜が入る隙が無さすぎる・・・・・
てか、気づけば1周年ですね・・・・・よし!今日は本気出す。
少女は失った記憶を思い出した
昨日、士道が精霊との霊力のパスが縮まってしまい、そのせいで暴走しました。なんとか、収拾がつきましたが、本当に肝が冷えましたよ。
そんな訳で、今は士道のお見舞いに来ています。
「士道、ちょっといいですか?」
「どうしたんだ、急に改まって」
いつもは、精霊の誰かしらが近くにいるし、士道も家事で忙しいため、今しか時間がなかったのです。
「私の過去について教えて下さい」
「なっ!?」
士道は驚いた顔でこちらを見ましたが、すぐに真面目な顔へ変わりました。
「千夜、いいのか?千夜にとって辛いものだと思うが・・・・・」
「いいんです、覚悟は決まっています」
「そうか・・・・・なら、話すのは彼女の事だな。魂月千陽について」
士道の話を通して、少しづつ記憶の欠けたとこ埋めて行きます。大火災の前に事故で死んだ両親の事、そして大火災で行方不明となった妹の事を・・・・・
「ッツ!ぐっがぁああ!?」
士道の話を一通り聞くと、激しい頭痛に襲われました。必死に耐えていると、5年前の大火災の記憶が蘇ってきたのでした。
━━━━━━━━━━━━━━━
「やーちゃん、早く逃げないと」
「はるちゃん・・・・・逃げるってどこに?」
「いいから、いくよ!」
幼い私は酷く臆病だった。双子の妹は私にとっては太陽のように眩しく、私はいつもその陰に隠れていました。
大火災の日も私は動けずにいましたが、妹が私の手を引き避難を促してくれました。これでは、どちらが姉かが分かりません。
そして、その時はやってきました。
逃げる最中、家が私たちの方へ崩れてきたのです。とっさの事で、妹を突き飛ばしました。しかし、突き飛ばした方に大きな瓦礫が落ち、妹はその瓦礫に潰されてしまいました。
自分がもっと早く避難していれば・・・・・
自分がもっとちゃんとお姉ちゃんをしていれば・・・・・
自分があの時、妹を突き飛ばさなければ・・・・・
後悔は次々と積み重なり、そして私はそのまま瓦礫に埋もれていきながら意識を失っていきました。
━━━━━━━━━━━━━━━
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
「おい、千夜!大丈夫か!?」
「はい、ありがとうございます。全部、思い出しました。両親の事も、大火災の事も、そして・・・・・千陽の事も」
「そっかぁ・・・・・」
何故、私が小さい子に甘かったのか?
それは、ただ千陽に出来なかった分、いいお姉ちゃんをしたかったから。
何故、今の私が昔とは逆に活発なのか?
それは、ただ千陽に憧れていたから。
色々な感情が胸の中を渦巻き、気持ち悪くなります。自然と目から涙が、口から嗚咽が零れます。士道はただ私を落ち着けるよう、黙って胸を貸してくれました。
しばらく、泣いてスッキリしてから、慌てて士道から離れます。
「すみません・・・・・」
「あぁ、気にしなくてもいいぞ。また、俺の胸で良ければいつでも貸すぜ?」
「ぷっ・・・・・なんですかそれ」
「あははは」
士道が場を和ませようと、少しおちゃらけた感じでそう言い、なんともない事で2人で笑ってしまいます。
ひとしきり、笑った後で私は荷物をまとめて帰る準備をします。
「千夜、しっかりと暖をとった方がいいぞ。お前の体、めちゃくちゃ冷たかったから」
「冷え性なんですよ、多分」
冷えた体とは裏腹に、心は暖かい気持ちでいっぱいでした。昔の事を思い出した。それは、両親や妹のことだけではありませんでした。
「ありがとうございました、士道」
私は記憶と共に封じられていた、士道への
【今後の予定】
当初の予定では澪トゥルーエンドぐらいまでやる予定でしたが、二亜クエッションの後にオリジナル章を入れて終了となる予定です。