と゛お゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛!
さて、二亜さんに士道達の本を読んでもらえることになりましたが・・・・・それだけでは上手くいく気もしませんし、ここからどうしましょうか。
今回は、二亜さんが暴れる心配もないのでASTと戦う心配もありませんし、何故かDEM社も大人しいです。つまり、1番の
そう思い、帰路につこうとした私は嫌な霊力を感知しました。
「な、なんで・・・・・?この霊力は・・・・・反転?」
━━━━━━━━━━━━━━━
私は〈
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでっ!?
二亜さん自身に異常はなかったはず!士道達がやらかした可能性も低いと思いますし、むしろいい方向に向かっていたはず・・・・・なのに何故?!
「・・・・・DEMが何か仕組んでいた?」
そう考えると今回、いや二亜さんが脱出してから殆どDEM社が干渉して来なかったことに説明がつきます。
しばらくすると目的地までたどり着くことが出来ました。精霊組はそれぞれ状況に対応するため天使を顕現させています。それを邪魔するのが2人のウィザードと1人の男。ウィザードの片方はエレンさん。片方は見た事はありませんがエレンさん並の力を持っていると思われるウィザード。そして、その2人に守られるように立っている男、アイザック・ウェストコットがそこにはいました。
そして、私はあることに気がつきました。
「・・・・・嘘でしょ?・・・・・二亜さん?」
二亜さんには殆ど霊力は残っておらず、二亜さんの霊力だった物らしき宝石はアイザックの手の中にありました。あの宝石を取り返さないと二亜さんが危ない、そう本能的に感じた私は考えるよりも先に飛び出しました。
「それを返してぇぇえええ!!!」
アイザック目掛けて大鎌を振り下ろしますが、テリトリーに阻まれ届かず押し戻されてしまいます。更にそこへ追撃を受けますが何とか防ぎきることに成功しました。しかし、私への攻撃はそこで終わっていませんでした。
私の左腕が切断されたのでした。
「ーーーーーっつ!?」
「ちぇ・・・・・避けられちゃったかぁ」
「ぁぁああああああああああああ!?」
後ろからの第4の敵の存在。普段の私なら気が付かない事はあり得ませんでしたが、二亜さんの反転への動揺や精霊が集まったことにより周りの霊力反応が密集によって、人1人の霊力を見落としてしまっていたのです。ギリギリで感じた殺気で致命傷は避けれましたが、斬られた左手は地面に落ち、切断面からは血がボタボタと大量に流れ落ちていました。
〈
「【
生命体を成長させる能力を使い、傷口だけでも塞ごうとします。しかし、何故か傷口が塞がることはなく血は垂れ流しとなっていました。
「くっ!・・・・・!?は、はる・・・・・ちゃん?」
解決を諦め、敵を見定めるとそこに居たのは妹の千陽でした。はるちゃんは私が名前を呼ぶと心底不機嫌そうな顔と声色で返事を返してきます。
「だ・か・らっ!!その顔とその声で私を呼ばないでくれるかな?!」
「はるちゃん、私だよ?やーだよ?」
「うるさいっ!やーちゃんを侮辱するのも大概にしてよ!やーちゃんはもう居ないんだよ!」
「それは、おじいちゃんが嘘を!」
「うるさいうるさいうるさいっ!」
話を全く聞いてくれません。それに、はるちゃんに拒絶されたのに心が痛みます。おじいちゃんが嘘をついていた事、私は生きていた事をそれを伝えれば、はるちゃんは分かってくれる。そう思っていたのですが・・・・・
「千陽、落ち着いてください。1度撤退します」
「なんで!?」
「アイクの命令です。それに、今のままではあなたの願いは達成できませんよ?」
「・・・・・ちっ、わかったよ」
空へと消えていく、はるちゃんに私は手を伸ばす事が出来ませんでした。