次の章もなるべく、早くするつもりです。
斬られた左手からは、血がもう残ってないのか、流れることが無くなりました。しかし、断面は依然として生々しいままでした。
「血が固まって瘡蓋にならないし、血が大量に流れたのに異常は無い・・・・・私の体は一体どうなってしまっているのでしょうか?もしかして・・・・・いや、でもまさかそんな事がありえるのでしょうか・・・・・?」
とりあえず腕には包帯を巻いておきましたが意味は無さそうですね。さて、このままだと絶対に士道達にバレてしまいますね。左手が無いのも不便ですし・・・・・
「・・・・・仕方がありません、あの人を頼りますか」
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「ふむ・・・・・
「すみません、令音さん。ご迷惑をおかけします」
私が頼ったのは令音さんです。困った時はこの人に頼ればだいたい何とかなる気がします。でも、千切れた腕でも1日で治る
「令音さん、やっぱり私の体は・・・・・」
「あぁ、随分前からだが・・・・・君の予想どおりだよ。少なくとも、君が〈スペクター〉になった時に検査をしたが、既にそうだったよ」
「それを士道達には・・・・・」
「もちろん伝えてはいない」
「お気遣い、ありがとうございます」
因みに私は今、フラクシナスの治療室で診察中なのですが、隣の部屋では士道達が二亜さんのお見舞いに来ているのでバレそうで怖いです。
そう、二亜さんは助かりました。二亜さんはアイザックに殆どの霊力を持っていかれたそうですが、少しだけ体に残っていた事で一命を取りとめたそうです。士道の呼び掛けで、二亜さんが少しだけ正気を取り戻し、反転していた霊力の一部が正常になり、その正常な霊力だけが残ったそうです。流石士道、いい仕事をします。
しかし、問題もあります。アイザックが二亜さんの
「それで、その左手だが・・・・・やはり再生は見込めない。こちらで、義手を用意するから少し待ってくれ。あぁ、心配しなくても琴里にもバレないように用意するよ」
1週間後、私の左手に義手が取り付けられました。見た目や触った感じは殆ど本物と相違なく、動かすのも違和感がありませんでした。
「かがくのちからってすげー!」
私は思わず、そう叫びました。