識別名:リーパー   作:兎秤

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 美衣って「まじ引くわー」以外喋るんですね。びっくりしました。
 凛祢ユートピア編は全部書けたら一気に投稿します。

 お気に入り登録、誤字報告ありがとうございます。


少女は自身の謎に触れた

 琴里ちゃんから真那ちゃんの情報が来ました。Deus Ex Machina Industry(デウス・エクス・マキナ・インダストリー)、通称DEM社の派遣社員らしいです。DEM社は基本的にASTが使っているような兵器を作っている所のようです。

 会社はかなりマズイ所から来ているらしいですが真那ちゃん自体は悪い子には思えません。まぁ、少し喋った程度ですがーーーーー

 

 

「士道の実妹ですか、なら私の妹ですね。私は魂月千夜です。お姉ちゃんでも姉上でも姉様でも好きに呼んでください」

「いや、なんで俺の妹なら千夜の妹になるんだよ」

「姉様?でも、鳶一の姉様もいやがりますし・・・・・兄様!どうなってやがりますか!?」

「誤解だ!」

 

 

 ーーーーーってな感じでしたし。あっ、そう言えば最後不思議な事を言っていましたね・・・・・たしかーーーーー

 

「貴女に姉妹はいやがりますか?」

 

 ーーーーーでしたっけ?

 いませんけどね。だからこそ妹に憧れを持っているのではないですか。

 なんで、そんなことを聞いたのでしょうか?っと、着きましたね。それにしても、相変わらず大きなとこですね。

 

「ちーちゃーん!ーーーーーぐぇ!?」

「あれ?お爺ちゃんどうしましたか?」

「うぅぅぅ・・・・・なかなかいい右ストレートじゃったぞ。これなら世界を目指せるぞ」

「目指しませんから」

 

 飛び付いてきたお爺ちゃんを殴り飛ばします。いつもの事です。

 部屋に中に進みます。部屋に入ると中居さんが料理を並べていました。

 

「中居さんお久しぶりです」

「お嬢様、お久しぶりです。腕によりをかけて作りましたので味わっていって下さいね」

「はーい」

 

 お爺ちゃんの対面に座り食事をすすめます。相変わらず、美味しいです。

 料理に舌鼓を打っていると、お爺ちゃんが箸を置き真剣な目をして口を開きました。

 

「千夜、お前は何故あそこで倒れていたんだ?」

「あそこ?」

 

 そう言えば、意識不明になっていたんですよね。体は何処にあったかは聞いてませんでしたね。

 

「今、お前が住んでいる家だ」

「今の家?」

 

 なんで、そこに行ったのでしょうか?その日より前の数日間の記憶がないんですよね・・・・・

 

「中居さんが鍵がないのに気が付かなかったら今頃どうなっていたことやら」

 

 中居さん、ありがとうございます。

 

「私はどの程度、行方不明になっていたのですか?記憶が少し曖昧で」

「帰ってこなくて探し出して1日目に見つかったな」

「・・・・・結構早く見つけたんですね」

「心配したからな」

 

 お爺ちゃんは両親が死んでから何かと気をかけてくれています。当時の私はショックを受けたせいで、かなり記憶が曖昧ですが・・・・・

 

「お爺ちゃんは何か心当たりはありますか?」

「・・・・・・・・いや、ないな」

「そうですか」

 

 お爺ちゃんは何か隠しているみたいですが私の為でしょう。聞かないでおきます。

 

「・・・・・いや、これは渡しておくか・・・・・これが、近くに落ちていた」

「コレは・・・・・」

 

 それは、金色ヘアピンでした。三日月型の飾りが付いたヘアピン。あれ?どこかで見たような・・・・・

 

「ッツ!!?」

「千夜!?」

「あ、あ、あぁぁぁぁああああああああぁぁぁ!!」

 

 急に頭が割れるように痛みが走り、吐き気と目眩がします。それと同時に何かが流れ込んできます。

 

 あ、頭が痛い・・・・・割れるようだ・・・・・それに・・・・・なにかが、頭にーーーーー

 

 

『千夜』

『千夜ちゃん』

 

 

 ーーーーーこれはお父さんとお母さん?・・・・・それにーーーーー

 

 

『やーちゃん』

 

 

 ーーーーーあなたは、誰ですか?

 ーーーーー誰なんですか?

 ーーーーー誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだだれだダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダダレダ

 

 ーーーーーアナタハイッタイダレ?

 

「千夜!!」

「っはっ!ーーーーーはぁはぁはぁはぁはぁ・・・・・・・・・・」

「大丈夫か!?」

「お、お爺ちゃん?」

 

 今のは一体何だったのでしょうか?うっ、また頭の中がぐちゃぐちゃしてきました。わからないことばかりですがひとつ思い出した事がありました。

 

「これ、お父さんとお母さんにプレゼントで貰ったヘアピンでした・・・・・」

「千夜・・・・・全部、思い出したのか?」

「全部?なんのことですか?」

「そ、そうか」

「うっ、お爺ちゃん・・・・・もう限界・・・・・です・・・・・」

 

 ヘアピンを握りしめながら私は倒れた。

 

 薄れゆく意識の中、今さっき頭に流れてきたあの声を思い出しますーーーーー

 

 

『やーちゃん』

 

 

 ーーーーー誰の声かはわからない、けど何故かひどく懐かしくて暖かく、そして寂しく感じました。

 




 明日の投稿まで『死神は少年と悪夢を救った』が消えます。

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