あと、そのうちに千夜のアイザック・ウェストコットの呼び方を全部変えたいと思います。
少女は死神である事を認めた
アイザックを探して動き回っていましたが、結局見つける前に士道たちは脱出したようで、そのままフラクシナスに乗って六喰ちゃんの封印へ向かいました。
結果は〈
六喰ちゃんは士道を回収する時には姿はなくどこかに行ってしまったらしいです。まだ、心を開けただけで霊力の封印は出来ていない為、無事でしょうけど何処に行ったのでしょうか?
これまでの過程はさて置き・・・・・
「それじゃあ、千夜姉。納得の行く説明をお願いできるかしら?」
「千夜・・・・・やっぱり、お前が〈リーパー〉だったんだな」
・・・・・これをどうしましょうか。
まぁ、士道の目の前で霊装を纏いましたし、ラタトスクの基地で職員を守るために色々やりましたから当たり前といえば当たり前ですが・・・・・
ここまで、大人数にバレてしまっては仕方ありません。多分ラタトスクの多くの職員やデータとして記憶・記録されているでしょう。記録の方は鞠亜ちゃんに頼めば何とかなりそうですが、記憶を弄るのは流石にこの人数となると無理ですね。
「そうです。私が〈リーパー〉です・・・・・っと、四糸乃ちゃん。美九さん。ちょっと、こっちに来て私の手を握って貰えますか?」
「私・・・・・ですか?」
「いやーん!千夜さんにご指名されちゃいましたぁ、ぺろぺろしていいですか?」
「ダメです。それでは、〈
「なっ!?千夜!?」
「何するつもり!」
四糸乃ちゃんと美九さんの手を繋ぎ、そのまま天使を顕現させます。士道と琴里ちゃんが警戒して声を上げますが、別に危険なことをする訳では無いです。
「大丈夫ですよ。【
「・・・・・え?えっ!?」
「これは・・・・・っ!?この記憶は・・・・・どういう事ですかぁ?千夜さん」
「今まで奪っていた2人の私との記憶です。2人は前々から私が精霊だと知っていましたから」
「つまり、四糸乃と美九。2人は何らかの理由で千夜姉が精霊であることを知っていた。でも、それを私たちにバレないように千夜姉が記憶を弄っていたってこと?」
「その通りです、琴里ちゃん。2人には申し訳ないことをしました」
「私は・・・・・大丈夫ですっ!」
「私もちゃんとした千夜さんとの思い出が取り戻せたので全然気にしていませんよぉ」
私が頭を下げると、四糸乃ちゃんと美九さんは快く許してくれました。天使かな?精霊でした。
「なんで、千夜は精霊って事を隠していたのだ?」
「疑問。ラタトスクを信用してなかったのでしょうか?」
「確かに夕弦ちゃんの言う通り、ラタトスクと言う組織が胡散臭いとは思っていましたよ?でも、理由はそうではありません」
「胡散臭いとは思っていたのね・・・・・」
耶倶矢ちゃんと夕弦ちゃんの質問に答えると、琴里ちゃんが微妙そうな顔をしました。まぁ、自分が所属する組織ですし仕方が無いといえば仕方が無いですが。
「別に琴里ちゃんの事を疑ってた訳じゃないですよ?少なくともフラクシナスのメンバーは信頼しています」
「じゃあ、なんでよ?あんたは士道の近くで精霊が危険な目に遭ってきているのを見てきたんでしょ?それなら保護を求めるものじゃないの?」
「まぁ、確かに七罪ちゃんの言う通りなんですけどね。私が士道達に精霊であることを隠していた1番の理由は士道を守るためなんです」
「俺を・・・・・守る?」
士道はキョトンとした顔をして聞き返してきました。
「そうです。時崎さんや未知の精霊、DEMから士道を守るためです。士道が他の精霊の子たちの事を思って危険なことをしていたのは知っています。その士道の気持ちを否定したり行動を邪魔したりするつもりはありません。それを決めたのが他でもなく士道なら私はそれを受け入れます。そして、私は少しでも士道の危険を減らせるように動くだけです」
「俺は・・・・・千夜にも危険なことをして欲しくはないんだが・・・・・」
「知っていますし、分かってもいます。でも、それだけは頷けません」
「なんで!」
「士道を守れる人がいなくなるからですよ。私は士道が傷付くのは極力見たくはないんです。だから、もし士道に嫌われるようでも霊力は士道が安全と分かるまで封印はさせれません」
「それでも、俺は・・・・・っ!」
そこまで言うと士道はすっかり押し黙ってしまいました。今後、士道が口を挟んでくる可能性はありますが、今日はもうないでしょう。
「私達ではシドーを守れないというのか!」
「士道を守るのは私で十分。故に魂月千夜が完全体の精霊である必要性がない」
そう十香ちゃんと折紙さんが封印を促して来ますが頷くことは出来ません。
「不十分だからこうしているんです。十香ちゃん、折紙さんが襲って来た時に完全体にならず折紙さんを止められましたか?折紙さんも今のアイザックに有効となる攻撃を放てましたか?無理でしたよね?」
「うぐっ・・・・・それは・・・・・」
「・・・・・」
十香ちゃんと折紙さんはそれ以上反論できないのか、言葉を詰まらせました。
『士道、私は千夜の意見に賛成です』
「悪いけど少年。あたしも賛成だわ」
そこで、私の意見に賛成する人が現れます。鞠亜ちゃんと二亜さん。私の正体を今の今まで士道に隠していた2人です。
「2人は千夜が〈リーパー〉だって事を知っていたのか?!」
『はい。千夜から口止めをされていましたし、私自体それが有効的だと考えていましたから』
「そもそも、あたしをDEMから助け出してくれたのはちーちゃんなんだよね。あたしは、ちーちゃんの事を〈
「何を調べたんですか・・・・・」
本当に権利の侵害ですよ、その天使・・・・・
「それで千夜姉をそのまましておいた方がいいと結論づけた理由を教えて貰っていいかしら?」
「んー、ぶっちゃけちーちゃんの〈
『さらに、死神のような物を生成して戦わせる事でバンダースナッチやウイザード達の量にも対抗出来ますし、エレン・メイザースのような質の高い相手にも戦えます』
「確かに、かなり有用ね・・・・・」
琴里ちゃんは今までの私の戦いを思い出しつつ、そう呟きました。そして、少し悩むような仕草をした後に決心したような顔になりました。
「・・・・・わかったわ。千夜姉の封印は1番最後にしましょう」
「琴里!?」
「諦めなさい、士道。千夜姉は戦いが終わったあとでも大丈夫よ。絶対に逃げたりしないから」
「なんでそんなことが分かるんだ?」
「そりゃあ、千夜姉はあんたの事「わぁー!琴里ちゃんスットプスットプ!」おっと、ごめんなさいね」
「ん?俺がどうかしたのか?」
「なんでもないです!いいですね!」
「あっ、はい」
士道を黙らせることに成功しました。まったく、琴里ちゃんはなんてことカミングアウトしようとしてるんですか。ニヤニヤしてますし絶対故意でしょ!というかなんで知っているんですか!
『私の本体の解析結果です』
「どうも説明ありがとう!」
私は鞠亜ちゃんの答えにやけくそ気味に答えたのでした。