はぁ・・・・・六喰ちゃんに1杯食わされてしまいましたね。私はいつも通り目を覚まし昨日の夜のことを思い出します。
私の記憶が閉じられていないのは解除したからです。確かに1度【
さて、これからどうしましょうか。みんなの記憶のロックを解いてもいいのですが、六喰ちゃんが気がついたらまた鍵をかけられてしまいそうですし、そうなるとイタチごっこになってしまいます。みんなの記憶に鍵をかけるのに時間を使わせるより、少しでも士道とのデートをして士道にどうにか説得してもらった方がいいでしょう。
うーん・・・・・今日は普通に学校ありますけど、こんな状況ですし休みましょうか。あとは、士道にメールをしておきましょうか。直接会うと六喰ちゃんに記憶が閉じられていない事がバレてしまいますし。
私は士道に現状の予測と、自分と接触しないことをメールに書き込み発信したのでした。
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次の日の休日。
「本当になんでこうなったのでしょうか・・・・・」
私は目の前で繰り広げられている状況に頭を悩ませていました。
「あーん、だ。口を開けろ。開けなければ代わりに頬に風穴を空けるぞ」
「そんな奇っ怪な女の言うことなど、耳を貸すってないぞ、主様。言動から見てもまともな頭を持っていないことは明白じゃ。それよりほら、むくの方を向くのじゃ」
「なんだと、貴様」
「なんじゃ」
場所はメイド喫茶。その一角にいるのは私と1人の少年と3人の少女。士道に六喰ちゃん、十香ちゃんに折紙さんです。
ただし、折紙さんはこの世界のキレイな折紙さんで、十香ちゃんは反転している状態なのです。折紙さんは記憶を閉じられた為、普段表に出ている元の世界の折紙さんとチャンネルを切り替え、士道の記憶を閉じられていないこの世界の折紙さんが出てきるているそうです。
十香ちゃんの方は折紙さんの憶測ですが、記憶を閉じられたことで、士道を失ったという感情が無意識化にたまった結果、反転してしまったのでは無いかと考えられています。
士道を奪われるのを嫌がる六喰ちゃんと、士道に前回の顕現の際の雪辱を晴らしたい反転十香ちゃんが喧嘩を・・・・・いえ、精霊同士の戦いなのでそんな可愛いものではありませんでしたが。とにかく、戦いを始めてしまったのですが、裏の折紙さんの説得により、現在のような状況になっている訳です。
六喰ちゃんには士道は争い事が嫌いだと教えて、反転十香ちゃんには士道に力で勝ったとして、力で勝った訳では無い士道にそれで勝ったと言えるのか?とさとして、力ではなく士道の心を手に入れた方が勝ちとするように仕向けました。
裏の折紙さん優秀すぎません?もうずっとそっちでいいんじゃないですか?
「なんじゃ。てっきり主様にあーんをしていたのかと思うたが、むくに食べさせようとしてくれていたようじゃの。むん、まさかむくの唇でも狙っておるのか?」
「その言葉、そのまま返そう。私の前で果実を無防備に晒すとは、私に献上してるのと変わらんぞ」
さて、心を手に入れるにはどうしたらいいかという質問に裏の折紙さんが・・・・・いい加減長いですね。裏紙さんでいいですか。チラシ裏の再利用みたいですけど。
裏紙さんが「あーん、をするとか・・・・・?」といったせいです。それによって六喰ちゃんと反転十香ちゃん、略して
「さぁ、一緒に!美味しくなぁれ!萌え萌えきゅん!」
「「美味しくなあれ、萌え萌えきゅん」」
私はメイドさんに従って手でハートを作りながら、困惑しながらする六喰ちゃんと無表情のままする転香ちゃんを見ながらため息をつくのでした。