放課後。昨日のことをぼんやりと考えていました。髪には昨日のヘヤピンを付けています。
「一体どこの誰なのでしょうか・・・・・」
答える人はおらず質問は風に消えていきます。他にも色々気になることがあります。私が貰ったヘヤピンはこれだけの筈なのに足りない気がして仕方が無いのです。
悩んでいても仕方が無いなと帰ろうとした瞬間、突然不思議な感覚に襲われました。気のせいかと思いましたが周りの人達は倒れ込んでいます。
それにこの霊力は・・・・・
「時崎さんですね・・・・・」
いったい学校で何をやるつもりでしょうか?それにしても、これは霊装無しだときついですね・・・・・
私は霊装を既に纏っています。周りはみんな倒れているので問題はないでしょう。時崎さんの本体は・・・・・屋上ですね。
『士道さん、聞こえますか?うふふ、
・・・・・それにプラスして士道の呼び出しですか・・・・・行かないと、まずいかも知れませんね・・・・・士道は絶対に行くでしょうから。
そう思い、屋上に向かおうとしたが私の行く先を塞ぐ影が現れます。
「この先は行かせませんわ」
「時崎さんですか・・・・・それに分身の方ですね?まぁ、分身が正しい言い方かは分からないですが」
「あらあら、よく分かりますわね」
「霊力の量が違いますので、簡単にわかりますよ」
「それは、少し厄介ですね・・・・・」
「ひとつ聞いていいでしょうか?」
「なんでしょう?」
「貴女は何故、士道を狙うのですか?」
理由を解決させることが出来るならそっちで和解ができるかもしれません。戦わなくていいならそちらの方がいいですし。
「何故ですか・・・・・貴女は人間だった記憶があるみたいですし、精霊を生み出す存在を知っていますわよね?」
「・・・・・」
本当は知らないですが、ここで話を折る訳にはいきません。あえて、返事はせずに沈黙します。
"いいえ"と言わないのが重要です。
「私の目的はその精霊を殺すことですわ。その為にも士道さんの中にある霊力が必要なんですの」
「なるほど。あなたの考えは分かりました」
つまり、殺したい存在がいてその相手を倒すために約4人分の霊力を保持している士道を狙っているわけですか。何があったのかは分かりませんが、かなり強い気持ちのようですね・・・・・でもーーーーー
「ーーーーーそれでも、士道を殺させてあげる理由にはなりませんがねっ!〈
「っ!」
いくら霊力が多くなると効きづらくなる【
「【
大鎌で時崎さんを切り裂きます。しかし、体には傷一つつきません。変わりに魂と霊力を全て持っていきます。時崎さんはその場に倒れ込み消えました。やはり、私の【
あれ?十香ちゃんの霊力がありますね。あちらでも戦っているのでしょうか?
そんな事を考えていると時崎さん達が影から這い出てきます。
「貴女の存在は面倒ですの」
「だから、ここで」
「足止めさせてもらいますの!」
「何人出てくるんですか!?」
私は時崎さんの分身達との戦闘を再開しました。