最終決戦の日が決まりました。4日後の2月20日にDEMがその総力をもって士道を殺しに来るそうです。時崎さんの分身体が本体の決断を破って伝えてくれました。それにより、フラクシナスでは緊急会議が開かれました。
会議では、逃避・交渉・対立のどの対応をするかという既に答えが出ているような事から、大量に襲って来るであろうバンダースナッチやニベルコルの対処方法についてでした。バンダースナッチは折紙さんが、ニベルコルは鞠亜ちゃんが対応方法を考えついたみたいなので一安心です。〈
二亜さんが止めてくれていなければ敵に対処方法がバレてしまい対策をはられていたかも知れませんし、珍しく二亜さんがいい仕事をしましたね。それにしても、人の思考と未来の事象は検索出来ないなんて知りませんでした。〈
会議後は各々が最終決戦に向けて準備を始めました。
私は、1日かけて鞠奈さんのデータをフラクシナスに移行していました。今回の戦い、フラクシナスもかなり襲われるでしょうし、機体の計算スペックを少しでもあげておいた方がいいと思いましたので。鞠亜ちゃんは私一人でも十分ですって言っていましたけど、人手は多いに越したことはありません。ついでだったので、凛音や万由里ちゃん、あとは安定化させるだけの凜緒ちゃんもフラクシナスのデータへ移しておきました。これで、一安心です。
折紙さんと真那ちゃんは最終決戦当日にDEMの要請で戦場に出てくる可能性がかなり高い、ASTに当日はDEMの要請を無視して欲しいと釘を刺しに行きました。これで、ASTが引き下がってくれると、ASTの相手をしたり守ったりしなくていい分少しだけ楽になります。折紙さんと真那ちゃんに期待しましょう。
十香ちゃんや四糸乃ちゃん、七罪ちゃんに六喰ちゃんは、みんなの差し入れのおにぎりを作っていました。いい子たちですね。
そんないい子たちと比べて、八舞姉妹と美九さんと二亜さん・・・・・何やってるんですか?このタイミングで古今東西エロくないのにエロく聞こえる言葉って・・・・・。リラックスしているのはいいと思いますが、小さい子立ちを見習ってください・・・・・
深夜。
私は、美九さんのせいで目が覚めてしまい、フラクシナス艦内を散歩していました。寝てる状態で人のベットに潜り込んでくるなんて、どうなっているのでしょうか?他の子に危害が行かないように縛り付けておきましたが、美九さんだったら寝たまま抜け出しそうなのが怖いです。
散歩の終着点のフラクシナスの休憩エリアには既に先客がおり、紙コップを片手に星空を見上げていました。
「士道?」
「おう、千夜。どうした?眠れないのか?」
「美九さんの寝相の被害に会いまして・・・・・というか、それをいうなら士道こそどうしたのですか?明後日・・・・・いや、日付は変わっていますから明日は決戦ですから早く寝て体を休めないと行けませんよ?戦いが近くて緊張するのは分かりますが」
「あぁ・・・・・いや、それもあるんだが」
「他に心配事でも?」
「狂三のことを・・・・・な」
士道は時崎さんの過去を追体験していたと言っていましたし、なにか思うことでもあったのでしょうか?
「狂三は・・・・・俺が絶対に救ってみせる。それが、狂三に何度も命を救われた俺の責任であり、使命だ。でも、俺の思う『救い』が、本当に狂三にとっての『救い』になるのか・・・・・正直なところ、わからないんだ」
追体験により士道は時崎さんの過去を、そしてその覚悟を間近で感じ取ってしまった故にこうした迷いが生じてしまっているのでしょう。でもーーーーー
「はぁー・・・・・士道。今更、何を言っているんですか?」
「何って・・・・・俺は真剣に」
「確かに、士道がやろうとしていることは時崎さんにとって余計なお節介かも知れません。でも、士道の余計なお節介は今に始まったことではないでしょう。そして、その余計なお節介によって何人もの娘達が救われているんですよ。なら、今まで通りに士道は余計なお節介を焼き続ければいいんですよ」
「だけど・・・・・」
「なら、全部総取りすればいいんですよ、八舞姉妹の時のように。士道が、時崎さんのしたい事を代わりにやってしまえばいいじゃないですか。例えば、最悪の事態だけを士道が過去に飛んで回避させるとか。とにかく、士道はそのまま余計なお節介を焼き続ければいいんですよ」
「余計なお節介って言い過ぎだろ・・・・・でも、ありがとうな。上手くいくかは分からないけどやってみせるさ。あと、狂三の後はお前だからな、千夜。お前も俺が絶対に救ってみせるからな。じゃあ、おやすみ」
そう言い、士道は吹っ切れた様子で立ち上がり、私を残して休憩エリアを出ていったのでした。