死神は神と対峙した
私が士道がいる場所を目指して飛んでいると、辺りの風景がその姿を急に変化させました。乱戦によって破壊された天宮市の街並みが一瞬にして消え、白と黒で構成された幾何学的な空間に変貌したのです。 さらにそこには、10のよく知る少女の死体と士道。そして、その中央には見慣れた女性が立っていました。
「・・・・・来たか魂月千夜。君が最後だ。さぁ、私の力、返してもらうよ」
「令音・・・・・さん?」
「・・・・・うん、それも間違えではないけど、私にはシンにつけてもらった澪って名前があるんだ」
始原の精霊〈デウス〉、そして精霊を生み出していた存在〈ファントム〉、そして士道の夢に出てきていた謎の少女、この全ての正体は令音さんだったのです。正確に言うなら、令音さんの正体が澪という少女だったということになりますが。
私なら、この最悪な状況を変えれたかもしれないと、私は自責の念に押しつぶされそうになります。私は令音さんから感じた霊力を口外せずにそのままにしていました。最初は自分の正体を隠すためでしたが、〈リーパー〉である事がバレてからも誰にも言うことはありませんでした。どこかで、士道とパスが繋がっていることに安心しきっていたのでしょう。士道に惚れているなら大丈夫と決めつけていたのでしょう。しかし、その結果がコレです。もし、私が誰かに相談していたら?もし、私が令音を怪しんでいたら?そんな、考えが押し寄せてきます。
「千夜!!」
「っ!?」
士道の呼びかけにハッとし、いつの間にか迫ってきていた光の帯のようなものを避け士道の方へ駆けていきます。完全ではないにしても、精霊を10人殺した存在。そんな相手と戦いながら士道と戦うなんてことは無茶であると考え事、その場を離脱しようと考えたからです。明らかに殺意を持って伸びてくる光の帯を【
「させないよ・・・・・っ!?」
逃がさまいと手を伸ばし光の帯を差し向けてきた令音さんが急に驚きの表情を見せ動きを止めました。令音さんの纏う霊装に輝く10の星の1つに突然亀裂が入ったのです。
『ーーーーーぉぉぉおおおおおっ!』
そして、令音さんの霊装の1部が内部から切り裂かれるように弾け飛んだと思うと、その中から〈
思い返してみると、倒れていた死体の数は10人。1人分足りなかったのです。まさか、取り込まれていたとは思いもしませんでしたけど・・・・・
十香ちゃんは、私の隣で士道を守るように令音さんに立ちはだかります。
「シドー!千夜!無事か!」
「十香・・・・・!?」
「十香ちゃん・・・・・」
「まだ終わってはないぞ。ーーーーーさぁ、立つのだ、シドー!行くぞ、千夜!」
十香ちゃんの言葉に私たちは力強く頷くのでした。