識別名:リーパー【完結】   作:兎秤

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 正月休みの終わりにより、またプチ失踪(予定)します。

 予定としては、あと一章とエピローグの予定です。



死神は未来を少年に託した

「十香ちゃんの霊力・・・・・いえ、存在そのものが(・・・・・・・)消えた?」

「は・・・・・?何を―――」

 

 私の呟きを聞いた、士道が訳が分からないといった感じに聞き返します。それに答えるように澪さんが答えました。

 

「―――千夜の言ったとおりだ。もう、いない(・・・)んだよ。どこかへ飛んだわけでも、死んだわけでもなく―――消えて無くなったんだ(・・・・・・・・・・)

「・・・・・何、を・・・・・」

「無の天使〈   (アイン)〉は、あらゆる条理を無視し、全てのものを『消滅』させる。―――もう一度言うよ。十香はもういない。この世界のどこにも。―――さて、千夜。次は君の番だ」

「っ!?逃げろ!千夜!」

 

 澪さんはゆっくりと私をその目でとらえ、手を伸ばします。士道が慌てて声を上げますが澪さんは残酷にもその天使の名を呼ぼうとします。しかし、その名が呼ばれることはありませんでした。再び、〈   (アイン)〉を呼びだそうとした澪さんの手に銃弾が撃ち込まれたのです。そして、それと同時に聞き覚えのある笑い声が聞こえてきました。

 

「―――きひひ、ひひ」

 

 黒と赤のドレスのような霊装。左右不均等に結ばれた黒髪。そして、左目に金色く輝く時計の文字盤。そう。そこに居たのは―――

 

「狂三・・・・・!?」

「時崎さん・・・・・!?」

 

 時崎狂三、その人でした。

 

「な・・・・・ど、どういうことだ!?お前は澪に殺されたんじゃ・・・・・」

 

 いや、よく見ると時崎さんですけど時崎さん本人では無いです。この時崎さんは、分身の時崎さんなのです。

 

「・・・・・【一 一の弾(ユッド・アレフ)】か」

「―――ご名答ですわ、澪さん。わたくしはおよそ1時間前の過去から未来を託された、時崎狂三の分身体。あなたを殺すために遣わされた、最後の刺客ですわ」

 

 時崎さんは、【一 一の弾(ユッド・アレフ)】。士道を5年前に送った【一二の弾(ユッド・ベート)】の反対の弾。対処を未来へ送る弾を使い、過去からやって来たようです。

 

「狂三、おまえ、一体何を―――」

「先程申しましたでしょう。澪さんを倒しに来たのですわ。―――あぁ、でももう1つ。―――士道さんとのキスの感触が忘れられなかったのかもしれませんわね」

「「なっ!?」」

 

 士道ってば、いつの間に時崎さんとキスをしたんですか!?って、あれ?それなら、まさか・・・・・

 私はまさかと思い、時崎さんを見ると目が合いました。すると、時崎さんはニッと唇の端を歪めました。

 

「なるほど。―――時崎さん!私が突っ込んで行くので援護をお願いします!」

「分かりましたわ!」

 

 時崎さんの横を通り過ぎ、澪さんへと大鎌を振り下ろします。私の攻撃は十香ちゃんと同じく、澪さんの力を含んでいる為、当たればそこそこのダメージになる筈です。それを分かってか、澪さんは淡々と私の攻撃を躱しています。

 私の攻撃は当たりませんし、時崎さんの攻撃はそもそも通じていません。でも、それでもいいのです。これは、単なる時間稼ぎにすぎません。あとは、士道が気づいて行動に起こすだけなのです。

 

 澪さんは虚空から現れる枝や根、光の帯を放ってき、私は1つ1つ対処していきますが、手数が足りません。やはり、片手を喪っているはかなりキツイです。私が澪さんの対処におわれていると、背後から苦痛に満ちた声が聞こえました。

 

「・・・・・く、は・・・・・!」

「時崎さん!!―――がっ!?」

 

 後ろを振り返るとそこには、地面から伸びた光の帯身体中を貫かれている時崎さんの姿がありました。そして、時崎さんに気を取られた瞬間、私の体を光の帯を貫きました。

 

「くっ・・・・・こんな、・・・・・もの!」

 

 鎌を薙ぎ払い光の帯を切断していきますが、それを上回る量の光の帯が私を襲い、貫きました。痛みで気が遠くなりそうでした。しかし―――

 

 ―――待ちに待っていた、その時が来ました。士道がその天使の名前を呼んだのです。

 

「―――〈刻々帝(ザフキエル)〉―――【六の弾(ヴアヴ)】!」

 

 瞬間、士道の影が蠢き、手の中へ集まり短銃を形作りました。それと同時に士道の左目が金の時計の文字盤へと姿を変えました。

 それを見た澪さんは慌てて根を伸ばします。しかし、根は士道に届くことなく、その場で静止する事になりました。原因は士道の赤く染まった右目にありました。

 

「―――〈霊魂看守(サリエル)〉―――【邪眼(イビィルアイ)】(麻痺(スタン))」

 

 私の使えなくなっていた能力、【邪眼(イビィルアイ)】。恐らくはあの無人島の時に時崎さんと同じように1部封印されてしまっていたのでしょう。

 

「未来は託しましたよ。士道」

 

 そして、〈刻々帝(ザフキエル)〉の引き金が引かれ、パッァンと甲高い銃声聞いたのと同時に私の意識は途絶えました。

 

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