識別名:リーパー【完結】   作:兎秤

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 お待たせしました!!

 なんか、スマホが変わったせいで書きずらいし、しばらく書いてなかったせいで書き方忘れるしで色々難産でした。

 次回最終回!!




少年は少女の想いを聞き届けた

【士道視点】

 

 ―――落ちる。

 

 

 ――――落ちる。

 

 

 

 

 ――――――落ちる。

 

 

 大技を放ち、アイザックを打倒した千夜は力なく落下した。全ての霊力を使い果たしたからか、意識を失ったからか、はたまた別の要因か。理由は分からないが、このままでは彼女が地面に叩き付けられる事だけは確実だった。

 気が付いた時には、俺の足は動いていた。千夜を受け止める為に霊力で身体を強化し、落下地点へと滑り込む。そして、すんでのところで、俺は彼女を受け止める事ができた。

 

「千夜!大丈夫か!?」

「・・・士道?」

「よかった。無事―――」

 

 そこから先の言葉を、俺は続けることが出来なかった。無かったのだ、千夜の左腕が。いや、実際にはそれらしき物はあった。しかし、それは機械でできた左腕だったのだ。

 

「うん?・・・ばれてしまいましたね」

「千夜?それって・・・」

「義手ですよ?最後の最後で油断してしまいましたね。士道にはバレたくなかったんですが」

 

 あっけらかんと千夜はそう言ったが、俺は唯々理解が出来なかった。いや、したくなかった。彼女が、腕を失っていたという現実を。

 

「でも、顕現装置(リアライザ)を使えば何とかなるんじゃないか!?」

 

 藁にでも縋るように、千夜に問いかけるが彼女は首を小さく横に振った。

 

「無理なんですよ。いくら顕現装置(リアライザ)での回復機能が優れていても―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――死者(・・)には効果がありませんから」

 

 

「・・・は?な、何言ってんだよ、千夜!君はこうして今生きているじゃないか!?」

「これでもですか?」

「なっ!?」

 

 動揺して声を荒げる俺の手を、千夜は強引に引っ張り自分の胸に押し当てた。左手に伝わる柔らかな感触に驚きつつも、ふと嫌な違和感に気が付いた。

 

「心臓が・・・止まってる?」

「だから言ってるじゃないですか。私は、魂月千夜は4月10日に死んでるんですよ」

 

 信じられない。

 

 信じたくない。

 

 そう思っている間に千夜は自分についての話を続けた。

 

「私が死んだ時に、士道がくれたロケットの宝石によって精霊になりました。〈霊魂看守(サリエル)〉の力によって一度離れた魂は、肉体へと戻りましたが、肉体は死んでいる為か回復出来ずにどんどんと劣化していきました。私は、無意識に肉体を霊力体へと置き換え続け、今まで過ごしてきたんです。ですが、それも限界みたいなんですよね。死者の魂に、腐敗していく肉体と霊力の肉体。さらには、〈霊魂看守(サリエル)〉なんていう本来存在しない無理やり作られた、精製もされていない上に不安定な霊結晶(セフィラ)の天使。逆によくここまで持ったものですよ」

「なに終わったみたいな感じ出しているんだよ!待ってろ、今にでもフラクシナスで解析をしてもらって―――」

 

 そこまで言って千夜の異変に気が付いた。彼女の体が少しづつ輝きだしたのだ。

 

「だから言ったじゃないですか、限界だって。それに、とっくにフラクシナスでも解析済みですよ」

「そんな・・・嘘だろ・・・?」

「そんな顔をしないでください。それよりもハルちゃんの事も気にかけてあげてくださいね?」

 

 遺言のようにそういうと、千夜の体から発せられる光が更に強くなった。

 

 

 ―――千夜!

 

 彼女の名前を叫ぼうとした瞬間、俺は彼女に強引に引き寄せられキス(・・)をされた。そして、千夜の唇の感触と共に体に彼女の霊力が流れ込んでくるのを感じだ。

 

「士道、今までありがとう・・・――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――大好き!」

 

 唇が離れるとともに、満面の笑みを浮かべてそう残し、光の粒子となって俺の手から零れ落ちた。

 

「ち・・・や?千夜?・・・あぁ、あああああああああああああああああああああ!!」

 

 俺は、その場に残された彼女のヘアピンとネックレスを握りしめ、項垂れるなだれる事しかできなかった。

 

 

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