〜6月27日〜
球技祭。
今日はみんなを写真に収めるために頑張ります。助手には士道がついてきます。殿町君もいましたが、連れてかれました。
昨日、色々あったせいで気まづいです。抱きついて、その後ミミズのせいで気絶してしまうなんて・・・・・帰りは士道がおぶってくれたようです。
恥ずかしいような、申し訳ないような、そんな気持ちが私の心の中を渦巻いています。
「千夜、どこから回るんだ?」
「まずは、サッカーからですね」
士道も士道ですね。乙女の胸に顔をうずめた癖に反応がなすぎます。まぁ、悪いのは100%私なのですが、それにしてももう少し反応があっていいと思います。
私、何でこんなに怒っているのでしょう?いけませんね、迷惑かけたのはこちらなのですから。今日、何かお詫びでもしましょう。
「士道、今日の放課後は何か予定ありますか?」
「放課後?別にないが」
「付き合ってください」
「へ?」
「何か変なこと言いましたか?」
「いや別に分かった。放課後だな」
無事に球技祭を終えて、士道と学校を出ます。
「っと、その前に、昨日は迷惑をかけてしまい申し訳ないです。今日は何かお詫びをしたいと思いましてこうして付き合ってもらいました」
「別にそれぐらい気にしなくてもいいぞ」
「まぁ、何か奢られてください。せっかくここまで来たんですから」
「そうだな・・・・・アレなんてどうだ?」
士道が指をさしたのは映画のポスターでした。
「映画ですか?いいですね。天宮シネマに行きましょう。何を見るか決めてますか?」
「SF系のファンタジーに恋愛系にホラー系か・・・・・千夜は何が見たい?」
「士道へのお詫びを兼ねているので士道が決めてくれていいですよ?」
「それでも、千夜も見るわけだろ?つまらないのを見るよりは2人で楽しみたいし」
「っ!・・・・・わかりました。そうですねホラー系は遠慮したいです」
「あれ?怖いのダメだったけ?」
「いえ、ホラー系ってたまに虫が物凄い量で出るじゃないですか・・・・・」
「なるほどな。なら、SFファンタジーと恋愛になる訳だが・・・・・よし、恋愛にしよう」
「わかりました。それでは、チケット買いますね」
受付に移動しチケットを購入しようとします。
「いらっしゃいませ。本日カップルデーでカップルなら2割引になります」
「・・・・・カップルです」
「千夜!?」
素早く横に立っていた士道の手を繋ぎ受付の人に見せます。
「初々しいですね。はい、こちらチケットになります。お楽しみください・・・・・ちっ」
今舌打ちされましたよね?独り身なのでしょうか?
受付から移動しポップコーンやドリンクを買っている時に士道が耳打ちしてきました。
「千夜、いいのか?俺たちカップルじゃないのに」
「士道は私じゃ嫌ですか?」
「いや、そういう訳じゃないんだが・・・・・」
「からかっただけですよ、冗談です。早く行きましょう」
「うっ・・・・・」
私は士道の手を引き映画館の中へ歩を進めました。
映画館を見たあと少し微妙な雰囲気になったのはまた別の話。