〜6月26日〜
殿町君の提案で肝試しをやる事になりました。私が準備している間、士道は凜祢と十香ちゃんと何処かに行ったみたいでしたが・・・・・両手に花とはけしからないですね。
あっ、音が聞こえますね。そろそろ出番のようです。この即興で作った天狗牛の衣装で驚かせてしまいましょう。
ん?なんて言って出ていきましょう?化け物らしく「ギャオー」?それとも牛っぽく「モォー」?
・・・・・よし決めました
「モォォォオオオオ!!」
「きゃ!?」
「うぉ!?」
あれ?凜祢と士道だけですか。まぁ、いいです存分に怖がって貰いーーーーーっあ!
暗いため裾を踏んでしまい転倒します。
「痛たたた・・・・・」
「なっ、千夜!?」
「なんだ千夜ちゃんか・・・・・驚かせないでよ」
完全に失敗してしまいました。起き上がろうと手をつくとグチャと音がなります。
・・・・・ぐちゃ?
手を見るとミミズが潰れていました。こんなこと前にもあったような・・・・・そう考えつつ私の意識は飛んでいきました。
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〜6月27日〜
昨日は酷い目に会いました。球技祭も優勝出来ませんでしたし気分がだいぶ下がり気味です。
なので、気分転換に私は映画館に来ています。映画館に来ようと考えたのは昨日、士道と凜祢、十香ちゃんが行ったと聞いたからです。まぁ、映画自体は見ていないそうですが。
さて、何を見ましょうか・・・・・あれ?今日はカップルデーなんですか。
取り敢えず、何故か見た気がする恋愛系を除外してSFファンタジー系でも見ましょうか。
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〜6月28日〜
結界が今日は夕方ぐらいから随分不安定でした・・・・・なんででしょう?
それにしても、最近覚えのないことを覚えていたり、覚えていることを覚えていなかったりと随分と変な感じになっています。1度整理した方がいいですね。
「〈
魂に記録されている情報を洗いますか。何故か5年前の両親が亡くなったぐらいより前はロックがかかって見れないんですけどね。
「ーーーーーっ!!」
急に大量の情報が流れ込んできました。
何コレ?これは未来なのでしょうか?
様々な6月26日からの記憶。その中にはこの結界の原因らしき精霊の姿もありました。
これは、未来なんかじゃない。全て私が実際に体験した現実なのです。
「うっ・・・・・」
中には士道が死んだ物があり気分が悪くなります。しかし、これで分かりました。この結界の効果は世界を繰り返す。トリガーは士道の死です。
明日こそは本人にどう言うつもりか探して聞き出しましょう。ーーーーー士道の為にも。
私はそう強く決意しました。
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〜6月29日〜
私は学校も休み1日中霊力を探っていました。反応があったのは学校が終わり数時間たった頃でした。
場所は見晴台。そこに居たのは士道と
「凜祢・・・・・」
ーーーーー園神凜祢でした。
夕食後、士道の部屋から少し暗い顔で出てきた凜祢に声をかけます。
「凜祢、少しいいでしょうか?」
「千夜ちゃん?どうしたの?」
凜祢は暗い表情を直ぐに表情をいつもの笑顔に戻し答えます。
「士道のことについて聞きたいことがあります。ちょっと散歩に付き合ってくれますか?」
「う、うん。分かったよ。ちょっと、待ってて今準備するから」
さて、鬼が出るか蛇が出るか・・・・・ここが正面場です。
私は近くの公園まで足を運び自販機で飲み物を買います。
「凜祢はカフェオレでいいですか?」
「え!?別にいいよ」
「気にしないでください、もう買っちゃたから飲んでくれないと困ります」
缶を投げて凜祢に渡します。私はブランコに座りプルタブを開けて中身を口に流し込みます。凜祢もゆっくりと横のブランコに座ります。
「それで、話って何かな?」
「凜祢、単刀直入に聞きますーーーーー」
飲み干した缶を立ち上がり籠に放り込んでから〈
大鎌を凜祢に向けて問います。
「ーーーーー凜祢、貴方の目的はなんですか?」
「な、何を言っているの千夜ちゃん?それにその恰好はなんなーーーーー「とぼけないで下さい!!」・・・・・」
自分でもびっくりするぐらいの大きな声が出ます。
「もう一度聞きます。貴方はこんな結界を作って何がしたいんですか!!」
凜祢は目を瞑り、ゆっくりと言葉を放ちます。
「私はね、ただ士道に幸せになって欲しいの。その為になら何でもするし何にでもなれるの・・・・・千夜ちゃんなら分かってくれるよね?」
「これは、士道の為だと言うのですか」
「うん・・・・・」
凜祢は私に同意を求めて来ます。理解している自分と納得していない自分がせめぎ合い、私の中で葛藤が起こります。
「・・・・・士道はこれを良しとはしないでしょう」
結局、私は自分の意見を捨て、士道という存在を言い訳にしました。
「それは、士道が否定しなければ千夜ちゃんも否定しないという事だよね?なら、私はまだ否定されていないし、これからもされない。千夜ちゃんには何も問題ないよね?」
確かにその通りです。言い返す言葉が見つかりません。
「・・・・・わかりました。でも、士道が凜祢、貴女のやり方を否定した時は全力で貴女を倒します」
私はそう言い捨てて、その場を去りました。
凜祢ユートピア編次回ラストです。