あっ、いつもより長めです。
ゲームの世界に入るといつもの天宮市と全く同じ街並みが目に入ります。さらに、視線の奥には士道と見慣れない少女が立っていました。
「いたわ!士道、そいつから離れなさい!」
「琴里!?離れろって・・・・・ちょっと待ってくれ!いきなりで、わけが分からないぞ」
琴里ちゃんに続いて私達は士道のもとへ向います。
「その子は危険だわ。このゲームには異常が起きている。その原因はその子よ。で、私達は、そいつに呼び出されて来たわけ」
「シドー!ゲェムから助けに来たぞ!」
「ゲームの外からですね。それで士道、怪我?いや、なんともないですか?」
「あらあら、開始早々物騒ですわねぇ」
「士道に危害を与えるならただではおかない」
「十香に千夜・・・・・それに折紙に狂三まで!?助けに来たって、どういうことだ?俺は別に、危ない目にはあってなんか・・・・・」
あれ?士道、ゲームから出られなくなったことに気がついていないのでしょうか?でも、外と通信が出来なくなってからだいぶ時間が過ぎているはずですし・・・・・もしかして、外と中で時間の流れが違うのでしょうか?
「し、士道さんは、ゲームの中から出られなくなっているんです。そ、その人の・・・・・せいで」
「或守のせいで?あっ、そういえばさっきから琴里や令音さんと通信が切れちまっているみたいだけど・・・・・」
「ダーリンらしいですぅ。でも、その子は可愛らしくても敵ですよぉ。離れた方がいいと思いますぅ」
「士道、こっちに来て。私の後ろに下がるのが賢明な判断」
「何を言っているのだ鳶一折紙!シドーは私が守る!私の後ろに来るのだ!」
「2人とも喧嘩は後にしてください。あの子がどう動くか分かりませんし・・・・・」
「彼女が人工精霊ですか。なかなか可愛らしいではありませんの」
「人工、精霊・・・・・?」
「人工、精霊?それは、なんのことですか?」
あれ?人工精霊では無いのでしょうか?なら、普通のウィルス?それとも人工知能でしょうか?でも、プログラムに霊力を宿しているのでやっぱり精霊・・・・・あ〜!!わけがわからなくなってきました!!
「くくく・・・・・とぼけても無駄だ、偽りの精霊よ!士道を人質に、我らを呼び出しておきなが・・・・・今さら言い逃れなどできん相談だな!」
「人質・・・・・代価を目的として、拘束すること・・・・・ですね。わたしはそれを否定します。わたしは一切、五河士道を拘束していません」
「反論。この仮想世界を支配しているあなたにとって、士道は人質以外のなにものでもありません」
「わたしは現状、五河士道に対して一切の権限を使用していません」
「どういうことなの?あなたが、私たちを士道を愛・・・・・ええっと、とにかく呼び出したんじゃないの?」
今、琴里ちゃん、愛するためって場所恥ずかしいのか誤魔化しましたね。素直になればいいのに。でも、そこが琴里ちゃんらしいです。
「そういえば、さっき検索するとか言っていたよな、或守」
「はい。わたしは愛を知るため、五河士道と愛を育むための人材を検索、呼びかけました」
「やっぱり、皆はさっきまでのNPCじゃなくて本当に来てる・・・・・んだよな」
あれ?士道私たちのことをNPCと勘違いしていたんですか?さっきまでの、という事はNPCと対話をしたということ・・・・・本物と区別がつかないなんてかなり正確に再現されているんですかね?
「そうよ、ここにいる全員ね。メンバーも、わざわざそっちから指定があったわ」
「はい。この世界で五河士道と愛を育む、その可能性かわあると設定されていた方々です」
「つまり、攻略ヒロインとして設定されていた面々というわけですね?」
あれ?自分で言っていて何故か違和感が・・・・・
「その通りです。だから、呼びかけたのです。五河士道が愛し、五河士道を愛すことができる人間を」
違和感の理由がわかりました。これ、私も攻略ヒロインの中に入っているという事じゃないですか!?精霊組と士道Loveの折紙さんはいいとして、私がなんで入っているんですか!?どうせ作ったのは令音さんでしょうけど!!最高難易度キャラとして作ったんでしょうけど!!
「言っておくけど、私はそういうのじゃないわ。あなたが目覚めないと、こっちの業務に差し支えるしね」
「・・・・・?では、五河琴里は五河士道を愛してはいないのですか?」
「そっ、それは!い、妹として・・・・・家族、として・・・・・愛・・・・・その、えっと・・・・・」
「では、五河琴里に問います。愛とは、どのようなものなのでしょうか?」
反論に困っている琴里ちゃんに或守ちゃん?が質問します。
愛とは何かですか・・・・・
「或守はさ、その答えが欲しいみたいなんだ。どうしても、愛について知りたい・・・・・ってことらしい俺も考えてみたんだけど難しいよな。なんとなく、分かっているつもりだったけど、いざ言葉にしようと思うと・・・・・困ってさ」
「そうね・・・・・ 」
琴里ちゃんは言いたいけど言えないって感じの顔をします。まぁ、難しいですよね。愛にも種類がありますし。寵愛、親愛、友愛、敬愛・・・・・それぞれで少しづつ意味も変わりますし、愛自体が感情なので、どうしてもふわっとした物になってしまいます。
「他の方々は、どうでしょうか?あなた達にとっての愛とは・・・・・なんですか?五河士道を愛している皆さんは愛が分かりますか?愛とは、どういうものなのでしょうか?」
「む、愛というのはよく分からんが、シドーと一緒にいると楽しいのだ!それに、美味しいものをいつも食べさせてくれるしな!」
「十香・・・・・俺の価値は飯だけなのか・・・・・」
士道、ドンマイです。この答えは、十香ちゃんらしいと言えば十香ちゃんらしいですけど、もう少し言い方があったと思いますね・・・・・うん、十香ちゃんには無理ですね。
「つまり、美味しいものが愛の基準なのですか?それなら、夜刀神十香は例えばきな粉パンを五河士道と同じように愛をしているのですか?」
「うぬ・・・・・それは、また違うような・・・・・」
一瞬で論破されてしまいます。でも、十香ちゃんはきな粉パンを愛しているのは間違いなさそうですが・・・・・
「えっと・・・・・た、たとえばその人のことを考えると、ドキドキしたり、心が・・・・・暖かくなったり・・・・・」
「あはー!四糸乃はいつも、ベットの中で顔真っ赤にして士道君のこと考えているもんねー!」
「・・・・・っ!」
「心に温度変化が・・・・・?それは穏やかな気持ちや、多幸感のちゃった表現ですね。けれど、それは愛以外でも得られるのではないのでしょうか」
「うぅ・・・・・それは、そうかもしれませんが、他のこととは違って・・・・・る、ような・・・・・」
「相手を、自分のものにしたいという気持ちではありませんの?体も心も溶け合って、1つになって・・・・・互いが互いを求めずにはいられなくなる・・・・・」
ちょっと、時崎さん?この小説はR-18ではないですよ!概要欄をしっかり見てください!!
「ちょっと、健全な高校生には早いんじゃないですかね!」
「まぁ、一理あるかもしれないわね」
「うちの妹はなんで共感しちゃたんだよ・・・・・」
本当にですよ・・・・・
「お前の答えはなんなんだ?」
「そっ、それは・・・・・首輪を付けさせて、踏みつけた時に喜ぶ・・・・・?」
「なんでそんな妹に育っちゃったんだ・・・・・」
誰のせいですか!神無月さんのせいですね、分かっています。
「では、八舞耶倶矢、八舞夕弦。あなた達はどうですか?」
「くく・・・・・っ、愛か。愛とは運命の邂逅。別離を許されぬ魂の半身よ」
「指摘。それは夕弦の事ではありませんか。今聞かれているのは士道のことです」
「ぬ・・・・・士道への愛・・・・・我が、求め・・・・・えっと所有・・・・・物?」
「あら?わたくしと同じですわね。耶倶矢さんも士道さんと1つになりたいんですの?」
「し、し、し、士道と1つ・・・・・そそそ、それはその・・・・・夕弦はどう?」
「回答。自分より相手を優先することです」
耶倶矢ちゃんと夕弦ちゃんは意見的には反対な感じになりましたね。
「ダーリンはどんな事があってもファンでいてくれるって、そう言ってくれましたぁ。それはずっと私のことを思ってくれているってことですよねー」
「ファン。支持者ということでしょうか。支持や、忠誠心を持たれているということですか?それは、愛なのでしょうか?」
「言われて見るとなんか違う気がします・・・・・」
自分をずっと好きでいてくれる、見ていてくれているという事でもありますけど、ファンという意味から掘り下げてしまうとかなり意味が変わってしまいますね・・・・・
「相手の要望を全て受け入れるのが愛」
折紙さんの答えはすごく偏ってますね。折紙さんらしいと言えば折紙さんらしいですが。時崎さんさえちょっと引いてるのが凄いと思います。時崎さんも大概ですけど。
「魂月千夜。あなたはどう考えますか?愛とは一体なんですか?」
「そうですね・・・・・」
恋は下心、愛は真心と言いますから、愛は真心?いや、少し違いますね・・・・・いや、あってますか?
愛、愛ですか・・・・・
「その相手についてとことん求める事・・・・・ですかね?」
「あら、千夜さんも、わたくしや耶倶矢さんと一緒ですの?」
「私を混ぜるなし!」
「いえ、そうではなくて・・・・・相手に何かをして欲しいという事でもありますけど、それと同時に相手がして欲しい事をしてあげたいという気持ちでもあると言いますか・・・・・」
なんでしょう・・・・・愛ってこんなに言葉にするのが難しいんですね。やっぱり愛は感情なので実際に体験できれば早いのですが・・・・・
「千夜姉、忘れているかもしれないけどこれ士道に対しての愛の事よ」
「あっ、そうでした。なら、一般的な愛の感情ということでお願いします」
「おい!」
まぁ、愛の種類によってしてあげたいの限度が変わるだけですし、あながち私が士道に抱いている愛、友愛や親愛という面で見ても間違っていない気もしますが。
「うーん・・・・・一致するものなのかもどうかもよく分からないけどなぁ。或守、どうだ?」
「今までの情報から、愛を理解するのは難しいと思われます」
逆に出来たら凄いですけどね。
「やはり、実際に愛の形成・育成をシュミレートする。その方法で、愛を確認するしかないようです。みなさんに来てもらったのはその可能性を考慮したためです。この世界には愛を育成するイベントが数多く配置されています。シミュレートするにはそれらを使うのが最適だと思います」
「まぁ、元々そういう世界だからね。・・・・・それに付き合わないと、士道と私達もこの世界から返すつもりはないってこと?」
「・・・・・?どういう意味でしょうか?」
「だから、あなたが愛について理解するまで、ここから出られないのかってことよ」
「・・・・・?質問が理解出来ません」
「いや、ちょっと待て、琴里。或守・・・・・もしかしてお前は、別に俺たちを閉じ込めたつもりはないんじゃないのか?」
「私の目的はただ1つだけーーーーー愛を知りたいのです」
「・・・・・でも、あなたの存在はイレギュラーよ。本来、いるはずのないキャラクターなの。この状況があなたのせいじゃないなら、なんだっていうの?」
「わたしには分かりません。私も全てのシステムを管理できているわけではありません」
「なぁ、琴里。本当に知らないみたいだぞ。そんなに怒っても仕方がないだろ」
士道はまたそうやって無条件に人を信用して・・・・・まぁ、それが士道のいい所でもありますけど・・・・・悪いとこでもありますね。
「仕方がないわね。どのみち、希望はこの子しかない」
「そうですわねぇ・・・・・或守さんといいましたか?わたくしたちはどうすればいいのでしょう?」
「この世界で五河士道と愛の形成・育成すること。私が望むのは、それだけです」
「要するに、いつもと変わらないってことですよねー?ダーリンと甘々な時間を過ごせるならオールオッケーですよー」
「仮想世界の時間が加速されていてよかったわ。何日か閉じ込められても、外では数時間の経過でしかないはずだし」
「それでは、皆さんよろしくお願いします」
こうして、私達の愛の形成・育成シュミレートが始まりました。
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