感想で送ってくださった方すみません。スペースオペラは作者の知識不足で書けませんでした。m(_ _)m
【士道視点】
「おはようございます」
俺は最初、目を疑った。よく、朝飯を貰いに来る隣人の幼馴染、魂月千夜。今日もいつも通りに我が家にやってきた訳だが、いつもと違うところがあった。
「士道、どうかしましたか?」
彼女の頭には大きな渦巻く角が対に生えており、腰からは悪魔のような黒い尻尾がまるで彼女の動きに同調するように動いていた。
「千夜!?それは、一体どうしたんだ!!?」
「日朝(日曜の朝)から大声出さないでください。ただでさえ、今日は起きてから頭が重いというのに・・・・・」
本人はまるで気づいておらず普通に過ごしていた。
「いや、お前1回鏡みてこいって!」
「うるさいですね・・・・・わかりました。行けばいいんですね?ーーーーーなんじゃこりゃー!!!?」
叫び声が家全体に響き渡り、その声を聞いて琴里と十香が慌ててやってきた。
「士道!どうかしたのか!?」
「一体何があったの!?」
「いや、実は・・・・・」
そう言って、事態を説明しようと思ったところで少し考える。これは、あまり大騒ぎにしない方がいいのではないかと。
「いや、なんでもーーーーー「なんか生えてる!?角!あと尻尾!?生えてる、生え揃ってる!意思で動く!」」
「む?向こうで千夜がなにか叫んでいるぞ?大丈夫なのか?」
「俺が見てくるから、お前らは朝飯食べていてくれ」
十香達を置いて、洗面所に行くと千夜が鏡の前で固まっていた。そりゃあ、急に自分に角や尻尾が生えたら驚くよな。
「し、士道!これ、どうしましょう!?」
そりゃあ、不安になるよな。まずは、なんとか落ち着かせないと。
「ちょっと、カッコイイです!」
「・・・・・は?」
「いえ、間違えました。このままだとハロウィンなんてまだ先なのに既にコスプレしている痛い人になってしまいます」
「そうだな。それにしても、これ本当に本物か?」
「ひゃん!?」
興奮している千夜に合わせて激しく動いていた尻尾を掴むと、千夜がビクンッ!っと反応をした。
「わ、悪い!痛かったか?」
「い、いえ、ちょっとくすぐたかっただけです」
さて、そろそろ本題の問題解決に入っていこうか。
「千夜、どうしてそんな姿になったか心当たりはあるか?」
「ありませね。むしろ、私が聞きたいぐらいです」
「本当か?いかにも禁書って感じの本を読んだり、落ちていたアタッシュケースに入っていた怪しい薬品を飲んだりしてないよな?」
「してませんよ!私をなんだと思っているんですか!?」
本人に記憶がないとしたら理由を見つけるのは中々難しいぞ。
「あっ、そういうば夢で何か見た気がします!」
「夢?それが何か関係あるのか?」
「あった気がします・・・・・この辺、この辺まで出かかっているんですが・・・・・」
そう言って、千夜は自分のへそ辺りを指した。
「いや、殆ど覚えてないじゃねぇか!」
「違います。消化が終わりそうなんです」
「そっち!?」
「あっ、思い・・・・・出しました!夢でお前は魔族の家計の子孫だ。先祖返りを起こしたとか言っていました」
成程、先祖返りか・・・・・ん?魔族?
「魔族っているのか?」
「さぁ?でも、精霊なんて存在もいますしね」
「確かにな。精霊がいるんだし魔族も居そうだな。他には何か言ってなかったか?」
「えっと、相手の夢の中に入れるとか、魔法少女の生き血を邪神像に備えろとかですかね?」
「なんか、急に殺伐とした内容になったな!?ってか、魔法少女もいるんだな・・・・・」
もう、なんでもありだな・・・・・
「魔法少女の血には魔力が含まれているらしいです。それを、邪神像に捧げると魔族にかけられた呪いが解けるそうです」
「成程な。ところで、千夜。何か呪われている気は?」
「ないですね。めちゃくちゃ順風満帆です。それに、御先像なんて家にはないですし」
そんな、話をしていると千夜がジリジリと寄ってきた。その目はまるで獲物を狙う肉食獣だ。
「千夜さん?」
「いや、魔力も霊力も一緒かなと思いまして。それなら、魔法少女じゃなくても士道の生き血でいい気がして」
「待て!考え直せ!」
「士道、お覚悟を!」
そう言って、千夜は俺に襲いかかってきたのだった。俺はその場から一目散に逃げ出した。