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(士道視点)
四糸乃の霊力を封印した次の日、四糸乃が行きたい場所があると話してきた。聞くとそれは2軒隣の千夜の家だった。
「わたし·····合鍵····を···貰った····のですけど····無くして····しまって·····それを···千夜お姉ちゃん····に謝り····たいんです」
「もぉ〜四糸乃たら心配性だなぁ〜大丈夫だよぉ、千夜ちゃんは別に気にしたりしないさぁ!」
よしのんが四糸乃を励ます。つまりは心配だからついてきて欲しいってことか。
「よし、わかった。一緒についていってやるよ」
「あり···がとう····ござい·····ます」
「ありがとうねぇ〜士道君」
曇っていた四糸乃の顔が少し明るくなり2人がお礼を言う。
「さて、早速行くか」
「·····はい!」
「レッツゴ〜」
「士道ちょっと、待ちなさい」
「ん?何だ琴里。四糸乃達は先に準備しておいてくれ」
琴里に引き留められた為取り敢えず四糸乃達だけ先に行ってもらう。
「で、どうしたんだ?」
「一応、これを付けときなさい」
見せられたのは普段、フラクシナスからの連絡を受け取るためのインカムだ。
「何でだ?別にデートって訳でもないし」
「何か、きな臭いのよね·····本当は千夜姉のことを疑いたくは無いけど、心配だから念の為よ」
「わかった。じゃあ、行ってくる」
俺は玄関で待っている四糸乃達のもとへ向かった。
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ピンポーン
誰でしょうか?インターホンのカメラを見るとそこには士道が映っていました。
「士道?どうしたのですか?」
『千夜か?ちょっと、あって欲しい人がいるんだけど·····』
「会って欲しい人?」
『ほら、頑張れ』
『は··はい·····ち、千夜お姉ちゃん』
画面に四糸乃ちゃんが映った瞬間、玄関までとんでいき扉を開く。そのまま四糸乃ちゃんにとびつきます。
「おかえりなさいです、四糸乃ちゃん!」
「わぁ!?」
「よしのんもいるよぉ〜」
「よしのんもおかえりなさいです」
昨日も助けに行きましたが、ASTがしつこかった為しっかり姿は確認出来ていなかったので安心しました。士道が吹雪の中に突っ込んでいったので大丈夫とは思っていましたが。
そこで気が付いたことがありました。四糸乃の霊力が極端に減り士道と繋がっています。
「·····」
「あ··あの·····千夜お姉ちゃん?」
「千夜ちゃん、どうしたのぉ〜?」
「四糸乃ちゃん··········士道とキスしたの?」
「ーーーーー!」
さっきまで静かに見守っていた士道は吹き出し、四糸乃は顔を赤くしてアタフタしだしました。完全に黒ですね。
「五河士道さん?」
「は、はい!!」
「説明お願い出来ますか?」
「はい·····って、なんでキスしたの知っているんだよ!」
「えっ?·····あっ」
やってしまいました·····失言です。
「実は十香ちゃんとしてる所を見てしまいまして·····」
「なんでそんな所を·····なら、もう精霊のことは知っているんだな」
「四糸乃ちゃんから聞きました」
「·····え?·····あれ?」
四糸乃ちゃん!お願いしますから黙っておいて下さい。あ〜首をキョトンと傾げています。可愛いですね·····じゃなくて!伝わって下さい。
「あ〜!千夜ちゃんよしのんに任しておいてぇ〜四糸乃ちょっとおトイレ行こ〜」
「え?·····よし、のん?」
「いいから、いいからぁ〜」
よしのん!ありがとうございます!
2人が家の奥へ入って行き、私と士道だけになります。
「取り敢えず上がってください」
「お邪魔します·····」
さて、根掘り葉掘り聞かせてもらいます。
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(士道視点)
「さて、士道。最初の質問です」
「複数あるのかよ!?」
「十香ちゃんと四糸乃ちゃんは精霊ですね?」
これは答えていいのか·····千夜を巻き込んでしまうんじゃないか?
「琴里どうする?」
『どうするもこうするも無いでしょ?あの戦いを見られたってことはASTの事や士道の能力も見られているわけだし隠し通せるとは思わないけど?こちらで、どこまではいいかは指示するからそれに従いなさい』
「わかったーーーーーその質問だが、そうだ」
「随分長かったですね?しかも誰かと会話してたみたいな感じでしたし」
「き、気のせいじゃないか?」
「まぁ、いいです。次は空間震は精霊が起こすのですか?」
また、核心をつくようなことを聞いてくる。琴里の判定は·····
『まぁ、おおよそ千夜姉はそうだろうと思っているでしょうし下手に隠しても意味ないわ』
「そうだ。だけど精霊達は空間震を起こそうとして起こしてるわけじゃないんだ」
「分かってますよ?十香ちゃんや四糸乃ちゃんを見ていれば分かります。次の質問です十香ちゃんを襲っていた折紙さんが所属しているのはなんですか?」
「·····ASTだ」
「え!?·····あってた·····」
あれ?今少しだけ驚かなかったか?それに何が合ってたんだ?
「つ、次の質問です。士道はキスをすると精霊の力を小さくすることが出来るのですか?」
『一番大事なところを聞いてきたわね。まぁ、いいわ。ここまで来たら全部ゲロっちゃいなさい。巻き込まれそうになったら、千夜姉はラタトスクで保護するから』
「わかった。ーーーーーちょっと違うが、そうだ」
「つまり、士道は女たらしクソ野郎だと言うことですか?」
「ぐっ!·····ち、違うぞ!?」
精神的にものすごく抉られた気がする。これ以上は俺の身が持たない。
「次の質問は、士道の知っている精霊は2人だけですか?」
「いや、もう1人に知っている·····名前は知らないけど死神みたいな格好をした奴だ」
「士道が知らなくても士道の後ろについている人達は知っているのはいるんですか?」
「『なっ!?』」
バレてる?
「まあ、それは後でいいとして·····士道への最後の質問です。士道は精霊なのですか?」
「いや、違うけど·····」
質問の意図が読めない。何故そう思ったのかが分からない。いったい千夜は何を見ているんだ·····
「さて、士道?士道のバックに付いてくれている人達のところに案内してください。四糸乃ちゃんの姉として友達として保護者として会っておきたいのです」
千夜はニコリと俺を見つめてきた。