識別名:リーパー   作:兎秤

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 メリークリスマス!!・・・・・ん?

 メリークリスマス→merry クリスマス→marry クルシミマス→結婚する、苦しむ→苦しみとずっと一緒→永遠に苦しみます。

 ひぇっ・・・・・怖い・・・・・

 


少年は悪夢と協力することにした

〜side士道〜

 

 どうすればいいんだ・・・・・

 

 俺は〈スペクター〉との接触方法について悩んでいた。あの後、数回〈スペクター〉は現界しているが1度も接触に成功していない。十香や四糸乃の時は屋内へ逃げ込んだ時に話すことが出来た。狂三や琴里の時はあちらから接触をしてきたし、耶倶矢や夕弦、美九の時はASTがいなかった。だから、精霊達と接触し話すことが出来た。しかし、今回は違う。〈スペクター〉は屋内へ逃げ込む前に消失(ロスト)してしまうし、勿論向こうからは来てはくれない。ASTも絶対に出動して来る。本当は戦闘中の中に飛び込んででも彼女を助け出したいが、それは妹様が許してくれない・・・・・

 

「一体、どうしたらいいだよ・・・・・」

「あらあら、随分とお疲れのようですね。士道さん?」

「っつ!?狂三!?」

「そんな反応なさるなんて酷いですわ」

 

 狂三はわざとらしく戯けた後、少し真面目な顔をして聞いてきた。

 

「それで、千夜さんは大丈夫ですの?」

「なんで、お前が知っているんだよ!?」

「あんなに激しくしていれば誰でもわかりますわ」

「激しく?何を言っているんだ?千夜は鞠亜の1件から目を覚ましてないぞ?」

「それは本当ですの?なら彼女は一体・・・・・」

「狂三、何か知っていることがあるなら教えてくれないか?」

「いえ、千夜さんが意識不明と言うなら私の見当違いのようですわ。しかし、あの精霊とのデートのお手伝いをして差し上げてもよろしいですわ。きっと千夜さんと無関係という訳では無いでしょうし、今月分をまだ千夜さんには頂いてないですからね」

「今月分?いや、あの精霊。〈スペクター〉の封印を手伝ってくれるのか?」

「えぇ、この状況にも興味がありますし、千夜さんには恩も多少ありますからね。次の〈スペクター〉が現界した時、ASTの足止めは任せてくださいまし。それでは、士道さん、ごきげんよう」

 

 狂三はそのまま影の中へ沈んで行った。

 

「っと、琴里に連絡を入れないとな」

 

 俺は直ぐに携帯を取り出し、琴里に電話をかける。2、3コールして琴里は電話に出た。

 

「琴里、ちょっといいか?」

『どうしたの、士道?まさか、〈スペクター〉を拾ったとか言うんじゃないでしょうね』

「流石に、それはねぇよ。で、本題だか・・・・・狂三の協力がえられることになった」

 

 ドッカラ、ガッシャン!!っと電話の向こうで凄い音がして、直ぐに琴里の大声が返ってきた。

 

『士道!アンタ馬鹿じゃないの!?狂三に狙われている自覚はあるの?』

「それは・・・・・スマン。だけど、せっかくの突破口だから俺はこの機会を活かしたい」

『はぁ・・・・・まぁ、いいわ。どうせ言っても聞かないんだろうし』

「よく分かってるじゃないか」

『何年、士道の妹をやっていると思っているのよ。それで、狂三は?』

「あぁ、次の〈スペクター〉の現界時にASTの相手をしてくれるらしい。その間に俺は〈スペクター〉の所へ行く」

『あの狂三が、メリット無しでそんな簡単に手を貸してくれるとは思えないんだけど・・・・・』

「なんか、千夜に恩だとか今月分だとか言ってはいたけど」

『とりあえず、次の〈スペクター〉現界時に向けてしっかり休んでおきなさい。十香達の相手はこっちでやっておくから。正直に言うと十香達の相手に物凄く千夜姉が欲しいわ。さっさと目覚めてないかしら』

「そうだな」

 

 なんだかんだで千夜の存在が大きかったことを感じさせられる。

 人って失ってから大切な物の重要さに気がつくって言うけど本当だな。精霊のみんなに意識を向けすぎて千夜の事を全然意識できてなかった。

 

『とりあえず次、頼んだわよ。士道』

「おう!」

 

 待っていてくれ〈スペクター〉。俺がお前を絶対に救ってみせる。

 

 

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〜臨界〜

 

 

 やっぱり、この場所はとても楽です。

 

 わたしをせめる人は誰もいない。

 わたしをねらう人は誰もいない。

 わたしをきずつける人は誰もいない。

 わたしをいじめる人は誰もいない。

 

 でも、同時にこの場所はとてもさびしい。

 

 わたしをなぐさめる人も誰もいない。

 わたしを元気づけてくれる人も誰もいない。

 わたしを勇気づけてくれる人も誰もいない。

 わたしを救ってくれる人も誰もいない。

 

 だから、わたしは探すため、見つけてもらうため外へ行く。さびしさをうめるために希望をもって外に向かう。

 

 何度も何度も。

 

 でも、その人は現れない。

 

 もう何度も、あきらめようとした。でも、頭の中にひびいてくる。

 

 

ーーーーーもう大丈夫だ。

 

ーーーーーお前を絶対に守ってやる!

 

ーーーーー俺が絶対に救ってみせる!

 

ーーーーー絶対にだ!

 

 

 その声が誰のものかは、わたしには分からない。でも、その声は、とてもあたたかくて、ここちがいい。

 

 だから、わたしはまた外へいく。

 

 こわいけども、きっと彼が見つけてくれるから。

 

 そう、しんじているから。

 

 だから、早くーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーわたしを助けて?


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