投!稿!
〜フラクシナス〜
「司令!空間震警報発令されました!精霊は〈スペクター〉です!」
「ASTの出撃確認!」
「〈ナイトメア〉時崎狂三がASTと接触!」
「概ね、計画どおりね。士道、準備はいいかしら?」
「・・・・・あぁ」
「さぁ、私達の
━━━━━━━━━━━━━━━
〜士道視点〜
フラクシナスの転送装置で〈スペクター〉の近くに降りる。〈スペクター〉を探すと割とすぐ側にいた。
「琴里、いたぞ」
『選択肢を表示します』
①こんな所で何しているんだ?
②こんにちは、俺とお話しないか?
③ねぇ、君のパンツは何色かな?
『総員選択!』
①40%
②50%
③10%
『結果は②ですね』
『少し馴れ馴れしいかもしれないけど、まぁいいわ。で、何故か③を入れているのもいるけど・・・・・士道、②よ』
琴里の指示を受け〈スペクター〉に近づいていく。向こうはこちらに気がついたみたいで、目が合った。その顔は見れば見るほど千夜にそっくりだ。
「こ、こんにちは、俺とお話しないか?」
「お話し・・・・・ですか?あなたは・・・・・わたしをいじめませんか?」
「いじめる?」
「はい。みんな、わたしをいじめるので・・・・・」
「俺はそんな事しないよ。君を救いたくてここまで来たんだから」
「わたしを・・・・・すくいに?」
「あぁ、だから俺とデートをしないか?」
「・・・・・デート?」
さて、どうなるか・・・・・
これに応じて貰えなければ話にすらならないのだけど。
「でも、ハルちゃんに知らない人について行っちゃダメだって・・・・・」
「ハルちゃん?」
「あっ!えっと・・・・・なんでもないです!お、お兄さんの名前は何ですか?」
「えっ?俺か?俺は五河士道だ」
「五河・・・・・士道・・・・・?」
『士道!〈スペクター〉の精神状態が不安定になってるわ!』
「なっ!?」
自己紹介をしただけだぞ!?名前に反応したってことか?それなら、俺は前にこの子に会ったことあるのか?
「・・・・・士道君?」
「あ、あぁ。そうだ、士道だ。えっと・・・・・」
「?」
「君の名前を聞いてもいいかな?」
「・・・・・その・・・・・わかりませんか?」
「いや、その・・・・・ごめん」
「そうですか・・・・・そうですよね・・・・・」
『〈スペクター〉の機嫌が低下しているわ!フォローを入れなさい!』
インカムから琴里の指示が飛んでくる。とりあえず、名前を聞かないことには始まらないし思い切って聞こう。
「本当にごめん、覚えがないんだ。よかったら、君の名前を教えてくれないか?」
「わたしも最初は気づきませんでしたのでお相子ですね。ーーーーーわたしは千夜。魂月千夜です」
彼女の言葉に俺は耳を疑った。俺だけじゃないフラクシナスにいる琴里やクルーの人達もだろう。〈スペクター〉は顔だけでなく名前まで千夜と同じであったからだ。
「魂月・・・・・千夜だって・・・・・?」
「はい、そうです。お久しぶりですね、士道君」
「いや、でも千夜は・・・・・」
「・・・・・士道君?どうかしましたか?」
「い、いや、なんでもないよ・・・・・」
千夜?魂月千夜だって?顔だけじゃなくて名前も同じ、どうなってんだ・・・・・まさか、千夜が〈リーパー〉で〈スペクター〉なのか?よくよく思い出すと喋り方は昔の千夜に似ているな・・・・・でも、千夜は今でもフラクシナスの医務室で寝ているはずだし。本当にこの子は何者なんだ・・・・・?
「そ、それでデートの事ですが・・・・・ハルちゃんじゃなくていいのですか?」
「ハルちゃん?」
さっきも出ていたが一体誰なんだ?聞き覚えがある気がするが・・・・・思い出せないな。
『鞠亜、選択よ!』
『選択肢、表示します』
①ハルちゃんって誰だ?
②ハルちゃんよりも千夜とデートしたいんだ。
③春はもう過ぎてるよ。もう秋だよ。
①50%
②50%
③0%
『①か②ですね』
『〈スペクター〉は、まだ未知なところが多いです。相手を知っていくためにも、やはり①でしょ』
『いや、だからこそ②で無難に行くべきです』
『今は相手の事を知りたいわね。千夜姉とどれぐらい同じなも知りたいし。士道、①よ』
「分かった」
俺自身も気になる、ハルちゃんとは誰なのか、それが目を覚まさない千夜に関係する人物なのかが。
「千夜、その・・・・・ハルちゃんって誰だ?」
「・・・・・えっ?」
千夜の顔から表情が消えた。
『機嫌が急激に低下!危険です!』
『士道!逃げなさい!』
インカムから危険を知らせる声が聞こえる。逃げなきゃ。でも・・・・・本当に逃げていいのか?
「士道がハルちゃんを忘れた?ダメです・・・・・士道が忘れたら、ハルちゃんは・・・・・わたしは・・・・・」
千夜の目からはハイライトが消え、ブツブツと何かを呟いている。ダメだ、このまま放置することは出来ない。
「千夜!」
『何やってるの、士道!!ダメ!逃げなさい!!』
琴里の叫び声が聞こえたのと同時に千夜はボソリと呟いた。
「・・・・・〈
千夜は白い骨出てきた様な剣を召喚し、地面に突き刺した。地面が次々と盛り上がり、ゲームに出てきそうなゾンビが這い出てくる。大きさはまちまちで大人から小学生ぐらいの子もいる。
「「「「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」」」」
ゾンビたちはまるで苦しむような声を上げながらゆっくりと近づいてくる。顔は原型を留めておらず性別も年齢も分からない。ただ、どのゾンビも苦しそうな悲しそうな顔をしているのだ。
「くっ!〈
ゆっくりと近づいてくるゾンビをなぎ払う。ゆっくりな為当てるのは造作もない。しかし、ゾンビを倒した瞬間、頭の中に情報が流れてくる。それはーーーーー
ーーーーーあちらこちらから聞こえる悲鳴。
ーーーーー燃え盛る炎とボロボロな街並み。
ーーーーー大切な人の死。
そしてーーーーー
ーーーーー自分の死。
「ぁあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」
『士道!?どうしたの!しっかりしなさい!!』
なんだコレは・・・・・まるで、あの時の・・・・・5年前の火災の時の・・・・・
『士道を回収しなさい!早く!』
その後、俺はフラクシナスに回収され、千夜は
〈